有期雇用とは?【有期雇用の雇用期間やルール、雇い止めなどについて解説します】

記事更新日:2025年08月22日 初回公開日:2025年08月22日

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有期雇用を単なる短期的な労働力と見なしていませんか?労働者を一時的な戦力と位置づける姿勢は人材の定着率を下げ、職場に蓄積されたノウハウを失う恐れがあります。頻繁に行われる法改正への対応に追われる現場では雇用管理が複雑化し、労働者の不満も重なって、信頼関係の構築に失敗するリスクが高まっています。無期転換ルールや無期雇用との違いなど制度を正しく理解し、実務に即した運用を徹底すれば、人材の安定確保と職場環境の改善が実現可能です。本記事では、有期雇用契約における最新の法的要点と対応策をまとめました。

有期雇用とは

あらかじめ期間を決めて働く雇用契約のこと

有期雇用とは、あらかじめ期間を決めて働く雇用契約のことです。有期労働契約は契約期間を定めたうえで使用者と労働者が合意し、書面で締結されます。契約社員やパートタイム労働者、アルバイトなど、さまざまな場面で広く用いられている雇用形態です。企業側は業務量や事業の変化に応じて柔軟に雇用できるメリットがある一方で、契約満了後に雇用が終了するリスクがあり、労働者にとって不安定な雇用形態といえるでしょう。契約書には雇用期間、試用期間、契約更新の有無などを明示する義務があり、労働条件の理解が不可欠です。

有期雇用の雇用期間

原則3年まで

有期雇用の契約期間は、原則3年までと定められています。契約の反復更新によって雇用が事実上恒常化し、無期雇用と同様の状態になるのを防ぐために設けられたものです。契約書には雇用期間、更新の可能性、労働条件を明確に記載しなければなりません。多くのケースでは1年または6か月単位で契約が結ばれ、通算して3年を超えない範囲で更新が行われます。企業は採用計画の段階からこの上限を考慮し、適切な雇用管理を行うことが求められます。

条件付きであれば5年まで

有期雇用の契約期間は、条件付きであれば5年まで延長できます。60歳以上の高齢者や高度な専門性を持つ労働者、大学や研究機関に勤務する研究職などが対象です。企業は契約を結ぶ際、業務の内容や該当する対象者、契約更新の有無を就業規則などに基づいて明示しなければなりません。対象となる労働者も自身の契約期間の上限や待遇の内容について、あらかじめ把握する必要があります。制度への理解が不十分なままでは契約更新時や無期転換の判断において、誤解やトラブルが生じるおそれがあります。

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有期雇用が5年を超えた場合

無期転換ルールを利用する

有期雇用が5年を超えた場合は、無期転換ルールが適用されます。同一の使用者と通算5年を超えて契約が繰り返されたとき、労働者の申込みにより無期労働契約へ転換できる制度です。無期転換申込権は5年を超える契約の更新時点で発生し、企業側は原則として申込みを拒否することはできません。対象となるのは契約社員やパートタイムなど、有期雇用労働者全般です。安定した雇用を望む労働者にとって、有効な選択肢となるでしょう。

有期雇用と無期雇用の違い

契約期間を定めるか否かの違い

有期雇用と無期雇用の違いとして、契約期間を定めるか否かがあげられます。有期雇用とは、1年や6ヶ月といった具体的な期間を定めて結ぶ契約を指します。契約社員やパートタイムの方がこれにあたり、期間が満了するたびに契約を更新するか、終了するかを判断します。一方で無期雇用は、正社員のように契約期間の定めがありません。そのため、自己都合や解雇などがない限り、継続して働くことが前提の安定した雇用形態といえるでしょう。

有期雇用のルール

原則として雇用期間中に退職できない

有期雇用のルールとして、原則として雇用期間中に退職できないことがあげられます。有期契約では契約期間満了までの就業が義務とされ、やむを得ない事由がない限り自己都合による中途退職は認められません。ただし例外も存在し、契約開始から1年を超えた後であれば、労働者はいつでも退職を申し出ることが可能です(労働基準法附則第137条)。契約締結時にはこうしたルールを両者で正確に共有し、誤解やトラブルの回避につなげることが重要といえるでしょう。

有期雇用の雇い止めとは

契約更新を拒否し雇用期間を終了させること

有期雇用の雇い止めとは、契約更新を拒否し雇用期間を終了させることです。有期労働契約は期間満了により自然に終了するのが原則ですが、契約が繰り返し更新されていたり、正社員と同等の勤務実態がある場合には終了に制限が設けられます。使用者は合理的な理由がない限り、一方的に終了することは認められません。労働契約法では雇い止めを巡るトラブルを防ぐため、就業規則や雇い止め通知書などによる明確な説明と手続きが必要とされています。

有期雇用のメリット

費用を削減できる

有期雇用のメリットとして、費用の削減があげられます。例えば正社員を雇用した場合、毎月の給与に加えて賞与や退職金といった大きな固定費が発生します。有期雇用であれば、こうした費用を抑えた契約を結ぶことが可能になります。また、繁忙期や特定のプロジェクトに合わせて「必要な時に、必要な期間だけ」人材を確保できる点も大きな魅力でしょう。これにより、会社の資源を最も効果的なタイミングで集中させる合理的な経営が実現できます。

柔軟に人材配置を行うことができる

有期雇用にメリットとして、柔軟な人材配置があげられます。季節的な業務量の変動や期間限定のプロジェクトなど、正社員採用では対応しきれない人材需要に対し、必要なスキルを持つ人材を必要な期間だけ確保することが可能です。プロジェクトの完了と同時に雇用契約も満了するため、その後の人件費を固定化するリスクを負う必要がありません。事業の変化へ迅速に対応できる柔軟性は人件費の最適化はもちろん、計画的な事業運営を実現する上で大きな強みとなるでしょう。

