記事更新日:2021年10月27日 | 初回公開日:2021年10月27日
用語集 外国人採用・雇用 グローバル用語解説 人事・労務お役立ち情報フィードバックとは相手に対して適切な評価を直接伝えることによって、軌道修正によるさらなる改善を促すことです。実際に企業の業務においても、上司から部下の業務に対してフィードバックが行われる場面も多いでしょう。さらに顧客からサービス内容に対してのフィードバックを受けることもあります。これらによって、業務やサービスの内容がより向上していきます。面接においても正しいフィードバックを行うことで、より有意義な面接にすることができるのです。
面接におけるフィードバックとは、面接官が面接を通じて感じた点を候補者に対して伝えることを指します。候補者の話した内容についてでもいいですし、面接中の立ち振る舞いや姿勢などについての内容を伝えるのもいいでしょう。フィードバックで話した内容をきっかけに、候補者についてさらに深掘りすることができるかもしれません。面接で聞きたいことだけ聞いて終わりではなく、候補者に対して率直な感想を伝えることも大切です。
面接において、候補者に対するフィードバックを行っている企業の割合は決して多くはないというのが現状です。面接官の方は一日に何人もの候補者の面接を実施する場合もありますので、そんな中でひとりひとりに対して細かいフィードバックを用意するのは簡単ではないでしょう。したがって候補者の多くは面接官からのフィードバックを受けることなく、採用の合否通知を受け取っているということになります。自分の合否がどのような評価基準によって決められたのかがわからないというのが、候補者にとっては疑問となるでしょう。
面接後のフィードバックを行うことで、採用後のミスマッチを防ぐことにもつながります。フィードバックによって、企業が求めている人物像や評価基準について候補者に汲み取ってもらうことができます。もしその時点で候補者が企業との間にギャップを感じてしまった場合は、その段階で選考を辞退する可能性もあるでしょう。選考を辞退されることは企業にとって決してプラスとは言えませんが、入社後にミスマッチが生じる場合を考えるとお互いにとってメリットといえるでしょう。
応募者の志望度が上がりやすくなるということも、面接のフィードバックを行うことによるメリットとしてあげられるでしょう。面接において良かった点を褒められると、候補者としてはもちろん悪い気分にはなりません。一方で改善すべき点を指摘したとしても、それが今後の面接にも役立つ内容であれば候補者にとって非常に意味のあるフィードバックとなります。候補者に対して企業の熱心な姿勢を示すためにも、効果的なフィードバックを行いましょう。
面接でフィードバックを行うことによって、社内の評価基準を強く根付かせることができます。候補者が社内の人間とコミュニケーションを取る機会は限られており、社内の評価基準などについて詳しく知ることができないというケースも考えられるでしょう。面接におけるフィードバックによって入社後の評価基準などもイメージしやすくなるため、その結果として双方のミスマッチ防止という観点においても非常に効果的だと考えられます。
面接全体の質を上げるためにも、フィードバックは非常に重要な要素であると考えられます。適切なフィードバックを行うためには、これまで以上に候補者に関心を持って観察する必要があります。そのためフィードバックを行なっていなかった場合に比べて、より多くの情報を一度の面接から引き出すこと期待できます。現在実施している面接から得られる情報量やその質を課題点としている企業は、フィードバックを前提とすることでさらに高い制度の面接を行うことができるでしょう。
面接のフィードバックを行うことにより、面接官への負担が増えてしまうということがデメリットとして考えられます。多くの候補者に対して面接を行う中で、それぞれにフィードバックを行うことは簡単なことではありません。これまで以上に候補者を観察する能力と、それをうまく伝える方法が必要とされます。しかし近年では労働力の確保が難しくなりつつあるため、ひとりひとりに寄り添ったフィードバックを行うことは採用数を増やすうえで非常に重要となってくるでしょう。
面接官の能力によっては、候補者に対するフィードバックをうまく言語化できないという場合も想定されるでしょう。候補者の魅力や改善すべき点を上手く見つけられたとしても、それを的確に伝えることができなければフィードバックの効果が薄れてしまいます。あらかじめ決められたフォーマットなどが準備されていると、それに沿って言語化することができるでしょう。しかしフィードバックの伝え方は経験によっても身ににつくものですので、まずはひとりひとりの候補者に対して丁寧に伝えることを心がけましょう。
