賃金支払いの5原則とは?【原則や例外について詳しく解説します】

記事更新日:2023年06月29日 初回公開日:2023年06月15日

用語集 外国人採用・雇用 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報
労働の対価として当たり前のように賃金の支払い・受領を行っていますが賃金の支払いにも決められたルールがあります。賃金は労働者にとって生活の安定に欠かせないものです。その為、労働基準法では労働者の環境整備だけでなく労働者が受ける対価の賃金についても第24条で定めています。第24条で定められている賃金支払いの5原則は、労使協定や税法などを根拠にして例外もある為きちんと理解しておくことが大切です。賃金支払いの5原則の内容や、例外についても解説していきますので、是非参考にしてみてください。

就労ビザ取得のためのチェックリストをダウンロードする

賃金支払いの5原則とは

労働基準法第24条に記載されている原則のこと

賃金支払いの5原則とは、労働基準法第24条に記載されている原則です。労働基準法第24条では、労働者にとって重要な「賃金(給料)」の支払い方法についてのルールが設けられています。「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」「賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。」と明記されています。このことから賃金支払いの5原則を読み取ることが可能です。賃金支払いの5原則は労働者の生活安定の為に制定されています。

賃金の定義とは

労働基準法第24条での賃金は、直接労働者に全額を通貨で支払わなければならないと定義付されています。原則として全額通貨で支払う必要がありますが、法令や労働協定において別段の取り決めを行っている場合などは、通貨以外のもので支払うことも可能です。また従業員の過半数が所属している労働組合や労働組合と同等の協定などがある場合には賃金の一部を控除して支払うことも出来ます。しかし違反にならないように、しっかりと確認することが大切です。

賃金支払いの5原則の内容

通貨払いの原則

賃金支払いの5原則は、通貨払いの原則があります。賃金は原則として通貨で支払う必要があり、通貨とは日本の貨幣や銀行券などを言います。その為、自社で製造している商品や商品券を賃金の代わりとして従業員に渡すことは原則認められません。法令や労働協定で別段の定めがある場合には、例外として通貨払いでなくても認められることもあります。2019年には内閣府の会議でデジタルマネーによる賃金支払いが、規制改革事項に決定されたため、デジタルマネーも通貨払いとして対象になります。

直接払いの原則

賃金支払いの5原則において、直接払いの原則もあります。直接払いの原則とは、賃金は原則として労働者に直接支払わなければなりません。これは、企業と労働者の間に第三者が介入し賃金搾取することを禁止する目的があります。その為、アルバイトが未成年であっても親や代理人に支払うことは違法になります。代理人に給料を支払うことは違反になりますが、「使者」に払うことは違反にはなりません。ここでの使者とは、本人から言われたことを伝えるだけの役割を持ち、使者に意思決定は行えません。

全額払いの原則

全額払いの原則も賃金支払いの5原則です。企業の経営状況が厳しいからといって、分割払いは認められておらず全額支払う必要があります。従業員のミスで企業が負った債権と、従業員の賃金を企業が一方的に相殺することも許されていません。但し、賃金から源泉所得税や社会保険料などを差し引くことは違法とはなりません。また労働組合や同等の組織との協定を行っている場合には、全額払いは適応されることはなく、一定の範囲内であれば許容されることもあります。

毎月1回以上の原則

毎月1回以上の原則も、賃金支払いの5原則の一つです。賃金は毎月1回必ず支払わなければなりません。1.5か月に1回や2か月に1回などの変則的な賃金支払いは違反となります。1回以上であれば、月に2回や3回払いでも問題はありません。毎月1回以上の原則は、賃金の支払い回数を定め定期的な支払いを行うことで労働者の生活を安定させることを目的としています。1回以上であれば違反には該当しませんが、複数回に分けて支払う場合は従業員としっかり確認しておきましょう。

一定期日払いの原則

賃金支払いの5原則の一つとして、一定期日払いの原則があります。賃金は支払期日を確定した状態で支払わなければなりません。支払期日は企業で決めることが出来ますが、毎月25日や毎月末日など決まった日付で支払いを行う必要があります。その為、月によって支払日を変更する・25日~31日の間に支払うなど幅を持たせたり月によって日程の変更をしたりすることは出来ません。日程を確定させておくことで、従業員の資金繰りなどがしやすいようにすることを目的としています。

賃金支払いの5原則の例外とは

通貨払いの原則の例外

賃金支払い5原則にも例外があります。通貨払いの原則では、賃金は日本円の現金で支払わなければなりません。しかし労使協定で定めがある場合や、厚生労働省令で定める確実な賃金の支払いに該当する場合は例外が認められています。例外として認められるのは、口座振込や退職金の小切手での支払いです。口座振込は本人の同意があれば問題ありませんが、通勤手当を定期券などで現物支給する場合は労使協定の締結が必要です。外国人労働者に外貨で支払うことは認められていないので注意しましょう。

