コネクションカルチャーとは【注目されている理由と企業に根付かせる方法について解説】

記事更新日:2021年09月06日 初回公開日:2021年09月06日

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社員間のコミュニケーションがうまく取れない、社内全体での連携が出来ていないという場面は多くの企業で見受けられるのではないでしょうか。それらの原因となっているのは、社員一人一人の精神的なつながりが弱いということかもしれません。コネクション・カルチャーは、社員同士のつながりをより強くするための組織文化です。この記事では、コネクション・カルチャーを企業に根付かせるためのポイントなどについて解説します。社内のチームワークに不安を抱えているという企業の担当の方は、是非ご一読ください。

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コネクション・カルチャーとは

従業員間の心の繋がりを重んじる組織文化

コネクション・カルチャーとは、従業員同士の心の繋がりを重んじる組織文化のことを指します。同じ企業で働いていくうえで業務連絡だけにとどまらず、意見交換などのさまざまな連携が必要となるでしょう。しかし日本人に多い特徴として、多数派の意見に賛成してしまうということがあげられます。一見すると全員の意見をまとめやすいというメリットがあるようにも思えますが、必ずしもそうとは言い切れません。より新しいアイデアを生み出すためには一人一人が自信を持って考えを発信できるように、社員同士は強い信頼関係で結ばれている必要があるのです。

テレワーク促進に伴いアメリカを起点に注目され始めた

コネクション・カルチャーはテレワークの促進に伴って、アメリカを起点に注目され始めました。オフィスに出社すると多くの社員が同じ空間で業務を行うため、直接話をしていなくても漠然としたつながりを感じられるでしょう。しかし自宅でのテレワークにおいては特に、社員同士でのつながりが希薄になることが懸念されます。そうした中でコネクション・カルチャーという組織文化が注目されるようになり、これまで以上に社員間の心のつながりが重要視されるようになりました。

コネクション・カルチャーと日本従来の企業文化の相違点

多様性か同質性かの違い

従業員同士の心のつながりを重視する文化は、日本企業においても従来から存在しているといえるでしょう。しかしコネクション・カルチャーと日本の従来の企業文化は厳密には少し違った部分もあります。まず第一に、コネクション・カルチャーにおいては多様性が重視されるのに対して、日本従来の企業文化では同質性が重視されています。つまり日本では同じ集団においては考え方などが似通ってしまうことが多く、多数派の意見に染まってしまいやすいということです。

個人の能力が発揮されるレベルの違い

同質性によって無意識に、個人の意見や能力が抑制されてしまうという可能性も考えられます。周りと違うことをすれば批判を受けるのではないかという圧力を感じやすいのも、日本人には特に多い性格でしょう。コネクション・カルチャーはそれに対して、個人の能力や考えをそれぞれの個性として尊重することを重要としています。その結果として、一人一人が集団の中でも遠慮せずに自分の能力を最大限に発揮することが可能になるのです。

コネクション・カルチャー以外の2種類の組織文化

支配の文化(culture of control)

組織文化には、コネクション・カルチャー以外にも種類があるとされています。その一つが「支配の文化」と呼ばれるもので、その名の通り権力を持った人間が他者を支配するという文化です。企業などにおいては社長や管理職といった立場の人間が、部下に対して必要以上に圧力をかけてしまうのがその例でしょう。パワハラにもなってしまうのでこのような例はごく稀かもしれませんが、社員の新しい挑戦に対する意欲を削がないように注意しましょう。

無関心の文化(culture of indifference)

「無関心の文化」も、コネクション・カルチャーと対極の性質を持つ組織文化であるといわれています。こちらもその名の通り、お互いのことについて関心を持たない状態のことを指します。企業においては、自分の利益だけを最優先として考えて他の社員の状況については無関心というケースが考えられます。お互いにコミュニケーションを取りながら協力して業務に取り組めている企業に比べると、その生産性は著しく低くなってしまうでしょう。

コネクション・カルチャーを構成する3つの”V”

Vision

コネクション・カルチャーは、「Vision」「Value」「Voice」の3つの"V"で構成されています。「Vision」というのは、企業が目指している理想の姿のことを指します。企業の理念とも言い換えられますが、これが社内にしっかりと浸透していると、全員が同じ目標を目指して業務に取り組むことができます。その結果として社員同士のつながりはより深いものになるので、コネクション・カルチャーにおいて非常に重要な要素であるといえます。

Value

コネクション・カルチャーを構成する「Value」は、社員のことを尊重する考え方のことです。それぞれの意見や個性を充分に理解して受け入れることによって、さらに大きな能力を発揮してもらうことができます。企業の業績だけでなく社員の成長を第一に考えることによって、結果的に大きなリターンを得ることもできるでしょう。具体的な事例としては、メンター制度を取り入れて定期的に個人面談を行っているという企業もあります。

Voice

コネクション・カルチャーにおける3つ目のVである「Voice」は、一人一人の意見のことを表しています。決定権のある人間は常に周りからの意見を求めてそれらを組み入れることによって、風通しの良い環境を作り上げることができます。それと同時に社員は自分の意見に自信を持つことができるので、積極的に周りと意見を共有することができるでしょう。その結果として新しいアイデアの創出や、企業への定着率の向上といった成果も期待できます。

