記事更新日:2021年05月07日 | 初回公開日:2021年05月06日
用語集 外国人採用・雇用 グローバル用語解説 人事・労務お役立ち情報コミュニケーションスキルとは、対人間でのやりとりにおいて、お互いの意思の疎通をスムーズに行うための能力のことを言います。この能力は家庭や学校、職場など、人間関係を良くし、信頼関係を深めるものです。ビジネス面においても、個人、組織て仕事を円滑に進めていくためには不可欠な能力と言えるでしょう。社内での横のコミュニケーションだけではなく、縦のコミュニケーションもスムーズになれば、業務の効率化や生産性の向上にも寄与すると考えられます。
企業で上手にコミュニケーションが取れる人は、以前から重宝されてきました。このコミュニケーションスキルが注目されることには理由があります。例えば、人の話にしっかり耳を傾け意図を汲み取る力、自分が伝えたいことを適切な表現で相手に伝える力は、コミュニケーションスキルの高さに比例します。高度なコミュニケーション能力を持つ社員は、社内外で円滑な人間関係を築き上げるとともに、仕事を円滑に進め、維持していくことができるでしょう。
一方で、昨今の新型肺炎の影響により在宅ワークが増加したことから、対面で関わる時間が減少し、その分密度の高い関わり方が非常に大切になっています。一言で「コミュニケーションスキル」と言っても、細かく見ていくといくつものスキルに分類することができます。例えば、対面であれば表情や声などの表現力、話を構成立ててわかりやすく伝える構成力などが重要です。しかし、相手が目の前にいない在宅ワークでは、相手に理解してもらうための説明力や、相手の問いかけに答える返答力、そしてそれらを踏まえて相手の考えを誘導して行く誘導力が必要となります。
効果的なコミュニケーションの要素は、5つに分かれています。1つ目は「自己概念」です。自分が何者でどこに属しているか、何を信じ、何に価値を置いているかなどの自己についての概念は、判断、理解など「日常の行動」において大きく影響すると考えられています。自己概念が不安定だと、他者が自分をどう見ているかを歪めて受け取るなど、他者と関わることに不安を感じる場合があります。自分が取るに足らない人間であると感じてしまうと、自分の意見も言わずに引っ込めてしまう可能性もあるでしょう。他者とのコミュニケーションにも大きく影響するため、お互いにしっかりと自己概念を持っていることが重要です。
2つ目に挙げられる「傾聴」の能力は、単に人の話を「聞く」ことを指す言葉ではありません。他者の話を目的を持って能動的に「聴く」ことを言います。発せられる言葉の背景にあるものや、言葉と言葉の間の沈黙に何を語っているかなど、相手の感情を含めて聴くものです。そのためには、集中して相手の話を聴き、相手が本当に言いたいことをつかむ姿勢が必要となります。聴いたことにすぐに答えることや、評価を急ぐことは避け、聴くことに集中するのが良いでしょう。
また、聴くことと同じように、自分が思っていることを相手に「明確な表現」で伝えることも非常に大切です。相手が自分の意図を汲み理解してくれると考えるのは甘えであり、満足できる対人コミュニケーションの障害となります。自分の思っていることを効果的に伝えるには、まずは心の中にしっかりとしたイメージを作っておくことです。それと同時に、そのイメージを明確に伝える工夫をすることが最も大切になります。相手の反応を受け、自分の考えが伝わったかどうかを確認して行きましょう。
ビジネスでは、自分の感情を抑えてコミュニケーションを取ろうとする人がいます。確かに、その感情が怒りであれば、怒りを表現することで話はうまく行かなくなるかもしれません。しかし、その時は感情を抑えられても、別の場面で爆発してしまうことも考えられます。その時、相手は事情が分からないため、お互いに不満や敵意が募り、話は破滅へと向かう可能性も考えられるでしょう。そうなる前に、自分の感情は建設的な方法で相手に伝えていく必要があります。今の自分の感情を認め、相手に隠さずに述べてみましょう。口に出したことと、今話の中で経験していることが一致しているならば、感情と意志を結び付け、適切に相手に伝えられているということなのです。
自分の気持ちや意見、特徴、仕事など、自分を偽らずに相手に伝えることはコミュニケーション上でも大切な「自己開示」です。健康な人格であるしるしとも言われています。しかし、他者に対する恐怖心や不信感があると、よそよそしいコミュニケーションになってしまいがちです。このようなケースで信頼関係を生み出すには、自主的な自己開示が必要になることがあります。自己開示が次の自己開示を生み、相互理解を経て、意見を出し合えるコミュニケーションが可能となると考えられます。
コミュニケーションスキルには、「言語コミュニケーション」と「非言語コミュニケーション」の2つがあります。「言語コミュニケーション」は、言語を使って「聞く」「話す」ことでコミュニケーションを図る方法です。メールや手紙を用いるのも言語コミュニケーションの一つと言えます。相手が伝えたいことを正確に、そしてより深く理解する手法として「質問する」ことも大切です。不明点を明確化することで一層の理解が可能となります。
