プロセス評価とは【アウトカム評価との違いや作るべき項目についてわかりやすく解説します】

記事更新日:2023年09月05日 初回公開日:2023年09月05日

用語集 グローバル用語解説 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報
プロセス評価は業績や仕事の成果にこだわらず社員の仕事の過程を評価する人事考課の手法の一つです。現在ではこのプロセス評価を導入して人事考課を実行している企業は日本にも多く存在します。しかし、社員の行動プロセスを評価する上で、どのような評価基準を設けて判断を下せば良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか。今回はそんなプロセス評価について、導入された背景と意義やデメリットなど具体的な方法についてご紹介します。プロセス評価の導入を検討している方は是非ご参考にしてみてください。

就労ビザ取得のためのチェックリストをダウンロードする

プロセス評価とは

結果に至るまでの過程に着目して評価する方法

プロセス評価とは目標の達成や業績の可否に関わらず、結果に至るまでの過程を評価する方法です。プロセス評価では業績など目に見える結果だけでなく、普段の業務に対する姿勢や、目的を達成するためにどのような工夫をしたのかなどが評価基準にあたります。そのため、導入することで、結果に結びつかなくても行動や姿勢を評価してもらえる機会が増えます。このような理由から、業務において良い成績を出しにくい新入社員や、主業務のサポート役を行う社員もモチベーションを保ちやすい評価方法と言えます。

プロセス評価が導入された背景

結果を重視するあまり不正をする社員が増えた

プロセス評価が導入されたのには、業務上の目標を達成するという結果を重視するあまり不正をする社員が増えたことが背景にあります。仕事を行う上で目標の設定は大切なことです。しかし、あまりに成果を重視しすぎる空気が横行すると目標の存在をプレッシャーに感じてしまう人も少なくありません。また、成果にこだわるあまり強引で、数の多さを重視した仕事を行うと後に様々な問題が発生する可能性もあります。そのため、長期的に安定した業務を維持するという目的から、プロセス評価は重要視されつつあります。

プロセス評価とアウトカム評価の違い

評価部分が過程か結果かの違い

アウトカム評価は、プロセス評価とは異なり結果に焦点を当てて物事を評価します。アウトカム評価では、業務における目標の達成度や成果に対して評価を下します。具体的な実行例では商品の売上個数の目標や判断基準である個数を明確にして、実際に業務を行ったときに目標を達成しているか否かが評価基準になります。アウトカム評価は目に見える情報に基づいて評価を下すため、比較対象を設定できるだけでなく、客観的視点から従業員を評価しやすい点がプロセス評価とは異なる特徴です。

プロセス評価と関連する用語

コンピテンシー評価

コンピテンシー評価とは、従業員のスキルや行動ではなく行動特性を評価する方法です。コンピテンシー評価は、理想的なモデルの行動特性に沿った行動を従業員がとっているかどうかを重視して評価を行います。プロセス評価のように、明確な数値で従業員を採点できない評価基準を設けている場合、どのような基準で評価すればよいかわからないという問題が発生します。そんな場合にコンピテンシー評価を取り入れ、実際に高い成果を上げている人をモデルとして評価を行うことでよりスムーズで公平な評価が行えます。

プロセス評価のメリット

社員を公平に評価できる

プロセス評価のメリットは社員を公平に評価できるという点にあります。例えば、業務で同程度の成果を上げている人物が二人いても、業務に対する姿勢や目標達成までに行った工夫など仕事のために費やす努力には個人差があります。この場合、どれほど努力しても成果が上がらない事実には本人に責任がある場合と環境的要因がある場合に分かれるため、成果だけに着目して評価するのは不公平と言えます。そこで、成果だけでなく業務の過程を評価基準に入れることで公平性を保ちながら社員を評価することが可能になります。

社員のモチベーションに繋がる

プロセス評価の導入は社員のモチベーション維持にも繋がります。社員の評価基準が成果主義に集中している場合、頑張りが数字に反映されにくい業務を請け負う社員は頑張っても評価されないと感じがちです。また、業務の比重が偏っているのに評価が同じの場合「あの人よりも多くの仕事しているのにもらえる給料は同じ」と不満を抱く人も少なくありません。頑張っても評価されないと思うと社員のモチベーションは下がる恐れがありますが、プロセス評価を採用すれば上記の問題を未然に防げる可能性が上がります。

