記事更新日:2024年07月17日 | 初回公開日:2024年07月17日
用語集 グローバル用語解説 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報ジェンダーエクイティとは、個々の状況に合わせて機会が作られることを指します。ジェンダーエクイティは英語で「gender equity」と表記します。直訳すると、男女公正を意味する言葉です。性別が違うだけで、そもそものスタートラインが異なります。そのため、個々の状況に合わせて、それぞれが必要としているものを提供しようとする考えが生まれました。ジェンダーエクイティを推進することで、社員が働きやすい職場を作ることができます。
ジェンダーエクイティとジェンダーイクオリティの違いは、公正か平等かの違いにあります。ジェンダーイクオリティは、英語で「gender equality」と表記します。公正は、結果を男女で差が出ないようにするため、個々の状況に合わせた機会が作られることを指します。一方で、平等は、男女問わず均等な機会を提供することを指します。どんな人に対しても同じ扱いや対応することを意味します。どちらの概念も、男女格差をなくすために重要な概念です。
ジェンダーエクイティはまだまだ認知度が低い概念です。ジェンダーエクイティに関する日本の現状は、世界的に見て下位にいると言えるでしょう。2024年に発表されたジェンダーギャップ指数では、日本は世界146か国中118位という順位になっています。経済分野では120位、政治分野では113位と、女性の社会進出が進んでないことが分かります。ジェンダーギャップ指数で上位に位置するのは、アイスランドやフィンランドといった北欧諸国です。
ジェンダーエクイティに取り組むと、男女格差を埋めることができます。日本ではまだまだ無意識にジェンダーバイアスがかかっています。それによって、性別による偏見や、男女の間で雇用や賃金の格差といった不平等が生まれています。男女格差を放置しておくと、人々が生きづらい社会を作り出してしまいます。男女格差を埋めることは、女性が働きやすい職場を作るのはもちろんのこと、男性も性別による負担を負わなくて済むようになります。男女格差を埋めることは、ジェンダーエクイティに取り組むメリットです。
優秀な人材を確保できることも、ジェンダーエクイティに取り組むメリットです。世の中には、優秀な人材でありながらも女性だからという性別による理由で、満足のいく職に就けていない人がまだまだ多くいます。ジェンダーエクイティに取り組めば、優秀でありながらも活躍機会がなかった人材を採用することができます。ジェンダーエクイティを推進していれば、採用後の仕事における満足度も高くなるでしょう。会社での活躍が期待されます。
ジェンダーエクイティに取り組むメリットには、生産性が向上することも挙げられます。性別に関係なく優秀な人を採用することで、結果として生産性が向上します。ジェンダーエクイティへの取り組みは、会社の中で女性も自分の能力を最大限発揮できるようにするために重要です。女性の労働への参加率が増えると、生産性が上がるというのがデータとしても実際に上がっています。IMFが行った調査によると、ジェンダー格差の縮小が効率性向上への成長への寄与度が上がるとされています。
企業イメージが向上することも、ジェンダーエクイティに取り組むメリットです。ジェンダーエクイティに取り組んでいる姿は、外部からプラスのイメージを持たれます。働きやすい職場や仕事に対するやりがいを見出すことができるからです。ジェンダーエクイティを実現している企業はまだまだ多くありません。そのため、ジェンダーエクイティに積極的に取り組むことによって、他の企業と差を付けることができます。そして、企業イメージ向上にも繋がってきます。
ジェンダーエクイティで得られる認定には、えるぼし認定があります。えるぼし認定とは、女性の活躍推進の取り組みなど、一定の条件を満たすことによって得られる認定のことです。都道府県労働局へ申請することによって得られます。厚生労働大臣による公式な認定です。認定を受けることができると、厚生労働大臣が認める通称えるぼしと呼ばれる認定マークを使用することができます。自社の広告や商品に付与することができるので、企業イメージ向上にも繋がります。
なでしこ銘柄も、ジェンダーエクイティで得られる認定になります。経済産業省によるもので、女性活躍に優れた上場企業を「なでしこ銘柄」として選定しています。中長期の企業価値向上を重視する投資家に対して魅力ある企業だと紹介することで、企業への投資を促します。加えて、各企業の取り組みが加速していくことも期待されます。なでしこ銘柄に選ばれる企業はほんのわずかです。そのため、選定されると価値のある企業として注目を浴びることができます。
