問題社員とは?【特徴や対応方法について分かりやすく解説】

記事更新日:2021年02月05日 初回公開日:2020年12月09日

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多くの人が働く職場では、様々な問題が発生するリスクがあります。性格や価値観の違いによるものはある程度仕方ない面もありますが、中には問題行為によりトラブルを起こしてしまう従業員もいるでしょう。そこで今回紹介するのが「問題社員」です。社内で働くどなたかの顔を思い浮かべた方ももしかしたらいるかもしれません。企業は様々なトラブルを引き起こす問題社員に対してどのように対応すれば良いのでしょうか?ここでは問題社員の対応方法だけでなく、特徴や事例などについても幅広く説明していくので是非参考にしてみてください。

問題社員とは

社内で問題行動を引き起こす社員

初めに問題社員という言葉の意味について確認しましょう。問題社員とは、社内での勤務態度や言動などに問題がある社員のことです。モンスター社員と呼ばれることもあります。これまで問題社員が会社の同僚や上司、クライアントなどといった周囲の人たちに対して迷惑をかけてしまうことが問題視されてきました。問題社員といっても様々な特徴を持った人がいます。具体的には、セクハラやパワハラ行為を行う、業務命令を聞かないなどといった行動が挙げられます。

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問題社員のタイプ別特徴

無断遅刻や欠勤が多い

問題社員と呼ばれる人たちにはどのような特徴があるのでしょうか?ここでは主な特徴を5つ、順に紹介していきます。まず一つ目は無断遅刻や欠勤が多いことです。遅刻や欠勤といっても、体調不良や電車の遅延など止むを得ない理由の場合はもちろん問題ないでしょう。しかし問題社員の場合は、会社に対して事前に連絡を入れずに無断で欠勤や遅刻をすることがあります。連絡がなければ当然同僚の人は心配するでしょう。またその社員がいないことで業務にも支障が出てしまいます。

能力不足

特徴の二つ目は能力不足です。社員の中にはミスを連発する、仕事が極端に遅い、効率が悪いといった特徴を持つ人がいます。この場合は本人に悪気がないことがほとんどなのである程度仕方ない面もあるでしょう。また、経験の差によっても変化するので、例えば新入社員に対していきなり高い能力を求めるのは良くありません。しかし、上に挙げたような状態が長く続くようであれば企業にとっては多くのデメリットを生み出すことになります。問題社員に対しては研修や指導などの機会を設けることである程度改善されることもあります。

協調性がない

続いて三つ目は協調性がないことです。多くの仕事の場合、一人だけですべて業務を行うことは出来ません。ただ、様々な人が働く職場では人によって性格や価値観が合う、合わないということは当然あるでしょう。しかし仕事を進めていくためには、関係する同僚や上司の方とコミュニケーションを取らなければなりません。このタイプの問題社員の場合は、協調性がなく周囲の従業員とのトラブルを引き起こしてしまいます。そうなると職場の秩序も乱れ、他の従業員の仕事を阻害することになるでしょう。

業務命令を聞かない

四つ目の特徴は、社内の業務命令に従わないことです。従業員は会社と労働契約を交わすと労働力を提供する義務を負うことになります。つまり業務命令が就業規則に基づくものであれば従業員はその命令に従わなければなりません。ところが問題社員の中には正当な理由がなく、業務命令に従わない人もいます。指示通りに動かない人がいると会社の業務も回らなくなってしまいます。このような社員に対しては注意指導を行う必要があると言えるでしょう。

非違行為を行う

最後に5つ目の特徴は非違行為を行うことです。社内で行われる非行違法行為には様々な種類があります。例えば手当の不正受給や備品の持ち出し、会社のお金の横領などはこの行為に当たります。このような行為を行った社員に対しては会社としても厳正な処罰をしなければなりません。非違行為の程度によって、口頭による注意指導から懲戒処分まで対応方法は異なります。しかしまずは非違行為の疑いがある社員の行動をしっかりと調べて、証拠を固める必要があるでしょう。

問題社員を放置する弊害

社員のモチベーション低下

ここまで問題社員の特徴をいくつか紹介しましたが、問題社員を放置していると企業に様々な弊害を及ぼすことになります。ここでは主な例を二点挙げます。まず一点目は社員のモチベーションが低下することです。社内に問題社員がいると、周囲で働く他の社員も悪影響を受けるでしょう。問題社員の迷惑行為に巻き込まれて、一緒に働く同僚などのモチベーションが下がってしまう可能性があります。場合によっては、退職者が出てしまうといった状況も生まれかねません。

生産性の低下

二点目は、社内の生産性が低下してしまうことです。問題社員に対して対応せずにいると、会社の業務にも大きな影響があるでしょう。例えば無断欠勤や業務命令に従わないといった状態になると、問題社員が関わる業務に遅れやミスが発生しやすくなります。また先程述べた周囲の社員のモチベーションが低下することによって、業務全体の生産性が大幅に下がってしまいます。最終的には、企業利益にも影響が出るので、問題社員に対しては会社として正しい対応が求められるでしょう。

