解雇予告手当とは?【計算方法などについて詳しく説明します】

記事更新日:2021年02月01日 初回公開日:2021年01月22日

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企業は従業員を解雇するときに、事前に解雇予告をしなければなりません。解雇予告とは解雇となる日の少なくとも30日以上前に、従業員に解雇に関する通知することです。しかしコロナなどの影響によって突然業績が悪化し、従業員を解雇しなければならない状況になることもあるかもしれません。そういった急な状況により、30日より前に解雇予告がされなかった場合に従業員に支払われるのが解雇予告手当です。今回は解雇予告手当の対象者から計算方法、注意点まで幅広く説明していくので、是非参考にしてみてください。

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解雇予告手当とは

解雇予告をせずに解雇する場合に支払いが義務付けられている手当

まず初めに解雇予告手当の意味について確認しましょう。解雇予告手当とは、企業が従業員に解雇予告をせずに解雇する場合に、支払うことが義務付けられている手当です。基本的には解雇予告をすることが必要ですが、30日より前に行われなかった場合はこの解雇予告手当を会社が支給しなければなりません。即日に解雇する場合は平均賃金の30日分以上、30日より短い場合は短くする日数分の賃金を支払うことになります。

労働基準法第20条に記載されている

解雇予告手当に関しては、労働基準法の第20条に記載があります。具体的には、「使用者は労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。」と書かれています。突然の解雇によって従業員の生活に大きな支障が出てしまいます。従業員の生活を守るためにも法律でしっかりと定められていると言えるでしょう。

勘定科目では退職金の扱いになる

解雇予告手当は、給与ではなく退職手当として扱われます。退職手当は退職しなかった場合には支払われなかったものなので、退職することに基因して一時的に支払われる給与のことを指します。基本的には、引き続き勤務する人に支払う給与と同じ場合は退職所得として処理されません。解雇予告手当の場合は、該当となる従業員が働いていた職場を離れることになるので、会計上も勘定科目は給料手当ではなく退職金の科目で処理されます。

解雇予告手当支給の対象者

アルバイトやパートなども含まれる

解雇予告手当が支給されるのは、正社員だけではありません。アルバイトやパートなどといった非正規労働者にも同様の扱いとなります。支給する金額は個人個人の平均賃金によって算出されるため、ばらつきがあります。ただし日雇いや二か月以内の雇用期間を定めている短期バイトなどの場合は解雇予告手当を支払う義務はありません。また4か月以内の季節的な業務をするアルバイトなどの場合も支給の対象外となるので、注意しましょう。

派遣社員や試用期間中の者も対象となる

派遣社員もアルバイトやパートと同様に解雇予告手当の支給対象になります。一方で試用期間中の従業員に対しては、働いている日数によって対応が異なります。試用期間が開始してから14日を超えている場合は通常の解雇と同様の手続きを踏まなければなりません。つまり解雇の30日前に従業員に対して通知をする、もしくは解雇予告手当の支給が必要になります。反対に試用期間が始まってから14日以上経過していない場合は解雇予告手当を支払う必要はありません。解雇を検討するときは必ず従業員の試用期間開始から何日経っているのかを事前に確認するようにしましょう。

従業員に非がある場合などは支払う必要はない

解雇予告手当の支給対象者でも懲戒解雇など、従業員側に責任がある場合は支払いをする必要はありません。例えば無断欠勤や遅刻を繰り返す、経歴詐称をしている、企業のお金を横領している、ハラスメント行為を繰り返すといったようなケースが想定出来ます。ただし企業は労働基準監督署に届け出をして、「解雇予告除外認定」を受ける必要があります。この認定がなければ、いくら従業員側に非があったとしても、解雇予告手当を支払わなければなりません。

解雇予告手当の計算方法

支払うべき日数を確認

続いて解雇予告手当の計算方法を確認していきましょう。計算を始める前に必要なのが解雇予告手当を支給する対象となる日数を把握することです。30日以上前に解雇予告を行った場合は基本的に手当を支払う必要がないと先程説明しました。反対に30日より短い場合は解雇予告手当を支給する必要があるので30から解雇までの日数分を引いて計算します。例えば解雇の5日前に通知が行われた場合、25日分の手当を支払うことになります。

1日当たりの平均賃金を算出

次に1日当たりの平均賃金を算出し、合計金額がいくらになるのかを計算しましょう。1日当たりの平均賃金を算出するために、解雇予告日直前の賃金締切日までの3か月間に支払われた賃金の総額を確認します。賃金の総額には通勤手当や残業手当なども含まれます。その後、解雇予告日直前の賃金締切日までの3か月間の総日数を計算します。そして支払われた賃金の総額から3か月の総日数を割ると1日当たりの平均賃金が確認できます。

