記事更新日:2024年07月19日 | 初回公開日:2024年07月19日
用語集 人事・労務お役立ち情報 採用・求人のトレンド自己開示はどのような定義があるのでしょうか。自己開示とは、自分自身を理解し相手に伝えることを指します。自分自身の情報とは様々なものがあります。価値観や私見、日常の経験や自身の特性など多くの者がそれに該当します。また、自身の特性には自分の強みだけでなく弱みも含まれます。自己開示によってお互いの理解を深めることが可能になります。実際、営業の商談などで初対面の相手と接する場合には打ち解けるのにかなり有効な手段と言えます。
なぜ自己開示が重要なのでしょうか。自己開示は、相手に信頼感を与えることができるためです。相手に多くの自己に関する情報を与えるということは、相手に警戒心を解いたことを示すことにつながります。それを相手が感じ取った場合に、相手自身も気を許し、信頼感を得ることが可能になります。自分の気持ちや悩みなどを打ち明け信頼感を得ましょう。相手の興味に合わせて内容を考える良いでしょう。
返報性の原理の類型として、好意の返報性が挙げられます。返報性の原理とは、相手から言葉や感情などを受け取った際に同様にお返しをしないと申し訳ないという気持ちになることで、心理学の用語です。好意の返報性とは、相手から何かをもらう、褒められるなどの好意を受け取ったときに生じる自分もお礼やお返しをしなくてはいけないと思う心理のことを指します。端的に言えば、いいことをされたらいいことをしたいと思うことです。
返報性の原理の類型として、敵意の返報性が挙げられます。これは、相手から敵意を向けられた際に自分も敵意を向けたくなると言う心理です。いわゆるやり返し・しっぺ返しのことであり、人間に共通する心理状態です。目には目を歯には歯をっということわざは有名です。例えば、日常で見知らぬ人に不愛想にな雰囲気で話しかけられると、自分もそっけない対応をとるということがそれにあたります。つまり、返報性の原理はネガティブな感情にもポジティブな感情にも働くということです。
返報性の原理の類型として、譲歩の返報性が挙げられます。譲歩の返報性とは、相手が自分のために譲歩をした場合に自分も同様に譲歩をしたくなるという心理を指します。譲歩とは相手に合わせて考えの折り合いをつけることです。譲歩の返報性を活用した例にドアインザフェイスという心理的テクニックがあります。ドアインザフェイスとは、最初に大きな要求をして相手に断られたら本命の「小さな要求」をすることで要求を通す手法です。こちらが譲歩したと思わせて相手を譲歩させることで成立する手法です。交渉などで用いることが可能です。
返報性の原理の類型として、自己開示の返報性が挙げられます。自己開示の返報性とは、相手が情報や秘密、悩みなどを打ち明けると同程度に自分のことを伝え返したくなる心理を指します。初対面で会話をする際、どこまで自己紹介するか悩んだときは、自分から先に相手へ情報を開示しましょう。たとえば相手の家族構成を聞き出したければ、まず自分の家族構成を伝えます。すると、相手も同様に返報性として家族のことを話すでしょう。
自己開示をするメリットとして、相手と深い話ができる点が挙げられます。自己開示を繰り返すことで、自分に対して相手に心を開くようになります。その結果、相手は自然と自分に多くのことを話してくれるようになるでしょう。たとえば、上司と部下との面談や初めての顧客との商談の際には、上司や営業担当者が先に自己開示しましょう。相手から信頼性を得ながら、相手の希望や悩み、ニーズや価値観などを聞くことができるでしょう。
自己開示をするメリットとして、心理的安全性が上がることが挙げられます。心理的安全性とは、自身が自由に意見や考えを表明できる状態を指します。心理的安全性の高まりによって、自分らしさを発揮した仕事ができるため活性化した職場が実現できるでしょう。それによって仕事の生産性が向上し、会社にとって良い効果をもたらします。会社全体の働き方が良くなることで、優秀な人材の離職を防ぐことも可能です。
自己開示をするメリットとして、採用においてミスマッチが減ることが挙げられます。面接の際に採用担当者が仕事に関して自己開示をすることでミスマッチが減ります。それは、自己開示によって会社の雰囲気や働き方、社風などが伝わりその会社を受けるか求職者は検討をすることができるからです。また、自己開示によって求職者の緊張もほぐれるため、本音を聞き出せるようになります。それにより求職者の考え方や価値観などと自社の相性を判断できます。
