警備員の人手不足を解消するには?【原因や警備員が企業に求めることを解説します】

記事更新日:2023年09月27日 初回公開日:2023年09月26日

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コロナウイルスが落ち着いたことにより、コロナ禍に比べると有効求人倍率は流行前と変わらなくなってきています。しかし保全の仕事においては、コロナウイルスに関係なく万年人手不足の状況に陥っています。警備業は安全を守る仕事のため、常に需要が高い状況ですが「警備員の労働環境は労働時間が長いにも拘らず、待遇面が良くない」といったイメージを持たれがちです。慢性的な人手不足に陥っている為、職場環境の改善や採用の工夫が必要です。警備員の人手不足について解説していきます。警備員の採用を考えている企業の方は、参考にしてみてください。

警備員の人手不足状況

2023年7月までの有効求人倍率は6.63倍

警備員の人手不足は、2023年7月までで有効求人倍率が6.63倍と高い数値をキープしています。厚生労働省が行っている一般職業紹介状況という調査によると、警備員の仕事が該当する保安の職業は他業種と比べて高い数値になっています。他業種の有効求人倍率が、平均して1.22倍であるため比較すると、慢性的な人手不足に陥っていることが分かります。警備員の仕事は巡回警備や交通誘導など、常に需要がある状態ですが求職者が集まらない為人手不足に陥りやすくなります。

警備員の人手不足の原因

勤続年数が9.5年と他業種と比較して少ない

警備員の人手不足の原因は、勤続年数が9.5年と他業種と比較して少ない事が挙げられます。東京ビルメンテナンス協会の調査によると、警備員(正社員)の勤怠年数別推移では最も多い勤続年数である10年以上と回答した人は約3割いましたが、正社員で入社しても4割以上が5年未満と回答しており定着率が問題になっています。全業種の平均が11年であるのに対し警備員の勤続年数は9.5年のため、人手不足であることが数値にも表れています。

就業環境が良くない

警備員の人手不足は、就業環境が良くない為です。警備員の仕事は、体力や精神力を必要とします。施設警備の仕事に就いた場合には、日中の警備だけでなく夜間の警備を行う場合もあります。会社によっては24時間体制で警備を行っている場合もあり、長時間勤務を求められることもあります。交通整備の場合は天候に関係なく毎日屋外で誘導を行わなければなりません。暑い日も雨の日も行う必要があり、体力的にも辛いだけでなく精神的にも疲弊してしまう可能性があります。

拘束時間が長い

警備員の人手不足には、拘束時間が長いことが理由に挙げられます。警備員は、8時間のフルタイム勤務が求められることが殆どです。施設警備や交通誘導などは、原則として現場に常に居続けなければならず、他の業種と違って2~3時間勤務などの都合に合わせて短時間勤務する事は出来ません。警備員は現場の情報共有が欠かせません。短時間のシフトで複数名を動員してしまうと、正確な情報共有が出来なくなってしまう事から、必然的に警備員の拘束時間が長くなってしまいます。

平均年収は350万円と他業種と比較して低い

警備員の平均年収は350万円と他業種と比較して低い為、人手不足になっています。アルバイト・パートとして働いても平均時給が1042円と他業種と比べても低い水準です。警備会社によって設定されている給与額は異なりますが、警備の仕事は現場で行われており勤務態度や実績が見えづらくなっています。その為、給与に反映される機会も少なく給与アップが見込めない事も原因とされています。コロナによって警備会社間で価格競争が起こり、警備料金の低下も理由の一つです。

キャリア形成が難しい

警備員は、キャリア形成が難しい事から人手不足に陥りやすくなっています。警備員はキャリア形成は実務経験を積むことと資格取得する方法の2つがあります。警備員として資格は、「警備員指導教育責任者」「機械警備業務管理者」「警備員業務検定」がありますが取得したとしても年収の幅は所属している会社によって異なります。資格を取得するにも、警備員になってすぐ取得出来る訳ではなく数年の実務経験が必要となり年収をすぐ上げたい人は、警備の仕事から離れてしまう可能性があります。

警備業法による規定により柔軟な働き方が難しい

警備業法による規定により柔軟な働き方が難しい為、警備員は慢性的に人手不足です。警備業法では、細かく規定が設定されている事から最近増えてきている働き方の多様性を導入する事が難しくなっています。具体的には、共同警備の規制によって受注依頼先が大手警備会社に偏る・派遣労働の禁止などが定められています。こういった状況から警備会社は柔軟な働き方を取り入れることが難しく、警備員の就業環境や勤務状況改善が中々出来ない状態に陥っています。

教育時間が長い

教育時間が長い事も、警備員が人手不足な理由の一つです。警備業法によって、警備員の研修規定が定められており新人は雇用形態に限らず20時間以上の研修を受けていなければ、現場に出ることは出来ません。20時間の研修は4~5日の時間を要する為、警備会社はこの研修期間も加味して採用計画を作成する必要があります。新人研修だけでなく、年に16時間以上の研修が義務付けられており採用しても教育に係る時間が長く必要です。

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警備員が働く上で企業に求めること

勤務時間や日数の柔軟性

警備員が働く上で企業に求めている事は、勤務時間や日数の柔軟性です。ネオキャリアが行った警備員の定着理由ランキングや退職理由ランキングの調査を行いました。その調査では、定着理由のランキング上位には勤務日数や時間の希望が複数挙げられており、退職理由には給料や体力面を理由に挙げている人が多くいます。ランキング上位を占めている様に、勤務時間や日数・給料を重視している事が分かります。体力も求められることから、勤務継続をネックに考えている人もいます。