問題社員への対応方法

現状を把握する

これまで多くの企業が周囲に迷惑をかける問題社員への対応を課題としてきました。では企業側は問題社員に対してどのような対応を行えば良いのでしょうか?すべてのケースで当てはまりますが、まず初めにするべきなのは、しっかりと現状を把握することです。個人の問題と決めつける前に部署や組織全体にも原因がないかなど、客観的に状況を判断することが必要です。もし可能であれば問題となる行為の証拠を残すようにすると、その後の対応もしやすくなるでしょう。

業務指導をする

現状を把握した上で、問題社員の行動が改善される見込みがあれば、業務指導を行いましょう。業務指導とは業務上の改善点に関して指導することを指します。問題社員本人に対して、問題点となる箇所を正確、且つ適切な表現で伝えてあげることがとても重要です。業務指導は通常口頭で行われますが、場合によっては書面で行うことも必要になるでしょう。業務指導によって本人の行動が改善されれば、問題の早期解決に繋がります。また、業務指導を行うことで問題社員とのミスコミュニケーションを防ぐ効果もあります。

面談を行う

3つ目の対応方法は、問題社員との面談の機会を設けることです。業務指導後、毎月一回など頻度をしっかりと決めて、該当社員が管理者や経営側と定期的に面談を行うようにすると良いでしょう。面談をする目的は、問題社員の仕事の状況や不満などをしっかりと把握することです。一方的に指導をするだけでなく、問題社員の意見にもしっかりと耳を傾けることで状況が悪化することを未然に防ぐことが出来ます。また面談の際に、問題行為が改善されているかを確認することも大切です。

人事異動を行う

4つ目の対応方法は、人事異動を行うことです。業務指導をしても問題社員の行動や程度が変わらなければ、配置転換や職種転換のような人事異動を行ってみると良いでしょう。新しい職場環境では一緒に働くメンバーや業務内容も異なります。環境を変えることで、問題が改善するケースも考えられます。ただし、新たに問題社員と働くことになった同僚に悪影響が及ぶ可能性もあるので、人事異動の際は慎重に判断する必要があるでしょう。

懲戒処分をする

面談や人事異動といった対応を行っても問題社員の態度が変わらず、改善の余地がない場合は、懲戒処分を検討しなければならないでしょう。懲戒処分は企業が従業員に対して与える処罰を指し、あらかじめ就業規則等で定めなければなりません。また懲戒処分と言っても様々な程度があります。具体的には戒告、けん責、減給、出勤停止、降格、解雇などの処分があり順に重くなっていきます。問題となる行為の重大性や頻度などを考慮した上で、下すべき処分を慎重に決めましょう。

問題社員の辞めさせ方

退職勧奨をする

企業が問題社員に対して行う最終手段として、懲戒処分の中でも最も重い決断である解雇が挙げられます。ただし初めから解雇を行うのではなく、まずは問題社員の自主退職を促すべきです。なぜなら解雇を行った場合、後に問題社員から不当解雇として訴えられる可能性があるからです。その点退職勧奨であれば、問題社員が企業側の勧めに応じて退職届を出すことで、トラブルなく問題社員を企業から出て行かせることが出来るでしょう。

解雇する

退職勧奨を行っても応じない場合は、解雇を検討せざるを得ません。解雇には「懲戒解雇」と「普通解雇」の2種類があります。懲戒解雇の場合は、解雇が必要な程の問題行為かどうかをしっかりと見極めなければなりません。問題となる行為に対して処分が重すぎると解雇が無効になるケースもあります。また普通解雇は懲戒となる事由がない場合に行う解雇です。こちらも法律によって規制されているので、解雇に値する合理的な理由がなければなりません。いずれの場合も事前に弁護士などの専門家に相談すると良いでしょう。

問題社員の事例

交通費の不正受給

最後に一つ実際に起こった事例をご紹介します。ある会社で働く社員Aは実際に住んでいない住所の住民票の提出し、交通費を不正受給していました。この社員が不正受給していた交通費の額は3年間で約100万円に上ります。社内調査が行われた結果、社員Aの交通費の不正受給が発覚しました。社員Aの行為は悪質であると会社が判断したため、不正受給分の交通費の返納だけでなく懲戒解雇の判断が下されました。この件は最終的に裁判にもなりましたが、裁判所は社員Aの行為が刑法に該当する犯罪行為として判断したため、会社が不正解雇したとする社員Aの訴えは取り下げられました。

まとめ

解決方法は多種多様にある

今回は、問題社員の特徴や対処法などについて解説してきました。問題社員についての知識を深めることが出来ましたでしょうか?問題社員が存在する可能性はどの企業にもあります。また問題社員と言っても様々なケースが考えられます。問題社員を放置すると企業に様々な悪影響が及ぶ可能性があるので、企業は該当となる社員一人ひとりに適切に対処しなければなりません。解決方法も一つだけではないので、問題社員を抱えている場合は是非今回ご紹介した例を参考に対応してみてください。

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