プレイングマネージャーとは?【管理職との違いや必要な能力を解説します】

記事更新日:2021年09月16日 初回公開日:2021年03月08日

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プレイングマネージャーと聞いても、企業においてどのような役割を担っているのか、詳しく分からない方も多いのではないでしょうか。プレイングマネージャーには、主に組織の生産性を上げることや、現場と管理部門の橋渡しをする役割があります。ここでは、プレイングマネージャーを活用するにあたって、管理職との違いや必要な能力、導入するメリットをお伝えしていきます。プレイングマネージャーが抱えてしまう問題についてもピックアップしました。企業の生産性を上げたい方や、現場と管理部門の連携をスムーズにしたいと悩んでいる方は、必見の内容となっております。

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プレイングマネージャーとは

プレーヤーとして働きながら人材管理をする人

プレイングマネージャーとは、プレーヤーとして働きながら人材管理をする人を指します。現場スタッフとして活躍しながらチーム全体の指導やマネジメントを担う存在や、自らが事業戦略を立案し、現場でチームを率いていく存在もプレイングマネージャーにあたるでしょう。スポーツにおいてもプレイングマネージャーという英語が使用されるため、馴染みがある方も多いのではないでしょうか。また2021年の2月には、人気ゲーム機のps4やswitchにおいて『プレイングマネージャー』というサッカーゲームが発売され、ワードに対して世間の注目が集まりました。このゲームは、チームや選手を育てながら自身も選手としてプレイすることが求められるため、まさにプレイングマネージャーの任務を遂行する内容になっています。

現場と管理部門 双方の橋渡しの役割

現場と管理部門の双方の橋渡しの役割をするのも、プレイングマネージャーの特徴です。プレイングマネージャーは現場で通常業務を行うため、現場の要望やダメな点を明らかにし、管理職に直接伝えることができます。反対に、管理職の意向についても現場スタッフに丁寧に説明できるでしょう。例えば営業職の場合には、自身がマネジメントの他に営業マンとしての業務を行います。業務を行う中で、改善すべきシステムや整備した方が良い事案に気づいた場合、管理部門へ的確な提案をすることができるでしょう。さらには管理部門の営業戦略の策案を深く理解し、顧客に対するアプローチ方法をチームに浸透させる役割も担っています。

プレイングマネージャーと管理職の違い

管理職は組織の管理・監督のみ

プレイングマネージャーは中間管理職と呼ばれており、一般的な管理職とは立場が異なります。管理職は、組織の管理や監督のみを行う立場を指します。飲食店を例に挙げると、各店舗を統括しているエリアマネージャーが、管理職にあたるケースが多いのではないでしょうか。エリアマネージャーは売上や在庫管理、人材教育やマーケティングなどの業務を担い、基本的には自身がホールスタッフとして働くことはないでしょう。一方で、アルバイトの採用や教育、スタッフのシフト管理を行いながら、自身もホールスタッフとして活躍する店長は、プレイングマネージャーに該当します。

プレイングマネージャーは自らが優秀なプレーヤー

基本的に現場に出ない管理職と異なり、プレイングマネージャーは自らが優秀なプレーヤーとして現場で活躍しています。一般的な管理職の場合には、マネジメントを中心とした業務が基本でしょう。しかしプレイングマネージャーの場合には、同時にプレイヤーとしての業績アップを図る必要があります。例えばスポーツにおいては、プレイングマネージャーは監督と選手を両立する人材を指します。監督と選手を両立するためには、監督としてチームを指揮しながら、自身もプレイヤーとしての技術を磨かなければなりません。選手としての業績が悪ければ、メンバーを牽引できない可能性もあるでしょう。そのためプレイングマネージャーは、自身が優秀なプレイヤーである必要があります。

プレイングマネージャーが必要とされている背景

スピーディーな意思決定が重視されているから

プレイングマネージャーが必要とされている背景には、企業においてスピーディーな意思決定が重視されていることが挙げられます。近年は国際関係の変化や技術の進歩により、グローバル戦略を進めている企業が増加しています。デジタルを主流とする企業も増加傾向にあることから、これまでよりもスピード感を持った意思決定が求められるシーンも増えているでしょう。市場の急速な変化に対応するために、クイックに方針を決めながら業務を進める企業も多いのではないでしょうか。そのような場合に必要とされるのが、現場に精通していて経営層の意向を理解している人材です。この人材こそが、中間管理職のプレイングマネージャーにあたると言えるでしょう。