結果だけでは分からない部分も評価できる

プロセス評価は結果だけではわからない部分も評価できるというメリットがあります。仕事には単純な売り上げアップや目標達成に必要な業務だけでなく、他の社員のフォローや環境整備などの雑務が発生します。これ等の業務は成果重視の評価基準ではあまり評価されにくい仕事ですが、誰かが必ずやらなければいけないことで成果を出すには必要なプロセスです。プロセス評価ではこのような結果だけではわからない部分も評価できるため、目標達成に直接関わっていない人でも正当な評価を受けられる方法とも言えます。

長期に渡って好影響を企業にもたらす

プロセス評価は長期に渡り影響を企業にもたらす効果が期待できるのもメリットの一つです。成果主義の評価基準は目標達成に重きを置いているため、社員が短期的な成果に囚われてしまいがちです。しかし目先の成果にばかり注目していると、後に発生する可能性のあるトラブルを考慮できずアフターフォローがおろそかになる危険性があります。プロセス評価は成果に囚われず社員を評価できるので、成果を上げた後のアフターフォローにも目を向けやすくなります。そのため、結果的に企業も長期的に安定した業績を維持できます。

プロセス評価のデメリット

明確な評価基準を設けるのが難しい

プロセス評価は商品の売り上げ数など、数字に頼らない評価方法のため、明確な評価基準を設けるのが難しいという問題が発生します。例えば、社員の通常業務時の行動を評価するのにも、どのような行動が評価するに値するのかという判断基準は人によって個人差があります。また、評価基準が明確にされていない状態で評価を下しても結果に信ぴょう性が無く、社員に不信感や疑問を抱かせかねません。そのため、プロセス評価を採用するにはできるだけ明確な評価基準を設定する必要があります。

評価者の主観で評価をしてしまう

プロセス評価には評価者の主観で社員を評価してしまうリスクも考えられます。例えば、日々の仕事への姿勢や業務態度がほとんど同じと言える社員でも、評価者が普段多く接点を持っている社員と接点の少ない社員では与える印象は異なります。人は誰でも主観的な視点で物事を判断してしまうため、同じ頑張りでも仲の良い社員には通常より良い評価を与えてしまう可能性も否定はできません。そのため、プロセス評価を導入するにはこれ等の懸念も視野に入れたうえで評価者はなるべく客観的な視点を持たなければなりません。

膨大なコストがかかる

プロセス評価は仕事の過程を評価するという特性から、細かく評価基準を設定し注意深く社員の行動を観察しなければいけないため、膨大なコストがかかる可能性があります。具体的には評価を行うための人員の確保や、評価基準の検討・設定から評価実行までの時間的コストも成果主義の評価方法よりも大きいことが予想されます。そのため、実行するには余裕を持って計画を立て、スケジュールに沿い速やかに行動しなければなりません。このような理由から評価に割く人員や時間の確保が必要で、実行が困難な場合があるという点が懸念として挙げられます。

プロセス評価の項目

自己成熟性

プロセス評価の評価基準項目として欠かせないのは社員の自己成熟性です。自己成熟性とは自分の能力の程度を客観的に把握できているかなどの自己理解面やビジネスマナーが身に付いているかを意味します。自己成熟性はビジネスの場面だけでなく、職場の人間関係にも大きな影響を及ぼす要素の一つなので、評価対象としては重要な項目と言えます。具体的には有事にも冷静で慎重な判断ができるか、ストレスに対する耐性の有無や周囲への思いやりのある言動ができるかなどが評価する上で注目する点として考えられます。

意思決定

プロセス評価の項目では本人の意思決定にも注目して判断する必要があります。意思決定とは目的を達成するために自己責任で適切な手段を選択することです。業務面で例を挙げるとすると複数業務を抱えているときに最適な優先順位付けができているか、物事を判断しなければいけない時に適切な判断を下せているかが評価基準に値します。ただし、意思決定の程度は評価者の考え方によって基準が曖昧になりがちです。そのため、模範的なロールモデルをあらかじめ用意しておき、状況別の対応を常に社員に周知させておくなどの工夫が必要です。

