kj法とは【実践方法やメリット、注意点などを解説します】

記事更新日:2022年11月11日 初回公開日:2022年11月11日

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新しい企画や事業を考えなければならない仕事をしている方にとって、どの手法を使ってアイデアを効率よく出していくかは重要だと言えます。そこで今回ご紹介する手法がkj法です。kj法を使うことでブレインストーミングの効果を高めることができます。本記事ではまずkj法の意味やブレインストーミングの意味に加えて、実践方法を解説します。その上でkj法を行うメリットやデメリット、注意点などを説明し、役立つツールもご紹介します。アイデア出しに行き詰まっている方や、悩んでいる方にぜひ読んで頂きたい内容です。

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KJ法とは

アイデアを書いてグループ化することで言語化する手法

kj法とは、アイデアを書いてグループ化することで言語化する手法のことです。アイデアは付箋などに書き、グループ化した上で関係性を図解を用いて分析していきます。東京工業大学の名誉教授である川喜田二郎さんが考案した手法で、名前のイニシャルからkj法と名付けられました。kj法はホワイトボードと紙とペンがあれば、いつでも行うことができます。しかし、ただアイデアを出し合うだけでは、成果は出せません。ファシリテーターの存在とメンバーの協力体制がカギとなります。

kj法で使うブレインストーミングとは

複数人でアイデアを出し合う方法の1つ

kj法の説明に入る前に、kj法で使うブレインストーミングについて解説します。ブレインストーミングとは、複数人でアイデアを出し合う方法の1つです。アイデアを1人で出すことが困難な時に、友人や職場の人と意見を出し合って、さらに良いアイデアを生み出すことを目的としています。先に時間を設定し、10人以下のグループで実施します。多種多様な性格やバックグラウンドを持つメンバーを集めると、様々な角度からの意見を集めることが可能となるでしょう。

ブレインストーミングのポイント

ブレインストーミングを実施する上でのポイントは、メンバーが気軽に意見を言いやすい雰囲気を作ることです。出てきたアイデアを否定することや、高い質を求めてしまうと、自由な発言をしづらい環境になってしまうからです。様々な角度から出てきたアイデアを組み合わせることによって、新しいアイデアを作り出したいので、質より量を心がけましょう。また、ブレインストーミング中は意見についての判断を避けることで、意見が偏ることや新たな意見が減る可能性を下げることができます。

kj法の実践方法

アイデアや意見をカードに書き出す

kj法の実践方法として、まず初めにアイデアや意見をカードに書き出します。テーマを決めて趣旨に従ってブレインストーミングを行うことで、それぞれのメンバーから沢山のアイデアを引き出していくのです。ブレインストーミングで出てきたアイデアは、1つの意見につき1つのカードに書くようにしてください。また、そのカードを見た時にメンバーの誰が見ても内容が理解できるように、具体的且つ簡潔な表現を心がけることが大切です。

カードをグループ化する

次に、カードのグループ化を行います。出てきたカードの内容を1枚ずつ読んでいき、似ているカードを少しずつ集めて小グループを作成します。どのカードとも似ていないと判断した場合には、そのまま1枚で置いておきましょう。できた小グループをよく見た上で、カード同士の共通点を導き出してタイトルを付けてください。そのタイトルをよく見て似ている物をさらにまとめて、中グループを作ります。これを繰り返して大グループがいくつかできたところで、次のステップに進みましょう。

関係性が分かりやすいように図解化する

次は、カードの関係性が分かりやすいように図解化していきましょう。まず、カードの束を机の上に並べて、タイトルを見ながら関連性を探し出して束を並び替えます。その後、カードの束同士を線で繋ぐことや囲むことなどをしながら、それぞれの関係性を図解化していくのです。関係性を表す際には因果関係や相互関係、原因と結果などに着目して行いましょう。大グループの図解が終わり次第、中グループや小グループの図解をするようにしてください。

1つの文章にまとめる

最後に、これまで図解化した物を1つの文章にまとめましょう。グループのカードに書かれている言葉をできるだけ使うようにしながら、グループごとに1つの文章に繋げる作業を行います。そして、グループ同士の関連性も考えながら、大グループから小グループの流れを意識してグループ間の文章を繋げましょう。最終的に浮かび上がった図解を見ながら、導き出すことのできる結論や重要なグループの見極めなどを行い、議論を深めてメンバー間での理解度を高めます。

kj法に役立つツール

Microsoft Whiteboard

kj法に役立つツールとして、Microsoft Whiteboardがあります。これは、オンライン上で使えるデジタルホワイトボードです。リモートでkj法を行いたい場合に活用することが出来ます。また、実際のホワイトボードは次の会議などで使うために消す必要がありますが、これはデータが自動的に保存されるので、いつでも見返すことが可能です。Microsoftのアカウントがあれば、誰でも無料で利用できます。画像やファイルも追加できるので、ブレインストーミングに役立つでしょう。

