リーダーシップの種類は?【6種類のタイプと特徴やマネジメントとの違いを解説】

記事更新日:2020年11月24日 初回公開日:2020年11月24日

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リーダーシップは就活の面接で話題になることもあり、身近な用語となっています。企業組織に関連して取り上げられる例をよく目にしますが、看護組織やボランティアの団体織等多くの組織においても注目されているのです。リーダーシップに関しては、経営学に加えて心理学や社会学からの種々のアプローチがなされ、多くの種類が提唱されてきました。この記事では、まず、リーダーシップとマネジメントの違いやリーダーシップとフォロワーシップの違いについて触れましょう。その上で、多くのリーダーシップの種類の中から代表的なものを取り上げ、説明していきます。

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リーダーシップとは

目標を設定し達成に導く能力

リーダーシップに関しては多くの研究者によって様々な定義がなされています。一般的には、「集団の目標を設定し、集団を率いてその目標の達成へと導く能力」といえるでしょう。リーダーシップというと、カリスマ的なリーダーが組織を引っ張るというイメージを抱くかもしれません。しかし、それ以外にも、メンバーの支援に注力するタイプやメンバーとの関係性に配慮するタイプなど、種々のタイプがあります。メンバーのスキルや組織の大きさなどによって有効なリーダーシップのタイプは異なるのです。また、リーダーシップは先天的なものではなく、努力によって獲得することが可能です。

リーダーシップとマネジメントの違い

マネジメントは目標達成のための管理

マネジメントとは、組織の目標を達成するために、具体的な方法を考え、必要な人員や物を調達し、部下を管理していくことです。あらかじめ定まっている目標を実現するための具体的な管理業務を指すことになりますね。これに対し、リーダーシップは大きな目標を設定してその達成へと導く能力です。マネジメントにおいては、主に組織の規則やそれに基づく権限で部下を活動させることになるのです。直面しそうなリスクを検討し、回避する方法も検討しておく必要があるでしょう。また、目標達成への進捗状況を確認するなかで、方法の修正や改善も行います。

リーダーシップとフォロワーシップ

フォロワーシップはリーダーへの主体的支援

フォロワーシップとは、組織のメンバーであるフォロワーが、主体性な判断でリーダーを支援し、組織に貢献していくことであり、ロバート・ケリーが提唱しています。リーダーの指示を待つのではなく、組織の目標を達成することを目的に、自ら考えて行動するわけですね。重要なのは、主体的に考えて建設的な批判を行う力と、組織の目標達成に積極的に関与する力です。リーダーに対する批判力も大切であり、リーダーに誤りがあれば修正を働きかけていくのです。リーダーシップと互いに補い合う関係にあり、組織が大きな成果を上げるために重要な役割を果たします。

リーダーシップの種類と特徴

多数の研究者が様々な種類と特徴を提唱

リーダーシップについては、多くの研究者によって研究がなされ、様々な種類と特徴が提唱されています。その中でも、近年注目を集めているのが、EQ(こころの知能指数)で有名なダニエル・ゴールマンの6つのリーダーシップのスタイルです。また、ロバート・K・グリーンリーフが提唱するサーバントリーダーシップや、ポール・ハーシィらによる状況対応型リーダーシップ(SL理論)も高い関心を持たれていますね。三隅二不二によるPM型リーダーシップも無視できません。こうした代表的なリーダーシップについて、特徴を説明していきましょう。

ビジョン型

リーダーがビジョンを示しメンバーの主体性に委ねる

まずは、ダニエル・ゴールマンによる6つのリーダーシップスタイルの1つであるビジョン型です。ビジョン型リーダーシップでは、リーダーが、まず、ビジョン(目標など)を示し、目標などが達成された際に得られる成果をメンバーと共有。その後の目標達成の方法は、メンバーの主体性に委ねます。メンバーは主体的に活動し、目標を達成していこうとするのです。ビジョンを共有していることで組織の一員であるとの意識も高まります。しかし、リーダーがメンバーよりも知識や経験が少ない場合は、メンバーにリーダーのビジョンを共有しようという意欲が生まれにくいので、注意が必要です。

