記事更新日:2024年07月24日 | 初回公開日:2024年07月24日
用語集 グローバル用語解説 採用・求人のトレンド 採用成功事例エンゲージメントサーベイとは、従業員と会社のつながりの強さを数値化して把握し、改善するための調査ツールのことを指します。従業員が会社や仕事に対してどれだけポジティブな感情を持っているのかや高評価をしているかを測定することが可能です。ポジティブな感情には、会社への愛着や忠誠心、仕事へのやりがいなどが挙げられます。この調査のツールは様々な企業が開発や販売をしており、その特徴によって選ぶと良いでしょう。
エンゲージメントサーベイに似た概念として、従業員満足度調査というものがあります。この調査は、名前の通り従業員の会社での満足度を職場環境や人間関係への満足度の観点から調査するものです。したがって、この2つの概念の違いは、会社への満足度を重視する調査か会社と従業員の関係を重視する調査かということです。エンゲージメントサーベイは、近年雇用の流動性が高まり離職防止の取り組みが注目されるようになったことから注目されるようになりました。
エンゲージメントサーベイの目的は、現状を知ることです。従業員が会社にどれだけ満足しているかや、従業員がどれだけ会社とのつながりを感じているかを数値化し理解することが可能です。これで把握できた現状が仮に良いものであればそれは評価すべきものとして対外的に公表できます。これが仮に数値が低くエンゲージメントが低いとわかった場合には課題として解決を目指します。現状を知ることで、今後会社をどのようにしていくかを方針付けることが可能です。
エンゲージメントサーベイの目的は、課題の優先順位を決めることです。先述の通り、会社と従業員の関係において問題がある場合には、それがどのような問題なのかを具体的にエンゲージメントサーベイを通じて把握します。そこで、一番優先順位の高い課題が何なのかを知ることができます。こうした課題を積極的に解決をし、エンゲージメントを高めていくことができます。エンゲージメントサーベイでは、本来数値化できない従業員のエンゲージメントを数値化・グラフ化し可視化することができます。
エンゲージメントサーベイの目的は、従業員の離職率を下げることです。一般にエンゲージメントの高い組織においては、従業員が会社に対して愛着や忠誠心をもっているので離職率が低くなる傾向にあります。逆にエンゲージメントが低い組織では従業員と会社の結び付きが弱く、離職率も高くなりがちです。エンゲージメントサーベイの実施を通じて、エンゲージメントに関する課題を解決することでエンゲージメント向上が図られ、離職率が低下するでしょう。
エンゲージメントサーベイの目的は、人事戦略に活用することです。エンゲージメントサーベイで得られたデータは数値化されたものであり客観的なものであると言えます。こうしたデータを人事に利活用することで、従業員のワークライフバランスの向上や、会社の魅力向上にもつながります。職場でのコミュニケーションに問題があると分かれば、フレックスタイムやリモートワークなどの人事施策を講じることで改善が可能です。
エンゲージメントサーベイによる効果として、生産性が向上することが挙げられます。会社のエンゲージメントが向上することで、組織の一体感が強まり業務の効率化につながります。そのことによって会社全体の生産性が向上するでしょう。また、従業員が会社への愛着があれば、従業員の行動はより積極的になります。なぜなら、会社のために仕事を頑張りたいという思いが愛着や忠誠心から強まるためです。個人と会社の結びつきがあってエンゲージメントが向上するのです。
エンゲージメントサーベイによる効果として、退職率が下がることが挙げられます。従業員が退職をする理由は様々であり、仕事が合わないことや能力が生かせなかった、健康上の理由などが挙げられます。これらの理由と関連しているのが、会社と個人の関係であると言えます。例えば、仕事が合わないのも、もしかすれば会社の仕事に振り方ややり方が雑であることも考えられます。また、従業員とのコミュニケーションがうまく取れていないことも考えられます。エンゲージメントサーベイによってこれらを改善し、退職率の低下が期待されます。
エンゲージメントサーベイによる効果として、戦略を実行しやすくなることが挙げられます。エンゲージメントサーベイでは、上層部から意思決定がどれだけ迅速に現場に伝わるかを可視化させることも可能です。このコミュニケーションを円滑にできればさらに戦略の策定から実行までの速度は速いでしょう。ここで重要なのは、実現したい事の認識がお互いに合っているかどうかです。こうしたことを調査で明らかにし、解決を図っていくことで戦略実行が容易になります。
