青田買いとは【メリットやデメリットを踏まえて解説します】

記事更新日:2023年01月10日 初回公開日:2023年01月10日

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高齢化や労働人口の減少により、企業は慢性的な人材不足に陥っています。新卒採用においては、誰もが知っている大手企業ですら、企業が計画している人数を採用することは簡単ではありません。採用人数を充足させるために、企業は様々な努力や工夫を行っています。最近また注目され始めているのは、「青田買い」です。1996年以前にも行われていた為、青田買いをご存知の方もいるのではないでしょうか。今回は青田買いが再び注目されている理由や、成功させるためのポイントなどについて解説していきます。人事担当者の方は、是非参考にしてみてください。

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青田買いとは

早い時期に学生へ内定を出すこと

青田買いとは、早い時期に学生へ内定を出すことです。元々青田買いは、農業において「稲を収穫する前の青田を、収穫を見越した上で事前に買っておく」という意味があります。こういった意味から、企業が新卒採用を行う際に早い段階で将来性に期待をして内定を出し、他に流出してしまわないように確保しておくといった意味でも使われるようになりました。青田買いと似た言葉に、「青田刈り」という言葉がありますが青田刈りは敵に食料を与えないように稲が青いうちに切り取っておくという意味があり、全く反対の意味合いです。

青田買いが注目される理由

優秀な人材の確保が難しくなっている

青田買いが注目されている理由は、優秀な人材の確保が難しくなっているためです。採用市場はここ数年売り手市場が続いているため、企業は慢性的な人手不足に陥っています。誰もが一度は耳にしたことがあるような知名度を持っている大企業でも、採用計画通りの人数を充足させるのは簡単ではありません。学生が優秀であればある程、沢山の企業から内定を貰っており他社に負けないように動かなければなりません。そこで注目されているのが青田買いです。青田買いをすることによって早い段階から人材の確保を見込めます。

採用活動におけるルールが緩和された

青田買いは、採用活動におけるルールが緩和されたことにより注目されています。2020年以前は、経団連により加盟している企業は採用活動を行う際の明確なルールを決められていました。その為、実際に選考が開始出来るのは大学4年生の6月からとなっており、余裕を持って採用活動を行うことは困難でした。しかし2021年春入社以降の学生を対象に、就活ルールが撤廃されたことにより企業側の採用活動時期の明確な縛りが無くなります。縛りが無くなったことによって、早い段階で優秀な人材とコンタクトを取ることも可能です。

青田買いのメリット

優秀な人材を早期に確保できる

青田買いのメリットは、優秀な人材を早期に確保出来ることです。従来の採用活動では、選考時期などがすべて決まっていた為全ての企業が同じ時期に採用活動を行います。それにより知名度が高い企業に学生が集中してしまい、中小企業では採用活動を行っても中々人材を採用することが出来ずにいました。しかし就活ルールが撤廃されたことにより、早い段階で優秀な人材とコンタクトを取ることが可能です。強みを持っている中小企業も、学生にしっかりとアピールすることで優秀な人材の確保を行うことが出来ます。

長期的に学生の能力を見極められる

青田買いは、長期的に学生の能力を見極められるメリットがあります。せっかく優秀な人材を採用することが出来ても、適性をしっかりと見極められなければ実際に入社して業務に携わってもらう際にミスマッチなどを起こしてしまうかもしれません。ミスマッチが起きると、最悪の場合離職に繋がってしまう可能性もあります。入社までに適性を判断出来る時間が十分にあると、学生の能力を判断できます。しっかりと適性に合った対応を行うことで、ミスマッチ等も防ぐことが可能です。

受け入れの準備期間を十分に設けられる

青田買いを行うことで、受け入れの準備期間を十分に設けられます。今までの採用活動スケジュールでは、採用人数が充足していない場合や内定辞退があった場合には、ギリギリまで選考を行っている企業も少なくありません。採用活動がギリギリになってしまうと、社内の受け入れ体制を整える時間があまり取ることが出来なくなります。青田買いで早めに優秀な人材を確保し内定を出しておくことで、受け入れに余裕を持って対応することが可能です。しっかりと環境整備して受け入れることで、新卒社員の定着率にも繋がります。

青田買いのデメリット

企業のイメージが低下する恐れがある

青田買いは、企業のイメージが低下する恐れがあるデメリットを持っています。青田買いを行うことによって、通常よりも早い段階で人材を確保することが可能です。しかしリーマンショックやコロナウイルスの流行により、予想できない程景気が悪化してしまった場合には青田買いによって内定を出していた学生の雇用自体難しくなってしまうかもしれません。経営状況やその時の経済状況次第では、苦渋の決断に違いありませんが「内定取り消し」は学生の不利益になるだけではなく企業の評判にも影響します。

アプローチできる層が限られている

青田買いのデメリットは、アプローチできる層が限られている点です。青田買いをするには、自社に興味を持って説明会やインターンシップに参加してもらう必要があります。自社に興味を持っている母集団の中から、優秀な人材を早い段階で確保しておくことで青田買いが成立します。しかし青田買いは自社の存在を知っている人へのアプローチしか行えません。自社を知らず、説明会やインターンシップに参加していない優秀な人材に対しては青田買いを行えない為対象は限られています。

