ブラザーシスター制度とは【ブラザーシスター制度のメリット・デメリットや導入方法】

記事更新日:2020年11月18日 初回公開日:2020年10月23日

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近年、新規学卒就業者の就職後3年以内の離職率は平均で約3割を超えていると言われており、多くの企業で課題となっているのをご存知でしょうか。新入社員の3人に1人は、人間関係や労働条件を理由に早期離職を決断しているのです。そこで、早期離職防止対策として「ブラザー・シスター制度」という人材育成制度に注目が集まっています。「ブラザー・シスター制度」とは何か、メンター制度・OJT制度との違い、メリット・デメリットなどをご紹介します。

ブラザー・シスター制度とは

同じ部署の先輩社員が指導役として総合的に教育を行う制度

「ブラザー・シスター制度」とは、同じ部署の先輩社員が指導役となり、新入したばかりの社員に実務指導やメンタル面のサポートを行う教育制度です。指導役は、新入社員と年齢や世代の近い先輩社員が担当し、ブラザー(兄)・シスター(姉)に見立てることからこのような名称がつけられています。双方の年齢が近いため、小さな疑問や相談がしやすく、安心感を得られやすいことが利点と言えるでしょう。多くの場合、新入社員一人に対し一人の指導役社員ですが、企業によっては複数人つくこともあります。

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他の人材育成制度との違い

OJT制度との違い

実務指導に特化

ブラザー・シスター制度と似た教育制度としてあげられるのがOn-the-Job-Training 、いわゆる「OJT制度」です。両制度とも同じ部署の先輩が指導役を担うという面では似ていますが、OJTは新入社員に限らず他部署から異動してきた社員を含めた全社員を対象にしています。またOJTの目的は、その部署に入ってきた新人の業務取得の早期化であるため、指導範囲は実務指導に特化しています。つまりメンタル面までフォローを行なうブラザー・シスター制度の方が、新入社員の不安解消につながると言えるでしょう。

メンター制度との違い

メンタル面でのサポートに特化

もう一つ、似た制度としてあげられるのがアメリカで確立された「メンター制度」です。大きな違いは、メンター制度の指導役は別の部署の先輩社員が担当し、実務指導は行なわずメンタル面やキャリア形成について支援を行う点です。対象者においても、新入社員に限定せず、若手社員を中心とした全社員が対象です。所属部署が異なるため、指導役と対象者との間で利害関係が発生せず、客観的なメンタルケアを受けられることがポイントでしょう。

ブラザー・シスター制度導入の目的

新入社員の定着に役立つ

それでは、実際に企業がブラザー・シスター制度を導入する目的は何でしょうか。それは、新入社員の会社への定着率向上に大いに役立つからです。冒頭でもご紹介したとおり、近年、新規大卒者の約3割は入社3年未満に離職する傾向にあり、企業にとって社員の早期離職を防ぐことは重要課題となっています。本制度は、早い段階で新入社員のつまずきに気づきケアにあたるため、新入社員の帰属意識や長く働きたいという意欲につながると言われています。

ブラザー・シスター制度導入の効果

愛社精神が育まれる

ブラザー・シスター制度導入にあたって得られる効果、それは愛社精神が育まれることです。会社の適切なサポートにより、新人の頃の辛い時期を乗り越えることができた社員は、自分を大事にしてくれる会社のためにもより良い成果を上げようと努めます。また、職場全体に「育成マインド」が広がりやすいことから、周囲の社員にも良い影響を与えてくれます。社員一人ひとりを大切にする人材育成制度は、企業とそこで働く人々の間での好循環を生むことができるのですね。

ブラザー・シスター制度のメリット

新入社員の早期離職の防止につながる

入社したての新人社員は、はじめての社会人生活ということで職場の人間関係や仕事へのプレッシャーなど、多くの悩みを一人で抱えてしまうことがありますね。ブラザー・シスター制度導入により、新入社員は早い段階から仕事の悩みだけでなくメンタル面など、さまざまなアドバイスやサポートを受けることができます。それは新入社員の不満軽減や不安解消となり、先輩社員との信頼関係も育まれることで早期離職の防止につながるのです。

新入社員のスキルアップにつながる

新入社員がはじめての職場では「習得すべきこと」や「やること」が数多くあり、焦ってしまう人も多いでしょう。ブラザー・シスター制度を導入すれば、指導役の先輩が適宜フォローにあたってくれるため、新入社員にとって気持ちの安定した職場環境となります。業務についての困り事や疑問を気軽に相談できるということは、新入社員のスキルアップにつながります。それにより、一人前の社員としてひとり立ちの早期化にも期待できますね。

指導役社員のマネージメントスキルの向上に役立つ

ブラザー・シスター制度は、指導する側の育成に役立つ制度でもあります。新入社員の指導や教育をすることで、指導役社員の問題解決能力を高め、マネージメントスキルの向上に役立ちます。つまり本制度は、人材育成の正のサイクルを生むことができると言えますね。また、実務指導だけでなく生活や人間関係の相談にも乗ることで、コミュニケーションスキルや自身の学びや気付きになり、将来、部下を持ったときにも役立つ経験になるでしょう。

企業文化の継承につながる

ブラザー・シスター制度は指導役となる先輩社員から新入社員へ、その新入社員が一人前の社員になったときには次に入社してくる新入社員へと受け継がれていくものです。これは、人材育成の制度だけでなく、人材を大事にするという社風や企業文化についても自然と受け継がれていくことを意味しています。ブラザー・シスター制度を通し、職場での深い信頼関係という企業文化を、次の世代へとつなげていく効果があると言えるでしょう。