人件費削減が求められているから

人件費削減を求める企業が増えたことも、プレイングマネージャーが必要とされる背景の1つです。厚生労働省の白書によると、日本企業において人件費削減の要請が強まったのは、バブル崩壊後だとされています。バブル崩壊により経営難に陥る企業が増加したことで、多くの企業で解雇を含む厳しい人員削減が求められるようになりました。その結果、管理職のポストを削減し、現場プレイヤーにマネジメント業務を任せる企業が増加。これまで完全に分けられていた管理職と現場プレイヤーの関係を見直し、プレイングマネージャーという役割を重要視する企業が増えていきました。

実力主義でのマネジメントが求められているから

実力主義でのマネジメントが求められていることも、プレイングマネージャーが必要とされる背景にあたります。これまで年功序列が定着していた日本企業ですが、バブルの崩壊により、年功序列による人件費のコストが大きな負担になりました。そこで新たに導入されたのが、優秀な人材を集めるための実力主義の人事評価制度です。マネジメントに関しても同様の制度が適用され、勤務年数ではなく、現場で活躍しながらチームを管理できる人材が望まれるようになりました。実力主義の考え方は、主に営業職やシステムエンジニア、ベンチャー企業において多い傾向があります。

プレイングマネージャーに必要な能力

コミュニケーション能力

プレイングマネージャーに必要とされるのが、コミュニケーション能力です。プレイングマネージャーは、管理職や現場スタッフ、取引先などの様々な人と接点を持つ立場にあります。そのため、各立場から物事を考える柔軟な視点を持ち合わせ、高いコミュニケーション能力で事業を円滑に進めなければなりません。現場の要望を上手く管理職に伝えることや、現場のチームワークを高めるための力量も必要でしょう。また部下の指導を行う立場にあるため、部下の能力を引き出し、成長を促すコミュニケーション力も必要です。

マルチタスク能力

複数の作業を同時に行うマルチタスク能力も、プレイングマネージャーに必要な能力です。プレイングマネージャーは、チーム目標の達成やチームマネジメントなど、日々多くのタスクを抱えている傾向にあります。上記に加えて、自身の個人目標も達成しなければならないので、時間に追われることも多々あるでしょう。そのためタスク管理で自身の仕事を可視化し、優先順位をつけて業務をこなす能力が必要です。1つのことに注力するのではなく、意識したタスク管理を行う必要があります。

スケジュール管理能力

プレイングマネージャーとして求められるのが、スケジュール管理能力です。多岐にわたる業務をこなすプレイングマネージャーは、自身やチームのスケジュールを管理する必要があります。それに加えてプロジェクト達成までの日数や、業務の進歩を把握しておく必要もあるでしょう。スケジュールを管理してチーム全体に共有させるためには、スケジュールを見える化する努力や、タイムマネジメントを上手に行う能力が必要です。限りある時間を効果的に使うスケジュール管理能力は、プレイングマネージャーに欠かせないスキルだと言えるでしょう。

プレイングマネージャーを導入するメリット

組織の生産性が上がる

組織の生産性が上がることが、プレイングマネージャーを導入するメリットに挙げられます。例えば、実務能力に優れたプレイングマネージャーが現場を率いている場合には、現場スタッフへの指示や指導に説得力が増すため、各現場スタッフの技量向上を図ることができるでしょう。プレイングマネージャーの活躍する姿に刺激を受け、チームの士気が上がることも予想されます。優秀なプレイングマネージャーであるほど現場力が高まるため、結果として組織の生産性向上に繋がります。

