記事更新日:2023年10月27日 | 初回公開日:2022年05月30日
用語集 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報 グローバル用語解説早期戦力化とは、新人社員を一日でも早く戦力化することです。変化が激しくスピードが求められている現在、新入社員を一昔前のように鞄持ちからスタートさせ、時間をかけて育成することは難しい状況にあります。新入社員がさまざまなプロジェクトに参加しなければならないことや、これまで中堅社員が担当していたような顧客の営業担当を任されることなども少なくありません。そのため今の時代において、新入社員を早期戦力化することは企業成長のカギとなります。
若手社員の早期戦力化が難しい理由として、若手社員は困難を克服した経験が不足していることが考えられます。例えば、失敗した経験から何かを学ぶ経験や、周りの人たちと競争して上を目指し努力してきた経験などです。教育の方法が変化する中で育ってきた若手社員は、困難を乗り越えることで得られる経験を積むことができていません。できない社員だと思われることに不安を感じ、分からないことも素直に聞けないため、受け身な若手社員を戦力化することは難しくなります。
若手社員の早期戦力化が難しい理由として、企業の研修体制が整っていないことも可能性としてあります。若手社員に高い意欲があったとしても、企業が研修体制を整えていなければ、育てることはできません。もしくは、若手社員のモチベーションが高められるような研修ができていないのかもしれません。早期戦力化のためには、社員の主体性が必要であり、主体性を引き出す工夫が必要となります。若手社員が受けてきた教育や時代のせいだけではなく、原因が企業にある可能性も考えられるのです。
早期戦力化のためにはまず、入社時研修を行います。内定者や新入社員は、社会人としての経験が少ない人がほとんどです。そのため、企業の理念や事業内容を理解し、社会人としての基礎スキルを身に付けなければなりません。そして、企業の一員としての自覚を持ってもらい、働く上でのモチベーションを高めてもらう必要があります。早期戦力化を成功させるためにも、入社時の研修からしっかりとしたカリキュラムの研修を実施し、基盤を整えていきましょう。
早期戦力化に向けて、次に現場研修を行いましょう。現場研修は、自社の事業について全体像や流れなどを肌で感じてもらうことが目的です。新入社員が学生時代にその職業について学んでいる場合はありますが、実際の業務で必要となるノウハウは現場でしか学べないものもあります。また、現場研修は社内のネットワーク作りにも有効です。人事と現場が密に連携し、現場研修の計画を立てていくことが重要です。振り返りの機会なども作り、学びを深められるようにしましょう。
早期戦力化では、配属現場でのOJTを成功させることが重要になります。先輩社員やOJT担当者の指導を受けながら実務を行うことによって、職場や職務に適応していきます。しかし、OJTは形骸化を防ぐために担当者に丸投げするのではなく、職場全体で行う意識を持ちましょう。また、配属1ヶ月後にどんな状態になっていて欲しいかなどを明確にし、そこから逆算して計画を立てるのがポイントです。このように、実りのあるOJTを行い早期戦力化に繋げましょう。
ここまでの研修を終えたら、フォローアップ研修を実施しましょう。フォローアップ研修とは、研修が終了してから一定期間を置いて、同じ受講者とトレーナーによって再び行われる研修のことです。この研修ではまず、自分のこれまでの仕事ぶりを振り返って課題を見つけ、目標を立ててもらいます。目標に向かって行動しやすくするためにも、各自のキャリアプランを立ててもらうことも有効です。早期戦力化に向けて、研修後のフォローまでしっかり行うよう計画を立てましょう。
若手社員の早期戦力化のために行うべきこととして、ビジネスマナーと基本行動を習得させることが挙げられます。いつの時代になっても必要な、報連相やPDCAなどを身に付けてもらうために行います。ここで重要なのは、若手社員に自分にとって必要だというリアリティを持ってもらうことです。一般論を押し付けるのではなく、これができないと実務がこなせないという気持ちを持たせるよう考えて伝えましょう。そうすることで、若手社員も一生懸命に学ぶようになります。
若手社員の早期戦力化のためには、すぐに役立つスキルを習得させることも有効です。今の若手社員はデジタルに慣れ親しんでいる世代のため、すぐに答えを知りたがる傾向があります。失敗から学ぶという姿勢よりも、必要な知識やスキルは事前に教えて欲しいと感じているのです。ビジネス文書作成スキルやプレゼンテーションスキル、タイムマネジメントやコンプライアンスに関する知識などはすぐに役立ちます。このようなスキルを習得させ、業務に役立てられるよう体制を整えましょう。
