記事更新日:2023年09月13日 | 初回公開日:2023年09月13日
用語集 グローバル用語解説 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報ロールモデルとは、自分の行動や考え方の模範となる人物を指します。自分より優れた能力を持った人や理想とするキャリアを歩んでいる人など、自分の目指すべき方向性の先に立っているような人を設定することが多いです。ロールモデルは必ずしも一人とは限らず、部分的に違った人をロールモデルとして目指すこともできます。また、ロールモデルを完全に真似する必要もなく、理想とする部分から学びを得て自分が成長することが大きな目的です。
ロールモデルが注目されるようになった背景には、価値観や働き方が多様化したことが大きく影響しています。例えば、転職や副業、子育てしながらの時短勤務など、昔にはない働き方が定着したことなどです。自分のキャリアを確立させるためには、不安な気持ちになることもあるでしょう。そんな中で、自分の目指すキャリアステップを踏んでいる人としてロールモデルの存在が大きくなりました。ロールモデルがいることでキャリアプランの描きやすさや働きやすさに繋がります。
新入社員のロールモデルに必要な要件として、社会人としてのマナーが備わった上で、主体的に仕事に取り組む若手社員が望ましいと言えます。新入社員に求められるのは、モラルを守ることや報連相の定着など、社会人としての基本的なあり方を醸成することです。また、指示を待つだけにならず自ら行動に移せるよう、主体性を持つことも求められます。そのため、新入社員の次のステップとして目指すべきロールモデルは、身近な目標として模範的な若手社員が適切と言えます。
上司の意図を理解しながら後輩や部下へ指示を出すことが求められる中堅社員には、積極性のある人物が適切です。中堅社員は次のステップとしてマネジメントを意識していくことも考える必要があります。マネジメントには様々なスキルが必要ですが、周りとコミュニケーションをとりながら、現場をうまく機能させることは必要不可欠です。そのため、中堅社員のロールモデルとしては他の従業員と上手く連携し、積極的に業務を進められる人物像が求められます。
ベテラン社員のロールモデルには、柔軟な思考と周りを引き込む吸引力を持った上司や管理職が望ましいです。社内外での交渉や調整、部下の管理など、責任の大きな業務を任されることも多くなります。ベテランともなると、従来のやり方に固執せず新しい価値観を取り入れて業務に活かすことも大切です。考え方や態度が柔軟で部下のアイデアに耳を傾けて吸収していける人は、ベテラン社員のロールモデルにふさわしいと言えるでしょう。
企業がロールモデルを設定するためには、具体的な人物像を考えることが必要です。企業の事業計画や到達目標から、どのような人材が必要となるか洗い出しましょう。また、その人材を育成するためにはどのようなロールモデルが必要とされるか考えなければいけません。また、各世代にロールモデルになれるような人材が社内にいるかどうかも重要です。人材像を設定した上で、ロールモデルに設定できる人材や潜在的なロールモデルの素質がある従業員を見極める必要があります。
企業の求める具体的な人材像が明らかになったら、ロールモデルの育成を行いましょう。ロールモデルになることが期待できる従業員を対象に育成することで、教育の効果を高めることができます。研修やOJTなど育成する方法は様々で、従業員に定着しやすい方法で行うことが大切です。ただ研修を行っただけでは現場で行動化できないため、アウトプットできる方法を伝えることや、進捗状況を把握できる仕組みを構築する必要があります。
ロールモデルの存在は、従業員に周知する必要があります。ロールモデルは、社内で存在が認知されてこそ機能するためです。社内SNSや社内報などの広報ツールを介して、従業員に周知することができます。例えば、ロールモデルのインタビュー記事などを掲載すれば、興味深く読む従業員が増えることが期待できるでしょう。「社内での挑戦」や「ワークライフバランス」など、テーマごとにロールモデルを設定することで、ロールモデルとして機能する幅が広がります。
従業員が個人でロールモデルを設定する場合は、関わっている人の中で憧れの人を思い浮かべることが効果的です。周りの上司や先輩への尊敬や憧れの気持ちが、目指すべきロールモデルとなるきっかけになるでしょう。一人に絞ることなく、実務面やコミュニケーションの取り方など、それぞれのカテゴリーごとにロールモデルを決めることもできます。学び取る対象が複数いることで多くのスキルを吸収でき、自分に合った成長ができるでしょう。
ロールモデルが決まったら対象を観察し、行動や思考を分析して自分の中に落としこむ必要があります。ロールモデルと同じように思考して行動することで、自身の成長に繋がるためです。観察のポイントになるのは、ロールモデルの行動の理由や思考です。観察して得た情報をもとに、「なぜあの行動になったのか」などの観点で自分なりに考え、分析します。ロールモデルの行動だけでなく思考も落とし込むことで、自然と行動化できるようになるでしょう。
