記事更新日:2022年02月03日 | 初回公開日:2022年02月01日
人事・労務お役立ち情報 グローバル用語解説 採用・求人のトレンド後輩育成で求められる「育成力」とは後輩と自分の価値観の違いを理解して、その後輩が今後身につけるべきスキルを把握したうえでサポートしていくスキルのことです。このときに自分は教える存在という捉え方をするのではなく、後輩と共に成長していくというスタンスで臨むことが大切です。すると、育成担当者自身も成長することができます。何でも教えてあげればよいわけではなく、ヒントを与えるなど本人に考えさせて経験させるように心がけましょう。
人を育てることにおいて、「指導」と「育成」という言葉は互いに目的が異なります。指導とはある目標に向けて、教えて導くことです。コツやポイントなどを教えて、短期的に対象のスキルを伸ばすという意味合いが強いといえます。一方で育成とは、育てあげるという意味をもちます。指導と異なり、ある程度時間をかけて行うものです。また指導はある程度具体的に教えるのに対して、育成は手本を示した後は相手の自主性に任せるのが一般的です。そのため後輩育成とは手本を見せることで、実際に考えて行動してもらうことが目的ということになります。
まずは後輩自身に将来どうなりたいかというキャリアプランを聞いて、目標設定を一緒に行いましょう。この目標設定で陥りやすいのが、大きな目標を立ててしまうことです。会社に来てまだ月日が経っていない人が大きな目標を立てたとしてもイメージが持ちづらく、目標達成も難しくなってしまいます。育成担当者は大きな目標を一緒に立てたあとに、スモールステップでどのようにその目標を達成すればよいかまで一緒に考えましょう。そうすることで、後輩自身も小さい達成感をたくさん味わうことができます。
後輩育成の方法として、メジャーな方法のひとつがメンター制度。メンター制度とは、上司よりも相談しやすい、年齢や社歴の近い先輩社員(メンター)が後輩社員(メンティー)に支援や助言をする制度です。上司よりも距離が近い先輩と関係を築くことで、短期的に仕事を覚えてもらえる効果的な方法といえます。また、メンターにとっては教えることで業務のやり方の見直しに繋がったり、リーダーシップの育成につながったりもするでしょう。一方でメンターとメンティーが合わなかったときには、お互いの負担になる可能性もあります。
フォロー研修とは入社してからできるようになったことやできなかったことを振り返り、今後どのように取り組んでいくべきかを考える研修です。一般的に入社して6か月目くらいまでの間に実施されます。メリットとしては自分自身の仕事ぶりを振り返ることができ、次の目標をスモールステップで組みやすいということがあげられます。モチベーションの向上や早期離職を防げるなど、よい効果が期待できる研修といえます。メンター制度と併用して行うといいでしょう。
マネージャーとの座談会を行うことも、後輩育成の方法としておすすめです。この座談会は新入社員というよりも、会社に慣れてきた社員に行うのがよいでしょう。会社に慣れてくると中だるみが生じ、この会社で何をすればよいのかが明確に分からなくなってしまうこともあります。マネージメントをしている役職の方と話すことで、自分の業務が会社に貢献しているかが把握でき、自分の仕事の大切さなどを再認識できるでしょう。この座談会は少し会社に慣れてきた社員がさらに視野を広げて、今後どのように仕事に取り組んでいけばよいかを、考えるきっかけになるでしょう。
後輩育成においては、キャリアプランのサポートをすることも大切です。まずは中長期的なプランを一緒に立てましょう。後輩自身がこの会社でどのように成長していきたいのか、そのためにはどのようなスキルを身につけていく必要があるのかを一緒に考えましょう。そうすることで任せる仕事も決めやすく、後輩が悩んだ際にもアドバイスをしやすくなります。またこのすり合わせを行うことでどの社員と一緒に仕事をさせていくかもはっきりさせることができるため、チーム内での教育体制も整えやすくなります。
育成のためには、責任のある仕事を任せることも必要です。そして任せてからは、アドバイスをしても口出しはし過ぎないことでしょう。なぜなら、本人に責任感を持ってもらうためです。その仕事を終えた時には、後輩社員自身が達成感を味わうことができ、次の仕事へのモチベーションに繋がります。指導者は自分自身の業務を遂行しながら、後輩の育成指導もするとなると、かなり負担がかかってきます。ある程度仕事の分担し、後輩に任せる仕事量の割合を決め仕事を任せることで、後輩は責任を持って働いてくれるでしょう。
上司と部下の関係であっても、あくまで人間同士の関わりです。そのため上から目線で接するのではなく、相手の立場を尊重して接することがとても大切になります。いくら仕事ができる人であっても、信頼していない人から言われた言葉は刺さりません。指導をするうえでは厳しく接しなければならないと思う人も多いかもしれませんが、厳しくするのとぞんざいに扱うのでは意味が異なります。できないことが多い後輩に対しては高圧的な指導になりがちですが、そのようなときはいったん深呼吸をするなど常に冷静でいることを意識しましょう。
