計画年休とは?【導入時に注意するべき点やメリット等をご紹介します】

記事更新日:2021年02月05日 初回公開日:2020年12月10日

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計画年休という言葉をご存知ですか?2019年4月から有給休暇が10日以上の従業員に対し、1年に5日の取得が義務化されたことで計画年休の導入が注目されてきました。人材不足が深刻化する状況下において、有給休暇取得率のアップは企業側にとって難しい課題でしょう。しかし、有給休暇は従業員の権利でもあり「休みたいのに休めない」という労働環境は離職率やモチベーションの低下にもつながります。今回は、そんな有給消化率の向上のための救世主とも言える「計画年休」の概要や規定作り、メリットやデメリットなど導入時の注意点などを紹介していきます。

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計画年休とは

企業が労働者の有給取得日を決めることができる制度

計画年休とは、労使協定に基づき企業側が従業員の有給休暇取得日をあらかじめ指定できる制度です。有給休暇の付与日数から5日間を除いた日数を指定できるため、従業員に有給休暇を計画的に取得して貰うことが可能になります。ただし、あくまでも有給休暇がある従業員に限られる制度のため、仕事の開始日(入社日)から6ヶ月未満など、有給休暇の付与がない従業員は対象にはなりません。また、有給休暇の付与数から5日間を除いた日数に限られているため、それ以上の日数を計画年休として付与することはルール違反なるので注意しましょう。

計画的に有給を取得してもらえる

有給休暇の取得は従業員の権利でもあるため、本来ならばすべて取得しても問題ありません。むしろ、すべて取得すべきところですが、日本文化の中には「休むことに抵抗感を感じて休みにくい」という企業風土があります。そのため、日本の有給取得率は世界各国と比較してみても低水準と言えるでしょう。そこで日本政府としても、なんとかして有給休暇取得率を上げようと、有給取得率を上げる手段のひとつとして注目されているのが計画年休です。

計画年休と有給休暇の違い

どちらも有給休暇であることは変わらない

計画年休も有給休暇も、どちらも有給休暇であることには違いありません。有給休暇という大きな枠の中に「計画年休」が入るかたちになります。ですので、有給休暇でも計画年休でも休んだ日数は欠勤にならず、通常勤務と同等の賃金が支払われなければなりません。パートやアルバイトのように労働日数や労働時間が少ない従業員でも、一定の勤続年数や所定労働日数が満たされれば対象になるため、計画年休を設定することが可能です。ただし、就業規則などの規定に明確に定めておく必要があります。

計画年休は企業が日程を決めるがそれ以外は労働者が自由に決める

計画年休を設定することで休みやすくなると言っても、有給休暇のすべてを計画年休にしてしまうと、従業員は好きなタイミングに休めません。そのような事態を防ぐため、計画年休以外に従業員が自由に取得できる有給休暇を「最低5日間」は残して置かなければなりません。ただし、前年から繰り越しになった有給休暇がある場合は、その有給付与日数も含めて計算することが可能です。また、有給休暇の付与日数は継続勤続年数によっても変わってくるため、計画年休を設定できる日数は従業員によって違います。

計画年休が注目される理由

有給休暇の取得率は40%

日本政府主導で働き方改革が推進されていますが、有給休暇取得率が40%以下の企業が4割というのが現状です。これは先進国の中でも群を抜いて少ない数字と言えるでしょう。要因としては、慢性的な人手不足や業務過多、企業風土や管理職の意識不足などが挙げられます。とくに「休まない人が評価される」という風土が企業内に蔓延していると、従業員は評価が気になってなかなか有給を取ることができません。また、管理職がほとんど有給を取得していない状況下では、部下に有給を取得させようという意識もなかなか働きません。

