懲戒処分とは【種類や行う際の注意点について解説します】

記事更新日:2022年08月10日 初回公開日:2022年08月08日

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従業員が会社の不利益になるような問題を起こした場合には、きちんとした対処が必要になります。処分を下すためには、法に基づいた判断の元で就業規則に記載していなければいけません。懲戒処分は従業員が企業の秩序を乱した場合や、業務命令違反を起こした場合に下す処罰ですが、主観で判断して行き過ぎた対応をしてしまうと訴訟問題に発展することもあります。懲戒処分を行う為には、客観的かつ冷静な判断が必要不可欠です。懲戒処分の種類や手続き方法について解説していきますので、これから就業規則に記載する担当者の方などは参考にしてみてください。

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懲戒解雇と懲戒免職の違い

懲戒免職は公務員が問題を起こし解雇されること

懲戒解雇と懲戒免職は対職種により表現が異なります。懲戒免職は公務員が問題を起こし解雇される場合にのみ使用します。懲戒解雇は使用者(事業主)が労働者に対して行う懲戒処分の一つで、会社の秩序を著しく乱したものに対する最も重い処分です。日本では労働者は法律などで手厚く保護されているため、容易に解雇することはできません。通常の解雇でさえ要件が沢山あり、ハードルが高いものとされています。懲戒解雇を行うにはよほどの事情がなければいけません。

懲戒処分の種類

戒告・譴責・口頭注意

懲戒処分の中で最も軽い処分が戒告・譴責・口頭注意です。不祥事を起こした社員に反省を促して、将来の戒めとして行います。戒告や口頭注意は注意だけですが、譴責は口頭注意だけではなく始末書の提出が伴う処分とされています。但し法律で定められているわけではありません。始末書には従業員の不祥事を認めさせて、これから先同じような不祥事を起こさせないことを約束させる役割があります。しかし始末書の提出は強要できないため注意が必要です。

減給

戒告や譴責の次に軽い処分が減給処分です。減給は業務を遂行する上での懈怠や職場の規律違反に対する制裁として、本来であれば対象となる従業員が労務提供の対価として受けるべき賃金の一部を一方的に差し引く処分を指します。減給には「1回の減給額が平均賃金の半額まで、複数回にわたる際には賃金支払い期(月給など)の総額10%以内までしか減給してはならない」と決められています。10%を超えて減給する場合には、超えてしまう分の減給を次の賃金支払い期に延ばさなければなりません。

出勤停止・停職

出勤停止・停職は服務規程違反を行った従業員に対しての罰として労働契約を維持しながら、就労を一定期間禁止する処分です。出勤停止は処分として行っているので停止期間中の賃金支払い義務は発生せず、会社都合の休業の場合の休業手当にも該当しません。出勤停止・停職機関については具体的に法律で定められていませんが、長期にわたる場合は従業員の不利益になるため、公序良俗に反する場合があり注意が必要です。懲戒処分の決定を下すまでに従業員に自宅待機を命じる場合はこの出勤停止とは異なるため、休業手当を払う必要となるケースもあります。

降格

降格は懲戒処分として等級や職位・資格など企業内での格付けを引き下げることを指します。職位などが引き下げられることに伴い、賃金も低下しますが降格によって賃金が下がることと減給は別ものだといえます。降格は一定期間で終わる出勤停止よりも更に重い処分です。但し、降格は等級や職位に限定する物でなければなりません。正社員である従業員を有期雇用に切り替えたり時間給のパート職に変更するなどということは、降格ではなく今までの労働契約を強制的に終了し新たに別の労働契約を結ぶことになりこういった処分は認められません。

