エンゲージメントスコアとは?【注目される背景やメリットについてご紹介します】

記事更新日:2023年01月24日 初回公開日:2023年01月24日

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エンゲージメントスコアという言葉をご存じでしょうか。エンゲージメントというのは直訳すると「婚約」「契約」などになりますが、ビジネス用語でいうと愛着心となります。ここでいう愛着心の対象は社員の会社に対する愛着心を指します。社員のエンゲージメントを高めることは企業が成長するためには重要な要素です。また終身雇用ではなく、転職が一般化した中で企業は社員の転職を防がなければなりません。今回は社員のエンゲージメントを高めるためのエンゲージメントスコアについて詳しく解説します。

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エンゲージメントスコアとは

従業員の仕事への愛着心を数値化すること

エンゲージメントとは社員が企業へどれだけ愛着心があり、自発的に行動し貢献しようとしてくれているかを数値化したものをいいます。要約すると「企業に愛着心を持ち、前向きに仕事をする姿勢」のことです。エンゲージメントは社員と企業の信頼関係や絆により高めることができます。しかしながら、従来はそれらを可視化することができず、アンケートなどで行っていたため、個人の特定のできない無記名アンケートや、記名の場合は本音を書けないなどの課題がありました。それらを数値化したのがエンゲージメントスコアです。

エンゲージメントスコアとESの違い

ESは待遇や給与をベースとした指標

エンゲージメントスコアと似て異なるのがESです。ESとは従業員満足度のことを言います。従業員満足度はどちらかというと社員の待遇に起因する要素が強いという特徴があります。例えば評価制度です。評価制度は社員の業務の成果や貢献度に応じた役職や給与に影響します。また休暇や各種手当などの福利厚生の充実さも影響します。よって社員の一方的な満足度を表すのが従業員満足度です。それに対してエンゲージメントスコアは社員の感情とともに会社と双方の関係性を数値化したものとなる点で大きく異なります。

エンゲージメントスコアが注目される背景

日本の数値が低い

エンゲージメントスコアが注目される背景には、日本の企業で働く社員のエンゲージメントスコアが低いことが挙げられます。アメリカのギャラップ社が全世界1300万人のビジネスパーソンを対象にエンゲージメントを測定する12の質問「Q12(キュー・トゥエルブ)」を実施しました。その調査によると日本企業は「熱意ある社員」の割合が6%と、アメリカの32%よりも大きく下回りました。また調査を実施した139か国中132位という低い結果となりました。

働き方改革が起こっている

エンゲージメントスコアが注目されるもう一つの背景は、働き方改革です。働き方改革は休暇の取得や、労働時間、リモートワークやフレックス制など、企業が社員の働く環境を見直すきっかけとなりました。労働環境が社員と合わない場合、エンゲージメントが下がります。エンゲージメントが下がることでモチベーションの低下につながります。さらには生産性も下がり、離職にもつながる可能性もあります。社員の離職は企業にとって大きな痛手となり、成長の阻害要因となります。そのため社員のエンゲージメントスコアを可視化し、高める努力を企業はする必要があります。

エンゲージメントスコアを測定する方法

エンゲージメントサーベイ

エンゲージメントスコアを測定する方法は2つあります。まずはエンゲージメントサーベイです。エンゲージメントサーベイとは社員のエンゲージメントをスコアリングするもので、インターネットを用いて行われるアンケート調査です。調査は大きく分けて3つに分かれます。まずは組織への貢献意欲、次に上司や部下との関係性、最後に社内コミュニケーションの状況となります。サーベイを実施することで組織が抱える人事上の課題や、その度合いをスコアとして可視化することができます。

パルスサーベイ

エンゲージメントスコアを測定するもう一つの方法がパルスサーベイです。脈拍を意味するパルスと、調査を意味するサーベイを掛け合わせた言葉です。脈拍を計測するように企業と社員との関係性を調査する方法で、短期間に複数回の調査を行います。パルスサーベイは短期間に高頻度で行うことが特徴で、スムーズに関係性の改善を行う社員の満足度を高めることを目的としています。高頻度で行うことで問題が大きくなる前に手を打つことや、フォローをすることができます。

エンゲージメントスコアの平均

Wevoxを利用した2021年度の結果

エンゲージメントスコアの効果について東京都港区に本社を置く株式会社アトラエが全業界のエンゲージメントスコアを特徴をまとめたデータを公表しました。同社はエンゲージメント解析ツールWevoxを利用する2240社以上の企業を対象に調査を行いました。全体での平均は70.3点で、業界ごとにエンゲージメントスコアはばらつきがあることがわかりました。2019年度からのスコアを見てみると、全体としてはスコアは上昇傾向にあります。

エンゲージメントスコアが高いことのメリット

生産性が向上する

エンゲージメントスコアが高いことのメリットが3つあります。まずは生産性が向上することです。エンゲージメントスコアの高い企業の社員は、どうすれば会社に貢献できるかを意識して業務を行っています。決められた業務や、指示された業務のみを行うのではなく、自ら考えて行動します。そのためには調査によって得られたスコアデータを活用し、スコアを高める施策を企業と社員が協力して行うことが必要です。それにより働きがいを感じ、生産性向上に期待ができます。

