記事更新日:2020年07月23日 | 初回公開日:2020年07月16日
人事・労務お役立ち情報 採用・求人のトレンド 用語集介護休暇とは家族に介護が必要となった際に労働者が取得することができる休暇のこと。先ほどもお話ししたように介護休暇は法律によって定められた休暇制度です。そのため企業側は労働者の家族が要介護状態となり、労働者から介護休暇の取得申請があった場合、基本的には介護休暇を取得させなければなりません。また介護休暇と介護休業は別物。介護休業は2週間以上家族を常時介護しなければならない場合に利用できるものになります。企業側は介護休暇と介護休業の違いについてもきちんと理解しておきましょう。
介護休暇は直接的な介護以外にも利用することができます。介護休暇と聞くと高齢の家族が要介護状態となり、食事や排泄の介助が必要な場合に利用できるものと思っている人もいるかもしれません。しかし実際には他にも介護保険に関する手続きを行う際や、ケアマネージャーや理学療法士と打ち合わせをする際にも利用することが可能です。また場合によっては要介護状態にある家族の体調が急に悪くなることも考えられます。このような急な体調不良や怪我にも介護休暇を利用することで対応することができるでしょう。
配偶者が要介護状態になった場合、労働者は介護休暇を利用することができます。平成27年の調査では配偶者を介護する目的で休暇を取得した労働者の割合は1.8パーセント。それほど多くないものの、配偶者を介護しなければならない状態になる可能性は十分あり得ると言えるでしょう。特に配偶者が要介護状態になれば経済的な負担や心身のストレスもかかってきます。介護をしている労働者には仕事と介護の両立を図るためにも、介護休暇を取得することができる点を企業側から伝えてあげると親切でしょう。また事実婚の場合でも介護休暇取得の対象となる点も覚えておきましょう。
父母や子供が要介護状態になった場合も労働者は介護休暇を取得することができます。平成27年の調査では自分の親のために休暇を取得した労働者の割合は43.8パーセント。介護休暇を取得する労働者のほとんどが自分の親のために休暇を取得しているという結果が出ました。また結婚をしている労働者の場合は配偶者の親も介護休暇を利用できる対象になります。そして子供の怪我や病気のために介護休暇を取得しなければならない状況もあるかもしれません。そのような場合にも企業側は労働者に介護休暇を利用できることを伝えてあげましょう。
介護休暇の取得対象である要介護状態の家族を介護している労働者であれば、男女問わず介護休暇を取得することができます。正社員の他にも派遣社員や契約社員、アルバイトやパートタイムとして働いている労働者も介護休暇を取得することができます。企業側は介護休暇を取得する権利は正社員以外の労働者にもあることを十分理解しておきましょう。また正社員以外でも介護休暇を取得することができる点を労働者にあらかじめ伝えておくことで、介護への負担や将来への不安を軽減させることができるかもしれません。
介護休暇を取得することができる対象労働者は、これまで会社に雇用されている期間が6ヶ月以上の従業員と規定されています。企業側は従業員から介護休暇の取得申請があった場合には、従業員の雇用期間を十分に確認したうえで申請を受け取る必要があると言えるでしょう。企業の中には企業側と労働者側との間で労使協定を結んでいることがあるかもしれません。労使協定を結んでいる場合で条件を満たしていれば、雇用期間が6ヶ月以上の従業員でも例外として会社側は介護休暇の申請を拒むことができる点も覚えておきましょう。
日雇い労働者の場合、介護休暇を取得することはできません。厚生労働省が制作している『育児・介護休業法に関する規則の規定例・様式例』には介護休暇を取得することができない労働者についてもしっかりと明記されています。規定集によると介護休暇を取得できる者は要介護状態にある家族の介護、その他の世話をする従業員(日雇従業員を除く)と書かれています。正社員や派遣社員、アルバイトやパートタイムの従業員は介護休暇を取得できても、日雇い従業員は介護休暇を取得できないことを企業側も把握しておきましょう。
雇用期間が6か月未満の労働者の場合は介護休暇を利用することはできません。先ほどもお話ししたように、現在の法律では雇用期間が6か月以上ある従業員でなければ介護休暇を取得できないことになっています。このことから会社側は雇用期間が6か月に満たない労働者から介護休暇の申請があった際には、申請を棄却することができると言えるでしょう。厚生労働省が作成している『育児・介護休業法に関する規則の規定例』には、労使協定に基づき会社側が介護休暇申請を拒むことができる従業員の例についてあげられています。気になる方は一度確認してみましょう。
1週間の所定労働日数が2日以下の労働者の場合は労使協定に基づき、介護休暇を利用することはできません。原則として日雇い従業員ではなく、継続的に働いている従業員であれば介護休暇を取得できることになっています。しかし企業側と労働者側との間で労使協定を結んでいる場合については、1週間の所定労働日数が2日以下の労働者からの介護休暇申請を会社側は拒むことができます。1週間のうち従業員がどれだけ働いているかも確認したうえで、企業側は介護休暇申請を通すように心がけましょう。
