ポストオフとは【役職定年との違いやメリットデメリットについて解説します】

記事更新日:2024年12月17日 初回公開日:2024年12月17日

用語集 グローバル用語解説 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報
少子高齢化や労働人口減少により、多くの企業で長年にわたり人材不足に悩まされています。そのように限られた人材の中で、長く企業経営をしていくためには後継者となる若手社員を育成することが大切です。またグローバル化などの影響により成果主義を導入する企業も増え、昇進したいと考えている若手社員も増えてきています。そういった中で組織を活性化し、若手社員に役職についてもらう方法としてポストオフという制度があります。今回はポストオフについて解説していきますので、人事労務の方は参考にしてみてください。

就労ビザ取得のためのチェックリストをダウンロードする

ポストオフとは

役職を持つ社員に対しあらかじめ決めた年齢で役職を解任させること

ポストオフとは、役職を持つ社員に対してあらかじめ決めた年齢で役職を解任させることです。役職を解任された社員は、従来の業務を継続するか別の部署に異動するなどして非管理職として働き続けます。ポストオフの制度の目的は組織の活性化や人件費の削減です。年功序列ではなく空いた役職に若手や新しい人材を登用することで、組織の活性化に繋がります。社員の年齢に依存することなく組織マネジメントを行っていくことが可能です。

役職定年との違い

ポストオフは、専門性の高さや影響力の大きさなどで等級や処遇を決定します。そのため役職で定年などは定められておらず、定年まで管理職を務めることが可能です。同じ等級であれば、管理職も一般社員も給与は同等です。定年後の継続雇用された場合は、正社員だった時と同じ処遇が与えられます。役職定年は途中で就いている役職を解任されることは殆どありません。しかしポストオフは適性や実績によっては任期や年齢に関係なく解任されてしまいます。

ポストオフが注目される理由

組織が活性化が期待されているから

ポストオフが注目されているのは、組織の活性化が期待できるからです。年功序列を取っている企業では、いくら若手に実力があっても役職につくことは出来ません。しかしポストオフのように空いた役職を若手社員に任せることによって、実力のある人材のモチベーションを保つことにも繋がります。キャリアアップを考えている優秀な人材の流出を防ぐことができ、若手社員もポストに挑戦できるという社風は組織を活性化することが出来ます。

採用競争が激化しているため

採用競争が激化していることも、ポストオフが注目されている理由です。日本では少子高齢化によって、長年人材不足に悩まされています。優秀な人材を確保するためには、従来のような年齢で昇進や昇格が決まるような評価制度では時代にあっていないため若手社員が集まりにくくなります。せっかく若手社員を採用できたとしても、なかなか昇進できないような職場ではキャリアアップするために退職を考える人が増えてしまう可能性もあります。

ポストオフのメリット

人件費を削減できる

ポストオフのメリットは、人件費を削減できることです。ポストオフ後にも引き続き非管理職として働き続けてもらうことができれば、今まで培ってきた知識やノウハウを引き続き発揮してもらうことが出来ます。労働人口減少などで人手不足が続く今の日本で、役職を経験した社員は企業にとっても貴重な戦力です。新しい人材を確保して一から管理職や即戦力として教育するのと比べて、ポストオフを活用することによって人件費の削減にもなります。

職場の風通しが良くなる

ポストオフを行うことで、職場の風通しが良くなるメリットがあります。年齢に関係なく、実力を持った人が役職に就く事によって年功序列制度を導入している企業に比べると、上下関係がフラットになる可能性があります。年功序列の風土が緩和されることによって、厳しかった上下関係の傾向を弱めることも出来ます。意見を言いやすい職場環境を整えることにより、風通しの良い職場作りが構築されて社員にとっても働きやすい環境を提供することに繋がります。

公正な評価ができる

ポストオフは、公平な評価ができる点がメリットです。ポストオフにより役職を解任された社員は、個人として評価を行えるようになります。役職に就いている間はチームとしての評価となるため、その社員の能力だけで評価を判断することはありません。管理職としては優秀でも、現場の業務を遂行するためのスキルが身についていない人もいます。ポストオフを行うことによって、マネジメントスキルよりも個人の能力で判断することになることから、公平な評価ができるとされています。