青田買いに役立つ取り組み

企業説明会

青田買いに役立つ取り組みとして、企業説明会が挙げられます。最近はコロナウイルスの流行により、オンラインで実施する企業も増えていますがどの企業でも説明会を行っていることが殆どです。企業説明会は、数多くの学生に自社を知ってほしいという狙いがあるのは勿論ですが、青田買いを行う際にも適しています。企業説明会に参加する場合、氏名や学校名などの情報を企業側は見ることが出来る為、企業側がいいと思った学生に直接コンタクトを取り青田買いを行うことが出来ます。

インターンシップ制度

インターンシップ制度も、青田買いに活用することが出来ます。インターンシップは、以前は大手企業のみで実施していた制度ですが現在では企業規模などに関わらず様々な企業で取り入れられています。実際に企業で職場を体験し、入社後のミスマッチを防ぐために活用されているインターンシップですが、企業側は参加者の中から採用したい学生の選別を行うことが可能です。またインターンシップに参加する学生側にもメリットがあり、インターンシップに参加することで自分をアピールする場として活用できます。

人材紹介の活用

青田買いを行うためには、人材紹介の活用も視野に入れましょう。人材紹介は、中途採用等で活用されているイメージを持っている人も多いかもしれませんが、最近では新卒採用でも活用している企業が増えています。新卒入社予定にも関わらず、人材紹介に登録しているということは意欲の高い学生である可能性が高くなります。そんな意欲の高い学生を人材紹介を利用する事によって、早い段階で確保することが出来るかもしれません。しかし人材紹介は登録制になっており、職種や業種によっては母集団が少ない事も考えられます。また採用する際には、通常よりもコストが掛かる為注意が必要です。

青田買いを成功させるポイント

求める能力を明確にする

青田買いを成功させるためには、求める能力を明確にする必要があります。一言で優秀な人材といっても、企業によって求めている人物像は異なります。所有している資格や、在籍している学部・素質等何を求めているのかを明確に決めた上で、採用に関わる人達にしっかりと共有しておきましょう。求める人物像の共有がなされていないと、人によってバラつきが出てしまいます。企業が求めている能力を明確にし、求人などにも記載することによって学生側も応募しやすい環境となります。

学生側の不安を軽減させる

青田買いは、学生の不安を軽減させることで成功します。学生の中には、企業への売り込みが得意できちんと自己アピールの出来る学生もいますが、全てのことにおいて積極的な学生ばかりではありません。優秀な能力や資質を持っていても、前に出ることや目立つことが苦手な学生も少なからず存在しています。そういった学生に青田買いを行うと、他人とは違う状況に不安を感じてしまうこともあるかもしれません。せっかく優秀な学生を見つけアプローチを行ったのであれば、そう言った学生の不安をしっかりと取り除いてあげることが重要です。

企業の情報発信を積極的に行う

青田買いを成功させるポイントは、企業の情報発信を積極的に行うことです。近年は就職活動を行う際に、インターネットやSNSを活用している学生が殆どです。色んな学生に自社のことを知ってもらうためにも、企業のHPやSNSで求人に関する情報や学生が知りたいと感じている職場の雰囲気などについての情報発信を定期的に行いましょう。HPやSNSで情報発信を行う際は、更新頻度などを事前にしっかりと決めておくことが大切です。HPやアカウントを見つけてもあまり情報が更新されていないと、学生からの興味が薄れてしまう可能性があります。

適切なリクルーターを任命する

適切なリクルーターを任命することも、青田買いを成功させるポイントです。青田買いで重要になるのは、リクルーターの存在です。リクルーターは、直接学生とコンタクトを取るため若手社員が任命されることが殆どです。リクルーターは在籍していた大学を訪問し、卒業したゼミやサークルに顔を出すことで優秀な学生を見つけ出す役割があります。学生と年齢が近い社員がリクルーターになることで、学生も親近感を覚えコミュニケーションが取りやすく相談しやすいという点がメリットとなります。

候補者とのやり取りを頻繁に行う

青田買いを成功させるためにも、候補者とのやり取りは頻繁に行いましょう。青田買いは通常の採用スケジュールよりも早い段階で内定を出すことがあります。早い段階で内定を出すと、入社までに時間があります。内定を出したからといって安心して全く連絡を取らない状態が続いてしまうと、学生は不安になり最悪の場合内定辞退に繋がってしまう可能性もあります。そう言った事態に陥らない為にも、候補者とはしっかりコミュニケーションを取り不安を払しょくすることが大切です。

まとめ

青田買いを効果的に実施して優秀な人材を確保しましょう

青田買いを行うメリットやデメリットについて、解説しました。売り手市場が長年続いており、ただでさえ人手不足の中で、自社に適した優秀な人材をいかに効率的に採用を行っていくかは様々な企業が抱えている課題ではないでしょうか。青田買いを行うことで、より早い段階で優秀な人材とコンタクトを取り内定を出すことが可能になりますが、入社までにあまり時期が空いてしまうと学生が不安に感じてしまうことも考えられます。青田買いを行う場合には、懸念点などをしっかりと把握した上で運用を行い、効果的に優秀な人材の確保を行っていきましょう。

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