仕事内容に見合った給料

警備員は働く上で、仕事内容に見合った給料を企業に求めています。先述したように、警備員の平均年収は他業種と比較しても低い傾向にあります。警備員は長時間労働や働き方に柔軟性を求められない為、それに見合った給料が支払ってもらえるかを重視している人も多くいます。警備員の給料は階級や地域によって差はありますが、手当をしっかりと給料に含んでいる企業もあります。労働時間が長くなればなるほど、しっかりとした給料を払う事で人員確保することに繋がります。

信頼できる警備会社であること

警備員は、信頼できる警備会社であることを働く上で企業に求めています。信頼できる警備会社とは、警備の実績が豊富にあり研修制度が整った有資格者が複数在籍している会社です。現場毎に適切な警備を行う為には、様々な実績が必要になります。また警備員に関連する資格は様々あり、高い知識や技術を資格として証明する資格保有者が多く在籍している会社は取引先からの信頼も厚くなります。警備会社として、誠実な対応は欠かせません。現場の安全確認を任されている以上、契約など全ての段階で誠実な対応が出来る会社は信頼できます。

体調管理や危機管理などの規則が整っていること

体調管理や危機管理などの規則が整っている事を、警備員は働く上で企業に求めています。警備の仕事は長時間経って行う交通誘導や業務中はずっと歩いて警備をする施設巡回など体力が必要となる業務ばかりです。その為、健康でなければ業務に支障をきたしてしまいます。体調が万全でない状態で業務に当たると、集中力が欠け正しい判断が出来なくなってしまう事も考えられます。適切に警備業務を行う為には、警備員の健康管理や危機管理を会社としてしっかり行う事が大切です。

警備員の人手不足を解決するためには

福利厚生を充実させる

警備員の人手不足を解決するためには、福利厚生を充実させましょう。警備の仕事は長年定着率が低く長時間労働や待遇面で不安要素があり、求人を出しても応募が来ないという事態が続いています。そういった状況を打開するためには、福利厚生を充実させることが重要です。制服や交通費は支給されていますが、労働時間やシフトに対しても柔軟性が必要です。日勤のみや夜勤のみとする事で選択肢に挙げる人も増えてきます。福利厚生の充実は他社の求人と比べた時に、検討材料の一つになります。

体力面による負のイメージを無くす

警備員の人手不足の解決方法として、体力面による負のイメージを無くすことが挙げられます。少子高齢化や労働人口の減少により、中高年やシニア世代が貴重な戦力となります。勤務時間中歩きまわる・立ちっぱなしといった状況は、シニアや中高年にとっては辛い労働環境ですが座ることが出来れば勤務可能な人材は増えます。実際に座って出来る警備を検索している人も少なくありません。どうしても座って行う事が出来ない場合には、交代のタイミングを増やし座れる機会を設ける等工夫することで環境を改善することが出来ます。

採用したい人材を設定する

警備員の人手不足は、採用したい人材をきちんと設定した上で採用活動を行うようにしましょう。警備員のデメリットだけに目を向けられてしまいがちですが、ノルマがない・定時で上がることが出来るなどのメリットも勿論あります。拘束時間は長いですが、残業をしたくないと考えている人を対象とする事が出来ます。今現場で活躍している人はどういった人なのか等も含め、求人を作成する際にはしっかりと棚卸しを行う事が大切です。ミスマッチを減らすことで採用へと繋がります。

警備会社はHPを作成し採用強化を図る

警備員の人手不足の対策を行う為にも、警備会社はHPを作成し採用強化を図る必要があります。転職活動を行う際に、スマホを活用して情報を集めている人が増えています。転職活動を行っている人だけでなく、潜在層にもアプローチする為には採用HPを作成することが大切です。実際に応募する前に企業のHPをチェックしている人は、ディップ株式会社の調べによると8割を超えることが分かっています。ターゲット層に合わせたコンテンツを充実させたHPを作成することで、採用強化に繋がります。

SNSによる採用活動で若年層人材を確保する

SNSによる採用活動で若年層人材を確保し、警備会社の人手不足の解決していきましょう。若年層の人は、採用サイトだけではなく応募を考えている企業がSNSのアカウントを持っているか確認をします。実際に企業のSNSを見て、職場環境が自分に合うかどうかを確認しています。求人媒体としてSNSを活用するだけでなく、自社を知ってもらう為にSNSを活用することで若者の目に留まり応募へと繋がる可能性もあります。SNSを活用して採用活動を行うには、定期的な発信を行い写真や動画を活用することが大切です。

まとめ

人手不足の原因を把握し革新的な採用を進めよう

警備員の人手不足の原因や、人手不足を解消する方法について解説しました。警備員は他の業種と比べて給与水準が低い事や働き方改革が行われている中でも、旧態依然とした業界体質などが問題となり中々なり手が少ない仕事です。こういった状況下を打開し、人材採用に繋げるためには業務に見合った給料の支給や福利厚生の充実・就業規則の整備など会社として行えることは沢山あります。人手不足を解消するためには、他社と差別化を図り警備員に働きやすい環境を提供することが大切です。人手不足の原因を把握し、革新的な採用を進めて行きましょう。

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