異文化コミュニケーションを深めるには?【異文化コミュニケーションのコツや注意点をご紹介します】

記事更新日:2021年06月15日 初回公開日:2021年06月14日

用語集 グローバル用語解説 外国人採用・雇用 グローバル経済
深刻な高齢化社会を迎えている日本では、労働力として外国人労働者を雇用する機会も増えています。しかし外国人を雇用する時に悩みの種となるのが、言語や宗教、生活環境の違いです。ここでは、職場での異文化コミュニケーションを深めることの意義や図り方、円滑なコミュニケーションを取るメリット、多文化国家と呼ばれる外国の例などに触れています。また、些細なことから起きてしまいがちなトラブルの注意点にも触れており、これから外国人労働者を採用される担当の方や、就業後のフォローをする方に、ぜひあらかじめご覧いただきたい記事です。

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異文化コミュニケーションとは

文化的背景が異なる人々が取るコミュニケーション

日本の文化の中で生活していると、外国のマナーや宗教上のしきたりについて理解を深める機会はあまりありません。異文化コミュニケーションでは「物事を客観的に捉え、自分と異なる点を理解し、尊重する姿勢」が最も大切です。自分と異なる考えや思想、価値観の人とコミュニケーションを取るときに、自分の基準ばかりを押し付けてしまうと、コミュニケーションはうまく取れなくなります。相手を尊重することで初めて成り立つのが「異文化コミュニケーション」と言えるでしょう。

日本国内でも異文化コミュニケーションは存在する

異文化コミュニケーションと言うと、他の国の人との交流をイメージしがちですが、実際には文化的な背景が違う人が取るコミュニケーションを指す言葉です。例えば、性別や年齢、職業、生まれ育った土地や社会的な地位などが相違する交流も異文化コミュニケーションと表現します。異文化コミュニケーションとは、自らの置かれる環境や価値観と異なる相手と言葉やボディランゲージを取ることを示し、同じ日本人同士であっても異文化コミュニケーションは発生するのです。

異文化コミュニケーションが必要とされる背景

グローバル化において、対立や誤解を防ぐ

勤め先が日本の企業であっても、海外進出が進んでいる背景から、これからはグローバルに仕事をする機会は増えていくと考えられます。それに伴い、日本と異なる文化の人たちとコミュニケーションを取り、ビジネスを行う機会は今後ますます増加するでしょう。自分自身が海外に転勤した場合にも、外国人の上司や部下とのコミュニケーションの取り方がわからない、相手にうまく伝えられず、なぜか怒らせてしまう、考え方が違い過ぎてぎくしゃくするなどのトラブルを未然に防ぐことができます。こうしたことからも、異文化への理解は非常に重要となっていきます。

国内人口減少による、外国人労働者の増加

日本では近年、労働人口の減少傾向が非常に危惧されています。働き盛りに当たる世代や、これから労働力として期待される若者世代の人口減少が顕著となっているためです。そこで白羽の矢が立つのは、外国人雇用による労働力の確保です。海外の人材に長期的に勤めてもらうことが、企業の成長に大きく関わるようになりました。そこで、外国人人材に自社に長くとどまってもらうためにも、コミュニケーションの円滑化は喫緊の課題となっています。異文化コミュニケーションが円滑に行われれば、外国人の人材も居心地の悪さを感じずにとどまってもらえる可能性が高まりまるでしょう。

異文化コミュニケーションの意義

人間関係における誤解を防ぐ

外国人労働者を雇用する場合、一番難しい問題となるのは「言葉」の壁です。コミュニケーションの要となる言葉が通じないと、職場での指示の伝達はもちろんのこと、人間関係の構築がうまくいかなくなります。また、特に日本語はあいまいな表現が多く、多くの外国人にとって混乱をしやすい言語とも言われる言語です。こうしたコミュニケーションを起因とする人間関係の誤解から、社員同士、上下関係にも影響を及ぼすことが少なくありません。お互いの理解に言語はもちろん重要ですが、コミュニケーションではジェスチャーやアイコンタクトも重要な役割を果たします。