諭旨解雇・諭旨退職

諭旨解雇や諭旨退職は懲戒解雇に相当する不祥事が発生した際に、本人が反省し情状酌量によって会社から一定期間の内に辞表の提出を求められ自己退職を勧告されることを指します。従業員側から退職届や辞表の提出があった場合には合意退職として扱われ解雇とは異なります。一定期間内に辞表の提出を行わなかった従業員に対しては懲戒解雇処分を行うという手順です。懲戒解雇と諭旨退職の異なる点は、諭旨退職は自主退職として扱われるため、満額ではなくとも退職金を受け取ることが出来ます。

懲戒解雇

懲戒解雇は懲戒処分の中で最も重い処分です。従業員の不祥事により処分対象となる懲戒解雇でも、普通の解雇と同様に30日前解雇予告や解雇予告手当を支払う必要のあるケースもあります。解雇予告手当を支払わずに即日解雇を行いたい場合は、「労働者の責めに帰すべき事由であるという証明を労働基準監督署長から得た」時にのみ適用されます。申請が却下された場合はどんな事象だとしても解雇予告手当を支払わなければなりません。支払を行わない場合は訴訟になる場合もあるので注意が必要です。

懲戒処分の目的

規律違反をした社員への戒め

懲戒処分を行う目的は、規律違反をした社員への戒めの為です。違反行為を行った従業員に対し、反省と今後の改善を期待のうえでの対応と言えます。諭旨退職や懲戒解雇処分は懲戒処分の中でも重い処分であり、規律違反を行い反省や改善を求められない従業員に対して下されます。しかし本来の懲戒処分とは適切な処分を下すことが目的ではなく、不祥事を起こした従業員に対して反省を促し再発防止を行い、今後改めて担当業務での企業貢献を期待することが目的です。

企業全体の秩序保持

企業全体の秩序を維持するのも、懲戒処分を行う目的です。従業員が起こした不祥事や違反によって乱れた風紀や秩序の改善を図ります。不祥事を起こした従業員に反省や改善を促すことが目的であれば、本人に懲戒処分を通知するだけで済みます。通知だけでなく処分を公表することで本人以外の社員にも、企業として問題行動を起こした従業員には処分を下すのを示すことで規律意識を高め会社全体の秩序保持が目的です。更に会社内において不祥事や秩序の乱れを監視する体制が整っているということを、所属している従業員に周知するという目的も持っています。

懲戒処分の手続き方法

就業規則の作成・周知

懲戒処分の手続き方法では、就業規則の作成・周知をまず行います。懲戒処分を行うには労働契約法第15条に従う必要があります。15条に基づき客観的にみて合理的な理由が認められない場合は権利の乱用として処分が認められません。懲戒の処分や種類は就業規則に記載しておく必要があり、記載内容は従業員への周知を徹底して行います。周知を行わずに処分をした場合は無効となる可能性もあるため注意が必要です。就業規則は手続きも必要なので、漏れなどのないように気を付けましょう。

事実調査を行う

懲戒処分を行う前には、必ず事実調査を行う必要があります。まず関係者へのヒアリングや周囲の従業員へのヒアリング、不祥事の証拠収集や本人へのヒアリングをしっかりと行わなければならなりません。事前調査を行い、処分の対象であるかを確認します。処分しなければならない事由が判明した際には「いつ・誰が」事実確認を行ったかを整理し、結果によって処分内容が決まることを認識し公正な視点での判断が欠かせません。事実でない場合もあるため、慎重な態度での情報収集が必要です。事実でない情報が出回ってしまうと名誉棄損になる可能性もあるため、事実調査では慎重を期しましょう。

処分を決定する

事実調査を行った後は、処分の決定をします。ヒアリングや当人の弁明等で得た情報を元にして、最終的な懲戒処分の内容決定を行います。実施する処分の内容と事実調査や弁明で得られた情報を照らし合わせて相当性があるかどうかの判断決定です。処分を決定する時のポイントは違法性の程度や故意だったかどうかの判断です。また社内外への損害の程度や就業規則に記載している事由との整合性なども元にして判断を行います。就業規則内に懲戒委員会での決定が明示されている場合は、懲戒委員会に処分の決定を任せましょう。

