インバスケット思考とは【インバスケット思考で身に付く能力や優先順位を付けるコツについて解説します】

記事更新日:2023年10月23日 初回公開日:2023年10月23日

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日々の業務に追われ、タスク管理が出来ていない人は目の前の業務を処理することに精一杯になってしまい効率よく業務をこなしていくのが難しい状況です。生産性を高めるためには、自分の持っているタスクを整理し優先順位を付ける必要があります。そこで活用できるのが、インバスケット思考です。インバスケット思考は重要度や処理難度がバラバラのタスクがたくさん詰まっており、それらを時間内に処理する方法を考えるという思考法です。インバスケット思考について解説していきますので、人事担当の方は参考にしてみてください。

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インバスケット思考とは

タスクを時間内に的確に高い精度でこなす思考法

インバスケット思考とは、タスクを時間内に的確に高い精度でこなす思考法の事です。元々はアメリカ空軍で1950年代に開発されたシミュレーションゲームが起源とされています。主人公の立場になり、不測の事態を想定し与えられた時間内に的確で高い精度で目標を達成することが求められます。この訓練を行う事で、人命救助や敵の襲来など非常事態が発生した際に自分の頭で考え的確に行動出来るようになります。これを活用し、今では管理職の研修等に活かされています。

インバスケット思考が必要な理由

社員一人一人の労働生産性を高めることが必須である

インバスケット思考が必要な理由は、社員一人一人の労働生産性を高めることが必須である為です。少子高齢化などの影響で日本では年々労働人口が減少しており、労働力の確保が欠かせません。そこで注目されているのが、限られた労働力の中で社員の生産性を高める方法です。インバスケット思考を身に付ける事で、指示待ちではなく業務の優先順位を考え業務遂行を行う事が出来るようになります。主体性や自主性も身に付ける事が出来、生産性も高められます。

インバスケット思考で身につく能力

問題解決力

インバスケット思考を学ぶことで、問題解決力を身に付けられます。起こっている問題を解決するためには、本質を見抜く力や事象に対して仮設を立て検証する力などが必要になってきます。本質を見抜いた問題を解決していく為には、施策の計画や効果性を検討することが欠かせません。インバスケット思考を身に付ける事によって、問題を発見するところから解決策を見つけるところまでのプロセスを自力で行う力を向上させることが可能です。

判断力と決断力

インバスケット思考で身につく能力は、判断力と決断力です。限られた時間の中で発生している問題を解決するためには、今ある情報の中から問題解決に最適な情報の整理と対策を判断出来る事が必要です。時間が限られている中で問題を解決する必要があり、他の人に判断を委ねている時間はありません。普段の業務で上司や同僚に決断を委ねている人は、インバスケット思考を身に付ける事によって自ら決断を下す力を身に付ける事が出来ます。

主体性と自主性

インバスケット思考は、主体性と自主性を身に付ける事が出来ます。インバスケット思考を身に付ける対象となる人は、普段からある程度責任のある業務を任されている人です。業務の判断をチームメンバーなどから仰がれる人は、インバスケット思考は持っておくべきスキルと言われています。判断を求められる人は、役職についていることが多く問題の解決や判断を自分で行わなければいけない立場にいます。状況に合わせて問題を解決していくのか、判断を待つのではなく自分で考えて行動するという意識が必要です。

他者視点で物事を考える力

インバスケット思考を学ぶことで、他者視点で物事を考える力が身に着きます。インバスケット思考で自主的な思考力を身に付けることで、他部署の上司や同僚への理解が進み普段の業務の中でも他者の視点で物事を考えられる力を身に付けられるようになっていきます。他社への理解が深まることで、組織内でより良い連携を作ることも可能です。今までは自分で行っていなかった自主的な動きを行っていくことで、組織内全体のコミュニケーションも活発になっていきます。

優先順位を付けるスキル

優先順位をつけるスキルも、インバスケット思考で身に付けられます。限られた業務時間の中で日々のタスクを行っていくには、優先順位を付けて処理していく必要があります。インバスケット思考を身に付ける事によって、時間の重要性や持っているタスクに優先順位を付けていくことの重要性に気付き実感することが可能です。思考を身に付ける事が出来れば、特別な時だけでなく普段の業務でも優先順位を意識してタスク処理を行える様になります。

インバスケット思考の方法

架空の人物を設定して課題の処理方法を考える

インバスケット思考の方法は、架空の人物を設定して課題の処理方法を考えましょう。プレイヤーは設定された架空の人物になりきり、制限時間内に思考を行います。解決すべき課題を多く設定しておき、それを解決するための方法を考えていきます。正解が決まっているわけではない為、解決策は自由です。役職や時間を設定してロールプレイング形式に行っていきます。実際に起こりうるビジネスモデルを活用することによって、実際の業務に活用できるようになります。

インバスケット思考で必要なこと

架空の人物になりきる

インバスケット思考で必要なことは、架空の人物になりきることです。インバスケット思考を身に付けるには、当事者意識を持つことが大切です。インバスケット思考の例題の中には経営者目線の問題や、管理職目線の問題・人事目線の問題など今の立場と違う例題も出てきます。立場が違う事から中々想像が出来ない問題もありますが、分からない中でも出来る限り現実的なシチュエーションを設定し解決策を探っていきます。絶対的な正解はなく、自分で出来る限り最善だと思う回答を作ることが大切です。