「非言語コミュニケーション」とは、言語によらないコミュニケーションのことを言います。相手や自分の表情や声、ジェスチャーなど、具体的に言葉として表れていない情報を元にしてコミュニケーションを行います。「空気を読む」という言葉がありますが、そのイメージに近いでしょう。この「非言語コミュニケーション」は、その人の第一印象とも密接に関わっていると言われています。言葉以上にその人を語る、重要なコミュニケーションです。
コミュニケーションスキルを身に付けることで得られるメリットの中でも、生産性の向上は特に重要です。社員間のコミュニケーションをスムーズに取ることで、チーム内での業務の振り分けが円滑に進められるようになります。また、こまめに進捗確認を行うことで、負担が重く問題を抱えている社員を早期に発見し、仕事の分担をすることも可能です。部署をまたいだ他のチームと取り組むプロジェクトの場合も、情報共有も円滑となり、業務の効率化、生産性の向上へと繋がって行きます。
そもそもコミュニケーションは、相手との信頼関係を築く手段の一つです。高いコミュニケーションスキルをもって、心からの興味と関心を向けて対話をすると、相手は自分に対して信頼を寄せてくれるようになります。それには相手のペースに合わせて話をするなど、思いやった行動も同様に大切です。相手を知ろうとし、また自分のことも開示することで、相手との共通点や共感が生まれることは言うまでもありません。お互いに正直なコミュニケーションを取ることが、信頼関係の獲得につながっていきます。
コミュニケーションを活発に行う組織は、社員間だけではなく、上司にも率直に意見が言える土壌ができていると考えられます。そうした職場では、仕事の進行についての認識合わせや、意見交換がしやすくなるでしょう。自分の考えを表現できることからも、社員の満足度が向上しやすくなります。また、普段から上役とも接する機会が多いことで、上司に対する不満なども吸い上げが容易です。社員の満足度向上のための施策として、コミュニケーションを円滑にすることは重要となります。
コミュニケーション能力を向上させることは、社員個人の人間としてのスキルアップにも繋がって行きます。仕事上で身に付けた社会的なマナーや傾聴力は、普段の生活でもとても役立ち、人間関係を築く上でも欠かせない能力になるでしょう。プレゼンテーションやファシリテーションの能力は、年齢に寄らず経験を重ねることで伸びていくため、キャリアアップに不可欠な能力です。顧客との折衝や人材のマネジメントにおいても、コミュニケーション能力は不可欠なため、自己のスキルアップにもとても重要な能力と言えるでしょう。
コミュニケーションスキルを身に付けるためには様々な方法がありますが、まずは様々な人と出会い、会話をするのが良いでしょう。毎日同じ人とばかり話していると話題も限られ、視野も狭くなりがちです。普段は成さない他部署の社員にも話しかけてみましょう。世間話をするようになれば、今まで知らなかった他部署の仕事を知り、将来的に役立つ可能性もあります。また、ランチなども同じ顔ぶればかりではなく、他の人と行って見ると新しい発見も期待できます。お昼の休憩は時間を取ってゆっくり話ができるので、寛いで会話をすることができるでしょう。
会議において、大勢の参加者の前で自分から発言をするのは、その人の性格によってはとても勇気が要るものです。しかし選ばれて出席するのであれば、できるだけ自分から積極的に発言し、提案や質問をしてみましょう。黙っているだけでも会議は終わりますが、発言に対して的確に質問や提案をすることで、会議自体が大いに盛り上がり、良い結果を出せることもあります。普段発言をしない人は、自分のコミュニケーションスキルを鍛えるつもりで、意識して発言を増やしてみるとよいでしょう。
例えば仕事中の同僚や友人、家族との会話の中で、相手に対し何か一つ質問をしたら、その答えに対してさらにもう一つ、新たに質問をしてみましょう。「何を買いましたか?」「どうしてそれを選びましたか?」「買った時にどう思いましたか?」など、深堀していくことで、質問力を向上させる良いトレーニングになります。質問されている相手も、自分に興味を持ってくれていることに対し好感を持つため、相手とのコミュニケーションは今後さらにスムーズになって行くでしょう。
自分のコミュニケーションスキルがどの程度向上しているかをチェックするには、コミュニケーションスキルアップ検定を受けてみるのも一つの方法です。インターネットで調べると、複数の資格試験があります。「コミュニケーション検定」や「ビジネスコミュニケーション検定試験」、「話しことばとコミュニケーション検定」などが代表的な検定です。いずれも社会人としてのマナーやコミュニケーションに関しての基礎知識、技能を身に付けることを目的とし、現在の自分のスキルを客観的に評価できます。また、取得した資格を履歴書に記載することで、自己アピールにもなるでしょう。
コミュニケーションとは、相手との意思の疎通を円滑にするためのものです。お互いが何を考えているかを知り合うために、相手をよく知ろうとする気持ちが大切でと言えます。また、毎日笑顔を絶やさないことや、上司や部下に大きな声であいさつをすること、ちょっとした笑いを提供できることもコミュニケーションの中では大切です。自分が毎日の中で取っているコミュニケーションを見直し、意識するだけで大きく改善されることもあります。まずは日々の心構えからスキルアップに役立ててみてはいかがでしょうか。
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