嘱託社員とは【給与の注意点やデメリットを詳しく解説!】

記事更新日:2022年07月26日 初回公開日:2022年05月31日

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日本は高齢化社会と言われており、平均寿命が徐々に伸びている傾向が見受けられます。一般的な定年とされてる60歳を超えても、引き続き働く意志のある高齢者が増えています。企業の経営側から見ても人手不足などの背景を踏まえて、経験の豊富な人材を定年後も嘱託社員として再雇用したいと考えることもあるかもしれません。今回は嘱託社員について基本的な概要や、契約社員や派遣社員との違い及び採用するメリットなどについて紹介します。嘱託社員の導入を検討している企業担当者は、ぜひ参考にしてみてください。

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嘱託社員とは

非正規社員として業務を頼むこと

嘱託社員とは一般的に、定年を迎えた退職後に再び企業と雇用を交わす、非正規雇用社員のことを指します。有期の労働契約で企業に雇用される非正規雇用社員の1種です。嘱託社員には明確な定義はないため、労働者と企業の合意のもとに、待遇などをある程度自由に決めることができます。 技術や能力のある定年を迎えた社員を、引き続き働いてほしいと考えることもあるでしょう。その場合、再び有期の雇用契約を結び勤務してもらうことができます。

嘱託社員と契約社員の違い

勤務時間の違い

嘱託社員と契約社員の違いは、勤務時間です。嘱託社員は企業との契約によって、フルタイム勤務とパートタイム勤務を選べます。しかし契約社員は、フルタイム勤務が一般的です。有期雇用契約を結んでいる非正規雇用社員であれば、契約社員と同じではないのかと疑問に思われるかもしれません。嘱託社員は契約社員の一種とも考えられ、非正規雇用社員という特徴は、契約社員やパート勤務と同じです。嘱託社員のことを契約社員と呼ぶ企業もあります。

嘱託社員と派遣社員の違い

雇用主の違い

非正規雇用者の中には、派遣社員と呼ばれる雇用形態もあります。嘱託社員と派遣社員の大きな違いは、雇用主が異なっている点です。派遣社員は派遣会社と契約を結んでいるため、雇用主が派遣会社になります。対して嘱託社員の雇用主は実際に労働をする会社のため、雇用主は別になるでしょう。そのため契約の内容にも、違いが見られます。退職後に再雇用できる嘱託社員は、新しく採用活動を行う手間がかからないため、採用担当から見ると利点です。

嘱託社員の種類

定年後に再雇用という形で雇用する

嘱託社員は、2つの種類に分けられます。1つは、定年退職後に再雇用された嘱託社員です。労働契約を結んで雇用されるため、労働基準法が適用されます。嘱託社員であっても、正社員と同じような業務を行う場合もあります。企業にとっては経験や技術のある社員を、定年退職後に再雇用ができれば即戦力となるでしょう。また人手が欲しいけど正社員を雇うほどではないケースにも、嘱託社員を採用して業務の効率化を図ることができます。

専門性の高い業務を依頼して雇用する

嘱託社員のもう1つは、医師や弁護士など専門性の高い業務を依頼する雇用形態です。企業から仕事を請け負うため、業務委託という契約になるケースもあるでしょう。行政機関には、非常勤で雇用する形態の1つに嘱託職員があります。医師や弁護士など専門性のある技術や能力を持っている人を嘱託社員として雇用し、期限が決められている臨時の職員として勤務してもらう形態もあります。その場合は、常勤のフルタイム職員より勤務時間も短くなります。

嘱託社員の雇用形態

嘱託社員の待遇

嘱託社員には、労働基準法が適用されます。しかし有給休暇の日数や入社してからの試用期間やボーナスなどの条件は企業によって異なるでしょう。嘱託社員は時給制であることが多く、ボーナスや退職金がないケースも多いです。また同じ職場で6カ月以上働き、全労働日の出勤率が8割以上であれば、有給休暇が認められます。定年から嘱託社員に切り替える場合は、正社員の期間が考慮されるため6カ月以上の勤務期間があれば、すぐに有給休暇を取得できます。

嘱託社員の福利厚生

嘱託社員は、勤務時間などの条件を満たせば社会保険等に加入できます。労災保険は加入できますが、そのほかの社会保険は勤務条件によって異なるでしょう。雇用保険の加入には、31日以上の勤務と週20時間以上の労働が絶対条件になります。健康保険と厚生年金保険の加入条件は、従業員が501名以上の会社で1年以上働き、月に88,000円以上の収入があることです。次に所定労働時間が週に20時間以上、または正社員の4分の3以上の勤務時間が必要です。そして2カ月以上勤続する見込みがあれば認められるでしょう。

嘱託社員の給与

嘱託社員の給与は、会社によって扱いが違います。嘱託社員の給与や待遇は、正社員と必ずしも同様である必要はありません。嘱託社員の待遇は会社によって違うため、時短勤務は給与を減額するといったケースもあります。しかし企業が自由に労働条件を決められるわけではありません。パートタイム有期雇用労働法8条では、正社員と有期雇用労働者に不合理な待遇格差を設けることを禁止しています。業務や責任の範囲が同じであるにもかかわらず、給与や待遇に差をつけることは許されていません。

嘱託社員を雇うメリット

高い専門性を必要に応じて得ることができる

嘱託社員を雇うメリットは、高い専門性を必要に応じて得ることができる点です。たとえば医師や弁護士などの専門性の高い職種は、資格や専門知識のない一般社員では代わりに仕事を務めることができません。そのためスキルをもつ専門家を、必要なときに契約して仕事を依頼することができます。その場合は請負契約となり、労働基準法は適用されません。嘱託社員と呼ばれますが、実際にはその企業の社員というわけではなく独立しているケースが多いです。

