OODAループとは【PDCAサイクルとの違いや具体的な4つのステップについて解説します】

記事更新日:2023年10月17日 初回公開日:2023年10月17日

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意思決定を行うフレームワークとして、PDCAサイクルを活用している企業の方も多いのではないでしょうか。PDCAサイクルは計画から実行・改善まで行うことが出来る事からよく使われています。しかし時代の流れとともに様々な事が変化しておりPDCAサイクルが上手く回らなくなったと、活用する中で考えている方もいるはずです。その場合には社内環境の問題だけではなく、外的要因が影響している事が考えられます。外的要因の変化にも対応できるとして、OODAループが注目されています。OODAループについて解説していきますので、参考にしてみてください。

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OODAループとは

意思決定の際に活用されるフレームワーク

OODAループとは、意思決定の際に活用されるフレームワークです。OODAループ(ウーダーループ)は元々、勝敗に関わる意思決定と実行に関わる思考法の一つです。国際的な競争を行っている製造業を含むビジネスだけでなく、現場業務やスポーツ・私生活など様々な場面で役立ちます。OODAループはObserve(観察)・Orient(状況判断)・Decide(意思決定)・Act(実行)の4つで成り立っており、それぞれの頭文字を取っています。

OODAループの4つのステップ

Observe(観察する)

OODAループの最初のOは、Observe(観察する)という意味があります。Observeでは外部環境や内部環境をを観察して最新のデータを集めていきます。社会情勢や経済・季節といった企業を取り巻く外部環境に関してのデータと、従業員数や事業計画というような企業内に関してのデータを幅広く集めていきます。情報を集める場合には、固定観念や先入観を持つことなくしっかりと現状を把握出来る情報を集めることが大切です。

Orient(判断する)

OODAループの2つ目のOはOriennt(判断する)です。OrientではObserveで収集したデータを整理・分析し対応の方向性について検討します。現状で問題となっている事象の原因を考え、原因に対してのアプローチ方法の中から最善となる方法を選びましょう。Orientで重要なことは、今までのやり方や方針決定に問題がなかったかどうかを振り返ることです。OODAループは1回で終わらせるのではなく、繰り返し行う事で効果が出やすくなります。

Decide(決定する)

OODAループのDはDecide(決定する)という意味です。DecideではOrientで検討した内容の中から、現状の問題に対して最適な方法を決定していきます。実現したい理想の形を具体的にした上で、現状できる最善の方法を選択します。時間を掛けて対応策を練るよりも、OODAループを回す方が素早く行動に移すことが可能です。決定を行う際は、まず目標を決め、目標達成のための方法を複数考えた上でその中から選ぶようにするとスムーズです。

Act(実行する)

OODAループのAには、Act(実行する)という意味があります。現状の課題を判断し、目標達成の方法を決めたら実行に移します。OODAループでは、時間をおかず素早く対応することが大切です。実行した後は、再度Observeに戻りOODAループを回します。実行した結果を観察し、改善点や更なる問題点を洗い出して次の対応方法を決定する流れを繰り返し行います。OODAループの効果を実感するためには、何度もOODAループを繰り返し改善を重ねることが重要です。

OODAループ注目の背景

物事の変化するスピードが速くなった

OODAループが注目されているのは、物事の変化するスピードが速くなったことが考えられます。今まで意思決定を行う際には、PDCAサイクルがよく利用されていました。しかしPDCAサイクルはじっくりと時間を使い計画を立てて改善を行うフレームワークのため、昨今の物事が変化していくスピードに合わせることが難しくなってきています。そういった迅速な変化に対応出来るフレームワークとして、OODAループが注目されてきています。

OODAループとPDCAサイクルの違い

PDCAサイクルはサイクルを一方向に回す

OODAループと違い、PDCAサイクルはサイクルを一方的に回します。PDCAサイクルはPlan・Do・Check・Actの順番にサイクルを回していき、途中で前の段階に戻る事はありません。OODAループは名前の通りループすることができ、必要に応じて前の段階に戻りループから再開する・状況に応じて任意の段階からループをリスタートするなども可能です。Planに基づいて1周する必要があるサイクルに比べ、OODAループは変化に柔軟に対応が出来ます。

PDCAサイクルは社内環境に対応している

OODAループに比べて、PDCAサイクルは社内環境などの内部環境のビジネスモデルに最適な管理方法です。OODAループは、社内環境だけでなく経済状況や業界など外界の要素から観察が始まる場合もあります。PDCAサイクルでは対応することが出来なかった外的要因による変化を考慮することも可能です。またPDCAサイクルは1周しなければなりませんが、OODAループは戻って検討しなおすことも出来る点が異なります。

OODAループの方が自由度が高い

PDCAサイクルに比べて、OODAループの方が自由度が高いのも違いの一つです。競争や変化が激しい場面においてはOODAループを上手く活用することで迅速に適切な意思決定や実行に移すことが出来ます。しかしPDCAサイクルと違って、内的要因では解決しないことが多いOODAループは適切な観点や、集まったデータの分析などがとても重要です。PDCAサイクルに比べると自由度が高いですが、環境が複雑なほどポイントの見極めや情報処理の難易度が高くなる可能性があります。