コネクション・カルチャーのメリット

社員の心身における健康が促進される

コネクション・カルチャーが社内に浸透することによって、社員の健康が促進されるという大きなメリットがあります。肉体的な健康はもちろんですが、つながりを感じられることによって精神面での健康も大きく促進されるでしょう。心身の健康は社員のモチベーションを向上させ、業務への集中力をより一層高める効果が期待できます。したがって、コネクション・カルチャーは社員の健康状態にもアプローチする有効な手段だといえるでしょう。

社員のエンゲージメントが高まる

社員のエンゲージメントを高められるというのも、コネクション・カルチャーの浸透によるメリットといえるでしょう。エンゲージメントというのは、言い換えると「会社への愛着」のようなものです。社員同士での深いつながりを感じられることで、自分が勤めている会社への思い入れがより一層強くなるということです。エンゲージメントが高くなると、企業としては離職率の低下などのメリットが考えられます。優秀な人材を手放してしまわないためにも、コネクション・カルチャーは重要な要素ということになるでしょう。

組織の生産性が向上する

コネクション・カルチャーによって社員の健康面、そしてエンゲージメントの増加などの効果が得られるとその結果として必然的に生産性は向上するでしょう。精神的にも肉体的にも安定した状態でいることによって、社員は常に質の高い業務を行うことができます。さらにエンゲージメントの向上は、優秀な人材の流出を防ぐのにも非常に効果的です。研修や新規採用という手法に対して、コネクション・カルチャーは組織を内面から改善する手段といえるでしょう。

組織全体の連携が取りやすくなる

コネクション・カルチャーによって、組織全体で連携がとりやすくなるというメリットもあります。社員それぞれが常にお互いの進捗などに関する情報を共有できているため、必要に応じて連携や協力がしやすいということです。連携がスムーズにとりやすいということはもちろん生産性の向上にもつながりますし、一人一人の負担を減らすことになるので過労による事故なども未然に防ぐことができます。組織全体での連携に課題を抱えている企業は、社員間でのコネクション・カルチャーを意識してみるといいでしょう。

コネクション・カルチャーを根付かせるには

コネクション・カルチャーの重要性を浸透させる

従来の日本企業の文化が残っているという企業が多いのも現状で、コネクション・カルチャーをすぐに根付かせるのは決して簡単とはいえないでしょう。そこでまず初めに、コネクション・カルチャー の重要性を社内に浸透させることが大切です。具体的には、コネクション・カルチャーについて考える機会を社内で設けるなどの方法が考えられます。他にも関連する書籍やサイトを紹介するなどの方法によって、まずは社員にコネクション・カルチャーについて理解してもらうように心がけましょう。

定期的にアンケートを取る

コネクション・カルチャーを根付かせるために、定期的なアンケートを実施するのも効果的です。内容としては業務の進捗だけではなく、部門ごとの関係性などについてのアンケートを行うといいでしょう。このようなアンケートの結果を共有することによって、各部門の状況を把握できるのに加えて社員は部門同士のつながりを強く感じることができます。コネクション・カルチャー を浸透させるためには部門の垣根を越えた、社内全体でのつながりが重要となります。アンケートの実施は、他の部門についても理解するためのいいきっかけとなってくれるでしょう。

コネクテッドリーダーやコネクテッドメンバーを育成する

コネクテッドリーダーやコネクテッドメンバーの育成も、コネクション・カルチャーを浸透させるために重要なポイントです。コネクテッドメンバーとは、コネクション・カルチャーについて理解してそれを自ら実践している社員のことを指します。そしてその中でも特に周りの手本となるような社員のことを、コネクテッドリーダーと表しています。このような人材が組織の中で他の社員を牽引してくれることによって、コネクション・カルチャーの定着が期待されるのです。部門や役職に関係なく、コネクテッドメンバーとなってくれる人材を見つけ出して育成に取り組みましょう。

コネクション・カルチャーの導入例

フォードモーターカンパニー

アメリカの大手自動車会社であるフォードモーターカンパニーは、コネクション・カルチャーの導入した事例の一つです。当時のCEOであるアラン・ムーラリー氏は、「OneFord」と呼ばれる経営戦略によって経営不振から抜け出すことに成功しました。先ほど紹介したコネクション・カルチャーにおける3つのVを企業に取り入れることによって、社員の結束をより強めたのです。フォードモーターカンパニーのこの事例は、CEO自らがコネクテッドリーダーとして組織を牽引した例といえるでしょう。

まとめ

コネクションカルチャーを醸成して組織の生産性や一体感を高めましょう

コネクション・カルチャーの浸透による効果と、企業に根付かせるためのポイントについておわかりいただけたでしょうか。同じ意見を持つ社員が多くいて、全員がそれに黙って従うということは決していいことばかりではありません。それぞれの持つ個性や意見を尊重し合うことで社員同士のつながりが強固なものとなり、より高い生産性につながるのです。コネクションカルチャーを醸成させることによって、より一体感の強い企業を目指しましょう。

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