ブラザー・シスター制度のデメリット

指導役社員への負荷が増加する可能性がある

指導役となる先輩社員は、通常の自身の業務に加え指導役としての役割を果たす必要があります。それはつまり、業務負担の増加を意味し、ブラザー・シスター制度のデメリットの一つです。指導役社員によっては、自分の営業成績へ影響を与えかねない、面倒なことはしたくないと嫌煙する人もいるかもしれません。そこは職場全体が本制度への理解を持ち、指導役社員の業務を他の社員で分散するなど具体的な負担軽減策を講じる必要があるでしょう。

新入社員の自立心が養わにくくなることがある

新入社員側のブラザー・シスター制度導入のデメリットとしてあげられるのは、自立心が養われにくくなることがあるという点です。何でも話しやすい関係性が災いして、新入社員が相談し教わることに依存してしまい、自分で考え解決する姿勢が希薄になることがあります。この場合、本制度は正しく機能していません。指導役社員は全てをサポートするのではなく、適切な範囲のサポートが求められ、新入社員には働く上での自覚と意識が求められます。

相性が合わなかった場合は不公平感を感じることがある

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ブラザー・シスター制度の成否を決める大事な要素の一つが、新入社員と指導役となる先輩社員の相性です。年齢が近いとはいえ、一人ひとりに個性があり、性格や方針が合わないために不満を抱くこともあるでしょう。このミスマッチにより新入社員が不公平感を感じると、自分とは違ってうまくいっている同期を羨み、さらなるモチベーションの低下につながるため、注意が必要です。これを防ぐためには、指導役社員への事前研修の際に指導役同士のスキルや意識を統一することが効果的でしょう。

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信頼関係がうまく築けないと制度自体が機能しない可能性がある

ブラザー・シスター制度は、新入社員と指導役社員の双方が信頼関係を築くことによって効果を発揮します。お互いを理解し信頼し合う気持ちがないと、うまく機能せず形だけの制度になりかねません。本制度を機能させるためにも、事前に指導役社員に対するコミュニケーションや指導力向上を目的とした適切な研修や意識統一が求められます。そして運営側が、双方を適宜モニタリングするなど、企業としての組織的なサポートが必要不可欠です。

ブラザー・シスター制度導入のステップ

導入の目的とKPIを設定する

ブラザー・シスター制度を導入するにあたって、「何のために導入するのか」という目的、「それはどうしたら果たせるか」を判断するKPIを明確化しましょう。KPIとはKey Performance Indicatorの略で、達成目標に対して目標達成度合いを評価する評価指標のことです。「新入社員の早期離職の低減」という導入目的であれば、新入社員の離職率をKPIに設定するなど、具体的な目的とそれに合わせたKPIを設定しましょう。

対象者を選定する

つづいて対象となる社員を選定します。指導を受ける対象者は「入社したばかりの新入社員」「入社半年以内の社員」、指導役となる先輩社員は「3年目以降の社員」など、具体的な対象を決めましょう。ブラザー・シスターとなる指導役の選定は慎重に検討する必要があります。普段から頼りがいがある、コミュニケーションスキルが高い、といった特性のほか、普段の業務的負荷などもかんがみた上で、本人及び同僚や上司に対するヒアリングと調査を重ねていく必要があります。

制度の実践体制を整える

次は実践体制を整えていきましょう。「新入社員のサポートをよろしく!」と指導役の社員に丸投げにしてしまうと、実際の支援の範囲や方法が人によってばらついてしまい、不満につながることが予想されます。目的に合わせて、いつからいつまでの期間を担当するのか、指導の方法やマニュアルはどうするのか、どんな内容についてどこまでサポートをするのかなどの詳細を事前に決定することで、実践の際にトラブルが起きないように制度を整えましょう。

制度を社内に共有し実践する

実践体制や運用内容など全てが決定したところで、ブラザー・シスター制度の目的や仕組みについて、事前に社内全体へアナウンスしましょう。この制度について、対象者だけでなく社員全員に十分に理解してもらうことで、対象者は実践中に周囲の社員による適切なサポートとモニタリングが期待できます。広報や掲示板で簡単に知らせるだけでなく全体が集まる場で口頭で伝えるなど、共有を徹底していくと実際の運用もしやすいかもしれません。

定期的に進捗を確認する

実際に制度が動き始めたら、新入社員は制度の期間中にどのようなスキルを習得したのか、目標の達成具合や様子など定期的に進捗を確認する必要があります。もし目標に達していない場合は対策を考える必要があります。また、指導役社員に対しては、レポート提出や直接面談により、新入社員との間に何か問題が起きていないかを確認することが大切です。運営側は、定期的に双方の状況を確認・サポートすることで、早期の課題解決につなげましょう。

まとめ

ブラザー・シスター制度は実際の「継続運用」が大事

このようにブラザー・シスター制度は、実務的そして心理的なサポートでアプローチしていくため、新入社員の早期離職を防ぐ効果があります。また、本制度を通して指導役社員もやりがいを感じることが多く、双方だけでなく社内全体への刺激となるかもしれません。この制度を継続運用することで、企業は多くのノウハウと経験が蓄積できるでしょう。社員全員が新入社員時代にブラザー、シスターに勇気づけられた経験を持つことで、さらなる社員の定着と企業の成長が見込めるのではないでしょうか。

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