ビジネスにおける齟齬を防ぐ

ビジネスにおいても、その取り組み方は国ごとに異なる部分があります。例えば、日本では報告、連絡、相談の「報連相」は基本とされてきていますが、他の国でも同様と言うわけではありません。むしろ、「いちいち相談するな」と叱責される文化の国もあるため、その国で育った外国人労働者は、日本の文化に驚くことでしょう。また、約束の時間を必ず守ることやお詫びをすることも、日本では浸透していますが、すべての国でもそうと言うわけではありません。そうした違いを共有しておくことで、ビジネス上の齟齬を起こさずに済みます。

トラブルの例

食:イスラム圏では左手を使わないのがマナー

イスラム圏では、左手は「不浄の手」とされており、人にものを渡す際、握手をする際は左手ではなく右手を使うのがマナーです。また、一日のうち、明け方、午前中、午後、日没後、就寝前の5回、メッカに向かってのお祈りや、年に一度4週間の間行なう断食「ラマダン」を行う戒律があります。他にも豚は不浄の動物のため食すことを禁じられ、飲酒・喫煙もタブーとされている行いです。しかしこれらは信仰の度合いによっても異なると言われています。

宗教:味の素インドネシアのハラル不適合事件

文化の違いが起因となったとされる事件に「味の素インドネシアのハラル不適合事件」があります。これは、2001年1月にインドネシア味の素のうま味調味料である「AJI-NO-MOTO」がハラル認証を受けながら、認証の後で発効に必要な控訴を豚から抽出したものを使っていたことが明るみになり、現地の日本人社長と社員数名が逮捕された事件です。ハラル認証とは、その製品がイスラム教の戒律に従い調理・製造されたことを示す仕組みのことを言います。認証を受けた後で原材料の変更を行った際、成分の把握が詳細にされていなかったことや、イスラム教への認識が甘かったことが指摘されました。

異文化理解を深めるメリット

自国のアイデンティティを再認識できる

異文化コミュニケーションをすると、外国の人から日本の文化について尋ねられる機会が多くなります。それに答えられるように、普段から日本について深く知っておくようにすると良いでしょう。例えば有名な観光地を尋ねられた時、「こんなところもあるよ」とマイナーな場所も案内できると、相手に喜ばれます。こうした機会が増えると、自分自身でも日本の文化について興味や関心が湧いてきて、アイデンティティを再認識するきっかけにもなるでしょう。

相手国の文化に対する固定概念を排除できる

異文化に触れ、様々な価値観に触れることで、自分の持っている固定観念が覆される場合があります。例えば、日本人はプライドが高く、こだわりが強い繊細な人種と言われていますが、諸外国のすべてがそうと言うわけではありません。外国での常識に触れることで、「こうするべき」「こうあるべき」という考えを捨て、心にゆとりを持てる場合もあるでしょう。また、外国人労働者が入社することで気づかされることも少なくありません。

異文化コミュニケーションのコツ

相手の文化的背景を理解すること

異文化コミュニケーションを取る上で重要なのは、お互いの「違い」について理解することです。日本人同士の異年齢の上司・部下の関係ではもちろんですが、文化が異なる外国人とのコミュニケーションを取る際には、特に注意が必要な点と言えます。外国人とコミュニケーションを取る時は、どうしても自分の文化を押し付けがちですが、それだけでは円滑なコミュニケーションは達成できません。相手と文化的背景の違いを理解し尊重し、こちら側の考え方にも理解してもらうことで、異文化コミュニケーションは成立します。