質の高いサービスや商品を提供できる

続いてのメリットは質の高いサービスや商品を提供できるようになることです。エンゲージメントが高まることで社員はより良いサービスや商品へのアイデアを出しやすい環境になります。良質なアイデアから開発されたサービスや商品により企業の信頼度が高まります。企業への信頼度が高まることで取引先が増え、高利益を生み出すことができます。また外部から優秀な人材の確保にもつながります。これらにより企業は成長することができます。

企業に貢献しようとする従業員が増える

最後のメリットは企業に貢献しようとする社員が増えることです。エンゲージメントを高める要因は給与や役職などの待遇だけではありません。企業の働く空間や、仕事のやりがいを感じるかなども大きな影響を与えます。企業が社員にエンゲージメントを高める施策を行うことで、社員は返報性の原理により企業へ恩返しをする心理から貢献意識が高まるというわけです。またエンゲージメントが高い状態であれば離職の可能性も低くなる効果もあります。

エンゲージメントスコアを上げる方法

評価項目について理解する

エンゲージメントスコアを上げる方法は5つあります。まずはエンゲージメントスコアに影響を与える評価項目について理解することです。前述のQ12(キュートゥエルブ)の12個の評価項目は大きく分けると以下のようになります。ミッション・ビジョン・バリューの浸透、自己承認、上司や同僚との関係性、仕事の機会の提供、成果や成長、となります。またエンゲージメントは給与や人事、福利厚生も影響を与えますので併せて考えましょう。

管理職にスコア向上を意識してもらう

続いて、管理職にスコア向上を意識してもらうことです。エンゲージメントスコアやスコアの上昇率は同じ企業内でも部署によって異なる事例があります。なぜ異なるのか原因を調査すると管理職のマネジメント能力の影響があることがわかりました。社員と直接関わる管理職の部下への対応によって社員のモチベーションは左右されるからです。よってまずは企業全体ではなく、管理職のエンゲージメントスコア向上の理解と意識を高めることに集中しましょう。

インナーコミュニケーションを活性化させる

次に企業内のインナーコミュニケーションを活性化させることです。活性化のポイントは仕組化することです。上司と部下のコミュニケーションであれば1on1ミーティングを定期的に実施して、業務の進捗や部下の悩みなどをヒアリングする機会を設けましょう。また企業と社員とのコミュニケーションとして相談窓口を設けたり、人事部による対話の機会を設けるのもよいでしょう。一番重要なのは組織内で透明性を持ち、どんなことでも話し合える環境にすることです。

インナーブランディングを行う

インナーブランディングを企業内で行うことも重要です。インナーブランディングとは名前の通り社員に向けたブランディング施策です。具体的には企業が持つ理念やミッション、ビジョン、バリューを伝える啓蒙活動のことです。これにより企業に所属する価値を高め、社員の行動に変化を起こし、自ら行動する意識の高い社員にすることを目的としています。結果的に生産性向上による成果を出し、利益を伸ばすことで企業は成長することができます。

定期的に測定する

最後にエンゲージメントスコアを定期的に測定することです。一度行っただけでは社員のエンゲージメントスコアを高めることにはつながりません。スコアを高めるためにはサーベイなどの調査と上司によるフィードバックを定期的に行わなければなりません。それによりどの施策の効果が出たのか、または効果が出ていないのかを明確にすることができます。また調査は高頻度で行うことも重要です。ただし社員に負担がかからないように調査を行う時期を繁忙期からずらすことや、部署の状況なども確認して行いましょう。

エンゲージメントが高い企業

Google合同会社

エンゲージメントの高い企業をご紹介します。まずはGoogle合同会社です。2020年に行われたダイヤモンド社によるエンゲージメントスコアの調査ですべての項目において高いポイントとなっています。特に待遇面の満足度は最も高くなっています。また同社は「エンゲージメントが生まれやすいオフィス設計」という特徴があります。他部署の社員との対話がしやすい環境はエンゲージメントを高めるポイントと言えます。企業が用意した簡易的なキッチンを各フロアに配置することで、意図的に社員の交流の場を作っているのです。

株式会社オリエンタルランド

続いてはディズニーランドなどを運営する株式会社オリエンタルランドです。同社は社員の評価指標を21項目あったものを3項目に絞りました。それにより社員含めたキャストは働くことの目標や目的を明確化でき、エンゲージメントを高めることに成功しています。施策の一つにはキャスト同士で仲間の行動に対してカードを送り称えあう文化があります。また上司が素晴らしい行動をしたキャストへ手渡しでカードを渡し称える制度もあります。これらの施策は上司やキャスト同士が常にお互いを見ている安心感を醸成することができ、エンゲージメントを高めることができています。

まとめ

エンゲージメントスコアを高めて生産性を上げよう

昨今の働き方改革やリモートワークによる距離感の変化に伴い、今まで以上にエンゲージメントを高めることが注目されています。エンゲージメントを高めることで既存の社員に働きがいを感じてもらうことができます。また従来はESと呼ばれる社員満足度が指標となっていましたが、待遇面が中心となっており感覚的な指標でした。今回ご紹介したエンゲージメントスコアにより満足度を数値化することを定期的に行うことで、エンゲージメントを高めることができます。ぜひエンゲージメントを高めて生産性を上げていきましょう。

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