記事更新日:2022年11月22日 | 初回公開日:2022年11月22日
Linkedinとは、世界最大と言われているアメリカ発のビジネス特化型SNSのことです。主にビジネスマンがネットワークを構築し、転職や情報収集するために使われるもので、Facebookのようなプライベートな要素はありません。欧米諸国ではLinkedinのアカウントを持っていることでビジネス上のやり取りがスムーズになることがあるため、名刺代わりに使うビジネスパーソンがほとんどです。また、企業側が会社ページを作って採用活動を行うこともできます。
日本国内のLinkedinのユーザー数は200万人程度で、Facebookのユーザーが2600万人であるのに比べると浸透率は低いです。日本の人口比に対しては1.6%なので、知る人ぞ知るサービスであることが分かります。日本で浸透しない理由は、ビジネス上のつながりもFacebookで完結していることや、LinkedIn社自体が日本にプロモーションをしていなかったことが挙げられます。現在は日本でのユーザー獲得への動きが進められているため、今後は浸透していくことが予想されます。
「つながり」はユーザー同士がつながる機能で、Facebookでいう「友達」に該当します。同僚や既存のクライアントとつながることもできますし、採用活動やビジネスパートナーを探すためにも役に立つ機能です。つながりのある人の数が多いほど自分のネットワークを広げることができます。多くの人とつながることで採用担当者は候補者となる人材を見つけられる可能性が高まり、ビジネスマンは新たなビジネスチャンスや転職先を見つけるきっかけになります。
コンタクトは自分のネットワーク内にいるユーザーのことで、つながりの度合いにより1次~3次コンタクトに分類されます。1次コンタクトは自分と相手どちらかのリクエストにより直接つながったユーザーで、メッセージのやり取りが可能です。2次コンタクトは1次コンタクトとつながりのあるユーザー、3次コンタクトは2次コンタクトからつながっているユーザーで、直接メッセージのやり取りはできませんが、次に説明するInMail機能を使ったメッセージのやり取りができます。
InMailは、つながりのないメンバーとメッセージのやり取りができる機能です。InMail機能を使用するためにはPremiumアカウント(有料プラン)に登録する必要があります。InMailは、採用活動の一環で候補者に送るスカウトメールとして使われることが多いです。LinkedInに登録するビジネスマンの多くは1日に100件以上のInMailを受け取ることもあるため、活用する上では読んでもらうための工夫が必要となります。
企業がLinkedInを使用するメリットは、採用ブランディングを強化できることです。様々な業種のビジネスマンが集うLinkedInは、積極的な情報の拡散や共有がされるため企業ページや発信した記事の拡散がされやすい環境です。また、英語で投稿をすれば国外からも興味を持ってもらえる可能性があります。効果的にブランディングするには、LinkedInを通して企業理念やビジョンを伝えて共感を生み、社風を発信することで「入社したい」と思ってもらうことが必要です。
LinkedInを使用するメリットのひとつに、求職者のスキルやキャリアを把握できることが挙げられます。LinkedInには充実したプロフィール欄が設けられているため、求職者の学歴・職歴・資格などが公開されます。採用担当者は詳しい経歴を確認した上で求職者とのやり取りが可能です。また、投稿やリアクションを通じて求職者の人物像も知ることができます。そのためLinkedInを活用することは、企業と求職者のミスマッチを防ぐことにも効果的です。
企業がLinkedInを使用するメリットとして、優秀な人材に企業側からアプローチができる点があります。LinkedInには、外資系人材やハイクラスな人材がユーザーとして登録しています。企業はユーザーの中から自社の求人にマッチしたユーザーを検索してスカウトができるため、ミスマッチが少なくなります。転職希望者から選ぶことが浸透している現在、このような採用プロセスは「ダイレクトソーシング」と呼ばれ、世界では主流の採用方法です。
LinkedInを使用することで、採用コストを抑えられるというメリットもあります。採用コストは求人掲載費や人材紹介会社への成功報酬に加え、説明会の運営の費用などが含まれます。転職エージェントを使用すると1人の採用に数百万円かかることがあるため、採用コストは決して安いとは言えません。LinkedInは無料の運用で採用に成功した事例があり、有料プランを利用しても金額は一律のため、使い方次第では大幅にコストを下げることが可能です。