ロールモデルを分析して自分の中に落とし込んだら、実際に現場で行動化して結果を振り返ることが大切です。実践して終わっただけでは、本当にロールモデルと同じことができているのかわからないためです。実際に行動化することで、自分の不足点や新たな気づきの発見、課題の明確化などができるでしょう。自分の行動した結果の周りの反応や業務の達成度などを、改めて分析する時間が必要です。振り返った結果は次回の行動に活かすことで、よりロールモデルに近づくことができます。
ロールモデルがいることで、キャリアプランを立てる際に役立ちます。キャリアプランは従業員が「会社で将来どのように活躍したいか」を考えるための重要な計画であるため、身近にロールモデルがいればキャリアプランを描きやすくなります。例えば、上司が理想とするキャリアステップで活躍している場合、上司をロールモデルとして目指すことで、同じ経験やスキルを獲得できるようキャリアプランに組み込むことができるでしょう。特に未来が描きづらい新入社員には、大きな効果をもたらします。
ロールモデルを設定することで、効率よく仕事を進める方法が見つかります。ロールモデルの成功体験をもとに業務を進めることができるためです。手探り状態の中で業務を遂行すると、達成するまでに時間がかかります。ロールモデルの業務の進め方をまねることで、効率よく仕事できます。また、指示された業務をこなすだけよりも、ロールモデルのやり方に従って仕事に取り組むことで、業務効率の限らず自身の成長にも繋がるでしょう。
ロールモデルがいることにより、自身の今やるべきことがわかるメリットがあります。ロールモデルの成長過程を知ることで、自分と同じ習熟段階だったときには何をしていたかを参考にできるためです。ロールモデルが何をどれくらい達成していたかを把握しておけば、自分の現状把握や不足点が明らかになるでしょう。その都度、気付いたことを改善できます。定期的に確認することで、自分の課題を把握できる機会が増えるため、自身の成長に繋がります。
ロールモデルは、困難を乗り越える際の参考にもできます。仕事を進めていく中では、業務に行き詰まることがあるでしょう。そんな中でロールモデルがいれば、困難への打開策や乗り越えるための方法など参考にできます。ロールモデルであれば、過去に同じような困難にあい乗り越えた経験をしている可能性が高いためです。上司や身近な先輩など気軽に相談できる相手がロールモデルであれば、的確なアドバイスをもらうことができます。
ロールモデルがいることで、コミュニケーションが取りやすくなります。ロールモデルと従業員は自然と接点が増えるためです。コミュニケーションをまめに取ることで、相手の思考パターンの把握ができてロールモデルとしての効果が発揮しやすくなります。また、従業員間のコミュニケーションが密に取れれば、組織内のコミュニケーションも活発化するでしょう。コミュニケーションが活発な組織は、円滑に業務が進むことに繋がるため、生産性の向上も期待できます。
ロールモデルが社内にいない場合、SNSで探す手段があります。様々な情報が発信されているSNSでは、自分の理想とする働き方をしている人やスキルを持った人を見つけやすいでしょう。自分の目標に向けて実践している人や達成している人にコンタクトを取ることで、SNS上の情報だけでは分からない、詳しい話を聞くこともできます。どうしてもロールモデルにしたい人物が見つからない場合は、複数人の参考にしたいところだけを吸収していくことも可能です。
社内でロールモデルを見つけることにこだわらず、分野ごとにロールモデルを決めることも効果的です。成長段階や業務によって目指したいロールモデルも変わるため、仕事の参考にしたい面だけをロールモデルにすることもできます。例えば、「Aさんのように手際よく仕事を進められるようになりたい」「Bさんのコミュニケーション能力の高さを目指したい」など、カテゴリごとに決めることができます。生き方や考え方に関しては、社内外問わず参考にできる人物はたくさんいるでしょう。
ロールモデルのあり方や社内に導入する方法、もたらす効果などを解説しました。ロールモデルがいることでキャリアステップの道しるべとなり、早い段階での成長が期待できます。ロールモデルは必ずしも一人である必要はなく、複数人の理想的な部分を目指すこともできます。企業にロールモデルとした人材を確立しておくことで、従業員が多様な働き方をでき、柔軟で生き生きと働ける環境づくりができるでしょう。本記事を参考に、ロールモデルを取り入れてみてはいかがでしょうか。
「日本語+英語+さらに語学が堪能な社員の採用」「海外の展示会でプレゼンが出来る人材」「海外向けサービスのローカライズ出来る人材」「海外向けWebサイト構築・集客」など、日本語も堪能で優秀な人材へのお問い合わせが当社に相次いでいます。
グローバル採用ナビ編集部では外国人の採用や今後雇い入れをご検討されている皆様にとって便利な「就労ビザ取得のためのチェックリスト」をご用意いたしました。また、在留資格認定申請書のファイル(EXCEL形式)もこちらよりダウンロード可能です。
他社での事例やビザ申請の際に不受理にならないようにまずは押さえておきたい就労ビザ取得のためのポイントを5つにまとめた解説付きの資料です。
この記事を読んだ方は次のページも読んでいます。