自己開示のデメリットとして、プライベートに過度に踏み込まれる恐れがあることが挙げられます。自己開示をするということは、自身のプライベートな情報をも相手に伝えることがあるということです。話が進むにつれて自己開示が増えれば、過度にこうした情報を与えプライベートの領域に踏み込まれる可能性があります。場合によっては、開示した内容を相手が悪用する恐れもあります。特に、ビジネスの場合にはあくまでもビジネスの場であると自覚しながら自己開示をすることが重要でしょう。
自己開示のデメリットとして、信用を損なう危険がある点が挙げられます。自己開示を過剰にした場合、相手からはそれが自慢話に受け取られる可能性があります。当然自慢と感じると相手の自身への印象は下がり信用も損なうでしょう。重要なことは、あくまでも自己開示は信頼関係構築のための手段にすぎず、適度な自己開示が効果的であるということです。話すことと聞くことのバランスを意識してコミュニケーションを取ることが重要と言えます。
自己開示をする際のポイントは、小さな話題から始めることです。例えば、初対面の相手を考えた場合、いきなりプライベートな話題を出すことは距離感がわからない人と捉えられ不適切です。天気や食べ物の話題など小さな話題から入ることで、適切な自己開示ができるでしょう。小さな自己開示であってもそれを積み重ねていけば相手の信頼が高まっていき、より深い内容についても話すことができるでしょう。それにより更に信頼を高めていくことができます。
自己開示をする際のポイントは、自分の話もしつつ相手の話を聞くことです。先述のように、自己開示が多すぎると自慢話に捉えられてしまいます。ここで相手への質問を混ぜて話を聞くことによって適切な量の自己開示をすることが可能です。また、相手の話も織り交ぜることで新たな話題について共有することができ、信頼関係の構築のきっかけにもつながるでしょう。したがって、自己開示をするにあたっては話す力や聞く力、質問力が重要であると言えます。
自己開示をする際のポイントは、一方的にしすぎないことです。自己開示ばかりしていると、自慢に受け取られるのもそうですが、何より自己中心的な人であると捉えられてしまいます。最初のうちは話が面白く場を盛り上げてくれる人であると思われます。しかし、時間がたつにつれて話を聞いてくれない人であるというマイナスイメージを与えてしまいます。聞くときはしっかりと相手の話を聞き入れ共感や相槌をすることが信頼関係の構築において重要でしょう。
自己開示をする際のポイントは、無理に話さないことです。自己開示を成功させたいがために無理に話題について話すとかえって逆効果です。なぜなら、無理に出した話題は相手にとって共感しにくいものであったり自分中心の話になる可能性があるためです。自己開示をする際は、無理のない範囲で、自主的に話したい相手や話したい内容のみを開示しましょう。加えて、相手に対して自己開示を強要することは好ましくないです。
自己開示をする際のポイントは、あいさつ文を準備しておくことです。特に、初対面の相手に対して自己開示を円滑に進めるためには準備が重要です。予め用意をしておくことで内容に困って焦る可能性がなくなります。出身地や趣味、好きな食べ物などの内容が親しみやすい話題として有効です。また、自己紹介だけではすぐに話題が尽きてしまう場合は、時事や趣味についても話すと良いでしょう。時事は暗い話題ではなくポップな明るい話題を選ぶと良いです。
自己開示をする際のポイントは、プライベートな話を混ぜることです。前述したように、過度にプライベートな内容を話すとリスクや相手への不信感につながります。しかし、適度にプライベートな内容を話すことで緊張がほぐれ、自己開示の効果を期待できます。特に商談などのビジネスの場においてはお互いに緊張をしているケースがほとんどです。その中に日常の話題を適度に盛り込めば緊張が解け、本題に入りやすいでしょう。例えば、趣味のゴルフの話をしたことで実際に一緒にゴルフした結果、長い付き合いのビジネスパートナーになる可能性さえもあります。
このように、自己開示は日常やビジネスの場面に関わらず、相手との信頼関係を築く効果的なツールであると言えます。しかし、ご紹介したように使い方を誤ればかえって逆の効果を生み出す恐れもあります。自己の情報といっても相手あっての活用ですので、常に相手に気を配って活用すると良いでしょう。是非今回の内容を参考にして頂き、円滑なコミュニケーションや信頼関係の構築に活用して下さい。最後までお読みいただきありがとうございました。
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