OODAループのメリット

スピーディーに結果を出せる

OODAループのメリットは、スピーディーに結果を出せる事です。OODAループはPDCAサイクルとは異なり、計画の立案は行わずに状況判断を行い行動を起こすという流れで実施するため、すぐに動くことが出来ます。上からの承認を待つ必要がなく、現場で決断・実行の判断を行えるためPDCAサイクルより時間が掛かりません。OODAループはいかに迅速に判断し意思決定を行うかが重要なプロセスのため、トラブル発生時などにも最適なフレームワークです。

状況に応じて柔軟かつ迅速に行動ができる

OODAループは、状況に応じて柔軟かつ迅速に行動が出来るメリットがあります。先述した通り、OODAループはしっかりと計画を練る事を行わず状況判断を行った上で、とりあえず行動してみることを重視しています。上司の判断を仰ぐのではなく、現場にいる社員で状況把握し問題解決に向けて意思決定を行う事を前提にしています。社会の流れが年々変化していく中、状況に対応できる力は大切です。OODAループを社内のフレームワークに標準化することで、社員全員が自発的に動くという意識が芽生えてきます。

一人ひとりが自分の裁量を持てるようになる

一人ひとりが自分の裁量を持てるようになるのも、OODAループのメリットです。OODAループは企業全体に向けたフレームワークというよりは、個人やチームといった小規模に向いています。小規模で実施されるフレームワークのため自分で決定を下すことができ、自己決定に責任を持った上で判断し行動が出来るようになります。社員が自分の業務に責任をもって取り組むことで、企業全体の生産性向上も期待できます。行動への根拠も発生し、安易な行動による無責任な失敗を防ぐことにも繋がります。

OODAループのデメリット

組織をまとめづらくなる

OODAループのデメリットは、組織をまとめづらくなる点です。OODAループは個人やチームなどの小規模を対象としたフレームワークの為、社員が能動的に行動を起こせるようになりますが管理は難しくなります。社員が自発的に業務に取り組んでいても、企業に所属しているという点は変わりません。そのため、企業内でOODAループを活用する際は社員全体が目指すべき企業の目標やビジョンを共有しておくようにしましょう。そうすることで、社員に共通認識が生まれまとめやすくなります。

個人の能力に効果が委ねられる

OODAループは、個人の能力に効果が委ねられるデメリットがあります。OODAループは個人に裁量を持たせるフレームワークだからこそ、能力次第で効果が左右されてしまう可能性があります。柔軟な考えを持っている人にはOODAループは最適です。しかし何か行動を起こすには事前に計画を立てて実行したい人は、まず行動するという事に不安を感じてしまい上手く活用できない事も考えられます。OODAループは何度も行う事で効果を発揮するため、1度で諦めず何度か試した上で判断するようにしましょう。

実行後のチェックが含まれていない

実行後のチェックが含まれていない点も、OODAループのデメリットです。PDCAサイクルは実行に移した後にチェックすることまで含まれているため、実行したことで改善点や問題点などを把握できます。しかしOODAループには実行後チェックするという項目がなく、対象としている物の問題点を見過ごす可能性があります。しかしOODAループは1度ではなく何度もループを回すことを推奨している為、円滑にOODAループを回せていない場合には全体を見直すことも大切です。そこで問題点や改善点を見つけられます。

OODAループとPDCAサイクルの使い分け

OODAループは想定外の場面に遭遇しやすい状況で使う

OODAループとPDCAサイクルを使い分けるには、OODAループは想定外の場面に遭遇しやすい状況で使うようにしましょう。OODAループは、時間が経つ毎に状況が変化していく場面において真価を発揮する思考方法です。先々の変化を予想することが容易ではないビジネス環境において、現場で情報を集め状況に応じた対応や意思決定を行う力が求められています。OODAループをスピード感をもって繰り返し行う事で、現場の判断力や対応力を強化していくことに繋がります。

PDCAサイクルは継続的な改善が求められる状況で使う

OODAループとPDCAサイクルの使い分けは、PDCAサイクルは継続的な改善が求められる状況で行いましょう。生産現場において、生産性向上や業務改善といった工程が明確になっており継続的な改善が求められる場面で真価を発揮するのがPDCAサイクルです。既にあるプロセスを改善しなければならず、改善を行うためには継続性や持続性が必要な場面で有効利用する事が可能です。また組織全体で取り組むフレームワークのため、企業方針や事業計画推進にも適しています。

まとめ

OODAループの特徴を理解してメリットを活かそう

OODAループのメリット・デメリットや、PDCAサイクルとの違いや使い分けについて解説しました。OODAループは、現在の状況を分析し改善策をすぐに実行に移すことが出来る意思決定方法です。昨今の外部環境により変化が激しいビジネスの場や予測が容易ではない場面で意思決定を行う際に活用することで、効果を発揮します。ビジネスシーンによっては、OODAループでは効果が発揮できない事もあるため見極めが必要です。OODAループの特徴をしっかりと理解した上で、メリットを生かしていきましょう。

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