ジェンダーエクイティの取り組み例として、管理職に女性を起用することが挙げられます。日本では、女性の管理職登用がまだまだ進んでいない現状があります。管理職についている人が男性ばかりの企業は、ジェンダーエクイティが進んでいる企業とは言えません。女性の声を制度などに反映させるためにも、管理職に女性を起用するのはとても重要です。SDGsの目標にも、「管理職およびその他の指導的地位における女性の割合の向上」が明記されています。
ジェンダーエクイティに取り組む際には、社員の意見を反映させるようにしましょう。企業の上層部だけで全ての方針を決定しないように注意することが大切です。ジェンダーエクイティを進めるためには、社員の中でも特に女性の声に耳を傾ける必要があります。女性の活躍機会を拡大させる際に、当事者の声を反映させることが効果的な機会作りに繋がります。社員の意見を聞いて、新たな制度設計や環境整備に反映させるようにしましょう。
社内で共通の認識を持つことも、ジェンダーエクイティに取り組む際のポイントです。ジェンダーエクイティとは何なのか、何のためにジェンダーエクイティに取り組むのか、社内で共有しておきましょう。外部に対してジェンダーエクイティをアピールする前に、社員がジェンダーエクイティを説明できることが大切です。社内で共通の認識を持つためには、社内研修を行うことも効果的です。ジェンダーエクイティについて社内で共通の認識を持つようにしましょう。
ジェンダーエクイティに取り組む際には、長期的に取り組むことを理解しておきましょう。ジェンダーエクイティは、取り組んですぐに完成するものではありません。時間をかけて、自社のジェンダーエクイティを形作っていくことが求められます。ジェンダーエクイティに関する制度などを継続的に運営しましょう。また、社内に対しても時間をかけてジェンダーエクイティの概念を浸透させるようにします。ジェンダーエクイティは、一つ施策を作ったら終わりではありません。自社の施策を見直しながら継続運営しましょう。
ジェンダーエクイティを推進している企業には、ヤフーが挙げられます。ヤフーのダイバーシティ、エクイティ&インクールジョン推進の取り組みとして、「ジェンダー・エクイティ推進」があります。具体的な取り組みとして、経営層の「女性の健康検定」全員受験や、活躍してほしい社員へ支援を行う「メンタープログラム」などが行われています。社内だけでなく外部との企画も行っており、「アンコンシャス・バイアス座談会」といったジェンダーについて考える機会も設けられています。
amazonもジェンダーエクイティを推進している企業です。amazonは、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンを重視しています。多様な人々が活躍できる機会を創出しているのが特徴的です。技術職の女性を増やすなど、女性の登用にも積極的に取り組んでいます。その他にも、Amazon FreshやAWS Public Sectorといった分野において女性が活躍しています。性別だけでなく、障害の有無に関わらず働きやすい職場作りに努めています。
ジェンダーエクイティを推進している企業には、楽天グループもあります。楽天では、「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」という考え方を大切にしてきました。性別に囚われない会社作りを目指しており、ジェンダーエクイティに積極的に取り組んでいます。2015年から本社内に託児所を設けたり、復帰後セミナーを行うといった取り組みがされています。産休や育児休暇を取った女性が会社に復帰しやすい制度が整っています。
ジェンダーエクイティに関する機関には、ジェンダーエクイティ推進オフィスがあります。ジェンダーエクイティ推進オフィスとは、東京大学によって東京大学男女共同参画基本計画を推進するために設置されたオフィスです。元々は、男女共同参画室という名前でした。東京大学では、仕事と育児の両立を支援しており、その取り組みが認定されたことを記す「くるみんマーク」というものがあります。東京労働局から正式に認定されているマークになります。
今回は、ジェンダーエクイティについて解説しました。ジェンダーエクイティとは、個々の状況に合わせて柔軟に機会が作られていくこと。ジェンダーエクイティに取り組むことによって、これまで以上に優秀な人材を採用することができ、結果として生産性の向上に繋がってきます。一方で、日本全体の取り組みは、世界的に見てまだまだ下位にいるのが現状です。ジェンダーエクイティは、一度取り組んで終わりではありません。長期的に取り組んでいくことが大切です。ジェンダーエクイティに取り組んで、働きやすさを実現していきましょう。
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