ピープルアナリティクスとは?【会社に活用できるポイントや注意点を徹底解析します】

記事更新日:2021年05月07日 初回公開日:2021年05月06日

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近年「ピープルアナリティクス」という言葉が話題に上がることが増えてきました。ピープルアナリティクスとは、社員の人事データや行動データを収集・分析して、人材活用のための知見を得ようとする取り組みのことです。組織が抱える課題を見える化することで解決へと導ける取り組みで、興味を持たれている方も多いのではないでしょうか。本記事では、ピープルアナリティクスの導入を検討している人事・経営担当者様向けに、導入のメリットや具体的な導入ステップをご紹介しています。ピープルアナリティクス導入に向けたアクションが知りたいご担当者様はぜひご一読ください。

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ピープルアナリティクスとは

組織作りに活かす「データー」のこと

「ピープルアナリティクス」とは、従業員についての人事情報や数字データーを収集・分析し、人事業務など組織作りに活用する取り組みです。これまで、採用や教育、評価など一連の人事業務の意思決定については人事担当者による経験やノウハウが影響力を持ってきました。これを定量化・定性化された客観的なデーターを元に行うこと、かつその管理にAIやビッグデータといったテクノロジーを活用する取り組みは、効率性や納得性が高いと注目を集めているのです。

ピープルアナリティクスの重要性

実績データーを元に分析できる

ピープルアナリティクスは、実績であるデーターを元にした客観的で公平性の高い分析手法だという点で重要性が高まっています。これを後押しした背景には、テクノロジー・クラウド技術の発達により大量のデータ収集・管理ができるようになったという技術的なトレンドもあります。人材の流動性が高く適切な人材活用が求められる現代において、ピープルアナリティクスの活用は、データーに基づいた蓋然性の高い意思決定に直結するでしょう。2009年のグーグルの施策に注目が集まって以降、日本でも大手企業を中心に取り組みが始まっています。

ピープルアナリティクスのメリット

属人的にならない

ピープルアナリティクスを導入するメリットの一つ目は、意思決定が属人的にならないという点です。採用や人事評価など全ての意思決定がデーターを元に判断されるため、意思決定に迷うこともなく、対象の従業員への説明もスムーズです。部署の意思決定者が異動・退職したとしても後任の判断基準がぶれることがなく、無駄な引き継ぎ業務や組織の混乱の発生もありません。人事領域業務における生産性向上という点でも効果が高いといえます。

離職率を下げる

ピープルアナリティクスにより離職率を下げることができるという点も、導入メリットの一つです。従業員にとっても、会社の意思決定の背景として根拠のある説明を受けられるとモヤモヤすることなく納得感を持って日頃の業務に取り組むことができますね。異動などで新しい組織・上司での業務となった場合も、データーに基づいたマネジメントはスムーズな意思疎通を可能にします。またピープルアナリティクスでは各従業員のモチベーションデータを分析して離職傾向を早期に掴むこともでき、早期の対策が打てるようになります。

公正な人事評価ができる

ピープルアナリティクスを導入するメリットの3点目は、前述の内容とも関連しますが、公平な人事評価が可能になるということです。公平で納得感のある評価を行うためには、評価者の主観的な印象に左右されることのない、客観的なデーターを用いることは非常に有効です。異動後の活躍の可能性やチームとの相性をデーターとして可視化できれば、人事異動やプロジェクトメンバー選定における意志決定の精度が上がり、ミスマッチを減らせると期待できるでしょう。ただし、AIなどを活用し評価する場合は、最終的には「人」が意志決定をしなければならないことに注意が必要です。

採用までのスピードが速い

ピープルアナリティクス導入のメリットの最後に、人材採用時にスピード感のある判断ができるという点があります。ピープルアナリティクスでは、性格検査やSPIの結果など、過去の書類選考のデータを分析し、活躍できる可能性の高い人材の共通項を抽出することが可能です。社内の優秀人材のデータとマッチングさせることで、より活躍可能性が高い人材を見つけ出すことができ業務効率も格段に高まります。この取り組みは人材のミスマッチの可能性を下げ、もちろん属人的な判断による採用も排除できますね。

ピープルアナリティクスの活用方法

採用活動の意思決定

ピープルアナリティクスの具体的な活用シーンとしてまず挙げられるのは、採用活動における意思決定時です。前述のように、現在の従業員に関する情報を収集しAIによるデーター分析をさせると採用すべき人物像をより明確化できます。実際のハイパフォーマーの素質を持つ即戦力を雇うのか、それとも社内での弱点を補う人材を採用するのか、など、目的に即した採用活動が可能になります。データーを上手く扱うことで、採用活動全体の業務効率を上げられるでしょう。

社員のモチベーションアップ

次に、ピープルアナリティクスは社員のモチベーションアップにも活用できます。データーを活用することで、それぞれの社員のスキルやデーターを活かし、本当に適した業務にアサインされやすくなるからです。真の適材適所を実現することで、社員にとってはパフォーマンスを発揮しやすくモチベーションの低下を防止できます。さらに、モチベーションに関するアンケート結果などもデーターとして管理することで、成績と働き方についての意識を一元的に把握できるというのも利点の一つといえるでしょう。

定着率の向上

さらに、ピープルアナリティクスは人材定着率の向上という観点でも効果を発揮します。過去の退職者のデータを分析することで、配属部署や残業時間など離から職率が高まる傾向を把握することができ、会社として離職率低下への対策が打てるようになります。もちろん、良い成果を残し続けている「モデル組織」の特徴を可視化させることも効果的ですね。近年では、勤怠の状況や面談の内容を分析することで従業員の退職を予測できる機能も登場しており、活用の‘幅はさらに広がっています。

