ブラザーシスター制度とは【メンター制度との違いや導入企業の事例について解説します】

記事更新日:2023年02月09日 初回公開日:2023年02月09日

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現在、若手社員の早期離職が多くの企業で問題となっています。そこで、新入社員の離職防止対策として注目されているのが「ブラザーシスター制度」です。この記事ではまず、ブラザーシスター制度の意味や目的、導入手順などを説明します。その上でブラザーシスター制度を取り入れるメリットやデメリット、導入事例などを解説します。「新入社員にぜひ長く働いてもらいたい」と考えている人事担当の方にぜひ読んでいただきたい内容です。

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ブラザーシスター制度とは

先輩社員が兄や姉として新入社員にアドバイスを行う制度

ブラザーシスター制度とは、先輩社員が兄や姉として新入社員にアドバイスを行う制度のことです。一人一人に対して仕事の進め方から心構えの指導などを行い、業務や社会生活における不安や悩みも聞きます。ほとんどの場合、指導役には新入社員と年齢の近い先輩社員が選ばれることが多いです。新入社員一人に対して指導役となる社員が何人になるかは企業によって異なります。しかし、通常は新入社員一人につき一人の指導役がつく場合が多いです。

ブラザーシスター制度の目的

新入社員に企業への定着を促す

ブラザーシスター制度の目的は、新入社員に企業への定着を促すことです。これは、社内でキャリア形成をしてもらうことにも繋がります。入社して時間の経っていない社員が、人間関係や社会人になってからの生活について不安を抱いても、年齢が離れている上司には相談しづらい可能性があります。しかし、年齢や境遇が近い先輩社員には相談しやすいという場合があるのです。ブラザーシスター制度でアドバイスをもらうことで「この企業で成長したい」と感じてもらうことが大切になります。

ブラザーシスター制度とメンター制度の違い

メンター制度は別の職場の先輩がサポートを行う

ブラザーシスター制度とメンター制度の違いとして、メンター制度は別の職場の先輩がサポートを行うことが挙げられます。そのため、実務における指導やアドバイスなどよりも、メンタル面やキャリアについての支援を行うことが中心です。また新入社員と言っても新卒社員だけでなく、中途入社社員が対象となることがあり、場合によっては既存社員が対象となることもあります。この場合もやはり、対象となる社員と年齢の近い社員が担当することが多い傾向にあります。

ブラザーシスター制度とOJT制度の違い

OJT制度は先輩社員が仕事の進め方を教える

ブラザーシスター制度とOJT制度の違いとして、OJT制度は先輩社員が仕事の進め方を教えるということが挙げられます。つまり、日常業務を通じて行われる一般的な社員教育のことです。新入社員だけでなく先輩から後輩、上司から部下へと技術の伝承を行うために使われている教育法となります。ブラザーシスター制度やメンター制度と違って、メンタル面のサポートは行わないことが基本です。さらに対象となる社員は、新入社員以外にも同じ社内から異動した他部署の社員も当てはまります。

ブラザーシスター制度の導入手順

自社の課題から目的を考える

ブラザーシスター制度の導入手順として、まず自社の課題から目的を考える作業を行います。ブラザーシスター制度は新入社員の早期離職防止が主な目的とはいえ、詳細は企業によって異なります。新入社員が馴染みづらいことを課題とする場合は、新入社員でも馴染める職場環境を整えることが目的となるのです。このように自社に必要なことを見極めて、この制度を導入する目的を考えましょう。また、離職率をどこまで下げるのか指標を決めておくことも大切です。

ブラザーやシスターの選定方法を決める

次に、ブラザーやシスターの選定方法を決めましょう。指名するという方法もありますが、意欲のある社員に指導役をしてもらためにも、立候補によって募ることをおすすめします。一方的に指名した場合、指導役となる社員に意欲がないことや、自身の業務で忙しく制度が機能しない場合もあるからです。また、意欲のある社員に立候補してもらうことで、新入社員と信頼関係を築きやすくなるでしょう。さらにその指導を受けた新入社員が将来、ブラザーやシスターに立候補してくれることも考えられます。

選定方法は複数用意しておく

ブラザーシスター制度を導入するという時には、選定方法を複数用意しておくということも必要でしょう。立候補によって決めると限定してしまうと、制度について説明しただけでは立候補する社員がいない場合も考えられるからです。ブラザーシスター制度による教育を受けていない社員から指導役を募集しても、立候補しづらいということもあります。「立候補者がいない場合は会社から指名を行う」というように決めておくことも大切です。

新入社員が相談しやすい環境を整える

ブラザーシスター制度を導入するために、新入社員が相談しやすい環境を整えることも大切です。この制度には業務の指導やフォローも含まれているため、メンター制度のようにフォローの頻度を細かく決めておく必要はないでしょう。しかし、新入社員の悩みは業務内で完結しているとは限りません。月に一度面談を行うことや、最近の悩みなどを書いてもらう機会を作るなど工夫してみてください。そして、それらについてブラザーやシスターからフィードバックが出来るようにしておくと良いでしょう。

制度を周知する

制度を導入するための準備が整ったら、この制度を周知するようにしましょう。ブラザーシスター制度では、基本的に新入社員の先輩にあたる社員が指導役となるため、他部署に関わってもらうことはありません。ただし、ブラザーシスター制度を企業全体に広めていくには、社員に制度を知っておいてもらうことはとても重要です。企業全体として理解を深めておくことで、他の社員からもサポートを受けることが出来る可能性があります。ぜひ、周知してみてください。

