記事更新日:2019年05月15日 | 初回公開日:2018年05月24日
人事・労務お役立ち情報イクボスとは、ともに働く社員のワークライフバランスを支援する上司のことです。社員が子育ての環境にあることを理解し、かつキャリアや人生がより良いものとなるよう応援します。自らもプライベートを充実させつつ、仕事での結果も出していける人のことです。そのような職場環境を整えることを、企業、自治体、個人が公にしたものが「イクボス宣言」です。このイクボス宣言は、NPO法人ファザーリング・ジャパンが立ち上げたイクボスプロジェクトで作成されました。
イクボス宣言は、「イクボス10か条」に基づき、イクボスであるための10個の条件が掲げられています。イクボスとして認められるのは、以下の10項目の過半数以上を満たすこととされています。
抜粋URL:Fathering Japan イクボスプロジェクト
①理解
「ワーク」一辺倒ではなく、「ライフ」にも時間を割くことに、きちんと理解を示していること。
②ダイバーシティ
ライフに時間を割いている部下を、差別(冷遇)せず、ダイバーシティな経営をしていること。
③知識
ライフのための社内制度(育休や介護休暇の制度など)や法律(労働基本法など)について、知っていること
④組織浸透
管轄している組織(部長であれば部内)全体に、ライフを軽視せず積極的に時間を割くことを推奨し、広めていること
⑤配慮
家族を伴う転勤や単身赴任など、部下のライフに「大きく」影響をおよぼす人事については、最大限の配慮をしていること
⑥情報共有
育休取得者などが出ても、組織内の業務が滞りなく進むようにするために、組織内の情報共有の仕組みを作り、チームワークの醸成、モバイルやクラウド化、テレワークなど、可能な手段を講じていること
⑦時間捻出
部下がライフの時間を取りやすいように、会議の削減、書類の削減、意思決定の迅速化、裁量型体制などを進めていること
⑧提言
ボスから見た上司(大ボス)や人事部などに対し、部下のライフを重視した経営をする重要性について積極的に提言していること
⑨有言実行
イクボスのいる組織や企業は業績も向上するということを実証し、社会に広める努力をするということ
⑩隗より始めよ
ボス自ら、ワークライフバランスを重視し、人生を楽しんでいること
イクボス宣言をする企業、目指して方針に取り入れたいとする企業や自治体は増えています。具体的に何を行えばいいのか、どんな策が有効なのかのノウハウやポイントの解説をするセミナーなども行われています。イクボス宣言の効果が業績につながった成功事例なども参考にできるでしょう。NPO法人ファザーリング・ジャパンでは、企業や自治体に向けたセミナーを積極的に行っています。
URL:Fathering Japan
イクボス宣言は全国の各自治体でも活発に取り入れられています。
・厚労省職員約60人がイクボス宣言
・全国20政令市の全市長が「イクボス共同宣言」
・滋賀県甲賀市は、市長、教育長などの管理職総勢130人がイクボス宣言
・北九州市&近隣16市町の全首長が「北九州都市圏域 共同イクボス宣言」
・さいたま市は市長、局長、次長級・課長級レベルまで338名がイクボス宣言
個人でも続々と宣言が続いています。各機関において先駆けとなったトップをご紹介します。
・県知事初!広島県知事がイクボス宣言
・自衛隊初!海上自衛隊呉地方総監部のトップがイクボス宣言
・警察初!広島県警察本部長がイクボス宣言
・中央省庁初!厚生労働大臣がイクボス宣言
・市長初!堺市長がイクボス宣言
・東京国税局長および管内全税務署長がイクボス宣言
イクボス宣言を行う企業も増える中、企業内にワークライフバランスを浸透させるべく、イクボスの育成の必要性も高まっています。イクボス育成のための企業ネットワークとして「イクボス企業同盟」が設立されています。
みずほフィナンシャルグループ、ANA、コクヨ、日立ソリューションズ、資生堂、日本たばこ産業、イオン、アサヒビールなど、2017年時点で150を超える企業が加盟しています。
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