記事更新日:2025年01月09日 | 初回公開日:2025年01月09日
用語集 採用・求人のトレンド グローバル用語解説 人事・労務お役立ち情報留職とは、社員が新興国に派遣されて働くことを意味します。これまでの知識や経験を活かして新興国の発展に貢献することが目的の1つです。受け入れ先となる組織は公的機関や現地のNPO団体が多いです。また、近年は新興国だけでなく社内のベンチャー企業へ留職し、自社のノウハウを用いてその成長を後押しするというケースも見られます。この活動を通じて企業は自社のイメージを向上させブランド力を強化し、グローバル企業としての実績と成果を得ることができます。
留職の目的として、新興国への企業進出が挙げられます。留職によって新興国の社会課題の解決とグローバル市場開拓を担うことが可能です。現地の第一線に社内の人材の活躍の場を設けることで、グローバル人材の育成や次世代リーダーの育成が可能になります。また、留職を利用によってリアルなグローバル感覚を身につけることができます。自身の活動が直接的にその国の人々を豊かにするという経験は、会社の中では得にくいでしょう。次世代を担うリーダーの素養として貴重な経験となるでしょう。
留職が注目される背景として、グローバル化が進んでいることが挙げられます。特に、海外進出先としてこれからの世界経済に大きなインパクトを与えるであろう新興国に近年注目が集まっています。具体的には、タイやインドネシアなどの東南アジア地域やアフリカ諸国が考えられます。留職は、当初はNPO法人によって「留職プログラム」として推進されていましたが、近年では大企業を中心にこうした活動が活発に行われています。特に、ベンチャー留職は新たなイノベーションを生む活動として、大手IT企業を中心にその輪が広がっています。
留職のメリットとして、グローバルな感覚が身につくことが挙げられます。留職では、現地の社会に直接入り込み取り巻く環境や社会課題に向き合いながら働くことになります。言葉や文化の壁がある環境で、いかに自発的に行動し経験を生かせるかが問われることになるため、自然とグローバル感覚を身につけることができます。日本とは文化や考え方が異なることも多く、柔軟な発想をもって業務にとりかかることが重要であり、多角的な視点を養うことができるでしょう。
留職のメリットとして、リーダーシップ能力が身につくことが挙げられます。リーダーシップ能力には色々な要素がありますが、その中でも留職を通じてコミュニケーション能力を向上させることが可能です。異国の地で、現地の人と日々コミュニケーションを取り合いながら業務を遂行する環境は、社員の自発性やコミュニケーション能力を養います。あえて厳しい環境で経験を積むことでグローバルな感覚を養う上に積極性が身にるくので、ビジネスパーソンとしての成長にもつながります。
留職のメリットとして、仕事にやりがいを感じることが挙げられます。新興国の社会課題に対して真剣に向き合い解決へ導くことは、社会の役に立っていると実感することができます。そのため、大きなやりがいにつながると言えます。 業種にもよりますがその規模はおそらく普段の業務以上に大きいものでしょう。また、会社業務よりもより社会的意義を直接的に感じられることも多いでしょう。自らの仕事が目の前の人々の幸せにつながることを実感できることは、留職に参加する最大のメリットと言えます。
留職のメリットとして、社内が活性化することが挙げられます。留職によって広い視野を持った人材が企業に戻ることで、職場で働く他の社員にとって大きな刺激となるでしょう。 リーダー力を身につけた留職参加者の言葉には強い説得力が生まれ、これまで以上に多くの課題に挑戦するモチベーションが生まれるでしょう。また、新たなプロジェクトを発足する際にもその成功率を高めるために、さまざまなアイディアが生まれやすいでしょう。
留職のデメリットとして、コストがかかることが挙げられます。留職を導入する過程において多くの決定事項とそれに伴いコストがかかります。どの国に行くのか、受け入れ先はどうするかなどのプログラム設計など多くの決定をする必要があります。また、適した人材を選定するのも決して簡単なことではありません。多くの社員と面談や面接をするなどといった手間がかかります。また、現地の課題を完全に解決できるかどうかは不確実です。そのため評価基準が定めにくいというデメリットもあります。
留職のデメリットとして、経験やスキルが生かせるかが不透明である点が挙げられます。現地で実力を十分に発揮できるかどうかは極めて不確実性が高く未知数であると言えます。加えて、現地の組織がそもそも円滑に運営されているかどうかなどの外的要因も留職が上手くいくかどうかに関係します。赴任する前に懸念事項を洗い出し、会社や派遣先や本人とで共通認識として持っておくことが重要です。そして、それへの対策が必要となります。