違いを認め、寄り添う姿勢を持つ

異文化コミュニケーションは、相手の文化を認め、寄り添っていく姿勢が必要です。これまでに外国人との交流をした人の中には、相手の生活習慣やマナーについて、自分の常識とはかけ離れていると感じた人もいるかもしれません。しかしこの場合、相手も「日本の文化は理解しがたい」と感じていることがほとんどです。どんなに理解に苦しむ生活習慣であったとしても、多様性を認めて価値観を許容する努力をすることが、異文化コミュニケーションを成功させる秘訣と言えるでしょう。

異文化理解を深めるためには

相手の国の言語を学ぶ

異文化コミュニケーションを楽しむためにも、相手の国の言語を学ぶことは大切です。多国語を学ぶことは容易ではありませんが、その姿勢を相手に見せることは、積極的なコミュニケーションを図ろうする意思表示にもなります。たとえ満足に会話ができなかったとしても、相手に関心を示し言語を超えて理解しようとする姿勢が伝わることが重要です。異文化コミュニケーションは、外国語を学ぶチャンスにもなりますので、実際の会話を通して自分自身を成長させることもできます。

実際にその国に留学・旅行してみる

実際に、理解を深めたい外国に留学することにも数々のメリットがあります。まず、語学を学習するにあたっては、母国語としてその言語を使っている現地で生活することが何よりも近道となるでしょう。また、実際に多様な価値観に触れることで自分自身の価値観も広がり、異なる文化への理解がより一層深まります。留学を通して友人ができれば、ネットワークを広げることも難しくはありません。ネットワークの中で、日本の文化について話す機会が増えれば、自国の文化についても詳しくなるでしょう。

多文化社会の国

アメリカ

アメリカは「移民の国」と言われ、多様な価値観の人々で構成されている国家です。かつてのアメリカは、個人主義を尊重する国でした。しかし人種差別を解消するための草の根運動をきっかけに、異なる文化や国籍を持った人たちが共存できる多文化社会として発展を遂げています。現在ではヨーロッパや南米からの移民、かつての奴隷制度で連れてこられた人々の子孫など、多様な人種がアメリカで生活するようになりました。しかし宗教や生活環境によりマナーや価値観は様々です。また、貧富の差が大きいのもアメリカ社会の特徴と言えるでしょう。

オーストラリア

オーストラリアはかつて、白人優先の「白豪主義」と呼ばれる政策を行っていました。しかし第二次世界大戦後、経済成長のために人種を問わず多くの外国人労働者を受け入れるように変化し、多文化主義へと移行しています。ニューサウスウェールズ州では、「2000年コミュニティ関係委員会及び多文化主義の原則に関する法律」を定め、州内における多文化主義政策を強く推進する体制を整えました。法律の中で、州の住人の言語や宗教、民族などを継承することを公言し、維持する自由を持っていることが記載されています。しかしながら、現状ではイスラム教徒系の住民に対する差別的扱いが課題と言えるでしょう。

スイス

スイスは日本九州くらいの面積しかありませんが、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ロマンシュ語(レトロマン語)の4言語を憲法で国語と定めています。ドイツやフランスなど、5つの国と隣接しているスイスは、古くからアルプス越えの要でした。現在も往来は盛んであり、観光、ビジネス以外でも通勤やショッピングで日常的に国境越えが行われているのが特徴です。そうした背景から、スイスには異なる文化を持つ人々が暮らしています。国内を少し移動するだけで、違った公用語の看板が立てられていることなども、多言語国家の面白さを表していると言えるでしょう。

まとめ

日常生活やビジネスにおいて、円滑な異文化コミュニケーションは益々重要になる

高齢化が進む日本においても、社会を維持し経済を発展させるために外国人労働者の力が必要です。そうした受け入れに伴い、異なる文化に触れる機会は多くなっていくと考えられます。異文化コミュニケーションでは、言葉を覚えることも大切ですが、相手を受け入れる気持ちを持って接していくことも非常に重要です。アイコンタクトやジェスチャーも、相手に気持ちを伝える役割を果たします。異文化コミュニケーションを楽しみ、多様な価値観に触れ、円滑な異文化コミュニケーションを行っていきましょう。

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