若手社員の早期戦力化のために行うべきこととして、モチベーションを維持させる工夫をすることも考えられます。新入社員が壁にぶつかって、モチベーションを保つのが難しくなると予想される時期に、どうやってフォローするのかあらかじめ考えておきましょう。悩みを聞いた上で、成長しているところを示すと効果的です。配属された後や、入社1年目の後半になって任せられる仕事が増え始めるタイミングなどでフォローを入れると、若手社員もモチベーションを保ちやすくなります。
若手社員を早期戦力化するポイントとして、実施する意味を感じられる研修内容にすることが挙げられます。今の若手社員はインターネットの発展によって、分からないことを自分で考えるのではなく、まず調べるという癖がついています。そのため、あらかじめ研修を行う意味が感じられているかどうかで、パフォーマンスが大きく変わる傾向にあるのです。研修内容を意味の感じられるものにすることで、若手社員も納得して取り組むことができ、実務にも活かそうという意識が芽生えて早期戦力化に繋がります。
若手社員を早期戦力化するポイントとして、やりがいのある仕事を任せることも必要になってきます。若手社員がやりたくないと感じる仕事ばかり任せてしまうと、仕事へのモチベーションが下がってしまいます。それぞれの経歴や持っている資格などを考慮し、できそうな仕事や興味が持てるような仕事を与えましょう。得意な分野で才能を発揮してもらうことで、仕事に前向きな姿勢で取り組むことが期待できます。仕事は好きなことばかりできる場所ではありませんが、できるだけ適材適所に配置できるよう心がけることが大切です。
若手社員を早期戦力化するポイントとして、達成感を得る経験をさせることも重要です。何かをやりきったという経験は、人を大きく成長させます。新人というポジションが活かせる新たなプロジェクトに参加させるなど、自分の存在意義が感じられる仕事を任せると効果的です。またフォローをする際は、手助けをするのではなく、見守ることが必要です。悩んでいる様子を察知し、励ますことによって最後までやりきれるようサポートしましょう。そのようにして達成感を得た経験が、今後の成長にも大きく影響していきます。
若手社員を早期戦力化するポイントの中には、評価方法を見直すことも含まれます。これまでのような年功序列の評価方法では、若手社員のやる気もなかなか上がりません。頑張っても評価されないと分かると、頑張らずに働こうという意識にシフトしてしまいます。スキルが高く、会社へより貢献している人が適正な評価を受けられるよう、体制を整えましょう。実力に応じた評価がされると決まっていれば、若手社員のモチベーションも上がります。そして、結果的に評価方法の見直しが若手社員の早期戦力化に貢献するのです。
若手社員を早期戦力化するポイントとして、現場と連携する仕組みを作ることも考えられます。これは、現場と人事と新入社員が連携するということを指します。具体的な例として、OJT担当者向けの研修を実施し、新入社員の受け入れ前の準備や受け入れ後の相談に乗ることなどがあります。育成ゴールのイメージを共有し、咀嚼してもらうことが重要です。配属後の教育を現場に丸投げするのではなく、担当者を支援して目標達成に向けて積極的に働きかけましょう。そして、若手社員がより育ちやすい環境を作るのです。
中途採用を早期戦力化するポイントとして、コミュニケーションが取りやすい環境を整えることが大切になってきます。これは、どんなに高いスキルがある人でも、新しい職場に馴染むのは簡単ではないからです。中途採用者は即戦力があるとみなされているため、周りに頼ることが難しい環境下で仕事をしています。また、周囲の人も中途採用者には助言がしづらい風潮があります。このような問題を解決するために、企業側からコミュニケーションを取りやすい環境を整えることで、期待している成果を発揮してもらうことができるのです。
中途採用を早期戦力化するポイントとして、会社の仕事の進め方や評価方法を明確に伝えるというものがあります。仕事の進め方は会社によって違うため、前職が同業だったとしても、中途採用者には具体的な仕事の進め方を伝えましょう。自分の役割を明確に認識できるよう促すことがポイントです。また、企業の評価方法を明確に伝えておくことで、モチベーション維持や早期退職防止にも繋がります。こまめなフィードバックも合わせて行い、中途採用者の早期戦力化に繋げましょう。
新人社員を早期戦力化するには、様々な方法で研修を実施する必要があることをお伝えしました。研修を行う際は担当者だけに任せるのではなく、職場全体で進めていく意識を持ちましょう。また、早期戦力化を行う際は、今の若手社員の特徴を踏まえた上で指導することがポイントです。積極的に働きたいと思える環境作りに努めましょう。若手社員のモチベーションを上手く保ちながら、企業の発展に貢献してもらえる人材へと成長できるよう、早期戦力化の実現に向けてできることから始めてみてください。
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