キャリアサバイバルとは?【メリットや診断方法についても解説します】

記事更新日:2023年11月10日 初回公開日:2023年11月08日

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キャリアサバイバルとは個人のキャリアを形成する際に用いられる用語の一つです。キャリアサバイバルは有効活用すれば、個人が自分の将来の目標を定めやすくなるだけでなく、企業にとっても人材育成や採用の場面での判断材料にすることができます。そんなキャリアサバイバルですが、実はどういう意味の言葉なのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。今回はキャリアサバイバルの言葉の意味や、具体的な活用方法についてご紹介していきます。自分や社員のキャリア形成について悩んでいるという方は、ぜひご参考にしてみてください。

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キャリアサバイバルとは

キャリアアンカーと環境や組織のニーズとの調和を意味する言葉

キャリアサバイバルとは自分が仕事をする上で譲れないニーズであるキャリアアンカーと、環境や組織のニーズとのすり合わせを意味する言葉です。人は仕事をしていく過程で自分が将来どのようになりたいのかを考え、キャリアを形成していきます。しかし、理想に向かってキャリアを形成しようと思っていても、組織の求める人物像とキャリアアンカーが一致していない場合、互いに不利益が生じてしまいます。キャリアサバイバルはこのような事態を防ぐために、双方のニーズを調和させることを目的としています。

キャリアアンカーの意味

キャリアアンカーの8つの分類と適職

キャリアアンカーには8つの分類があり、コンピタンス(能力)・動機・価値観の三つの観点から、この8種類を見ていくことで、その人の適している職業が分かります。8つに分かれた分類はそれぞれ保障・安定とライフスタイルなどの待遇に関する分類が2項目を占めます。自立・独立や独創性と奉仕・社会貢献と挑戦などの4項目は自分の価値観を優先したものです。さらに、残りの2項目は全般管理と専門・職能別で、こちらは自分の得意分野を生かす方向選ばれることの多い分類です。

キャリアアンカーの診断方法

キャリアアンカーを診断するには、上記の3つの要素を明確にしなければなりません。3つの要素は簡単に言い換えると「できること」と「しなければいけないこと」と「したいこと」とも表現できます。具体的な方法では、チェックシートを用意し質問に答えていく手段などが考えられます。目に見える形で自分のニーズを把握すると、自分のキャリアアンカーがどのタイプに属するのか知ることができます。チェックシートはインターネットでダウンロードすることもできるので、積極的に利用していきましょう。

キャリアサバイバルが提唱された理由

社会が急速に変化するようになったため

従来の社会では、自分自身のキャリアアンカーに合わせた職や環境で働くという考え方が定着していました。しかし、市場の多様化やグローバル化が進むにつれて、急速に変化した現代社会ではキャリアアンカーのみに合わせて職や環境を選ぶことが難しいのが現状です。キャリアアンカーの提唱者であるエドガー・シャインはこのような現状を受け、労働者は個人の要求や価値観だけでなく、職場や環境に適応することも重要視するべきと考えました。そこで提唱されたのがキャリアサバイバルです。

シャインの理論における客観的側面

内的キャリア

シャインの組織内のキャリア発達理論における内的キャリアとは本人の動機や価値観など、主観的かつ外側からは見えない価値基準のことを差します。具体的な例では仕事に対するやりがいなどが該当します。内的キャリアは目視できる価値ではありませんが、仕事への意欲に繋がるため、企業が業績を上げる上では重要視しなければならない要素です。また、内的キャリアそのものが仕事の従事する原動力にもなるので、個人の成長にも欠かせません。そのため、キャリアサバイバルでは内的キャリアを充実させる方法についても考える必要があります。

外的キャリア

シャイン理論における外的キャリアとは職種や役職などの社会的な地位や年収など客観的に理解できる価値を差します。外的キャリアはその特徴から具体的な目標にしやすい要素です。しかし、内的キャリアと外的キャリアはどちらが重要かというものではありません。内的キャリアは個人のモチベーションに繋がるので外的キャリアを支えるために必要で、外的キャリアは自分の方向性を定める上で重要です。そのため、キャリア形成には二つをバランスよく取り入れて自分自身の方針を定めていくことが大切です。

キャリアサバイバルを企業が用いるメリット

離職防止につながる

キャリアサバイバルは社員の離職防止に繋がるという点で企業にもメリットがあります。前述した通り、人にはそれぞれ職を選び、仕事をしていく際には譲れない価値観であるキャリアアンカーが存在します。そのため、現在勤めている企業が自分のキャリアアンカーとマッチしていないと感じた場合、社員は企業を辞める選択をすることもあります。そこで、社員の離職防止をするには企業が個人のキャリアアンカーと折り合いをつけて、待遇や報酬を検討し、職場環境を改善していく必要性が発生します。

社員のモチベーションが上がる

キャリアサバイバルは実行することで社員のモチベーションが上げることも可能です。キャリアサバイバルでは個人の要望だけでなく、社員に対する企業のニーズを伝えます、例えば、当該の社員に将来的には会社のどのポストに就いてほしいかなど外的キャリアについて提案すれば、社員も明確な目標を立てやすくなります。自分の希望の待遇が会社の将来的な待遇とマッチしていると、社員もやる気やモチベーションを維持することに繋がるため、双方にとって良い方向に働く期待が持てます。