面接に関するフィードバックを行うことで、自社の採用基準が候補者に伝わってしまうということも懸念されます。採用基準は、企業が新規採用を行うにあたって非常に重要とされる要素です。また採用基準は企業ごとに異なるため、それらが必要以上に外部へ公開されてしまうと採用におけるノウハウの流出などにもつながってしまいます。フィードバックの際にそのような事態を避けるためにも、面接を行う前に入念な準備をしておきましょう。
面接で的確なフィードバックを行うために、評価シートをあらかじめ準備しておくといいでしょう。先述の通り、面接官の能力によってフィードバックの内容をうまく言語化できないというケースも考えられます。このような事態を避けるために、面接を行う前にあらかじめ評価シートを作成しておくことが効果的です。評価シートには候補者の回答や反応などの項目に応じたフィードバックを、ある程度言語化された状態で用意しておきます。こうすることによってフィードバックの言語化がスムーズになるだけでなく、評価のばらつきも減らすことができます。候補者から得られる回答や反応を事前にどれだけ用意できるかがポイントとなるでしょう。
面接においては候補者の経験や性格に応じて、異なる種類のフィードバックを使い分けるとより効果的でしょう。候補者に対して否定的な言い回しを避け、褒めることを中心に前向きな意見を伝えるのがポジティブフィードバックです。ポジティブフィードバックを使うのに適しているのは、どちらかというと自己評価の低い候補者です。自分のことを高く評価して受け入れてくれているという印象を持ってもらいやすいことから、企業へのイメージ向上につながるでしょう。もちろん頭ごなしに褒めるのではなく、必要に応じて改善点なども伝えましょう。
候補者の良いところを中心に行うポジティブフィードバックに対して、改善すべき点などを中心に伝えるのがネガティブフィードバックです。ネガティブフィードバックはおもに、これまでに優れた経歴を持っており自分に自信のある候補者などに対して行うと効果的です。自分の課題とすべき点を見つけ出してそれに対するフィードバックを行ってくれるため、成長機会の多い企業だと感じてもらうことができます。ネガティブフィードバックを行う際には闇雲に粗探しをするのではなく、必ず面接中の言動など事実に基づいた指摘を行うようにしましょう。
できるだけ具体的に伝えるということも、面接のフィードバックにおいては非常に重要なポイントです。フィードバックの内容が抽象的すぎると、候補者としては何を改善すればいいのかがわかりづらくなってしまいます。特に候補者の課題点などについてフィードバックする際に、必要以上に気を遣ってしまい回りくどい伝え方をしてしまうケースなどが考えられます。面接官からのフィードバックは候補者の今後の面接にも大きく関係するため、具体的にわかりやすく伝えるということを心がけましょう。
フィードバックにおいて、ブリッジングを行うことも忘れないでおきましょう。ブリッジングとは、面接のフィードバック内容と企業への適性度を関連付けることを指します。例えば面接で明らかになった候補者の強みが、自社の業務においてはどのように役立てることができるのかなどといった内容です。ブリッジングを行うことによって、候補者は自身の能力をさらにこの企業で伸ばしていくというイメージがしやすくなります。したがって面接官は評価を伝えて終わりではなく、企業との関連性を見出す能力も必要とされるでしょう。
フィードバックを行った際に、候補者の反応も合わせて確認しておきましょう。ポジティブフィードバックを行った際には、おそらく多くの候補者はストレスなく素直に聞いてくれるでしょう。しかし一方でネガティブフィードバックを受けるのは、候補者にとってあまり気分の良いことではありません。自身の改善すべき点などについてはっきりと伝えられた際にもしっかりと受け入れる姿勢が持てる候補者は、入社後の業務においても同じ姿勢で取り組んでくれるでしょう。
面接においてフィードバックを行うことの重要性と、そのポイントについておわかりいただけたでしょうか。今後はさらに労働力の確保が困難になっていくと考えられるため、数少ない候補者の中からより企業とマッチした人材を見つけ出すことが重要となります。面接は企業が候補者を選考する場であると同時に、候補者が企業を見定める場とも考えられるでしょう。候補者のひとりひとりに寄り添ったフィードバックを行うことで、企業の求めている人材を採用できる質の高い面接を作り上げましょう。
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