異文化適応力とは【必要とされる理由や育成方法等について解説】

記事更新日:2021年08月27日 初回公開日:2021年08月27日

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近年のグローバル化の加速によって外国人が日本で働く、あるいは日本人が海外で働くという機会も珍しくなくなってきました。しかし自国以外で働く場合は、働く国の環境や文化、商習慣などに慣れなければなりません。そのような状況の際に必要になるのが今回ご説明する「異文化適応力」です。この異文化適応力はグローバル経済や社会では不可欠な能力といえるでしょう。この記事では異文化適応力を高めるために必要なことや育成方法などについても詳しく解説するので是非参考にしてみてください。

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異文化適応力とは

異なる文化に対して柔軟に適応する能力

初めに今回のキーワードの意味についてご説明します。異文化適応力とは異文化に対して柔軟に適応する能力のことを指します。カルチャーショックと呼ばれる言葉もあるように、自身の身近な文化ではない異文化に適応することは容易なことではありません。例えばビジネスで海外に出張や駐在をしたとき、現地の人と円滑に業務を行う必要があるでしょう。そのときに異文化適応力があれば文化的背景が全く異なる人とも上手に関係を築くことが出来ます。

IQが高いことと相関関係はない

異文化適応力が高いと必ずしもIQが高いわけではありません。欧米の移民に関する研究では異文化適応力と知能指数に相関関係は見られませんでした。要するに学歴や知能レベルが高いからと言って異文化にすぐに適応できるわけではないのです。逆に言うと異文化適応力は知能に関わらず誰でも身に付けることが出来る能力だと言えるでしょう。異文化適応力を身に着けてグローバルに活躍出来る人材を是非目指しましょう。

異文化適応力が必要とされる理由

企業のグローバル化が進んでいる

異文化適応力が必要とされる理由は主に2点あります。1点目は企業のグローバル化が徐々に進んでいるからです。ビジネスの世界はグローバル化によってボーダーレス化が進み、より海外でもビジネスがしやすくなりました。それに伴い、大企業を中心とした海外進出も増え、より異文化と触れ合う機会も多くなってきています。特に最近では外資系企業だけでなく、日系企業でも外国人社員の割合が増えているため、多くの会社でグローバル化が進んでいると言えるでしょう。

外国人材の雇用が増えている

2点目の理由は日本国内で外国人材の雇用が拡大しているからです。新型コロナウイルスが流行する以前は年々日本で働く外国人材の数が増加していました。2020年の外国人労働者数は約170万人で10年前のおよそ3倍になっています。その中でも中国やベトナムといったアジア圏の外国人材がおよそ8割を占め、日本のビジネスに貢献しています。外国人財の雇用が増えているということはそれだけ多様な文化に対応する必要があるため、異文化適応力が求められる環境が当たり前になりつつあると言えるでしょう。

異文化適応力が高いことによるメリット

広い視野を持ってビジネスに取り組める

異文化適応力が高いとどのような利点があるのでしょうか。ここでは3つのメリットをご紹介します。まず1つ目は広い視野を持ってビジネスに取り組めることです。広い視野を持つ人は思考や知識の幅が広く、多面的に物事を見ることが出来ます。異文化適応力が高い人は、様々な文化に対する理解があり、対応できるため、同時に広い視野を持った人であると言えるでしょう。視野の広さはビジネスのあらゆる場面で活かすことが出来るので、まずは異文化適応力を高める努力をすると良いかもしれません。

どのような環境でも円滑に業務を行える

海外に拠点がある企業では将来的に海外駐在をする機会があるかもしれません。いざ海外で働くことになったときに今までのスキルや経験が活かせなければ、社員を派遣する意味がなくなってしまいます。どのような環境でも円滑に業務を行うようにするために異文化適応力は必須です。また海外に限らず、社内でも部署の異動などで一緒に働くメンバーや環境が変わることは珍しくないので、あらゆる状況で自分の力を発揮することは大切です。異文化適応力を身に付けて、どんな環境でも自身の能力を発揮出来る人材を目指しましょう。

様々な人材が同じ職場で働ける

3つ目は多様な人材同士が同じ職場で働けることです。様々な人が働く職場では、仕事の関係上でもお互いに協力をしなければならない機会も多いでしょう。しかし異文化適応力がなければ多様なバッググラウンドを持った人材と中々コミュニケーションが取れず、最終的には業務にも影響を及ぼしてしまいます。しかし働く人全員が、異文化適応力が高い状態であればそうした問題も起こらず、みんなが心地よい環境の中で仕事を行うことが出来るでしょう。

異文化適応力が低いことによるデメリット

海外赴任先での離職率が増加する

異文化適応力が低いと企業にとっても個人にとってもデメリットが発生してしまいます。その例が海外赴任先での離職率が増えることです。海外展開をしている企業では社員が海外赴任をすることも珍しくありません。しかし海外では日本とは商習慣や生活などが全く違うこともあるため、現地の環境に順応しなければなりません。ところが異文化適応力が低いとそうした状況に馴染めず、最悪の場合はその社員が離職することもあります。海外赴任をする社員は国内で経験を積んだ優秀な人も多く、そのような人材が離職することは会社にとって大きなダメージとなるでしょう。