有給休暇を年5日取ることが義務化された

働き方改革法案の成立により労働基準法が改正され、1年に10日以上有給休暇の権利がある従業員に対して最低5日以上は有給休暇を与えることが義務付けられました。これによって、有給休暇は「取得しなければならないもの」へ変わりました。具体的には、対象となる従業員が有給休暇の消化日数が5日未満の場合、企業側が有給休暇の日を指定して、有給休暇を取得させなければなりません。対象となる従業員に有給休暇を1年で5日間取得できなかった場合は、罰則の対象になります。

計画年休の目的

有給休暇の取得率を上げるため

日本の有給休暇取得は、国際レベルで考えるとまだまだ低水準と言えるでしょう。政府として有給休暇の取得率を何としてでも向上させるために、計画的に有給休暇を取得できる仕組みに着手しました。例えば、企業内で一律に有給休暇を設定した場合、全社員が休みになるので抵抗がなく休むことが可能です。また、それぞれに休暇をとる場合に必要になる個々の引き継ぎや代理対応も不要になるでしょう。企業風土や業種にもよりますが、まずは計画的に消化させることができます。

労働者のスケジュールを決めるため

誰かが休むことで困るのは、その不足分の作業を分担することでしょう。とくにシフト勤務の場合は、空いた分の人材を確保するのが難しく、休みづらいと感じる人も少なくありません。その点、計画年休は予め決められているため、チーム内で交代制して取得することができることで公平に休めます。仕事の特質や社員の性格により「有給休暇を取る人」「取らない人」がいるものです。交代制にすることでその偏りをなくすことができ、有給休暇を取ることが当たり前という風土にもつながるでしょう。

計画年休のメリット

有給休暇取得率の改善になる

有給取得率とは従業員が年次有給休暇を付与された日数に対し「どれだけの日数を取得しているか」を示す指標になります。法律で義務化された5日間は消化できたとしても、それ以外は休めないという人も少なくないでしょう。人材不足もさることながら、日本に長年染み付いた「休みにくい」という文化も影響しているかもしれません。そのような文化も影響してからか、会社側から言い渡される計画年休を取り入れることで平均取得率が8.1%も高くなったというデータもあります。

生産性の向上につながる

「有給休暇を取得したいものの思うように休めない」と感じている従業員も多いでしょう。とくに若年層は、上司や先輩の手前、休むことに抵抗感を感じている人も。そのような環境下ではストレスや不満もたまりやすく、早期離職の要因になることも少なくありません。計画年休のメリットは、有給休暇を取得することへの抵抗感や罪悪感が減り、休みを取りやすくなることです。休みが取れることでリフレッシュにもなり、生産性の向上にもつながります。

従業員の満足度を上げられる

従業員の満足度をあげるには、労働時間を短縮するなど働きやすさを提供するのもひとつでしょう。ただ、業務時間が短くなるだけでは、働きやすさを完全に提供できたとは言い得ません。昨今では、働き方改革に代表されるようにプライベートを重視する人が増えてきました。計画年休を取り入れることで有給休暇を取れる日が事前にわかり、プライベートの予定が立てやすくなることでワークライフバランスも充実します。従業員が抱えている悩みを理解して一緒に取り組み、心身共にリフレッシュできる時間を与えることは、仕事へのモチベーションアップにもなるでしょう。

業務影響を考えてスケジュールを組める

1年ごとに付与される有給休暇のうち、数日間を事前に計画的に休ませることができるのが計画年休です。しかし、業種や部署によって繁忙期は異なるため、業務影響を考えてスケジュールを組まなければなりません。無理やり休ませた反動で休暇後に残業続きになるなど、従業員に負担のいくような計画年休だと本末転倒です。とくに自身の希望による休みでない計画年休による作業負担だと、従業員からの不満も出やすくなるでしょう。そのため、企業側と従業員側の意見を取り入れ、双方にとってメリットのあるスケジュールを考える必要があります。

