海外赴任の企業における重要性とは【目的や解決すべき課題について解説します】

記事更新日:2021年06月29日 初回公開日:2021年06月29日

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ビジネスにおいてもグローバル化が進んでいるなかで、海外にも事業拠点を置いている日本企業も増えてきています。そのような企業においては、現地での経営や本社との連携を取るために日本人の社員を海外赴任させる場合がほとんどです。本社と現地のコミュニケーションの架け橋となる役割を担いますので、海外赴任は企業にとって非常に重要です。海外赴任に向いている人材や、海外赴任に必要な準備について解説しますので、海外進出を考えている企業の方は参考にしてみてください。

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海外赴任とは

海外への転勤のこと

海外赴任とは海外への転勤のこと。これまで日本国内で働いていた社員が長期間海外で勤務するのが海外赴任であり、短期的で海外に出張するのとは意味が違います。海外赴任の期間は一般的に3年から5年の場合が多いですが、決まった期間が定められているわけではないので企業によって前後することが多いです。海外拠点での業務を任されながらも、本社と現地の事業所とのパイプ役を担うことになるため、非常に重要かつ困難な業務をこなす必要があります。

海外赴任の目的

海外拠点と本社でのコミュニケーションを補助する

海外赴任を行う主な目的は、海外の拠点と本社との間でのコミュニケーションを円滑に行うということです。海外で新たに事業を展開していこうとした際に、本社の経営方針や意思が海外の拠点まで伝わりづらいということが課題の一つとして考えられます。そこで海外赴任によって本社から来た社員が直接それらを伝達することで、現地でも本社と同じ方針を持って事業を展開させることが可能になるでしょう。また、海外拠点の詳しい状況は国内からでは把握しきれないことが多いため、現地の情報を国内に伝達するのも海外赴任者の重要な役割といえます。

技術や知識を伝達する

海外赴任によって本社の技術や経営に関する知識などを海外拠点に伝えることも重要な目的です。日本企業においては、その企業がこれまでに培ってきた知識が詳しくマニュアルにされていない場合が多いという傾向があります。そのため海外拠点においては、そのような知識を直接わかりやすく伝える人間が必要となるのです。したがって海外赴任に行ってもらう社員は、企業のマニュアルや経営の方針などについて熟知しているという人物が望ましいでしょう。

海外赴任に向いている人材

国内の業務で結果を出している

海外赴任に向いている人材の特徴というよりは前提として、国内での業務において一定の成果を出しているということは非常に重要です。知識や技術の移転だけでなく、コミュニケーションなどの面においても海外での業務は国内での業務に比べて難しくなる場合がほとんどです。したがって、海外赴任者には豊富な知識の他にコミュニケーション能力など、多くの能力が求められます。海外赴任者の選定の際には、国内での業務においての実績もしっかりと加味するようにしましょう。

英語力がある

海外赴任をするにあたって、英語力は絶対に欠かせません。特に英語を母国語とする国においては、英語が話せないだけで仕事ができないという印象を持たれてしまいます。日常会話程度ならジェスチャーなども交えながらニュアンスで乗り切れる場合もあるかもしれませんが、ビジネスシーンではそうはいきません。取引先との商談や、業務の指示において細かいニュアンスを伝える際にはさらに高い英語力が必要になります。したがって留学や海外での生活の経験があるという人がいれば、海外赴任には適任といえるでしょう。

新しい環境への適応能力が高い

海外赴任をすると、当然ですがこれまでとは周りの環境が大きく変わります。仕事をする環境はもちろんですが、それだけではなく家に帰っても休日に外へ出かけても、これまでとは全く異なる環境に身を置くことになります。そういった環境の変化に対応できない人は、精神的にも肉体的にも疲労がたまってしまい、仕事に集中できなくなってしまうこともあります。したがって、新しい環境に柔軟に対応できる人材が海外赴任には向いているといえるでしょう。

海外赴任のメリット

グローバルな人材を育成できる

海外赴任は社員の語学力やコミュニケーション能力を高めてくれるので、企業にとってはグローバルな人材が増えるというのがメリットです。初めから英語が完璧に話せて、現地でもうまくコミュニケーションが取れる社員はほとんどいません。したがって、企業が海外に進出していく中でそうしたグローバルな人材を育成する必要があるのです。いきなり現地に配属されるのは不安だという海外赴任者のために、事前に英語研修などを行うのもグローバルな人材を育成する手段のひとつでしょう。

企業の海外進出を促進できる

海外赴任における業務は、企業の海外進出において重要な役割を担います。現地における決断を下すだけでなく、知識の移転や本社の方針の共有までさまざまな任務があるからです。これらの業務を正しく継続的に行うことによって、企業の海外進出が促進されます。現地と本社をつないでくれる海外赴任なしでは、やはり海外進出を実現するのは難しいです。今よりもさらなる海外進出を視野に入れている企業の方はもう一度、海外赴任に関する制度や処遇について見直してみるのもいいでしょう。

海外赴任のデメリット

社内の優秀な人材が減る

海外赴任によって、一時的とはいえ社内から優秀な人材が海外へと流れてしまうのは企業にとってのデメリットです。海外赴任には基本的に仕事の実績のある優秀な人材が選ばれるため、その人材が抜けてしまった穴を埋める必要があります。さらに海外赴任をする社員は業務に関する知識も豊富であるため、周りの社員の模範となる人物が減ってしまうということになります。海外赴任にあたっての業務の引き継ぎはもちろん必須ですがそれに加えて、国内に残る社員に対して業務に関するさまざまな知識を伝達させておけるようにしましょう。