従業員が多様な業務に挑戦できる

従業員が多様な業務に挑戦できる点も、ポストオフのメリットです。ポストオフは、年齢関係なく役職に挑戦することが出来ます。そのため社員は専門性と実力を磨くための学習や努力を求められます。これによって、役職を離れたあとでも新しいことへ挑戦しようとする意欲や学ぶための姿勢を強化することに繋がります。結果として、社員のスキル向上が可能です。ポストオフ後に社員が希望する部署や新しい業務などに取り組む機会を与えることにより、社員が様々な業務に挑戦できます。

ポストオフのデメリット

離職の可能性が高まる

ポストオフのデメリットは、離職の可能性が高まることです。ポストオフは年齢に関係なく役職に就くことが出来る点がメリットです。しかしあらかじめ定められた期間が終わると役職から解任され、一般職に戻ってしまいます。役職者から一般社員にキャリアダウンしてしまうことから、社員の業務に対しての意欲やモチベーションが低下してしまう恐れもあります。またポストオフされることにより待遇が悪化することや、ポストオフ自体に納得できない社員は離職の可能性が高まります。

新しい関係性に悩む

ポストオフは、新しい関係性に悩む人が出てきます。ポストオフによって事前に管理職として働く期間が定められていたとしても、今まで上司だった人が同僚もしくは部下になってしまうため、どのように対応すればよいのかわからなくて悩んでしまう若手社員も少なからず発生します。また自らの意思で役職についていない場合、今まで部下の立場だったところから管理職へと立場が変わるため、周りの人たちとの関係性に悩んでしまうことも考えられます。

業務に馴染めなくなる

業務に馴染めなくなるのも、ポストオフのデメリットです。ポストオフによって管理職から一般職へ変わることにより、業務の内容や期待される成果が変化します。そういった変化が起こることで、新しい仕事や周りの環境に馴染むことが出来ずに強いストレスを感じてしまう人もいるかもしれません。ポストオフを実施する際には、対象となる社員の心理的負担を軽減できるように定期的な面談を設定するなど対策を行う必要があります。丁寧なフォローを心掛けておくことが大切です。

ポストオフ制度を進めていく上のポイント

実施前に面談を実施する

ポストオフ制度を進めていく上のポイントは、実施前に面談を実施しましょう。ポストオフを実施し、対象となる社員に対してはいきなり任命するのではなく、事前に面談を行い今後のキャリアなどについて確認しておくことが大切です。ポストオフは役職に任命しますが、定められた期間が終われば解任されるため、今後の雇用状況などについても把握しておきましょう。社員によっては求められる内容が大きく異なるため、後々にトラブルにならないようにするためにも事前に確認しておくことが重要です。

後継者の育成にも尽力する

ポストオフ制度を進めていくには、後継者の育成に尽力するようにしましょう。後継者に当たる若手社員を計画的に育成することも大切です。後進を育成するためには、タレントマネジメントシステムなどを活用してリーダー候補となる社員を選抜し、個人に適した方法で育成計画を行うことが必要です。後継者の育成はポストオフしたあとの社員に教育係になってもらうのも方法の一つです。長年の知識やノウハウを活用してもらうことによって、若手社員の成長に良い影響を与えることが出来るはずです。

新たな専門職を設置する

新たな専門職を設置するのも、ポストオフ制度を進めていく上のポイントです。ポストオフになった社員のモチベーションを低下させずに引き続き社内で働いてもらうためにも、新しく専門職としての業務を設置することも方法の一つです。今までのポストと似ている業務内容や待遇の専門職の新設や、若手社員の指導を行うポスト設置などが当てはまります。また研修や職場環境を整備する専門職を設置する方法もあります。ポストオフされたことで仕事に対しての意欲などが低下し、退職へと繋がらないようにするためにも重要です。