処分の実施を行う

懲戒処分の内容が決まった後は、処分を実施します。処分の決定後に「懲戒処分通知書」を作成します。懲戒処分通知書には懲戒処分の対象になった該当不祥事・懲戒処分の根拠になる就業規則の該当箇所・懲罰処分の内容等の記載が必要です。懲戒処分通知書の作成に法的義務はありませんが、分かりやすく提示するためにも作成したほうがいいでしょう。懲戒処分通知書を作成し、本人に通知を行います。処分の実施を行う際には出来るだけ懲戒処分通知書を手渡しして、しっかりとした説明を行って対象者が納得出来るように配慮が必要です。

処分を公表する

処分を実施した後は、懲戒処分の公表を行います。公表の方法は社内向けに公表する場合や会社HP等に記載する場合等があります。懲戒処分が実行されたという事実を社内に公表することで、他の従業員への再発防止や社内秩序の維持を図ることが重要です。但し公表する際に懲戒処分対象者の氏名まで公表してしまうと名誉棄損になってしまう可能性があります。公表する際は報復や見せしめだと思われないように氏名は伏せるのが原則です。就業規則で公表する際のルールを決めておくことで、処分公表が違法だとされないようしっかりと対策を行った上で処分を公表しましょう。

懲戒処分を行う際の注意点

就業規則に記載があるかを確認する

懲戒処分を行う際の注意点は、就業規則に記載があるか確認しなければいけません。懲戒処分を行う為には「事前に就業規則に懲戒の種類や事由などを定めておく」必要があります。どのようなことをしたら懲戒処分が科せられるのかという内容が記載されており、あらゆる事由に対して補える内容になっているのかを確認しておきましょう。懲戒処分に該当したとしても、内容によって処分が重すぎた場合は無効になることもあります。就業規則の事由に該当するということと、具体的な処分が有効であるかは別の問題として認識しなければなりません。

懲戒処分の根拠となる証拠が事実であるかを確認する

懲戒処分の根拠となる証拠が事実であるかを確認するのも懲戒処分を行う時に重要です。懲戒処分が有効であるかという争いになった場合に無効であると判断されるケースは少なくありません。懲戒解雇処分を実行するためには処分が相当であるという証拠を集めた上で解雇事由に当てはまるのかを判断しなければなりません。もし懲戒解雇処分を不服として申し立てられ裁判になった場合にも、処分の正当性をしっかりと説明出来るように証拠集めや慎重な検討が必要です。訴訟なども考え、弁護士と相談しながら進めて行きましょう。

与える処分が相当であるかを確認する

懲戒処分を行う際には与える処分が相当であるかを確認しなければなりません。懲戒処分内容が就業規則に記載されているかも重要ですが、従業員に与える処分が「懲戒権の乱用」になっていないかが重要です。就業規則に記載している内容を元に処分を決定します。但し懲戒事由が認められたとしても客観的判断が行えておらず、社会通念上相当だと認められない場合には懲戒権を乱用したものとして処分自体が無効になります。従業員が行った不祥事に対して会社側はその不祥事の悪質性に釣り合った処分でなければなりません。懲戒権乱用と判断されない為にも与える処分が重くなりすぎないよう気を付けましょう。

まとめ

懲戒処分を行う際は慎重に行おう

懲戒処分の手続き方法や注意点などについて解説しました。もし懲戒処分の対象となる事由が発生した場合には、まず当事者からの話をしっかりと聞くことが大切です。しっかりとした事前調査を行い処分の妥当性を検討し適切な処分を下すようにしましょう。重すぎる処分や理由によっては処分無効の申し立てを受けることもあります。従業員に罰を与えることを目的にするのではなく、コンプライアンス研修などを行い問題を未然に防ぐなどして対策を行いましょう。懲戒処分を行わなければならなくなった場合には慎重に対処することが重要です。

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