プロセス評価の方法

具体的な目標設定をしているか確認する

プロセス評価を導入するには、初めに具体的な目標設定ができているかを確認しなければなりません。ここで「一か月後までに商品を何個売り上げる。」などの目標を設定すると過程を評価しにくくなります。そのため、プロセス評価の際には5W1Hを意識して、何月何日に誰がどのような行動をするか詳細に目標を設定しましょう。コンピテンシー評価の考え方を取り入れて、理想的な行動モデルを用意して周知させるのも効果的な手段です。このように具体的かつ分かりやすく目標を設定することで、後から評価する際にも評価者が迷わずに済みます。

目標設定が成果や結果に直結しているか確認する

プロセス評価は仕事の過程に重きを置いていますが、行動過程は良い結果に結びついていなければ意味がありません。そのため、目標設定が成果や結果に直結しているかどうかも確認してみましょう。このような理由から目標を設定した後は、本当に目標としている行動が会社の業績アップにつながる行動になっているか再度見つめ直すことが大切です。また、業務における理想的な行動特性は状況や相手によっても変化するので、目標は時間の経過とともにより良いものを模索しアップデートしていく必要があります。

プロセス評価の書き方

プロセス評価シートを用いる

プロセス評価を行うにあたって、事前準備としてプロセス評価シートを作成しておきましょう。記載する内容は評価する社員と評価者の名前と評価した日の日付や具体的な目標などです。評価シートの形式には通信簿のように評価時担当者が評価点を5段階でつける形式や、目標達成をYESかNOかで判断する形式など様々なものがあります。そのため、必要に応じて職場にあった形式を採用しましょう。また、企業によっては評価者1人だけでなく、本人にも自分がどの程度目標達成できているか評価をつけさせる場合もあります。

まとめ

プロセス評価で社員を公平に評価しよう

プロセス評価は社員の公平性を維持できる点で優れている評価方法です。採用することでモチベーションを維持できるだけでなく、社内全体の空気を良好に保つ効果も期待できます。ただし企業の業績を高い状態で維持するには成果にも目を向けなければいけません。そのため、社員を評価する際には成果とプロセスの両方をバランスよく取り入れることが重要です。また、プロセス評価は評価基準が曖昧になりがちなので、事前に明確な目標を立てることも大切な要素となります。このような理由から人事考課では、この点にも留意してプロセス評価を適切に取り入れ社員を評価していきましょう。

外国人・グローバル人材の採用をお考えの企業様へ

事例

「日本語+英語+さらに語学が堪能な社員の採用」「海外の展示会でプレゼンが出来る人材」「海外向けサービスのローカライズ出来る人材」「海外向けWebサイト構築・集客」など、日本語も堪能で優秀な人材へのお問い合わせが当社に相次いでいます。

他社の外国人採用成功事例はこちらからご覧ください。

【無料】就労ビザ取得のためのチェックリストがダウンロードできます!

就労ビザ取得のためのチェックリストダウンロードバナー

グローバル採用ナビ編集部では外国人の採用や今後雇い入れをご検討されている皆様にとって便利な「就労ビザ取得のためのチェックリスト」をご用意いたしました。また、在留資格認定申請書のファイル(EXCEL形式)もこちらよりダウンロード可能です。

こちらのチェックリストはこのような方におススメです!


  1. 外国人採用を考えているがビザの申請が心配。
  2. 高卒の外国人は就労ビザの申請できるの?
  3. どのような外国人を採用すれば就労ビザが下りるの?
  4. ビザ申請のために何を気を付ければいいの?
  5. 過去に外国人のビザ申請をしたが不受理になってしまった…
  6. 外国人材を活用して企業の業績アップを図りたい方。
  7. 一目で分かるこんな就労ビザ取得のチェックリストが欲しかった!


他社での事例やビザ申請の際に不受理にならないようにまずは押さえておきたい就労ビザ取得のためのポイントを5つにまとめた解説付きの資料です。

就労ビザ取得のためのチェックリスト(無料)のダウンロードはこちらから!

ページトップへ戻る
ダウンロードはこちら
ダウンロードはこちら