留職の実行手順として、まずプログラムを設計します。まずはプログラムの導入に向けて概要を設計することから始まります。 そのためには、プログラムを導入する目的を明確にして派遣期間などを検討します。また、派遣者の募集や選定方法や応募を促進させるための方法を話し合いのもと決定します。こうした全体の骨組みを決めてから具体的な決定やプログラムの実行に移します。
留職の実行手順として、派遣者を募集し選定することが挙げられます。社内で留職プログラムへの募集を行い応募した候補者の中から派遣する社員を選抜します。面談を通じて本人の意欲やスキルなどの適正を把握し、留職プログラムの目的に沿っているかどうかを見極めます。 留職は仕事の一環として実施するものであるため、派遣先での活動目標等の設定が必要になります。また、必要事項として語学力やスキルもあります。これらを考慮して慎重に見極めていく必要があります。
留職の実行手順として、派遣先への訪問をすることが挙げられます。派遣者のスキルや経歴をもとに、企業や外部組織が持つ派遣先の国や地域、団体を選定します。その逆のケースももちろんあり、派遣先がある程度決まっている上で派遣者を選定していくことも考えられます。そして、適正や目的に合う派遣先が見つかった場合に現地を訪問し業務内容や安全面の確認を行います。そして、候補者が派遣後スムーズに仕事に取り組めるような準備を行います。
留職の実行手順として、事前研修をすることが挙げられます。事前研修では、派遣前の準備として派遣者に留職の目的を伝え現地での目標を決めます。一般的には現地での課題解決を目標として設定されます。そして、次に課題解決に向けたワークプランの策定や派遣先と事前にディスカッションなどを行います。そうすることで派遣者は現地で働くイメージをより具体化させていくことができます。
留職の実行手順として、現地業務をすることが挙げられます。派遣者が現地に赴いたらいよいよ留職が開始します。事前準備で策定したワークプランをベースに現地で業務を行います。そして、課題解決に向け派遣員として業務に取り組みます。 派遣先のメンバーとコミュニケーションをとりながら親交を深めつつ、現地でノウハウを学んでもらいます。この際、進捗がどのようであるか把握をしっかり行うことも重要です。
留職の実行手順として、事後研修を行なうことが挙げられます。現地業務を終え帰国した派遣者に対しては、再度事後の研修を実施します。内容としては、現地での活動の振り返り学んだ内容が本業に活かされるという発表などが挙げられます。 留職のシステムを提案し実行した社員は派遣者が目的を達成できているかや成長があったかを評価することも重要です。また、次回以降実施する際の反省もこの段階で行えることが好ましいと言えます。
留職の実行手順として、フォローアップを行なうことが挙げられます。留職は、行って帰ってくるだけでは派遣者や会社にとって良くありません。帰国後の振り返りや反省が重要です。具体的には、現地でどのような活動を行って学んだことや経験をを振り返り、本業に活かせそうなことなどまとめていくことが重要でしょう。 留職だけで終わらず、定期的に留職経験者を集めてイベントの開催や派遣先での人脈を本業に活かせているかを調査していくことも大切でしょう。派遣者が留職によって継続的に成長できるフォローアップが必要です。
留職の事例の1つとしてパナソニックの事例が挙げられます。というのも、パナソニックは日本で最初に留職プログラムを実施した会社です。留職者は2012年に1カ月間ベトナム中部の都市ダナンの現地NGOで留職を実施しました。1か月の留職の取り組みを通じ、低コストで生産可能な製品デザインを設計とそれに基づいた試作品を制作するという目的が達成されました。すなわち、これによってパナソニックは生産力や市場規模を拡大することに成功したと言えます。
このように、留職を実施することには会社と留職の派遣者双方にとって様々なメリットがあることが分かりました。社内の活性化や社員のモチベーション向上などの多くのメリットがある反面、実施する難易度はかなり高いと言えます。したがって、留職の実行手順をよく把握し社内で検討した上で行うことで真の効果が発揮できると言えます。今回ご紹介した留職の特徴をよく理解し、是非社内での実施を検討しましょう。最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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