記事更新日:2019年01月31日 | 初回公開日:2018年05月14日
人事・労務お役立ち情報ジョブカード制度は、厚生労働省の施策です。
ジョブカード制度とは、個人のキャリアアップや円滑な就職を促進する目的で制定されています。ジョブカードは、生涯を通じたキャリアプランニングや職業能力証明のツールとして活用するものです。個人がキャリアコンサルタントなどの支援を受けながら、求職活動、職業能力開発を行っていくための制度です。個人とは、現在、就職しているか、求職中かなどは問われません。
したがって、企業としては、現状の従業員に対しても、採用時の求職者に対しても、ジョブカード制度を活用することが可能です。
企業は、ジョブカード制度を活用して、従業員を雇い入れるとき、あるいは、既存のパートやアルバイト従業員の能力向上(正社員登用)を図りたいときに、職業訓練を実施するための支援を受けることができます。採用におけるミスマッチの回避、企業内での有力人材の確保に役立てられています。雇用や人材育成に力を注ぐ企業であるというPR効果も見込めます。職業訓練には3つの種類が設定されています。有期実習型訓練として①基本型②キャリアアップ型があり、③実践型人材養成システムがあります。
政府は、ジョブカード作成者数を2020年までに300万人にするという目標を掲げています。ハローワークを通じて、適切な申請をするなど要件を満たす企業については、採用や正社員登用に際し、国からのキャリアアップ助成金を受け取ることができます。
ジョブカード制度の活用は、申請の手間は発生するものの、採用や研修のコストを削減できるというメリットとなります。全国にジョブカードセンターが設置されているので、ジョブカードアドバイザーの支援を受けるといいでしょう。
ジョブカード作成や、キャリアコンサルティングを円滑に進められるよう、専用の支援サイトやソフトウェアも公開されています。これらを活用することにより、企業における求職者や従業員のキャリアアップ支援の管理もよりスムーズになるでしょう。
人手不足で、経験者の確保も難しい現状のある介護の職種。
給与水準が低く、景気の動向にも左右されやすいため応募が集まりにくいです。現状の職員においても精神的なストレスによる離職者が多く、人材確保はさらに困窮します。介護業界でのジョブカード制度の活用事例を紹介します。
日本商工会議所
■実施内容
ジョブカードアドバイザーの支援のもと、有期実習型訓練の訓練カリキュラムを作成。未経験者でも徐々に仕事に馴染めるように6カ月の期間を設定。
Off-JT(2カ月間)
・介護概論と関係法規
・医学の基礎知識
・介護職員初任者研修講座
・パソコンの基本実習
指導者は2名で、看護師やケアマネージャーの有資格者であり、専門学校講師を務める専門家を配置しています。教材は、地方訓練受講者支援室から事前に確認を受けたテキストを使用しています。
OJT(4か月間)
介護老人保健施設での実技実習
介護記録の作成
毎日の訓練の振り返り
指導者は4名で、介護福祉士やケアマネージャーの有資格者を配置しました。
■実際の効果
1)未経験者の雇用につながり、人材不足を解消
2)教育体制の充実で、介護の質が向上
3)訓練期間中に人材を見極められるため、正社員雇用の判断が可能
4)訓練終了後に助成金が支給され、コスト負担が軽減
5)国の制度活用により、当法人のイメージアップとなった。
■効果の要因
1)カリキュラム内容
・パソコンの基本講習を40時間実施
・新入社員教育を20時間実施
・介護職員初任者研修の資格取得
→介護職員の常識では必要ないと思われがちな内容を投入
→資格取得で研修内容と研修価値を向上
2)カリキュラム期間
・6カ月間というゆとりあるカリキュラムで訓練を実施
→ 中高年齢の職種転向者の不安や抵抗感の解消
→ 幅広い年齢層からの応募が実現
3)キャリアの身分保証
・有期実習型訓練の修了者は、準社員としての身分を保証し待遇反映
・当法人のキャリアアップ制度との併用で能力向上
・介護福祉士の資格取得と同時に正社員化する制度を構築
→社員が目標を持って仕事に取り組めるようになる
4)長期安定雇用の好循環
・関係者一同が全力で支援に当たれた
・ハローワークでの求人広告、毎年の有期実習型訓練が恒例化
→充足する応募、有効な採用につながっている
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