外国人材とのコミュニケーションが不足する

他にもデメリットとして外国人材とのコミュニケーションが不足することが挙げられるでしょう。数十年前と比較するとビジネスで外国人と関わる機会は急激に増加しています。職場で外国人と一緒に働いているという人も多いのではないでしょうか。特に同僚が外国人材の場合は日本人と同等にコミュニケーションを取る必要があるでしょう。しかし異文化適応力が低いとお互いのことが理解出来ずにコミュニケーションを取る機会も減ってしまいます。そうなるとミスの増加や効率の低下といった様々な問題を引き起こしかねません。

異文化適応力を高めるために必要なこと

異文化に適応しようとする意欲

ここでは異文化適応力を高めるために必要なことを4つに絞ってご紹介します。まず1つ目は異文化に適応しようとする意欲を持つことです。先程も説明したように異文化適応力を誰しもが身に付けられる能力ですが、それを得ようとする意欲がなければもちろん身に付けることは出来ません。さらにアメリカやフランスといった海外の国と比較すると日本は外国人の割合も少なく、普段から外国人と接する機会がない人も少なくないでしょう。しかしお互いのことを理解するためにもまずは心構えから変えてみましょう。

異文化に対する知識

2つ目は異文化に対する知識を学ぶことです。異文化に適応しようとする意欲ももちろん大切ですが、実際の知識を得ることもとても重要なことです。海外に暮らしたことがある人は自然に身に付くことも多いですが、日本で暮らしていると他の文化について学ぶ機会はそれ程多くはないでしょう。だからこそ日本で働いている方は、主体的に異文化に対する知識を得ようとする姿勢が大切です。企業の研修で取り入れたり、インターネットなどで異文化に対する正しい情報を得るなど工夫しながら学んでいきましょう。

異文化に対する客観的な視点

3つ目は異文化に対する客観的な視点を持つことです。世界中にはその地域やコミュニティによって様々な文化が存在しています。自分が慣れ親しんだ文化は当たり前のように受け入れていますが、異文化に対しては、初めは抵抗感を持ってしまう人は多いのではないでしょうか。ですが、だからといって異文化を拒絶していると適応力を高めることは出来ません。最悪の場合は差別や偏見が生まれてしまう可能性さえあります。なので異文化に対しても常に客観的な視点を持ち、それを受け入れる姿勢を持ちましょう。

適切な語学力

4つ目は適切な語学力を持つことです。適切な語学力とは必ずしもネイティブスピーカーのように他の言語を話せる能力を指すわけではありません。最近は中国語やスペイン語などを仕事のために勉強する人が増えていますが、やはりビジネスの場では英語が使用されるケースが最も多いです。異文化に関する知識を身に付けることも必要ですが、それをビジネスで発揮することも重要です。そのためのコミュニケーションツールとして、ビジネスで求められる適切な語学力も身に付けるようにしましょう。

異文化適応力の高い人材を育成するためには

研修プログラムを実施する

ここでは異文化適応力の高い人材を育成する具体的な方法を3点紹介します。1点目は研修プログラムを実施することです。会社では社員を育てるために様々な研修がありますが、その中の一つに異文化理解や適応力を高めるようなプログラムを入れると良いでしょう。最近はグローバル人材育成研修で、異文化適応力を高めるために、グローバルマインドセットを身に付けるプログラムなどが多くの企業で実施されています。グローバルマインドセットとは世界中のどこでも、誰とでも仕事の成果を出すことが出来る人が持つ思考のことです。また社内で教える人材がいない場合は社外の講師を呼んで研修を行うのも一つの手です。

海外人材を採用する

2点目は海外人材を採用することです。研修プログラムで異文化に対する知識を身に付けることも必要ですが、それを実際に仕事で活かせなければ意味がないでしょう。もし職場の同僚に海外人材がいれば自然と異文化に対する理解が深まる可能性は高いです。仕事内容は同じでも、仕事に対する根本的な考え方や身近な行動でも違いが見られるかもしれません。海外人材とコミュニケーションを頻繁に取り、お互いの文化に対する理解を深めると良いでしょう。近年はダイバーシティに対する取り組みとして、大企業を中心に外国人材を積極的に採用する流れが進んでいます。

海外赴任を経験してもらう

3つ目は社員に海外赴任を経験してもらうことです。日本国内で仕事をする限りは異文化適応力がなくても良いという人もいるかもしれません。しかし海外赴任をして働くとなると異文化適応力が高い人材にならなければ仕事で成果を出すのは難しくなるでしょう。最近ではキャリアを積んだ優秀な社員だけでなく、若手社員が研修生として一定期間、海外赴任を経験するケースも増えてきました。自社に海外拠点がある場合は、積極的に社員に対して海外赴任のチャンスを与えると良いでしょう。

まとめ

社員の異文化適応力を高めてグローバルな企業を目指しましょう

今回はグローバル経済で必要な異文化適応力についてご説明をしてきました。異文化適応力の高め方や人材の育成方法などを読んで異文化適応力についての理解を深めることが出来ましたでしょうか。異文化適応力を身に付けることでどのような環境でも円滑に業務を行えるなど、仕事上のメリットを多く得ることが出来るでしょう。是非今回ご紹介をした「異文化適応力」を身に付けてグローバルな人材が多い企業を目指しましょう。

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