コストがかかる

海外赴任をさせるのには、国内で雇用するよりもコストがかかってしまいます。具体的には赴任手当てや住宅補助などが発生する場合があります。海外進出のために欠かせない役割であるとはいえ、やはり大きなコストを負担するのは企業側にとってはデメリットでもあります。しかし海外赴任に対するマイナスのイメージを植え付けないためにも、これらのコストを大幅に削減することは難しいでしょう。したがって、かけたコストに対して最大限の働きをすると考えられる人材を選ぶことが重要になります。

海外赴任に必要な準備

海外赴任に関する規定を定めておく

海外赴任に関する規定を社内で定めておく必要があります。規定は海外赴任者が赴任前と同じ水準で生活できるためのルールだと捉えて、赴任先での注意に加えて給与や休日などについても詳しく定めておくようにしましょう。特に海外赴任者に対して発生する諸手当など、金銭面については本人がしっかりと理解できるように説明しておいた方がいいでしょう。規定は定期的に見直す必要もあるため、すでに定めているという企業も専門家に一度見直しを依頼するのもひとつの方法です。

業務の引き継ぎをおこなう

海外赴任をする社員がこれまでに行っていた業務の引き継ぎをする必要があります。例えば国内で今いる部署から違う部署に異動になる場合、業務の引き継ぎに漏れがあったとしてもすぐに本人から直接聞くことができます。しかし海外赴任の場合はそうはいかないため、漏れのないように入念な引き継ぎを行うようにしましょう。短期間で集中的に引き継ぎをするとミスが起こる可能性が高まるので、海外赴任が決まったタイミングから徐々に時間をかけて、余裕を持って引き継ぐようにしましょう。

パスポートと労働ビザを取得してもらう

海外赴任をする社員にはパスポートと就労ビザを準備してもらう必要があります。取得できるまでに一定の時間がかかるものもあるので、企業は赴任者に対して早めにアナウンスするようにしましょう。さらに、日本でビザの取得をしてから赴任する場合や、赴任先で労働許可を取得した後に日本でビザを取得するという場合もあります。このように赴任先の国によって取得の順序が変わる場合もありますので、トラブルになってしまわないように赴任者にそれをしっかりと伝えるようにしましょう。

事前研修を実施する

海外赴任に向けて、事前研修を実施することによって赴任先での適応がスムーズになります。具体的には語学研修や、異文化についての理解を深めるための講習などを行うようにしましょう。その他にも、赴任先でしっかりとリーダーシップを取れるようにするための研修なども効果があると考えられます。海外赴任や海外での生活の経験者が社内にいる場合には、実際に現地で感じたことなどをヒアリングして、それをもとに研修の内容を考えてみるのもいいでしょう。

海外赴任の課題

海外赴任先の治安悪化の可能性

海外赴任先の治安悪化の可能性は赴任者にとって不安要素です。例えば日本では、夜道を1人で歩くのは危険だという認識はそこまで強くありません。それに対して海外では銃社会の国もありますし、国によっては夜道を1人で歩くのはかなり危険というところもあります。治安悪化の不安からこれまでの生活に制限をかけるようになると、それがストレスにつながってしまうケースがあります。企業としては、海外赴任者に移動用の社用車を使用させるなどの対策例が考えられます。

海外赴任先の医療体制

海外赴任先の医療体制がしっかり整っているかという点も課題として挙げられます。赴任先では国内にいる時に比べて大きなストレスや緊張を感じやすいので、体調を崩しやすくなる可能性が高いです。海外赴任する際には国内で事前に予防接種を打ってから出国しますが、国内で出来る対策としてはその程度でしょう。赴任先に「日本会診療所」と呼ばれる診療所がある場合は、日本人医師や日本語が話せる現地の医師がいるので日本と同じように診療を受けられます。また、現地の病院でも日本人スタッフが常駐している場合もありますので、事前に調べておくようにしましょう。

現地スタッフとのコミュニケーション不足

現地スタッフとのコミュニケーション不足も海外赴任における課題です。使う言語だけでなく、仕事に対する考え方や文化も違う現地の人間とコミュニケーションを取るのは非常に困難になります。したがって、自然とコミュニケーションの数は減っていくということが考えられるでしょう。これは国内においても共通の問題ですが、コミュニケーション不足は業務を円滑に進める妨げとなってしまいます。語学を勉強させるだけではなく、赴任先の文化や仕事に対する姿勢をできるだけ共有するようにして、コミュニケーション不足を解消しましょう。

まとめ

海外赴任者が安心して現地での業務に取り組めるようにしましょう

海外赴任のための準備や、海外赴任者が感じる不安や課題について解説しました。企業が海外でさらに事業を展開していく上で、現地と本社の架け橋となる海外赴任者はとても重要な役割を担います。しかしそれと同時に、海外赴任には大きなコストに加えてさまざまな事前準備が必要となってきます。企業としては海外赴任者が安心してストレスなく、赴任先での業務に取り組めるようにサポートしてあげることが大切です。事前の研修や赴任後のフォローまで、海外赴任者の立場になって入念に行うようにしましょう。

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