企業の生産性が上がる

キャリアサバイバルは社員のキャリアアンカーを把握することで、企業の生産性をアップさせる効果が期待できます。キャリアアンカーは個人に適した職を知る上で、非常に重要な判断材料の一つです。キャリアアンカーで社員の得意分野や向いている業種を知ることで、企業は社員に適した業務や部署を割り振ることが可能になります。社員が得意分野を生かすことができれば、業務の効率アップにも繋がるので必然的に企業の生産性も上がります。そのため、キャリアサバイバルは企業の人材配置にも役立つ手法と言えるでしょう。

キャリアサバイバルを企業が用いるデメリット

社員全員がキャリアアップできるとは限らない

キャリアサバイバルのデメリットは、社員全員がキャリアアップできるとは限らないという点です。社員のキャリアアップを図るには企業だけではなく、本人の努力も必要です。キャリアサバイバルに沿って話し合い、方向性を決めても本人の能力が見合わない場合計画は頓挫してしまいます。また、企業の経済状況や運営の事情によって、社員が目標を達成しても当初の予定にある役職に昇進させられないこともあります。そのため、キャリアサバイバルを活用する際には、状況によっては約束が果たせない可能性もあることを事前に明示しておくことが大切です。

キャリアの幅が狭まる

キャリアサバイバルは企業と社員のニーズのすり合わせによってキャリア形成の方向性を決めるため、社員のキャリアの幅が狭まる可能性もあります。キャリアサバイバルは社員が目標達成に向けて動ける反面、定められた目標以外のことには目を向けにくくなります。そのため、無数にあるその他の可能性の目を摘む行為にもなりかねません。また、一つの職種に固執しすぎると、種類の違う業務や職業ではつぶしが利かなくなる可能性もあります。このような理由からキャリアサバイバルを活用する際は、定められた道筋だけでなくその他の方向性も検討に入れる必要があります。

キャリアサバイバルで個人がすべきこと

現在の職務と役割の棚卸しを行う

キャリアサバイバルを個人が活用するには、初めに自分のキャリアンカーと組織のニーズを知るために現在の職務と役割の棚卸を行わなくてはなりません。現在の職務や役割は、自分が今会社に求められている能力を知るきっかけになります。さらに、仕事を行う上で自分が感じていることが、そのまま仕事の価値観やモチベーションに繋がっている物事を把握する判断材料になります。これ等の要素を自分なりに整理することで、今の仕事が自分に向いているのか、組織は自分に何を求めているのかが明確に理解できます。

環境の変化を識別する

個人のキャリア形成を考える際には環境の変化を識別することも大切です。どんなに目標に向かってキャリアを磨いたところで、自分の能力がその時会社や社会に求められていなければ活かすことはできません。そのため、個人を取り巻く環境の変化にも気を配り、将来の会社の状況はどうなっているのか事前に予想しておくことが重要になります。また、人によってはライフステージの変化によって、仕事に対する向き合い方も変化します。そのため、結婚や出産によってライフスタイルが変化した場合に、どのような道が自分に残されているのかも視野に入れておきましょう。

環境の変化が与える影響を確認する

キャリアサバイバルを活用するには、前述したように環境の変化を考慮するだけでなく、環境の変化が企業や周囲の人に与える影響を確認する必要もあります。環境の変化でニーズが変わるのは企業や顧客も同じです。そのため、変化していく市場や会社の状況を考慮する際には、同時にその環境の変化によって会社や顧客のニーズがどのように変わっていくのかにも注意を払いましょう。あらゆる状況や可能性を考慮して、計画することでより現実的なキャリアプランを立てることが可能になります。

職務要件の見直しをする

環境や会社のニーズの変化を予想した後は、現在自分が受け持っている職務要件の見直しをしましょう。会社では社員の役職が上がりキャリアアップしていくことで、業務内容や期待されている成果が変化していきます。通常の場合、役職が上がるにつれて求められる期待値も高くなるため、個人も期待値の上昇に合わせて能力を磨かなくてはなりません。そのため、将来任される可能性のある業務などを、あらかじめ視野にいれておけば資格取得や研修の受講など自己研鑽に役立ちます。明確に予想することは難しいですが、大まかな役割だけでも把握しておくことが大切です。

プランニング・エクササイズの輪を広げる

前述した項目を想定した上でプランニング・エクササイズの輪を広げることが、個人がキャリアサバイバルを行う上での最終段階になります。自分が将来会社に求められる成果や役割を予想すると、必ず現在の自分の能力とのギャップが生まれます。そのため、この段階では上記のギャップを埋めるために具体的な行動計画を立てなければ、キャリアプランの意味がありません。目標を達成するためには自分は何をしなければいけないのかを明確にして、実行に移すことでギャップを埋める効果的な手助けになります。

まとめ

キャリアサバイバルを活用してビジネスに活かそう

キャリアサバイバルは個人が自分の理想に向かってキャリアを形成していく上でとても重要なものです。また、企業にとっても社員のニーズと組織のニーズを知ることは、人材配置や組織そのものの発展を図る上で重要な要素の一つと言えます。そのため、双方の利益のためにも積極的に活用していく必要があります。ただし、社員全員がキャリアアップできるとは限らない点やキャリアの幅が狭まる点など、キャリアサバイバルにはデメリットも存在します。そのため、個人と企業が話し合う際には上記のデメリットも考慮した上で、慎重に話を進めることが大切です。

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