記事更新日:2023年11月08日 | 初回公開日:2023年11月08日
用語集 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報エニアグラムとは人の性格を9つのタイプに分類する性格診断のことです。本来エニアグラムという言葉の意味は9つの点を持った円周と点同士を繋ぐ線で描く幾何学的図形のことを指します。エニアグラムの診断では、診断対象の性格タイプだけでなく、この幾何学的図形を元に診断対象の行動と思考の特性や成長段階などを分析ことができます。そのため、自己分析だけでなく、カウンセリングや企業の社員教育でも用いられることがあります。
エニアグラムで性格診断をする目的は、自己理解と他社理解を深めることにあります。人の性格は様々ですが、自分が主観的に自覚している性格が事実に即しているとは限りません。また、人が他者と関わる際に、相手の言葉や行動にどのような動機や意味があるのか表面的な部分で判断するのは困難です。エニアグラムは利用することで自分が自覚できていない性格や、言葉や行動だけではわからない他者の思考回路を理解する手助けになります。そのため、正しく理解すれば、自己成長や円滑な人間関係の構築に役立てられます。
エニアグラム診断は客観的な視点から自己分析をすることできます。人は誰でも自分では無自覚の思考の特性を持っていますが、その無自覚な特性に自分で気づくことは困難です。そのため、「自分とは何なのか」というアイデンティティに関わる悩みを持っている人も少なくありません。エニアグラムは診断で客観的に自分を見つめ直すことで、「自分は何が苦手なのか」「自分が重く捉えている価値観は何か」を探れます。このように、自己理解が高まれば、自分に自信が持て自己受容が深まるきっかけになります。
人間関係のトラブルの大半は、自分が相手の考え方を理解できないことが原因で生じます。エニアグラムでは9つのタイプによって分類された思考回路や、行動の特性を知ることができます。そのため、利用すれば他者の言動がどのような考え方に由来しているのか理解する手助けになります。自分と他者の違いをより客観的に受け止められれば、上記のように自分が理解できない他者の言動に振り回されることもありません。そのため、エニアグラムを学べば人間関係を円滑に進めるヒントを得ることにも繋がると言えるでしょう。
エニアグラムは自分の向き不向きを理解して、自己実現に繋げる手助けにもなります。例えば、転職や昇進でキャリアアップしていきたいと考えた時、具体的な計画を立てるには将来の目標を明確に定める必要があります。しかし、自分の将来なりたい理想像が無ければ、目標を定めるのも困難です。また、自分の性格に無理が生じないよう目標を立てるためには、自分への理解をより深める必要があります。そのためには、エニアグラムやその他診断を利用して自分をより良く生かす手段を考えるのも必要不可欠な過程と言えます。
改革する人は理想が強く、物事をより良い方向へ好転させるための努力を惜しまない人です。このタイプの人は物事に公平性や正義を求めるタイプであり、自分も他者に対して公明正大でありたいと考えています。そのため、人に何かを教え指導することにも向いています。しかし、完璧主義者なので、身の周りの不正や理不尽には強い怒りを感じがちです。また、自分の思いをあまり口に出さず他者からは冷静と思われがちですが、常に物事を良くしたいと考えているので、過去を反省し強く自分を責めすぎる側面もあります。
助ける人は他者への思いやりが強く、困った人を助けたいという思いが行動の主軸になる人です。このタイプの人は常に人に対して親切で、集団の中では緩衝材になる場面も少なくありません。そのため、自分が物事の主導権を握る立場よりも、他者のサポートに徹する立場が向いています。親切な反面、人に頼られないと寂しさを感じ、感謝されないと怒りを感じやすい性格でもあります。また、他者を助けることを優先して自分を犠牲にしてしまうことも多いでしょう。人間関係を円滑に維持することを重要視しがちな性格です。
達成する人は自分の目標や夢の実現など、成功を最優先するタイプの人です。そのため、目的の達成には手段を択ばない思考回路の持ち主であり、効率主義を重んじます。このタイプの人はリーダーシップに優れていて、他者を励まし指示を与える能力に秀でておりチームの主導者に向いている性格です。しかし、達成する人は成功を重視するため失敗を極度に恐れる側面もあり、可能性の低い挑戦は避ける傾向にあります。また、物事をより良くしたいという願望よりは、自分の成功を優先させる部分が改革する人と異なる点です。
個性を求める人は自分と他者との違いを重要視するタイプの人です。自己表現を重視している芸術家肌の人が多く、ユニークで独創的な思考回路を持っています。感受性が強く人の気持ちに敏感で、自分の個性を重んじるからこそ、周りの人の個性に対して寛容です。その反面、常に自分に正直でありたいと思っているので好き嫌いがはっきりしていて、他者が自分を理解しないことに不満を抱きがちです。また、集団行動には不向きで個人行動を好む傾向にあるので、作家やデザイナーなど一人で集中できる仕事が向いています。