Lucidchart

kj法に役立つツールとして、Lucidchartもおすすめです。このサービスでは、配置したい図形を選んでドラッグ&ドロップをすることで、図を作ることができます。操作が簡単で他の人ともリアルタイムで編集をすることができるため、リモートワークでkj法を行う際にも最適です。さらにLucidchartはiOSとAndroidに対応したアプリもあるので、スマートフォンやタブレット端末からも操作が可能です。1000種類以上のテンプレートなどもあるため、状況に応じて活用しましょう。

kj法を活用するメリット

少数意見を活用しやすい

kj法を活用するメリットとして、少数意見を活用しやすいことが挙げられます。複数人で話し合いを行う場合、少数意見が採用されるハードルは高いことも多いです。しかし、多数意見が良い意見だと言い切ることは難しいでしょう。少数意見の中に、革新的なアイデアの元となる意見があるかもしれません。kj法では、意見に対して共感者が多数いるの場合も少数の場合も1枚のカードに内容が書かれます。少数意見の重要性をメンバーと共有した上でkj法を実施すれば、少数意見の活用に繋がるでしょう。

情報を整理することで新たなアイデアが出る

kj法を活用するメリットとして、情報を整理することで新たなアイデアが出ることも考えられます。集める情報やアイデアを初めから分類分けしてしまうと、制限がかかるため様々な角度からの意見が集まりづらくなります。ところが、全く制限がない状態で話し合いをすると、分類に時間がかかることが予想されます。kj法は多くの情報を集めた上で整理して次に活かすことが可能です。また、情報を整理していく中で新たな課題の発見に繋がり、アイデアも生まれやすくなるでしょう。

KJ法のデメリット

実践には時間がかかる

kj法のデメリットとして、意見が偏る可能性があることが考えられます。kj法では沢山のアイデアや意見を得ることができますが、内容はメンバー1人1人の特性に依存します。そのため、メンバーの性格やバックグラウンドによって、アイデアや意見が偏る可能性があるのです。さらに、立場の違いで意見が一部に流される可能性もあります。そうならないためには、メンバー全員が周りの顔色を伺わずに自由な発言をできる基盤を整えることが望ましいでしょう。それは、多角的な提案をすることにも繋がります。

意見が偏る可能性がある

kj法には実践において時間がかかるというデメリットがあります。まずkj法では、カードと場所の確保やツールの準備をする必要があります。それらに加えて、メンバーから出てきたアイデアや意見などを書き出してまとめなければなりません。難易度はそれほど高くはないものの、作業自体に多くの手間と時間がかかることを考慮しましょう。また沢山のアイデアが欲しいと思った場合には、いろいろなコミュニティから参加者を募る必要性があり、これにも時間がかかるため注意しましょう。

kj法の注意点

意見を制限しない

kj法の注意点として、意見を制限しないことが挙げられます。まずブレインストーミングの段階では、沢山の意見を出すことが求められます。「こんな意見を言って大丈夫だろうか」などと周りの目を気にする必要はありません。また、批判を行うことやその場で無理やり結論に持って行くような判断は避けましょう。メンバーが委縮してしまい、自由な発想が出来なくなる可能性があるためです。意見は制限せず、どのような意見でも歓迎するという空気感でグループワークができる雰囲気作りに努めましょう。

先入観で分類しない

kj法の注意点として、先入観で分類しないことも大切です。例えば、カードに書いてある文章中に同じキーワードを見つけただけで同じグループに分類をしないようにしてください。なぜなら、実際は違う内容を意図して書いた文章の可能性があるからです。また、先入観をもとに大きなくくりで分けてしまうと、全体の方向性が決まってしまいます。それによって、新しい発見が出来なくなることが考えられます。kj法は今までにない気づきを得るために行うので、先入観は取り払うようにしましょう。

アイデアは仮説であるということを忘れない

kj法の注意点として、アイデアは仮説であるということを忘れないようにしましょう。kj法では沢山のアイデアを出した上でそれらを俯瞰して眺めることで、物事の関連性を明らかにしていきます。kj法は新商品の開発や業務の改善を図る上でのヒントとなりますが、あくまでも仮説であるということを頭に入れておきましょう。kj法を実際の業務で活かすためには、調査をして振り返りを行い、アイデアを修正して精度を高めていくことが必要です。大切なのは、アイデアが出た後にどう活かすかであると言えるでしょう。

全員が同意しているか確認する

kj法を行う際には、全員が同意しているか確認しながら進めるようにしましょう。一部のメンバーを優先するなどして意見やアイデアを集めてしまうと、多数決と同じになってしまい、少数意見の活用に繋がりません。また、広い視野で全体を俯瞰することが難しくなります。これでは、課題の本質を見極めることもできません。そうならないためにも、全員が同意しているか確認しながら意見やアイデアをまとめていくようにしましょう。kj法を行う時には、全員の同意が得られる人数で進める必要があります。

まとめ

kj法を活用してアイデアを効率よく整理しよう

kj法を活用することで、今までは埋もれてしまっていた少数意見を平等に扱えることや、情報を整理することで新たなアイデアが出ることなどのメリットがあります。また、沢山のアイデアや意見の関連性を見つけて可視化することにも役立ちます。kj法のメリットを最大限活かすためにも、意見を制限することや先入観で分類することなどは避けるようにしましょう。さらに、全員が気軽に発言しやすい空気を作ることや、同意しているか確認しながら進めることで納得感のあるワークになるよう心がけてください。kj法を活用してアイデアを効率よく整理し、これからの業務に活かしましょう。

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