迅速に優先順位をつける

インバスケット思考は、迅速に優先順位を付ける事が必要です。インバスケット思考では、優先順位が異なるもしくは同列のタスクが様々出題されます。例えば、2日後に申請期限が迫っている書類・新規案件の見積もり確認・顧客からの苦情対応・数時間後に迫っている商談の最終確認です。優先順位を付ける場合には、緊急性と重要性の2つのバランスで考えます。商談の最終確認が時間がなく緊急度が高いように思えますが、優先すべきは顧客からの苦情対応です。

満点の正解を求めない

満点の正解を求めないのも、インバスケット思考で必要なことです。業務を遂行していく中で、完璧を求めながら行っている人も少なくないはずです。しかしインバスケット思考では完璧を求めないようにしなければいけません。前の例で挙げたように、様々なタスクがある状態では全てのことを完璧にこなすことは簡単ではありません。全てを完璧にこなそうとして、見積もりの確認が遅くなる・申請期日に間に合わないなどは全てクレームや問題に発展します。不測の事態を更に広げないようにするためにも、満点を求めずに対応することが大切です。

インバスケット思考で役立つフレームワーク

アイゼンハワーマトリクス

インバスケット思考で役立つフレームワークは、アイゼンハワーマトリクスです。アイゼンハワーマトリクスとは、アメリカ大統領だったドワイト・D・アイゼンハワー氏が行っていたタスク管理術です。緊急度と重要度で4つの象限に分類して行う管理法で、最も活用されているマトリクス分析で多くのビジネスシーンで使われています。人間は緊急度の高いものから処理しようとするため、重要であっても緊急度が低いものは後回しにしてしまいがちです。しかしその象限に該当する物は後に緊急度も高くなる為、迅速な処理が必要です。

リスク評価ヒートマップ

インバスケット思考では、リスク評価ヒートマップも役立つフレームワークです。リスク評価ヒートマップは、リスク管理を行う現場でよく活用されているフレームワークです。リスク評価ヒートマップでは、影響度と発生確率で4つの象限に分類して行います。1つの重大事故の裏側には、29個の小さな事故・ギリギリ事故になっていない300の異常が潜んでいるといわれるハインリッヒ法則のようにすべてのリスクは関係性があります。影響の小さいものから処理していくことで、大きなリスクを減らすことが出来ます。

ペイオフマトリクス

ペイオフマトリクスも、インバスケット思考で役立つフレームワークの一つです。ペイオフマトリクスは効果と実現性で4つの象限に分類して行います。ペイオフマトリクスを活用する際には、細分化して分類することが大切です。実現性が低いものを細分化することで、実行可能なものに分類される・費用をかけることなく実行できるものの見極めが出来るようになります。ペイオフマトリクスを活用して業務に生かす際には、いかに詳細に細分化できるかが重要なポイントとなってきます。

インバスケット思考の研修を行う際の注意点

ただ楽しい研修で終わらせない工夫が必要

インバスケット思考の研修を行う際の注意点は、ただ楽しい研修で終わらせないようにする工夫が必要です。インバスケット思考の研修は、参加者が主体性を持って取り組めるアクティブラーニングです。知識を身に付けるための研修は、情報のインプットやケーススタディが中心となることが多くアクティブラーニングなインバスケット思考の研修は参加者の興味を引きます。いい経験になったと感じて終わるのではなく、学びを持ち帰ってもらえるよう目標やゴール設定を事前に行っておくことが大切です。

ファシリテーターによって質が変わる

インバスケット思考の研修は、ファシリテーターによって質が変わることを注意しておきましょう。インバスケットにはワークの内容自体に正解はありません。そのため事前に参加者がどのような回答を出すのかという予測を立てておくことが出来ません。研修の場で出てきた回答や参加者の思考を把握し、適したファシリテーションを行う必要があります。意図していた目的とゴールに着地できるかどうかは、ファシリテーター次第です。講師の実績と経験が大きいほど、参加者への影響を持ちやすくなります。

参加者の能力や意欲が研修の成果に影響する

参加者の能力や意欲が研修の成果に影響するという事も、インバスケット思考の研修を行う際に注意する点です。インバスケットは参加者が主体になって行う研修です。そのため参加者の能力や意欲が直接研修結果に直結します。能力自体は、フレームワークの紹介やレクチャーを行う事によって補うことが可能です。しかし参加者の意欲がない場合、参加者主体となるワークには致命的です。意欲的に研修に参加してもらうためにも、研修に参加する目的や研修で得たい成果などを考えてもらう事が大切です。

まとめ

インバスケット思考を取り入れてタスクを効率的にこなそう

インバスケット思考で身につく能力や、活用できるフレームワークについて解説しました。インバスケット思考は労働力の増加が見込めない昨今で、社員の生産性や主体性を高められる方法の一つです。インバスケット思考のワーク研修では決まった答えがないため、経験が豊富でファシリテーション能力を持っている講師の存在が大切です。インバスケット思考を導入することで、業務の優先順位付けが早くなるだけでなく当事者意識をもって業務に取り組めるようになります。インバスケット思考を取り入れて社員の生産性向上に繋げましょう。

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