Linkedinで日本人採用を成功させるには、プロフィールを詳細に書く必要があります。ブランディングには会社のページも大切ですが、会社役員や人事担当者の個人アカウントでの投稿も注目されます。候補者に興味を持ってもらうには、つながりたいと思われる魅力的で充実したプロフィールを作ることが重要です。また、つながりの申請を受け取ったとき、承認するかどうかはそのアカウントのプロフィールを見て決められます。プロフィールの情報が少ないと、信頼できる人か分からず承認されないこともあるため注意が必要です。
Linkedinで日本人採用に成功させるには、情報発信でファンを増やすことも必要です。イメージとしては、情報提供や自己開示で他のユーザーに自社の魅力を知ってもらうことです。例えば仕事を通して得た気付きや自社の魅力・エピソードを語る、個人の想いを反映した投稿が好まれます。ときにはPRをすることも必要ですが、投稿が宣伝や告知事項のみでは無機質になり、他者の興味は引きづらくので避けましょう。ユーザーの価値提供を意識した投稿を多くすることで、ファンが増えやすくなります。
LinkedInで日本人を採用する際の注意点は、ターゲットにする母数が限られる場合があることです。ユーザーは「今すぐ転職したい」人より、「将来的に転職したい」と考えている転職潜在層の割合が大きいです。また、日本は海外にくらべてLinkedInがあまり浸透していません。ユーザーが少ない中で条件を絞り、転職希望者が少ないとなるとターゲットとできる人材は少なくなることもあります。採用活動は長期になることを見越し、継続的な運用や管理が必要になります。
LinkedInで日本人を採用する際に注意するのは、外国人からの申請に日本人が埋もれる可能性があることです。海外のユーザーはつながりの申請を承認すると、関係のない内容で気軽にメッセージを送ってくることがあります。採用を目的にLinkedInをしている場合、不要なやり取りによって日本人からの申請が埋もれ、貴重な人材を逃す可能性があります。つながりを承認するときはプロフィールページを確認し、つながりを持つ相手として適切か見極めることが必要です。
機器の製造から造船まで幅広い事業を手掛ける住友重機械工業株式会社は、LinkedInを通じて2人の正社員を採用しています。人事担当の社員がLinkedInの個人アカウントでブランディングし、偶然できたつながりから採用に至った事例です。1年半の情報発信でユーザーを惹きつけ、その中から採用へつながる人材を見つけるというSNSを活用した採用活動の先駆けとなっています。また、採用した人事担当者が使用していたのは無料プランだったため、採用にかかったコストは0円でした。
大手フリマアプリのメルカリは、LinkedInを使った採用を導入しています。事業への共感と専門性を持った人物や、転職市場で出会えないハイクラスな人材とのマッチングを目的として活動をスタートしました。一方的なスカウトではなく、交流の中で生まれるつながりから始まる新しい採用方法です。結果は、半年間で複数名の採用に至っています。LinkedInを通じてサービスとしてではなく働く環境の視点でのメルカリを発信し、候補者とのコミュニケーションでお互いの理解を深めた上での採用に成功しています。
日本のEコマース企業であるヤフー株式会社は、LinkedInでの採用に成功しています。ヤフー株式会社は転職希望者だけでなく、転職市場には出てこない優秀な人材をスカウトすることを目的としてLinkedInでの採用を導入しました。また、会社のカルチャーを発信しながら社員が力を合わせて採用活動することで、社員同士のコミュニケーション活性化の期待もありました。その結果として、それまで転職市場で出会えなかった優秀な人材や紹介会社から採用できなかったエンジニアを採用し、選考の辞退や離職率が低い採用活動ができています。
ヘルスケア製品を中心に扱う電気機器メーカーのオムロン株式会社は、LinkedInのスカウト機能を使った採用活動をしています。オムロン株式会社は新しい事業計画のため、AI・ロボティクスの分野で高度な技術を持った人材を必要としていました。最先端技術を必要とする分野では、転職市場から高度な技術を持った人材を見つけることが困難です。業種や条件でユーザーを絞り転職潜在層にも直接声をかけることで、求めていた人材の採用が叶った事例があります。
LinkedInの機能や活用方法はお分かりいただけたでしょうか。LinkedInで日本人の採用を強化することで、転職市場で出会えない人材とのマッチングや採用コストの大幅なカットが見込めます。候補者のスキルや人物像もプロフィールややり取りから把握しやすいです。また、会社の情報発信をしてブランディングしていくことで会社のファンを増やし、将来的に働きたいと考える人が増える可能性もあります。LinkedInで理想的な人材を探し、会社の発展のために協力し合える仲間を採用しましょう。
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