年次の高い従業員向けの研修を行なう

ポストオフ制度は、年次の高い従業員向けの研修を行う事もポイントです。ポストオフを迎える社員は、若手社員の場合もありますが中堅社員が対象になる場合も勿論あります。中堅社員でポストオフを迎えた場合、自分の仕事に対しての誇りやこの先目指す方向を見失ってしまう可能性もあります。しかしポストオフ後も社員のキャリアは続いていくため、キャリアデザインなどの研修を実施するようにしましょう。新たな目標を持てるようにサポートすることで、年次の高い従業員がポストオフ後も活躍してもらうことが出来ます。

ポストオフの際に人事に求められること

モチベーションの変化に対応する

ポストオフの際に人事に求められることは、モチベーションの変化に対応することです。ポストオフの対象になった社員は業務へのやる気やモチベーションを失ってしまう傾向にあります。管理職から解任されたことによって、事前に決まっていたとしても会社から自分は求められていないかもしれないといった悩みを抱えてしまう事も考えられます。ポストオフ後も知識やノウハウを活かしモチベーションを維持してもらうためには、今後の目標について話し合いを行うなどし定期的なフォローを行えるように事前に準備しておきましょう。

新たな待遇に十分に配慮する

新たな待遇に十分配慮することも、ポストオフの際に人事に求められます。ポストオフした後の社員のモチベーション変化に合わせた対応も勿論必要ですが、新しい処遇に配慮することも必要です。今までとは違った業務に中々慣れることが出来ない場合や、立場が変わったことによって周りの社員と関係構築に悩む人も少なくありません。そういった変化に社員が慣れるまでは、親身になって話や相談を受けるなどサポートすることが大切です。しっかりと待遇に配慮しサポートを行うことで、ポストオフを行った後も活躍してもらうことが出来ます。

まとめ

ポストオフに対する理解を深め制度の導入を検討しよう

ポストオフのメリットやデメリット、導入する際のポイントなどについて解説しました。ポストオフとは、役職に就く人をあらかじめ期間を定めた上で役職についてもらうことです。ポストオフを行うことで、人件費の削減など様々なメリットがあります。しかし役職を解任されることが事前に決まっていても、新しい環境に馴染めない人も少なからず出てきます。企業として管理職でなくなっても活躍してもらえる場を整備することが大切です。ポストオフに対する理解を深め、制度の導入を検討しましょう。

外国人・グローバル人材の採用をお考えの企業様へ

事例

「日本語+英語+さらに語学が堪能な社員の採用」「海外の展示会でプレゼンが出来る人材」「海外向けサービスのローカライズ出来る人材」「海外向けWebサイト構築・集客」など、日本語も堪能で優秀な人材へのお問い合わせが当社に相次いでいます。

他社の外国人採用成功事例はこちらからご覧ください。

【無料】就労ビザ取得のためのチェックリストがダウンロードできます!

就労ビザ取得のためのチェックリストダウンロードバナー

グローバル採用ナビ編集部では外国人の採用や今後雇い入れをご検討されている皆様にとって便利な「就労ビザ取得のためのチェックリスト」をご用意いたしました。また、在留資格認定申請書のファイル(EXCEL形式)もこちらよりダウンロード可能です。

こちらのチェックリストはこのような方におススメです!


  1. 外国人採用を考えているがビザの申請が心配。
  2. 高卒の外国人は就労ビザの申請できるの?
  3. どのような外国人を採用すれば就労ビザが下りるの?
  4. ビザ申請のために何を気を付ければいいの?
  5. 過去に外国人のビザ申請をしたが不受理になってしまった…
  6. 外国人材を活用して企業の業績アップを図りたい方。
  7. 一目で分かるこんな就労ビザ取得のチェックリストが欲しかった!


他社での事例やビザ申請の際に不受理にならないようにまずは押さえておきたい就労ビザ取得のためのポイントを5つにまとめた解説付きの資料です。

就労ビザ取得のためのチェックリスト(無料)のダウンロードはこちらから!

ページトップへ戻る
ダウンロードはこちら
ダウンロードはこちら