vucaとは?【ウィズコロナ時代に求められる働き方改革】

記事更新日:2020年12月15日 初回公開日:2020年11月17日

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企業が抱えている不安定要素の改善の鍵となる「VUCA」という言葉をご存知ですか?PDCAサイクルと比べても、まだまだ日本では浸透していない言葉ですよね。理解するには、まずは「VUCAの意味」「VUCAを取り入れることでのメリット」などをみていく必要があります。本記事では、VUCA時代に対応するため方法や注目されている「OODAフレームワーク」なども紹介していきますので、新時代を生き抜くヒントとして活用してくださいね。

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VUCAとは

社会やビジネスで将来の予測が困難になっている状態

VUCA(ブーカ)は、元々は1990年代の核兵器主体の戦略から不透明な戦略へと変わったことを表現する軍事造語でした。それが2010年代に入り、社会やビジネスで未来の予測が困難になっている状態を示す造語として使われるようになりました。予測が難しい要因として、4つの時代特性をあげて考え、その頭文字を取って作られています。その4つとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)です。

Volatility(変動性)

Volatilityは、社会の仕組みや価値観の変容、IT技術が急速に発展している現代において、先を見通すことが難しくなっている不安要素を意味しています。変化のはやい世界では、顧客ニーズの変動も顕著になり、新しいビジネスモデルを作り出しても長続きせず、わずか数年で衰退してしまうこともあります。新たな価値の創出や新規事業のチャンスとして捉えることができますが、常に変化は求められるとも言えるでしょう。

Uncertainty(不確実性)

Uncertainty(不確実性)とは、高度成長期から続いてきた年功序列や終身雇用の崩壊といった雇用環境の大きな変化を意味する不安要素として用いられます。その他にも新型コロナウィルスが与える経済インパクト、台風や地震による災害など不確実とも言える要因が現代社会には複数存在しています。このような状況では、売上計画や事業計画などビジネス上の見通しを立てるのが難しいと言えるでしょう。

Complexity(複雜性)

Complexity(複雑性)は、加速するグローバル化によって地球規模で起こる課題が顕在化、複雑化する不安要素を意味しています。ひとつの企業や国単位での成功事例を横転で再現しようとしても、かつてのように簡単に実現できません。金融市場においてもキャッシュレス化が叫ばれていますが、店舗側によるコスト負担など浸透にはまだ時間がかかっています。個別の要因が複雑化し単純化できず、世界情勢も含めて連携して課題解決をしなければならないほど、ビジネスが複雑に絡み合っています。

Ambiguity(曖昧性)

Ambiguity(曖昧性)は、4つのなかで一番わかりづらい要素かもしれませんが、最適な解を見つけることがとても難しくなっている状態を意味します。つまり、上記にあげた「変動性」「不確実性」「複雑性」の3つの不安要素が複雑に絡み合い、次々と課題が繰り替えられる状態。例えひとつの課題を解決できたとしても、また新たな課題が顕在化してしまうため、短期での経営判断が必要となっています。

VUCAワールドの現状

変化が激しくて先を見通せない

VUCA時代では、IT技術の進化に伴い、テクノロジー面以外にもさまざまな価値観や社会の仕組みなどが猛烈なスピードで変化しています。そのため、先の見通しを立てることが非常に難しくなっていると言えるでしょう。ビジネスや投資は先を読むことが求められますが、年々難しくなっているのが令和時代です。ビジネス環境が急速に変化する現代において、日々刻々と移り変わる環境へ柔軟に適応する能力が求められます。

今後グローバル化が複雑さを増す

経済のグローバル化がより一層進んだ現代社会において、ひとつの企業やひとつの国単位で解決できる問題が少なくなりました。また、地球規模で複雑に絡み合っているため、あらゆる事象が複雑性を持つようにもなりました。この現象はますます進むと考えられ、私たちはこの社会を生き抜くかなければなりません。情報化、グローバル化が進む社会において複雑に絡み合った糸を諦めずに解き続ける精神力や忍耐力といったものが求められています。

コロナの影響でさらに変化している社会

突発的な疫病や災害など様々な要素が複雑に絡み合い、驚くようなスピードでの対応が求められています。とくに新型コロナウイルスの影響で今までのような生活ができなくなり、さらに変化を求められるようになるしょう。このような不確実な現代社会では「こうすれば必ず解決できる」「今まで通りで大丈夫だ」と断言できるものは一つもありません。試行錯誤を繰り返し、問題に粘り強く探究していく気持ちがなくては、前には進めないのが現代社会の実情です。

VUCA時代に対応するためには

ビジョンに基づいた決断力を付ける

VUCA時代に明確なビジョンを持ち合わせていなければ、その場しのぎの対応を重ねるだけで一貫した対応ができず、すぐに取り残されてしまいます。逆にビジョンを明確化することができれば、例え環境が変化しても「取るべき行動」「軸がずれたときの判断」が可能になり、間違った決断を防ぐことにも。ビジョンを設定する際には、企業と個人の両方ですべき成果を考え、個々の強みやチームワークを最大限に発揮できる環境を作ることが求められます。

常に情報収集をし現状を把握する

VUCA時代は情報化社会でもあります。まずは莫大な情報の中から自分に必要な情報を見極め、どのような変化が起こっているのかをしっかりと把握しなければ変化に対応できません。時事ニュースなど浅く広い情報を集めるには一般的なニュースサイト、自身のビジネスに直結する専門的な情報を集めるには専門的サイトや専門誌など。また、親和性の高いSNS上のアカウントをフォローするなどして、情報を集める手段も使い分けるようにしましょう。