エンゲージメントサーベイによる効果として、顧客満足度が上がる点が挙げられます。組織と個人の結びつきが強くなることで従業員の会社への愛着がわくことは先述した通りです。例えば、あなたがスーパーで買い物をしているときに、やる気のある笑顔で働いている店員を見たらどのように思うでしょうか。おそらく、サービスの良いお店であると感じるでしょう。つまり、従業員の会社での満足度や愛着は顧客満足度につながりやすいと言えます。
エンゲージメントサーベイによる効果として、リファラル採用が活性化する点が挙げられます。リファラル採用とは、自社の従業員の紹介を通じて人材を採用する手法です。従業員のエンゲージメントが向上することで、従業員は自社を誇りに思い他の人に推奨する可能性が上がるでしょう。また、エンゲージメントの高い従業員と類似した人材を採用できる可能性があるため、企業とのマッチングも高まり採用での人員確保の確率も高まります。
エンゲージメントサーベイの流れとして、まずは調査を行ないます。調査の際には、調査対象となる従業員へ説明を行なうことが重要です。どのような形で活用されるのか、誰にフィードバックされるのか、誰が回答結果を見るのかを説明します。適切な説明がない場合には従業員の理解を得られません。正直な回答と診断結果が出ないことも考えられます。しっかりとこれらを調査対象の従業員に伝え納得してもらった上で調査をしましょう。
エンゲージメントサーベイの流れとして、課題を分析し施策を検討します。エンゲージメントサーベイを実施することで、組織の現状やその現状がある原因を知ることができます。組織の中でどのようなことができており何が課題であるのかをしっかりと分析をすることが重要です。そして、その分析結果に対してきちんと向き合うことが大切です。満足のゆく結果でなかったからといって、特定の誰かや部署、チームなどを責めても改善にはつながりません。全員が一緒に検討し働きやすい環境づくりをしていくことが重要です。
エンゲージメントサーベイの流れとして、継続することも挙げられます。エンゲージメントサーベイにより明らかになる課題への施策は様々です。これらの施策を課題と共に考えて行っていくことが重要です。また、施策をしている最中であっても新たな問題が浮上すれば、さらなる改善が必要となります。問題はいつ起きるかわからず、さらには会社にとってベストな状態が何なのかも時と共に変化していくため、常にエンゲージメントサーベイは継続することが大事です。
エンゲージメントサーベイのツールの選び方として、目的に沿ったものを選ぶことが挙げられます。実はエンゲージメントサーベイには多くの種類があります。組織について調べるものや、定点観測に特化したものなど、また人事データと連結して使えるものなど様々です。これらの中から、自社の目的をしっかりと考えそれに一番適合するものを選ぶのが理想です。そのためには、会社のあるべき姿や欲しい人材像などを明確にしておく必要があります。
エンゲージメントサーベイのツールの選び方として、信頼できるサービスを選ぶことが挙げられます。エンゲージメントサーベイを実施する上では、従業員の匿名性を保護する必要があります。なぜなら、それが担保されない限り正確な調査結果を得ることは難しいためです。したがって、ツールの開発や運営をする企業は情報の取り扱いや、サービスの安定提供に関して高い信頼性が求められます。ツールを導入する場合には事前にネットや資料請求を通じて信頼性を確認すると良いでしょう。
エンゲージメントサーベイのツールの選び方として、結果の視認性をチェックすることが挙げられます。エンゲージメントサーベイはアンケートを取って終わってしまっては意味がありません。その結果を活用してより良い組織の実現に役立てることが重要です。そのため、長さの結果はWEBやレポートで目的に応じた活用しやすい状態で視認できるものが求められます。外部委託をする際には、結果の視認性が自社のサーベイ活用の目的に対して適切かどうかをよく確認しましょう。
このように、エンゲージメントサーベイは会社における組織と個人の関係の現状を知り、課題として認識して改善に役立てる効果的なツールです。これによって生産性が上がることだけでなく、従業員の退職率が下がることや戦略実行に役立てることが可能です。エンゲージメントサーベイは多くの種類が市場にあるため、企業にあったツールを選び効果を最大限に発揮することが重要です。その際には開発企業の信頼性もよく確認しましょう。最後までお読みいただきありがとうございます。
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