ブラザーシスター制度のメリット

新入社員の本音を聞き出しやすい

ブラザーシスター制度のメリットは、新入社員の本音を聞き出しやすいことです。新入社員は、年齢の離れた上司や自分を評価する立場にある人に相談することは、ハードルが高いと感じるでしょう。一方ブラザーシスター制度で相談する相手は、少し前まで同じ立場だった年齢の近い社員であることが多いです。悩みに対して近い目線で共感やアドバイスをもらうことで、新入社員の不安が軽減することに繋がります。そして、悩みを早期発見することが解決の糸口になる場合もあるのです。

先輩社員の成長に繋がる

ブラザーシスター制度のメリットとして、先輩社員の成長に繋がることも挙げられます。ブラザーやシスターを経験することで、若手社員が新入社員の悩みに真剣に向き合うことになります。この経験は、将来部下を持つようになった時に役立つでしょう。また、教えることによって自身の理解度を高めることにも繋がります。「新入社員から頼りにされている」という実感から、責任感や主体性も育まれることでしょう。それは、若手社員のモチベーションアップにもなります。

組織文化が伝承されやすくなる

ブラザーシスター制度のメリットには、組織文化が伝承されやすくなるということも含まれます。組織文化は経営側から従業員に指示しても、浸透させることは難しいです。中でも新入社員は組織文化を頭で理解できていたとしても、行動に落とし込む方法が分からないという場合もあるでしょう。ブラザーやシスターはアドバイスをするだけではなく、お手本にもなります。それにより、新入社員も動きやすくなることでしょう。これが、組織文化の伝承に繋がるのです。

ブラザーシスター制度のデメリット

先輩社員への負荷が大きくなる

ブラザーシスター制度のデメリットとして、先輩社員への負荷が大きくなることが挙げられます。ブラザーやシスターは普段通りの業務を行いながら新入社員の指導を行わなければなりません。それは、先輩社員の業務負担や心理的負担が大きくなることになります。先輩社員の余裕が無くなれば、新入社員へのフォローがおろそかになってしまうでしょう。そうならないためにも、業務量の確認やフォローを適宜行い、先輩社員の負担が多すぎないかチェックすることが大切です。

教育の質に差が出る可能性がある

ブラザーシスター制度のデメリットには、教育の質に差が出る可能性があることも考えられます。この制度では基本的に一対一で指導を行うので、担当者一人一人のやり方に任せる面が大きくなります。業務に関する教育は、マニュアルを作っておくことで統一することができるでしょう。しかし、メンタル面のフォローはマニュアル化が難しいので、対応に差が出てしまうことも予想されます。指導役によって質の差が出ないためにも、事前の研修などでベースを整えておきましょう。

新入社員が依存するようになることがある

ブラザーシスター制度のデメリットとして、新入社員が依存するようになることも考慮する必要があります。新入社員がブラザーやシスターを頼りすぎるようになると、成長の妨げになる可能性もあるのです。自立を促すためにも、ある程度業務を教えたら自分なりに考えて行動できるように見守りましょう。慣れてきたら質問をする前に、自分で一度考えてもらうなどの工夫も必要です。「一人でもできた」という成功体験から自信を持ってもらうことも大切なことです。

相性が合わない場合もある

ブラザーシスター制度のデメリットとして、相性が合わない場合もあることには注意が必要です。ブラザーやシスターと関係が上手くいかないまま時が経つと、新入社員が離職するきっかけになる可能性もあります。1番身近な存在であるがゆえに、そこでの関係が悪化すれば誰にも相談できなくなってしまいます。そのような事態を防ぐためにも、第三者の視点から制度が円滑に動いているか確認しましょう。ブラザーやシスターと新入社員の関係性が閉ざされないように注意してください。

ブラザーシスター制度の導入事例

アサヒビール株式会社

ブラザーシスター制度の導入事例として、アサヒビール株式会社が挙げられます。アサヒビール株式会社では社員が入社してから4ヶ月の間、公募で集められた先輩社員がブラザーやシスターとなります。主に業務のサポートやビジネスマナーの教育、メンタルケアを担当するのです。数十年前からブラザーシスター制度を取り入れているため、ノウハウが既にあることが特徴です。先輩社員と新入社員のどちらも成長が実現できるような制度の運用を行っています。

三井住友海上火災保険株式会社

ブラザーシスター制度の導入事例として、三井住友海上火災保険株式会社も参考になります。三井住友海上火災保険株式会社では、人材育成支援対策として「ファミリー制度」を設けています。新入社員一人一人にファーストブラザーやファーストシスターと言った育成担当者がついて、指導やフォローを行うのです。また、この会社では育成担当者以外の社員も含めた会社全体で「新入社員を成長させよう」という意識を共有しています。それによって、日々のコミュニケーションも活発です。

まとめ

ブラザーシスター制度を導入して新入社員の育成を成功させよう

ブラザーシスター制度は、新入社員に企業への定着を促す際に効果的です。年齢の近い社員と関わる機会を増やすことで新入社員の本音を聞き出しやすくなることに加えて、組織文化も伝承されやすくなります。それだけでなく、ブラザーやシスターの役を任される先輩社員の成長にも繋がるのです。取り入れる際は、先輩社員への負荷が大きくならないよう配慮し、新入社員の自立を妨げないようにも注意しましょう。ブラザーシスター制度によって、新入社員の育成を成功させる好循環が生まれるようにすることが大切です。

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