有期雇用のデメリット

引き継ぎを行うのに手間がかかる

有期雇用のデメリットとして、引き継ぎを行うのに手間がかかることがあります。期間の定めがある以上、担当者が入れ替わる際の業務の引き継ぎは避けられません。引き継ぎが不十分な場合、後任の担当者が業務をスムーズに進められず、作業の遅れやミスの原因になるおそれがあります。作業手順をまとめたマニュアルの整備や、業務記録をきちんと残すといった準備が必要です。余裕を持ったスケジュールを組んで引き継ぎを行えば、業務品質の低下を防ぎ、組織全体で知識を安定して蓄積していくことにつながります。

スキルが流出する恐れがある

有期雇用のデメリットとして、スキルが流出する恐れがあります。有期雇用では時間とコストをかけて育成した人材も契約期間の満了と共に退職するため、知識や経験が組織に残りません。特に、専門的な技術の継承が求められる職場の場合、人材流出が企業の競争力を直接的に弱める深刻な問題になり得ます。こうした事態を防ぐには、採用の段階から将来の契約更新や無期転換制度の活用を視野に入れることが重要です。いかにして優秀な人材に長く活躍してもらうか、という戦略的な視点が企業には求められます。

有期雇用契約を結ぶ際のポイント

契約期間をはっきりと定める

有期雇用契約を結ぶ際のポイントとして、契約期間をはっきりと定めることがあげられます。労働契約書には、いつからいつまで働くかという開始日と終了日を具体的に記載する義務があります。期間設定が曖昧だと、契約終了の際に「まだ働けると思っていた」といった認識のズレが生じ、深刻な労務トラブルに発展しかねません。特に、契約更新の有無や更新する場合の条件を明記するのは、無用な誤解を防ぐ上で極めて重要です。企業と労働者の信頼関係を築くためにも、法令を遵守した書面作成を徹底しましょう。

労働条件を明確にする

有期雇用契約を結ぶ際のポイントとして、労働条件の明確化があげられます。労働契約法や労働基準法は賃金、労働時間、業務内容、契約期間といった重要事項を明示するよう企業に義務付けています。取り決めが曖昧だと、「聞いていた給与と違う」「契約外の仕事を命じられた」といった問題が起きやすくなります。認識のズレは、契約更新時や終了の際に深刻な紛争へと発展しかねません。明確な条件を提示は労働者が安心して能力を発揮する土台となり、企業の信頼性を高めることにもつながります。

雇用契約を守る

有期雇用契約を結ぶ際のポイントとして、雇用契約の遵守は重要です。契約書に定められた労働時間や賃金、契約期間といった条件は、どちらか一方が勝手に変更することはできません。例えば、企業側が同意なく給与を下げたり、労働者が「やむを得ない事由」なく期間の途中で退職したりすることは、原則として契約違反となります。基本的なルールを企業と労働者の双方が正しく理解し、誠実に守ることが、安定した職場環境の維持に不可欠です。お互いに契約を守る姿勢が信頼関係を築き、不要な労務トラブルを防ぐ最も確実な方法といえるでしょう。

パートタイム・有期雇用労働法とは

雇用形態による不条理な待遇差を禁止する法律のこと

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パートタイム・有期雇用労働法は、雇用形態による不条理な待遇差を禁止する法律です。例えば、正社員と全く同じ責任・内容の仕事をしているにもかかわらず、「有期雇用だから」という理由だけで賞与や各種手当に差をつけるのは、原則として認められません。法律によって、企業は有期雇用の労働者から待遇の違いについて尋ねられた際、その理由を合理的に説明する義務を負うことになりました。雇用形態に関わらず、全ての従業員が納得して働ける公平な職場環境を整えることが、企業には強く求められています。

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パートタイム・有期雇用労働法による変更点

待遇に関する説明を求められるようになった

パートタイム・有期雇用労働法による変更点として、待遇に関する説明を求められるようになったことがあげられます。法律により、企業は有期雇用の労働者から正社員との待遇差について質問された際、その理由を具体的に説明する義務を負うことになりました。賞与や各種手当に差がある場合、業務内容や責任の範囲の違いにどう基づいているのかを、合理的に示さなければなりません。説明は口頭でも可能ですが、後の紛争を防ぐためにも、やり取りの内容を記録しておくことが賢明です。

行政による紛争解決援助制度の利用が可能になった

パートタイム・有期雇用労働法による変更点として、行政による紛争解決援助制度の利用が可能になったことがあげられます。待遇に関する問題が労働者と企業の間に起きた際、全国の労働局に設けられた窓口で、専門家による無料の解決支援を受けられる制度です。専門家である第三者が中立な立場で間に入るため、当事者同士の感情的な対立を避け、冷静な話し合いによる解決が期待できます。法的な知識に自信がない労働者でも安心して相談できる、心強いセーフティネットといえるでしょう。

まとめ

ポイントを理解し雇用形態を選ぼう

有期雇用の活用は、事業の状況に応じた柔軟な人員配置を可能にする有効な人事戦略です。一方で労働契約法やパートタイム・有期雇用労働法への対応は年々複雑化しており、運用には正確な法的知識が不可欠となります。契約条件の明示、待遇差に関する合理的な説明、そして無期転換ルールへの適切な備えといった対応を一つでも怠れば、深刻な労務トラブルに発展しかねません。法令遵守の徹底をするために、有期雇用契約のポイントを理解することこそが、企業の持続的な成長を支える人事の要といえるでしょう。

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