コーチ型

リーダーと各メンバーの関係性を重視する

ダニエル・ゴールマンによるコーチ型のリーダーシップにおいて、リーダーは、メンバー1人1人との対話を繰り返します。その中で信頼関係を作り、各メンバーの希望を組織の目標につなげていくのです。そして、各メンバーの特徴を把握したうえで、メンバーが目標を達成できるように育成していきます。このようにして、メンバーに備わっている可能性を引き出していくわけですね。しかし、ある程度の時間がどうしても必要になってきます。また、1人のリーダーが同時に多数のメンバーを育成していくことは難しく、効率性が高いとはいえません。

関係重視型

メンバー間の関係性を重視する

ダニエル・ゴールマンによる関係重視型リーダーシップでは、リーダーとメンバーの関係性のほか、メンバー相互の関係性も大切にします。リーダーは、リーダーとメンバーの関係性だけではなく、メンバー同士の関係性も良好となるように働きかける必要があります。このタイプのリーダーシップがうまく働けば、お互いの信頼関係が強まりますね。そして、お互いの役に立ちたいという気持ちも生まれ、目標に向かう全体の力は強まるでしょう。ただし、メンバーの気持ちが優先され、目標達成が後回しになってしまう危険性があるので、注意は必要です。

民主型

メンバーの意見を反映させる

ダニエル・ゴールマンによる民主型リーダーシップは、メンバーの意見や提案を集め、それを反映させていくリーダーシップです。民主型リーダーシップのもとでは、メンバーが前向きな姿勢になっていきます。新たなアイデアを得られる効果や、現場の実態を把握しやすいという効果も期待できますね。また、組織が大きくなっても対応していくことができます。しかし、知識や経験が乏しいメンバーからの良いアイデアは期待できません。また、多様な意見が出た場合は、意見の対立を収拾しにくくなる可能性も生じます。

ペースセッター型

リーダーが手本を見せる

ダニエル・ゴールマンによるベースセッター型リーダーシップでは、困難でやりがいのある目標がある時に、リーダーが高い水準の手本を示します。それによってメンバーも行動のイメージをつかみ、活動していくのです。リーダーの課題を達成していく能力が高いことはもちろん、メンバーのモチベーションや潜在的な能力が高いことが必要となってきますね。こうした条件がそろえば、大きな成果を期待できるわけです。しかし、メンバーの能力やモチベーションが低い場合は、リーダーが多くのことをやらざるを得なくなり、リーダーの負担が過重になっていくことが心配されます。

強制型

リーダーが強制力を行使する

ダニエル・ゴールマンによる6つ目のリーダーシップは、強制型です。リーダーが持つ権限を行使し、メンバーが即座に指示に従うことを強制します。メンバーの意見を聞くことはなく、反論は認めません。平常時には推奨されないリーダーシップですが、緊急時には有効性を発揮します。また、他のリーダーシップのもとではうまく動けないメンバーを、効果的に動かすことができる場合がありますね。このリーダーシップのもとでは、メンバーは指示どおりに行動するだけなので、自主性や創造性の開発は困難です。また、リーダーへの不満が溜まり、組織が崩壊する危険性もあります。

サーバントリーダーシップ

リーダーは奉仕した後に導く

サーバントリーダーシップは、ロバート・K・グリーンリーフが提唱したリーダーシップで、リーダーがまずメンバーに奉仕し、その上で導いていくという考え方に立ちます。リーダーは意義のある目標に向けてメンバーへの奉仕や支援を行い、メンバーが活躍しやすい環境を整えるのです。すると、メンバーとの信頼関係も生まれ、メンバーが主体的に目標達成へと活動していくことが期待できますね。リーダーは、メンバーの話にしっかり耳を傾け、共感的に理解していくことが大切です。このリーダーシップがうまく機能すれば、メンバーの意欲や主体性が高まり、メンバー間の人間関係も円滑となります。しかし、自ら考えることが苦手なメンバーは、ついていけなくなる場合がある点に注意が必要ですね。