計画年休のデメリット

手続きが必要になる

計画年休を導入する際は、労働組合などで労使協定を締結させるなどの手続きが必要になります。具体的には「労働者の過半数で組織する労働組合」あるいは「労働者の過半数を代表する者」と書面で労使協定を締結させなければなりません。労使協定で定める内容は、企業規模や業種によっても異なりますが「計画年休の対象者」「有給休暇のうち何日間を計画年休として設定するか」などが大きな焦点となるでしょう。人事部などで対応は難しい場合、弁護士など法律のプロに相談するのも方法です。

計画年休の付与方式

一斉付与方式

計画年休の付与方式には、いくつか方法があります。業種や従業員との話し合いによりベストなものを選ぶのが良いでしょう。その中でも製造業などの大企業に多く取り入れられているのが、企業や事業所全体で休業日を決め、従業員を一斉に休ませる一斉付与方式です。一斉付与方式は、企業や事業所の稼動を一斉に止めることができるので、大型連休に合わせて計画年休を組むことで経費削減の効果が期待できるでしょう。全社員(事業所)を同時に休ませることができる業種、経費削減を図りたい企業におすすめです。

交代制付与方式

交代制付与方式は、グループごとに交代で休暇をとる方法です。交替制付与方式は、全社員を一斉に休ませる一斉休業が難しい企業にとっては、業務への影響が最小限に止めることができる合理的な付与方式です。一斉に休ませることができないスーパーやアパレルなどのサービス業にとって、比較的取り入れやすい計画年休でしょう。繁閑の差が大きいため必ずしも従業員の希望する日程に休暇を取れるとは限りませんが、長期休暇の予定なども立てやすくなるため不安解消につながるケースが多いようです。

個人別付与方式

従業員が少ない企業などでも取り入れやすいのが、誕生日や結婚記念日などを考慮に入れ、従業人の希望に合わせて個別に計画年休を設定する個人別付与方式です。個別式付与方式では、「年次有給休暇付与計画表」に記入した希望日に基づき個別に休暇を付与するため、企業側が1人1人の計画年休付与日を決めるのが一般的です。従業員の代表と労使協定などの手続きが必要な計画年休制度と比較しても柔軟な運営が可能でしょう。その点、人事部など都度チェックが必要となるため、企業側の負担が増える点は考慮に入れなければなりません。

計画年休のポイント

労働者の意見を尊重する

計画年休を取り入れることで「気兼ねなく休みやすい」とうメリットがある一方で、「自分の休みたい日に取得できる日数が減る」というデメリットもあります。継続勤続年数の少ない社員やパートなど、もともとの有給休暇付与日数が少ない従業員は、予め決められていることに対し不満を感じるかもしれません。計画年休を導入する際の注意点として「計画年休のメリットを十分説明する」「計画年休以外にも有給休暇を取得しやすい環境を整える」などの対応を考えるようにしましょう。

無理なスケジュールを立てない

法律により有給休暇を1年に5日取得することが義務付けられたことで企業側に対しても罰則が設けられました。従業員1人につき、30万円以下の罰金に科される可能性があるため、有給休暇を取得させるために計画年休を取り入れる企業が増加しています。しかし、有給休暇取得だけを求めるだけで作業量が減らなければ、従業員はしなければならない業務の責任と負担の間で苦しみます。休暇を与えて休ませるだけなく、今の業務内容の中で無理なスケジュールを立てず、従業員へ有給休暇取得を促すようにしましょう。

まとめ

計画年休で働きやすい職場作りを

計画年休を取り入れる際には、いくつかの方法があり、企業規模や業種によって取り入れやすいものを選んでいくと良いでしょう。計画年休を取り入れる一番のメリットと言えるのが、企業側にとって頭を悩ませる有給休暇取得率の改善です。有給休暇の取得率が上がることは、労働者のワークライフバランスの実現や満足度の向上といった意味でもなくてはならない要素。とくに新卒採用や企業イメージの向上など、新しい人材確保に対しても期待ができます。計画年休を通して、生産性の向上や従業員のモチベーションアップにつなげましょう。

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