臨時に支払われた金額を総額から控除する

最後に支払うべき日数に1日当たりの平均賃金をかけることで解雇予告手当の支給額が導き出されます。しかしここで注意が必要なのが、支給額から控除される賃金があることです。具体的には結婚手当やお見舞金などの臨時的に支払われた賃金や、半年に一回支払われる賞与などの3か月を超える期間ごとに支払われた賃金が挙げられます。また、現物支給などの通貨以外で支払われた賃金も控除が必要なので必ず確認するようにしましょう。

解雇予告手当支給の流れ

解雇に関する事実確認

ここからは解雇予告手当を実際に支給することになった場合の流れをご説明します。まず初めに必要なのが従業員の解雇に関して、事前に解雇に関する事実確認を行っておくことです。当然、解雇をする際は明確な理由がなければなりません。解雇と言っても懲戒解雇や普通解雇などいくつかの種類があります。解雇の理由が正当であることを確認したあとに、必要であれば解雇予告手当の支給の手続きを進めるようにしましょう。

解雇通知書と解雇理由通知書の作成

事実確認後に行うのが解雇通知書と解雇理由通知書の作成です。解雇通知書は該当となる従業員の名前や解雇日、交付日などが記載された文書のことです。法律上は、口頭で通知した場合も違反にはなりませんが、トラブルにならないようにするためにも記録として残すようにしましょう。一方で解雇理由通知書は、従業員側が請求した場合にのみ交付をする義務があり、労働基準法で定められています。こちらには解雇の理由などを詳細に記載します。

解雇の通知

文書の作成後に従業員への解雇の通知を行います。従業員への通知はメールや電話などではなく、対面で行うようにしましょう。通知の際に、先程説明をした解雇通知書や解雇理由通知書などの書類の引き渡しもします。この時に解雇日や解雇予告手当の支払いについての説明をすることが大切です。中には解雇という事実に納得がいかずに通知内容の拒否をする従業員もいるかもしれません。その際は、解雇の理由等を丁寧に説明して本人に納得してもらうようにしましょう。

源泉徴収票の作成

従業員への解雇の通知を終えたら、源泉徴収票の作成をします。解雇予告手当を退職金の扱いになるので、源泉徴収が必要となります。また、源泉徴収票を作成するためには、解雇予告手当の支給額をまずは確認しなければなりません。先程説明をした順序に従って、計算をしていきましょう。源泉徴収票は従業員が退職してから1か月以内に送付しなければならないので、必ず期間に余裕を持って作成の準備を進めましょう。

支払日は解雇当日まで

様々なステップを踏んだあと、最後に解雇予告手当の支給となります。解雇予告手当の支払い日に関しては最後の給与と一緒に支払うなど様々なケースが考えれますが、基本的には解雇となる当日までには終えるようにしましょう。また支払い方法は口座振り込みと手渡しの2種類がありますが、どちらでも問題ありません。解雇予告手当の支払いが遅延すると、不当解雇などのトラブルに発展してしまうこともあるので、十分に注意が必要です。

解雇予告手当の注意点

所得税の源泉徴収が必要

解雇予告手当に関していくつか注意点があるので、ここで確認していきます。まず1つ目は所得税の源泉徴収が必要なことです。何度も説明をしたように解雇予告手当は給与所得ではなく退職所得の扱いになります。退職所得の場合、社会保険料などは控除の対象になりませんが、所得税の源泉徴収をしなければなりません。退職金によって支払う金額も変化するので、必ず事前に確認する必要があります。また解雇となる従業員は住民税などの特別徴収も行う必要があるので注意しましょう。

未払いの場合は従業員が会社に請求出来る

2つ目は、解雇予告手当が支払われなかった場合に、対象となる従業員が企業に対して請求を出来ることです。労働者を解雇する場合は少なくとも1か月前に通知するか、解雇予告手当の支払いを義務があると説明しました。従って万が一支払いがなかった場合、従業員は解雇予告手当を請求する権利があります。解雇予告手当を支払わなければならない条件にも関わらず、支給されなかった場合は、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金となる可能性があるので、企業側は必ず期日までに支払いをしましょう。

有給の扱いに注意する

最後に3つ目は、有給の扱いに注意することです。有給休暇は雇用契約が切れると同時に消滅してしまいます。ですので多くの従業員は退職する際に残りの有給休暇を消化するでしょう。しかし即日解雇など、解雇までの日数までが残りの有給休暇の日数よりも少ない場合は、従業員はその分だけ有給を消化出来なくなってしまいます。ですので会社側は従業員の有給休暇の日数なども確認をしてから解雇日を決めると良いでしょう。

まとめ

トラブルを避けるためにも正確に手続きを進めましょう

今回の記事では解雇予告手当について、計算方法や支給の流れなどの様々な側面から解説をしてきました。解雇予告手当に関しての理解を深めることが出来ましたでしょうか?従業員側とのトラブルを避けるためにも、まずは解雇の判断が適切であるか、法令違反にならないのかを慎重に確認しましょう。また、解雇予告手当は支給が必要なケースとそうでないケースがあります。一つひとつ慎重に確認をした上で解雇予告手当の支給が必要になった場合は、正しい順序に従って、支払いまでの手続きを進めるようにしましょう。

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