状況対応型リーダーシップ

状況によってリーダーシップを変化させる

状況対応型リーダーシップ(SL理論)は、ポール・ハーシーとケネス・ブランチャードによります。4種類のリーダーシップがあるとし、メンバーのスキル等の状況に応じてリーダーシップを変化させるわけですね。スキルと熱意が低いメンバーに対しては指示型が、スキルが高いものの意欲は低いメンバーには援助型が適切です。スキルが低いものの熱意は高いメンバーに対してはコーチ型(指示も援助も多い)が妥当です。スキルと意欲がともに高いメンバーに対しては委任型(指示も援助も少ない)が適します。個々のメンバーがスキル等に応じて活躍することが期待できますね。しかし、メンバー間で扱いが異なっていく場合があるので、不平等感を持たせないよう注意が必要です。

PM型リーダーシップ

目標達成と集団維持を図る

PM型リーダーシップは、三隅二不二によります。リーダーシップをP機能(目標達成機能)と、M機能(集団維持機能)に分け、P機能とM機能がともに優れたリーダーシップをPM型と呼びます。P機能は、目標達成に向けたメンバーへの指示や激励で示され、M機能は集団の雰囲気を和らいだものにする気遣いの言葉やジョークなどで示されます。目標達成と集団維持の双方に優れたリーダーシップが成果を生むことになりますね。ちなみに、P機能とM機能がともに低いリーダーシップはpm型であり、成果を上げることは困難とされていますよ。この理論は日本で生まれた代表的なリーダーシップ理論で、多数の論文が執筆されています。加えて、多くの本が出版され、診断テストも市販されています。PM型リーダーシップは、三隅二不二によります。リーダーシップをP機能(目標達成機能)と、M機能(集団維持機能)に分け、P機能とM機能がともに優れたリーダーシップをPM型と呼びます。P機能は、目標達成に向けたメンバーへの指示や激励で示され、M機能は集団の雰囲気を和らいだものにする気遣いの言葉やジョークなどで示されます。目標達成と集団維持の双方に優れたリーダーシップが成果を生むことになりますね。ちなみに、P機能とM機能がともに低いリーダーシップはpm型であり、成果を上げることは困難とされていますよ。この理論は日本で生まれた代表的なリーダーシップ理論で、多数の論文が執筆されています。加えて、多くの本が出版され、診断テストも市販されています。

リーダーシップのメリット

うまく機能すれば生産性が上がる

目標やメンバーの特徴にかなったリーダーシップを行使できれば、うまく機能して組織の生産性があがっていきます。そして、組織への大きな貢献も果たせるでしょう。その結果、組織内でのリーダーやメンバーの評価も上がっていくと思われます。また、状況に対応して適切なリーダーシップを行使できる人材は、組織を円滑に運営できることに加え、メンバーのスキルを向上させるでしょう。昨今、多様な人材を抱える組織が増え、事業内容も変化することが少なくありません。そこで、多様な場面で適切なリーダーシップを行使できる人材は、多くの組織から求められるのではないでしょうか。

リーダーシップのデメリット

うまく機能しないと効果がない

リーダーシップを発揮しようとしても、適切な種類のリーダーシップを選んでいないことや、行使するスキルが不足することから、うまく機能しない可能性もあります。その場合は生産性も上がらないでしょう。また、うまくリーダーシップが機能していると思い込んでいても、実際には、生産性があまり上がらない仲良し集団になってしまっている危険性があります。生産性が上がっていても、職場の不満が溜まって危機的状況に近づいていることがあるかもしれません。こうした状況に陥らないように、普段の研鑽や細かい目配りが必要となってきます。

まとめ

リーダーシップを使い分けよう

リーダーシップには多くの種類があります。目標や、個々のメンバーの意欲と能力に応じて、最も適切なリーダーシップを行使していくことが大切です。いくつかのリーダーシップを組み合わせて行使することや、メンバーによって異なるリーダーシップを行使することも考えられるでしょう。また、実際に行使しながら、状況に目配りし、必要に応じた修正も行うことが大切です。適切な使い分けができれば、メンバーの意欲や自主性が高まり、組織も活性化することが期待できます。その結果、生産性も向上していく可能性が高くなるでしょう。

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