現場の声が管理側に届くようになる

現場の声が管理側に届くことも、プレイングマネージャーを導入する大きなメリットです。一般的に、業務をこなして部下の育成を行うのは、現場スタッフではないでしょうか。例えば営業職では、売り上げに直接貢献しているのは、現場にいる営業マンです。しかし企業の中には、管理側独自のルールにより、現場が働きにくい環境を作っているケースも見受けられます。そのような企業の場合、現場の声が管理側に届きにくい上、管理側からの的外れな指示に不満を抱く現場スタッフもいることでしょう。しかし、現場で働くプレイングマネージャーがいる企業では、管理側に現場の生の声を届けることができます。結果として、生産性の向上や現場スタッフのモチベーションアップに繋がり、組織活性化を図ることができます。

プレイングマネージャーが辛いと感じるとき

現場と管理部門で板挟みになる場合

プレイングマネージャーの中には、現場と管理部門で板挟みになり、辛いと感じる人もいるでしょう。現場の問題点が上手く管理職に伝わらない場合や、管理部門から現場へ無理な業務が課せられた場合、対応に困るケースも多いのではないでしょうか。人材総合サービスを行うマンパワーグループが行った調査によると、プレイングマネージャーがストレスを感じる原因の1位は、「上司との関係」であることが分かりました。「上司が業務内容を理解していない」という回答結果もあったことから、中間管理職というポジションの難しさが伺えます。

タスクを抱え込んでしまう場合

多くのタスクを抱え込んでしまい、業務が辛いと感じるプレイングマネージャーも少なくありません。多くの役割を担うことで、残業が増えてしまうケースもあるでしょう。株式会社パーソナル研究所が2019年に行った調査によると、プレイングマネージャーになって負担を感じる理由に「残業が増えた」ことが挙げられています。マルチタスク能力を身につけていない場合や、能力以上のタスクを抱えてしまった場合、残業時間の増加を含む個人負担が増えるケースが見受けられます。

評価に納得できない場合

プレイングマネージャーが自身の評判に納得できない場合も、業務が辛いと感じる原因になります。ハイクラス転職サービスのキャリアカーバーでは、会員に対してプレイングマネージャーの転職理由についての調査を実施。その結果「自身への評価の納得度」に対する不満が原因で転職を決意したプレイングマネージャーは、全体の約50%に上ることが分かりました。この結果から、業務量や業務内容に対し、納得の評価が得られていないプレイングマネージャーが多いと予想できます。

プレイングマネージャーにおすすめの本

『プレイングマネージャーの教科書』

高い能力が求められるプレイングマネージャーにおすすめなのが、『プレイングマネージャーの教科書』という本です。この本では、プレイングマネージャーのコミュニケーションについて詳しく書かれており、人を動かして結果を出す人材になるための58のアイデアが紹介されています。著者はマイクロソフト社において、個人とチームで社長賞を受賞した田島弓子さん。大手企業で成績を残したコミュニケーションノウハウを学べる1冊となっているので、より良いコミュニケーション能力を身に着けたいと考えている方におすすめです。

『マネジメント: 基本と原則』

マネジメントの発明者と言われているピーター・F・ドラッカー氏による『マネジメント:基本と原則』も、プレイングマネージャーにおすすめの1冊です。この本では、ドラッカー自らのマネジメント論について詳細に書かれており、マネジメントの仕事を行う人に新たな目的意識を与えてくれる1冊になっています。マネジメントの効率性を上げる方法はもちろん、マネジメントの使命や目的についても書かれているため、プレイングマネージャーには興味深い内容となっているでしょう。

まとめ

プレイングマネージャーを設置して組織を活性化しよう

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プレイングマネージャーは、自身の業務の他にマネジメント業務をこなしています。自身がプレイヤーとして活躍しながら、チームのサポートを行うことは容易ではないでしょう。コミュニケーション能力やスケジュール管理能力など、多くの能力も必要になります。そのため場合によっては、役割を負担に感じてしまうケースもあるでしょう。しかしプレイングマネージャーを導入することで、企業にとっては大きなメリットを得ることができます。一例として、組織の生産性が上がることや、現場と管理部門の連携がスムーズになることが挙げられます。スピード感が求められる現在の日本企業においては、これらは重要な課題になるのではないでしょうか。プレイングマネージャーを設置して、組織を活性化してみてはいかがでしょうか。

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