半日単位での休暇の取得が困難な業務に従事している労働者の場合、半日単位での介護休暇を取得できないことがあります。平成28年の育児・介護休業法の改正により、労働者は1日単位ではなく半日単位で介護休暇を取得できるようになりました。しかし業務内容によっては企業側が労働者に対して半日休暇を取得させづらい場合があるかもしれません。このような場合は会社側と労働者側との間で労使協定を結ぶことにより、半日単位ではなく1日単位で介護休暇を取得させることが可能になります。
介護休暇を利用して労働者が仕事を休むことができる日数は、1年度で最大5日間までと決められています。しかし場合によっては1人の労働者が複数名の介護対象者の世話をするために、介護休暇を取得したいと考えることもあるかもしれません。このように介護対象が2名以上の場合は介護休暇を1年度で最大10日間取得できることとなっています。複数名の介護となると労働者への負担もかなりかかってくるでしょう。企業側は労働者の負担をできるだけ軽減させるためにも、複数名の介護をする必要がある場合は10日間休暇を取れることを伝えてあげましょう。
介護休暇は有給休暇とは別の休暇として定められています。労働者には有給休暇とは別に介護休暇を取得できる権利があることを企業側も把握しておきましょう。実際に要介護者の健康状態によっては介護や世話に想像以上に日数がかかり、有給休暇の消化だけでは足りないということもあるかもしれません。また有給休暇とは別に介護休暇を利用できることを知らない従業員がいた場合は、取得できるはずの休暇を使えずもったいない状況になってしまう可能性もあります。企業側は労働者に対して有給休暇とは別に介護休暇を取得できる点も伝えておきましょう。
介護休暇は有給休暇のように自由に取得できます。介護休暇も有給休暇も法律で定められた休暇制度。労働者は一定の条件を満たしていれば休暇を取得でき、企業側は休暇を与えることが義務付けられています。また介護休暇について定められている育児・介護休業法では、労働者が介護休暇を取得した際の不利益取扱いの禁止についても記しています。解雇はもちろん、減給や人事評価について不当な評価をすることも固く禁じられているため企業側は十分注意しておきましょう。このことからも有給休暇のように介護休暇も自由に取得できる環境づくりを企業は求められていると言えるでしょう。
介護休暇の申請方法は会社によって異なってきます。介護休暇を申請する際に申請のルールやフローチャートを作成している企業も多いです。介護休暇を取得する際にきちんと手続きができず休暇が取れなかったり、急な介護休暇の申請により社内でトラブルが起きる可能性もあるかもしれません。トラブルを防ぐためにも介護休暇を取得したい場合に社員はどんな手続きをすればいいか、いつまでに介護休暇の申請をすべきかなど明確にしておくといいでしょう。介護休暇の申請書のテンプレートは厚生労働省でも作成しています。申請書を参考にしたい場合は厚生労働省のホームページから見てみてください。
介護休暇を取得した従業員に給与を支給するかは企業によって異なってきます。これは介護休暇を取得した日の給与の支払いの有無を企業に任せられているためです。介護休暇を取得し仕事を休んだ際、その日の何パーセントかの給与を労働者に支給している企業もあるでしょう。しかし法的な定めがないため、介護休暇を取得した日の分は無給となる企業も多く存在します。また転職希望者の中には福利厚生面の支援として介護休暇制度があるかどうか、介護休暇制度を利用すると給与は無給となるのかみられていることもあります。従業員を増やしていきたいと考えている企業は介護休暇中の給与の支給に関して一度考え直してみるのもいいかもしれません。
介護休業を利用した場合無給となってしまうため、介護休業給付金を申請し利用するといいでしょう。介護休業給付金は介護休業を利用した人が受給できる介護給付金のこと。介護休業給付金の受給要件は介護休業を開始した日より前に2年間の被保険者期間が12か月以上ある人と定められています。また介護休業給付金は国から支給されるもの。実際に介護休業給付金を受給する場合は、在職中の事業所を管轄しているハローワークに出向き手続きをする必要があります。生活をしていくためにも活用できる給付金をしっかり利用し、介護と生活の両立を行うことが大切でしょう。
介護が必要な場合は積極的に介護休暇を利用しましょう。平成29年に行われた調査によると介護や看護のために離職した人は9万9千人もいたという結果が出ています。このことからも介護休暇や介護休業を利用する権利が労働者にあるにも関わらず、介護離職を防ぐことができているとは言い切れません。令和3年1月1日から育児・介護休業法が改正され、介護休暇が半日単位ではなく時間単位で取得できるようになります。企業は従業員の雇用の安定化を進めるためにも介護休暇の取得を積極的に呼びかけ、より一層従業員のフォローをしていく必要があるでしょう。
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