後輩育成のためには、褒めることと叱ることのバランスも大切です。その際に意識したいのが事実ベースであるかということです。たとえば何かミスが起こってしまった場合、起こったミスだけを見て叱責してはいけません。どのような経緯でそうなってしまったのかを本人にしっかり聞き、そのミスが再度発生しないように注意することが大切です。そのほうが後輩社員自身も納得し、次は気をつけようと思えるでしょう。また褒める際には結果だけではなくそのプロセスにも着目し、頑張ったところをしっかりと褒めると後輩のモチベーション維持にもつながるでしょう。
後輩社員が話しかけやすい雰囲気を作るということが大切です。いつも剣幕であったり多忙な様子の先輩には、後輩としては話しかけにくいもので、小さな報告や相談がしづらくなってしまいます。会社は組織ですので、きちんと後輩を育てていくことも先輩の役目です。先輩は話しやすい雰囲気作りを気にかけるだけで、後輩は相談しやすくなります。普段なかなか余裕を持つことが難しいという人は、後輩と毎日15分話す時間を設けるなど、取り組みをすると決めてしまうのもひとつの手です。毎朝15分話す時間を作るだけでも、後輩との距離が近づき後輩の悩みなども解消されるでしょう。
お手本を見せるということも、後輩育成においては重要なポイントです。後輩が新入社員の場合は、社会人としてのあり方がまだわかっていません。また中途入社の社員でも、会社でどのように仕事をしていけばよいか不安に思っているでしょう。そのような後輩に対し、先輩は手本を見せることが大切です。しかし、すべての手本をひとりで補うことは難しいでしょう。そんな時「書類作成は○○さん、企画のプレゼンテーションは△△さんが上手だよ」などと見本となる人を各業務において、教えるのもひとつの手です。そうすることで、後輩社員も仕事の見本としやすいでしょう。
後輩育成においては、期待していることを明確に伝えることは重要です。人は誰しも相手の期待に応えたいものです。先輩から後輩に次への課題や目標設定を与え、そのために必要なスキルを身につけてほしいと、明確に後輩と話すのも良いでしょう。そうすることで、後輩自身も自分は何を成し遂げれば良いのか、とイメージが湧きやすくなります。また会社から期待をされることで、目標に向かって挑戦しステップアップしたい、とモチベーションが高く仕事に取り組む社員も増えるでしょう。過剰な期待は、反対に後輩もプレッシャーになってしまいますが、定期的にミーティングの機会を設け、話し合いをしていくことはおすすめです。
当然のことですが、部下がミスをしたりトラブルを起こしてしまったりしたときは、上司が責任をとります。「自分は関係ないから」、「注意したよね」という対応ではなく、一緒に責任をとりましょう。そのあとにこうしたトラブルが起きないために何をしていけばよいかを考えればよいのです。またトラブル後の話し合いの際に、上司自身が今後できることはないかを考えるのも大切です。報告や相談をしづらい雰囲気だったのであれば、上司にも改善すべき箇所があります。ミスが起きたとしても、今後につながるように対応していきましょう。
後輩育成の際には、育成計画をしっかり立てることが大切です。入社して最初の3~6か月は後輩社員を理解する時間とし、その期間は2週間に1~2回はミーティングをしましょう。計画については、6か月を目安に後輩と一緒に考えます。将来どのようになりたいのか、そのために必要なスキルは何なのかをすり合わせ、上司としてはどのような存在になってほしいのかも話し合うといいでしょう。この育成計画を立てる際に注意しておきたいのが、一気にたくさんのことを教えないことです。小さな成功体験をたくさん積み重ねて、少しずつ成長していくのを見守ることが大切です。
上司として前向きな姿勢を示すことも大切です。仕事が繁忙期に入った時や、取引先とのトラブルがあったりすると、上司はどうしても気持ちが後ろ向きになってしまいます。しかし、上司の気持ちが落ち込んでいるとチーム全体の士気がさらに下がってしまいます。どうしても持ち直せない時は、早く帰って美味しいご飯を食べたり好きな映画を見たりするなどして、何日もひきずらないことが大切です。上司が落ち込んでいると同僚もどんどん気持ちが下がってしまうため、セルフコントロールを意識しましょう。
価値観の違いを理解することも大切です。何年も会社で働いている人と、社会人経験が浅い人では価値観はもちろん異なります。価値観の違いを受け入れられないと、やる気や仕事に向き合う態度の違いなど、小さなことで腹が立ってしまいます。そうすると業務にも支障をきたしてしまうため、価値観が違うことは早めに理解するようにしましょう。経験をつめば仕事に臨む態度や考え方も変わっていくと割り切り、その人のひとつひとつの仕事に対してフィードバックをしていくようにしましょう。
ここまで後輩育成について紹介してきましたが、参考になりましたでしょうか。会社として成長するためには、若手社員の成長が必要不可欠です。目標設定やメンター制度の活用だけではなく、上司として毅然とした態度でまずは後輩と接してみましょう。そのうえで、後輩を褒めながら後輩育成にきちんと時間と労力をかけていくと良いでしょう。ここに時間を割かないと、後々チームが回らなくなるなど大変な自体を招きかねないので、後輩育成は手厚く行なうようにすると良いでしょう。優秀な後輩を育成して企業を発展させていきましょう。
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