VUCA時代の働き方改革

スピード経営を意識し変化に対応する

情報を集め現状を打開するプランを考えることができたら、実践してみることが大切です。VUCA時代では、石橋を叩くように流行を分析したり、アイデアを検証している間にどんどん状況が変化します。情報収集をしたら、まずは固定観念を挟まずにスピードを意識して受け入れましょう。ジャストアイデアや小さいプランから試してみて、動きながら変化していくことも大切です。失敗を恐れずに動きながら考える人材こそVUCA時代では求められます。

ダイバシティによる新たなアイディアを生み出す

VUCA時代では、多国籍企業に代表されるように人種や言語、文化などダイバシティの世界です。昔ながらの年功序列制度の考えは薄まり、年齢に関わらず責任のある仕事も任されることもあるでしょう。このような世界では、今まで出てこなかった新たなアイデアも生まれやすく、状況に応じて能力を持つメンバーに決断権限を委ねることも大切です。変化の激しい現代社会を読み、どのような体制で対応するのが最適なのか、日常レベルで年齢や人種を超えて信頼関係を構築しましょう。

VUCA時代を整理したVUCAフレームワークとは

VUCAを4レベルで分けたフレームワーク

VUCA時代への対応策として有益なのが、OODAループを取り入れたVUCAフレームワークです。OODAループというのは、アメリカ空軍の大佐により提唱された施策で、ありとあらゆる分野に適用できる理論と評価されています。VUCAフレームワークでは、4つに分けたフレームワークでサイクルを回していき、思考時間を短縮して成果を上げていきます。働き方改革による残業時間縮小など、短い時間で成果を出す必要がある現在においてなくてはならないものでしょう。

VUCA時代の対処が分かる

VUCA時代では、想定外の事象に対しても柔軟な対応かつ迅速に行動に移せなければなりません。そんなプロダクトサイクルの高速化が加速する現代において、VUCAフレームワークは柔軟かつ迅速な対処法を見つける方法です。製品開発やイノベーションのためには、一刻も早く時代の流れに取り残されないようにする必要があります。企業経営者だけでなく、現場社員まで全てのメンバーが意識改革を持つことがこれからは臨まれるでしょう。

VUCA時代を生き抜くOODAループについて

PDCAサイクルと異なり短期間で変化に対応できる

今までPlan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返すことによって継続的に改善していくPDCAサイクルが主流でした。しかし、VUCA時代を生き抜くのに役立つ思考法として注目されているのがOODAループです。Observe(観察)、Orient(適応・見定め)、Decide(決定)、Act(実行)の頭文字をとってつけられました。OODAループとは、PDCAサイクルといった従来の思考法よりも、刻々と変わっていく情勢に臨機応変に対応しやすい思考法です。

Observe(観察)

Observe(観察)とは、市場や顧客、競合などの対象を観察・調査することです。 現場の担当者自身が観察を行い「生のデータ」を収集していきます。例えば「家族旅行をプランするとき」の例でいえば「家族みんなに行きたい場所を聞く」など、今の家族の状況を見ることが当てはまるでしょう。観察するときに大切なのは「〇〇ならば××だ」といった過去の経験をもとにした経験や常識に囚われないことです。今まではそうだったとしても、今の気持ちは違うこともあるでしょう。状況を受け入れ、対応していくことが大切となります。

Orient(適用・見定め)

Observe(観察)が終わったら、次はOrient(適用・見定め)です。その名通り、集めた情報を分析して、どのようなことが起きているのかを理解・確認することです。合わせて今度の方向性も考えていかなければなりません。例えば、妻が「海外に行きたい」と言ったとすれば、欧米なのかアジアなのか、地域を絞って考えていきます。複数人いればより複雑になり、日程や日数など補足要素も加味しながら見定めていかなければいけません。

Decide(決定)

Orient(適用・見定め)のあとは、Decide(決定)です。どのような行動を取るべきなのかを決めていきましょう。例えば、ハワイに行くことに決めたのであれば、個人でプランニングするのか、旅行代理店のツアーに申し込むのか決定しなければなりません。また、日程や予算についても大きな要素となってきます。決めていかなければならない項目を書き出し、漏れのないように進めることも大切になってくるでしょう。

Act (実行)

最後にDecide(決定)で決めたことを実際にAct (行動)に移していきます。個人旅行でプランニングする、もしくは旅行代理店にツアーを申し込むなどアクションを起こします。これは、一度実行したらそれで終わりではありません。今回はツアー旅行にしても、次は自分でプランニングすることもあるでしょう。微調整しながらループを繰り返し続けていくことで、その効果を最大限発揮できるようになります。

変化だらけのVUCA時代に対応しましょう

VUCA時代は複雑かつ、不確定要素の多い世界です。誰もが未来を予測しずらくなり、このような時代に対応していくにはお伝えした4つの要素(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)を念頭に入れておかなければなりません。VUCA時代に重宝される人材になるためには、ビジョンを明確に持ち、柔軟に受け入れることが大切です。VUCA時代を生き抜いていくためにも、変化だらけの現状にどう対応していくべきかを考え続けるようにしましょう。

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