調べる人はあらゆる物事に対して知見を深めることを重要視するタイプの人です。言い換えると研究者タイプとも表現でき、集めた情報を頭の中で知識を整理することを好みます。そのため、何をするにも先に情報を集め慎重に検討を重ねますが、考えたことを実際に行動に移すことはあまりありません。論理的な思考回路を持っているため、研究職やエンジニアなどに向いています。また、知識量は多いものの、得た知識を他者に分け与えるなど能動的に行動する場面は少なく、何を考えているのかわからないと思われがちです。
信頼を求める人は周囲の人間関係を良好に保ちたいという気持ちが強いタイプの人で、真面目で他者に対して誠実にあろうと努力し、協調性を重んじます。また、上司などの目上の人には従順で組織の規範やルールも忠実に守るので、管理職や事務職など既定の枠組みの中で業務を行う仕事が向いているでしょう。しかし、真面目な性格は本人の強い不安感の裏返しとも言え、組織に忠実なのは外的ルールに従い自分の正しさを保守するためでもあります。そのため、自分の意思で物事を決めるのが困難という一面もあります。
熱中する人は人生を楽しく過ごすことを重要視するタイプの人です。その時々の出来事に熱中することを好み、自分の人生に多様な方向性を見出します。そのため、挑戦心に富み、快活で自由な考え方を持っている性格とも言えるでしょう。他者とは楽しいことを共有したがる傾向があるので、チームの中ではムードメーカー的役割を果たします。好きなことには高い能力を発揮しますが、変化の少ないルーティンワークは飽きやすい一面があります。また、他者からは良くも悪くも落ち着きが無いと捉えられることも少なくありません。
挑戦する人は、組織の中で主導権を握り何事においても自分が優れていることを好むタイプの人です。このタイプの人は自分に自信があり、心的エネルギーに溢れ行動力があります。自ら進んで人の前に立ち困難を克服することに喜びを感じ、頼ってくる人は助けたいと思う性格の持ち主のため、経営企画や営業部門に向いています。ただし、人と対立することも厭わない傾向もあるため、人間関係においては他者と衝突する機会も少なくありません。また、人に弱みを見せたがらないという一面もあります。
平和を好む人は人間関係の調和や自分の内面を穏やかに保つことを重視するタイプの人です。このタイプの人は内面が非常に落ち着いていてマイペースなので、自分から行動を起こすことは少なく、基本的にはどのような事柄も周りの人に合わせる傾向があります。忍耐強く、人の意見を公平に聞けるため争いごとの仲裁が得意なので、人材教育やカウンセラーなど他者を受容する職種が向いています。また、平和を好む人は不安や葛藤などを抱えることを嫌うので、変化や挑戦には消極的で順当な手段を選ぶのも特徴の一つです。
エニアグラム診断で正確な結果を出すにはリソ=ハドソン式性格タイプ別診断テストを受ける必要があります。リソ=ハドソンはエニアグラム診断の第一人者であり、国際エニアグラム協会の共同創設者でもあります。リソ=ハドソンの性格タイプ別診断では、144項目の質問内容に応えることで診断対象の性格タイプを割り出します。診断を受けるにはエニアグラム研究所から冊子を購入しなければなりません。簡単な診断であればHPから無料で受けることも可能ですが、より正確で詳細な結果を望む場合には冊子の購入がおすすめです。
エネルギーセンターとは各タイプの人々が、なにを原動力として行動に移すかを明確化したもので、ガッツセンターやハートセンターと、ヘッドセンターの3つに分類されます。例えばガッツセンターに分類される「改革する人」「挑戦する人」「平和を好む人」は行動の原動力が直感や本能に由来する傾向にあると言われています。このように、エネルギーセンターは一つのセンターに対して3つの性格分類が所属していて、思考や行動の動機やトラブルを招きやすい感情が異なります。そのため、エネルギーセンターを確認することで、より深く診断結果を分析することが可能です。
エニアグラムの性格分類図は各性格タイプから二つの線が伸びており、他の性格タイプへ繋がっています。この二つの線を統合と分裂の方向と呼びます。統合は、心に余裕を持ち人間的に成長した場合に、得られる別タイプの良い特徴の方向性表します。逆に分裂では強いストレスを受けた場合に、現れる別タイプのマイナスな特徴の方向性です。そのため、エニアグラムでは主たる性格タイプを持っていても別タイプの特性が現れることもあり、時間の経過と共に診断結果が変化していくこともあります。この方向性を理解することで、自己成長に関するヒントを得ることができます。
自分の今後のキャリアアップや将来の方向性を検討する上で、自己理解を深める行為は必要不可欠です。エニアグラムの性格診断ではより詳細な分析ができるため、このように自己理解や他者理解を深めるのに有効な手段と言えます。しかし、診断結果はあくまで質問の回答から、強く表れた傾向を割り出しているにすぎません。そのため、分類結果が一つの性格タイプに絞られたとしても、他の性格タイプの特徴を有している場合もあります。このような理由もあるので、診断結果の内容だけにこだわらず、自分の知られざる一面を理解するきっかけとして利用してみましょう。
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