ベテラン人材が活躍できる

嘱託社員を雇うことで、ベテラン人材の活躍に期待ができます。定年退職した社員の再雇用であれば、人物に対して詳しく知っていることが利点になります。どのような業務を経験してきたのか、どの程度のスキルを持っているのか企業内で情報の把握もしやすいでしょう。そのため再雇用した後も、新しく業務を覚える必要がなく、即戦力として個人の能力の発揮が期待できます。今までに培ってきた知識や人脈などを引き続き活用することができるでしょう。

長期継続勤務が期待できる

嘱託社員を雇うことで、長期の継続勤務が期待できるでしょう。定年後に嘱託社員になれば、新しい職場を探す必要がなく、慣れた職場で引き続き働くことができます。仕事環境が大きく変わることも少なく、働きやすい環境で過ごせます。嘱託社員へ切り替える際は、労働条件の見直しも兼ねて雇用契約を結ぶことも可能です。マイペースに働きたいなどの希望があれば労働時間を短くできるケースもあります。余裕のある働き方ができるため、離職率も減ることが期待できるでしょう。

人件費の削減につながる

嘱託社員の雇用によって、人件費の削減につながります。一般的に嘱託社員は、勤務時間の減少や責任の緩和などにより、正社員よりも給与が低い傾向があります。そのため企業にとっては、人件費を抑えることができます。また新しい人材を採用する手間や時間がかかりません。仮に求人広告で募集するならば、採用までに時間と費用が必要です。また採用してから戦力になるまでに、時間がかかります。そのため業務経験がある人材を嘱託社員として雇うことで、コスト削減が期待できるでしょう。

嘱託社員を雇うデメリット

嘱託社員の働くモチベーションを保つのが難しい

嘱託社員を雇うデメリットとして、働くモチベーションを保つのが難しいことが挙げられます。正社員からの再雇用する場合、正社員のときと同じ仕事であっても、給与が減るケースが多く見受けられます。そのため、意欲低下につながりやすいと言えるでしょう。また再雇用後には、今まで部下だった人物が上司になり、指示されたり注意されたりする場合もあります。そのため、不満を抱いてしまう可能性もあるかもしれません。嘱託社員に新しいポジションを与えたり、考慮したフォローが必要です。

辞職のリスクを抱えることにつながる

嘱託社員を雇うと、辞職のリスクを抱えることにつながります。嘱託社員は基本的に有期の労働契約であるため、契約期間が終わるたびに更新しなければなりません。また更新する際には、事務手続きなどの手間もかかるでしょう。そのため嘱託社員にとっては、定期的に離職するかを判断するタイミングが訪れます。仕事のできる人材に長く働いてもらうには、仕事に対しての意欲を維持してもらう配慮が必要です。新しい業務を任せたり、時短勤務にしたりなど社員に合った気遣いが大切です。

嘱託社員を雇う際の注意点

同一労働同一賃金制に注意する

嘱託社員を雇う際は、同一労働同一賃金制に注意しましょう。嘱託社員に切り替わったからと言って、賃金の引き下げはできません。同じ労働には同じだけの賃金が支払われるという原則は適用されます。中には企業が嘱託社員から、正社員との待遇格差についての損害賠償を請求され、敗訴するケースも見受けられます。そのため人事制度の大幅な見直しが必要になる場合もあるでしょう。また社内規則に変更があれば、社員への説明も求められます。同一労働同一賃金制に注意した人事改革には、早めの準備をおすすめします。

希望する者は原則65歳まで雇用しなければならない

嘱託社員を雇う際の注意点として、原則65歳まで雇用しなければならないという注意点が挙げられます。定年の最低基準は60歳ですが、60歳以降も働きたいという本人の意志があれば65歳まで雇用しなければなりません。継続雇用制度によって、定年廃止や65歳までの定年の引き上げ又は65歳までの継続雇用制度の導入のいずれかの実施が義務となっています。法律に基づく原則に従い、船員や国家公務員及び地方公務員を除いた全ての従業員に、65歳まで雇用の機会が与えられています。

嘱託社員の事例

サイコーインダストリー

嘱託社員を導入して成功した企業の事例をご紹介します。サンコーインダストリー株式会社は90歳の世界最年長総務部員が働く会社として、ギネスに認定され有名になりました。勤続年数は65年を超え、60歳で嘱託社員になってから30年間契約を更新しています。自由なコミュニケーションが飛び交う風通しの良さや、拠点を超えたサークル活動が勤続の秘訣と言えるでしょう。また直近の新卒者の離職率は3%という非常に低い数値にも現れています。 本人の意思さえあれば、ずっと勤務し続けられる環境が整っていることが魅力的な企業です。

まとめ

嘱託社員を導入して企業にあった社員を雇用しよう

嘱託社員の採用は、能力の高い社員にできる限り長く活躍してもらうための効果的な施策と言えます。日頃から社員のスキルを把握していれば、再雇用後もそれぞれの社員の能力を発揮する環境を用意することができるでしょう。嘱託社員の採用を上手く取り入れていくことで、企業全体の生産性も高まります。時代と共に世界情勢が徐々に変化していく中で、日本の働き方も随時見直されつつあります。今後さらに多様化が予測される働き方の1つとして、積極的に嘱託社員の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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