教育の指導方法

最後に、ピープルアナリティクスは採用後の人材教育にも活用することが可能です。例えば新入社員でも、すでにある専門性やスキル・資格や性格適性検査のデーターから「自主的に学習ができるタイプか」「比較的フォローが必要なタイプか」など特性に合わせた指導を行うことができます。仕事上の得意・不得意や本人が望むキャリアパスなどの定性的な情報は上長やチームメンバーが把握するだけで共有されていないことも多いですが、定期的な面談・サーベイをデーターとして蓄積することで、会社として個人にフォーカスした育成計画が可能になるでしょう。

ピープルアナリティクスの導入方法

データーを収集する

ピープルアナリティクスを実施したいと考えた場合、まずはデーターを収集するところから始まります。まずは現状、業務ごと。部署ごとに点在しているデーターを1か所に集めましょう。採用や異動、給与などの人事データーが揃ったら、より定性的で踏み込んだ行動にまつわるデーター、例えば従業員がどのように活躍したのか、現在のモチベーションの状態はどうか、健康状態はどうかなどの情報を集めていきます。蓄積されたデーターを元に課題を可視化させるか、すでにある課題に対して必要なデーターを取得していくかは、会社の状況によって検討しましょう。

担当者を決める

ピープルアナリティクスを導入する次のステップは、この業務に取り組む担当者を決めることです。ここでは、自社でどのようなデーター分析を行いたいかに応じて適切なメンバーをアサインしましょう。Excelなどの表計算ソフトを用いた統計分析であれば、ある程度の統計の知識があれば行うことができ人事・経営の担当者が担うことが多いようです。一方、退職モデルの構築など最新技術を用いた本格的なピープルアナリティクスを行うなら、専門人材が必要です。中途採用や人材派遣などを活用して外部から人材を確保するか、社内でリクルーティングして体制を整えるなどの施策を検討することも必要でしょう。

ツールか自社開発する

ピープルアナリティクス導入の最後のステップは、データー分析のためのツールを購入するもしくは自社で開発することです。分析というと難しく考えてしまいがちですが、まずは部署別、年代別、役職別など、単純な切り口で比較をし、手作業での仮説・分析だけでも徐々に傾向や糸口が見えてくるはずです。特に大企業大量の人材データを扱うため、専用のソフトウェアを導入するのが一般的です。最近ではクラウド型の分析システムも増えており、このような外部サービスを自社ニーズに合わせて一部カスタマイズするなどが最も手軽な方法でおすすめです。

ピープルアナリティクスの注意点

データー収集項目の査定

ピープルアナリティクスに取り組む際には、収集するデーター項目の査定に注意が必要です。ピープルアナリティクスでは、自社課題とそれに合ったデータ項目を設定することが何より重要です。例えば優秀な人材を採用したいのであれば、応募者の性格特性やパフォーマンスデータを集めるのが基本ですね。同時に、自社にとっての「優秀な人材」を定義することも必要です。このように必要なデータを定義し、それに関連するデーターをなるべく多く集めることが、問題解決の近道です。

データー管理

ピープルアナリティクスに取り組む際には、データー管理も注意すべきポイントの一つです。自分の企業の情報とはいえ、勝手に人事関連の情報をデータとして利用することは倫理的に問題があり、個人情報の取得・活用・取り扱いに関わる法令、ガイドラインに従うことは企業の義務にあたります。特に、外部のコンサルティング会社など第三者にデーターを提供する際は特に注意が必要ですね。個人情報保護のためには、収集するデータの公開範囲について慎重な検討を重ねたうえで、データ利用の目的や内容を従業員に対して誠実に説明することが大切でしょう。

データーに基づいて客観的な分析

ピープルアナリティクスに取り組む際にはさらに、あくまでもデーターに基づいた客観的な分析を行うことを徹底しましょう。データーがしっかりと整理されているかは、基本ですが重要な点です。整理されていないデータは抜け漏れが生じやすく、時系列の継続性がないケースも考えられるからです。併せて、データーが客観的なものであるかどうかも重要なポインだといえます。特に人事評価のような「人」が入力するデーターは、主観的なバイアスがかかっていることを前提として扱うくらいで丁度良いでしょう。バイアスがかからないよう、データの凡例や入力基準を明確にしておくことも大切です。

ピープルアナリティクスを分析する担当者スキル

最後に、ピープルアナリティクスに取り組むには、分析を行う担当者の力量も問われます。繰り返しになりますが、収集したデーターを効果的に分析していくためには、まず目的を明確に言語化して把握する必要があり、収集の段階でもどのようなデータをどのような形式で集めていくかを設計していかなければなりません。まずは自社の状況を把握している人事担当者が仮説を立てつつ進めるパターンが多いでしょうが、場合によっては、データサイエンティストとしての知識を身に付けたり、新たな人材を採用したりすると、より高い成果につながります。

まとめ

ピープルアナリティクスを使用して自社力を高めましょう

ピープルアナリティクスは自社内での意思決定をスムーズにさせることで課題解決に導く取り組みです。課題を明確化させ、実際のデーターに基づいた判断ができるようになれば、たとえそれが上手くいかなかった場合も改善へのアクションが取りやすいはず。本記事では、ピープルアナリティクスの導入メリットや具体的な活用方法、導入までのステップを紹介しました。より良い人材活用の方法が模索されている現在、従来の「HRデータ」から「ピープルデータ」への質的な転換が求められています。本記事を参考に、ピープルアナリティクスの導入、そして自社での課題解決への一歩を踏み出してみませんか。

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