直接払いの原則の例外

直接払いの原則では、労働者に直接支払うことを前提としていますが、使者に支払うことを例外として認めています。労働者が入院して賃金を受け取ることが出来ない場合などに、労働者の妻が使者となって賃金を受け取り、妻から労働者に賃金が渡ることで直接払いを満たしていることになります。他にも、裁判所の決定により賃金が差し押さえられている場合に、直接差押債権者に支払うことが出来るのも例外の一つです。しかし裁判所の決定が前提の為、勝手に本人以外に支払うことは出来ません。

金額払いの原則の例外

賃金は全額払いが原則となっていますが、法令で天引きが決められている物や労使協定に同意している物などを天引きすることは例外として許可されています。法令で天引きが定められている物は、税金や社会保険料です。これらを給料から控除しても、全額払いの原則違反にはなりません。また企業によっては積立金や組合費など労使協定で事前に同意されている物についても控除する事が認められています。遅刻・欠席分の控除に関しては、全額払いの原則や例外に縛られることはありません。

毎月1回以上払いの原則の例外

毎月1回以上払いの原則の例外は、臨時に支払われる賃金がその対象になります。臨時に支払われる賃金とは、ボーナスや見舞金・結婚手当や退職金などです。臨時に支払われる賃金は支給要件は明確に決まっているが支給時期が明確になっている物ではなく、突発で支給が発生するなどが当て嵌まります。他にも、その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金も例外として認められています。これに準ずる賃金は企業によって有無が異なりますが、皆勤手当や禁煙手当などです。

一定期日払いの原則の例外

一定期日払いの原則として、毎月決まった期日に賃金を支払わなければなりませんが、毎月末日支払や支払日が営業日でない場合に当月の別日に支払うことは許可されています。毎月末日は月毎に日付が変わりますが、一定期日として認められています。また休日なのを理由として、期日以外の日に賃金を支払うことも例外に該当します。しかし末日が休日だからといって繰り下げて支払うことは出来ません。繰り下げたことで賃金の支払いが翌月になると毎月1回以上払いの原則違反となります。

賃金支払いの5原則以外の賃金に関する規定

減給の定めの制限

賃金の支払いの5原則以外の賃金に関する規定は、減給の定めの制限があります。労働基準法第91条に制裁規定の制限が制定されています。就業規則で減給を行う場合、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない事が記されています。その為、遅刻や無断欠勤をした従業員に対して過度な減給を行うことは法律違反となり、処罰される可能性もあります。減給を行うことは出来ますが、制限内で行うことが大切です。

休業手当

休業手当に関する規定も、賃金の支払いの5原則以外の賃金に関する規定です。休業手当に関しては、労働基準法第26条に定められています。第26条では使用者の責に帰すべき事由による休業の場合、使用者(会社)は従業員に対して平均賃金の6割を支払わなければなりません。使用者の責に帰すべき事由とは、従業員は心身や健康に問題なく働くことが出来るにも関わらず会社の都合で休ませることを指しています。休業手当は、会社が休業中の従業員の生活を保障する為の制度です。

給与明細

給与明細も、賃金の支払いの5原則以外の賃金に関する規定です。給与明細書には、給与の詳細などが記されていますが労働基準法では給与明細書の発行は義務ではありません。しかし所得税法第231条では、給与明細書を従業員に交付することが義務付けられています。また社会保険料の金額などは健康保険法第167条で通知することが義務付けられており、法律上では給与明細の発行が必須です。給与明細は企業によって様式が様々ですが、勤怠項目や支給項目・控除項目は共通の記載事項となっています。

賃金支払いの5原則が守られないときの罰則

労働基準法違反により罰金を課される恐れがある

賃金支払いの5原則が守られていない場合に、労働基準法違反によって罰金を科される恐れがあります。労働基準法第24条違反として30万円以下の罰金を科される可能性があります。時間外労働や休日出勤をした従業員に対して、割増賃金の支払いを行っていない場合には罰金だけでなく6か月以下の懲役が処罰の対象となる場合もあります。残業代未払いなどは、労働基準法違反の中でも重い懲役や罰金刑です。悪質だと判断された場合には、書類送検や逮捕される可能性もある為、必ず遵守する必要があります。

労働基準監督署から立ち入り調査を受ける可能性がある

賃金支払いの5原則に違反すると、労働基準監督署から立ち入り検査を受ける可能性があります。労働基準法に違反したからといって、すぐに罰金が科されるわけではありません。賃金未払いなどがあり、従業員から労働基準監督署に申告があった場合はまず調査が行われます。調査では、証拠を押さえる為に事前連絡なく突然監督官が企業を訪問し勤務状況や従業員から聞き取りを行います。法律違反の可能性が見受けられる企業には「指導書」が発行され、明らかな違反があると判断された企業には「是正勧告書」が発行されます。

まとめ

賃金支払いの5原則を守り正しく支給しよう

労働基準法第24条の賃金支払いの5原則では、労働者の生活の安定を確保する為の賃金支払いについての明確なルールが定められています。しかしそれぞれ原則に例外も多い為、違反にならないよう事前にしっかりと確認しておくことが大切です。賃金支払いの5原則に違反した場合には、30万円以下の罰金や6か月以下の懲役が科せられる恐れもある為、十分な注意が必要です。労働分の賃金や残業代を受け取ることは労働者の権利である為、賃金支払いの5原則を守り正しく支給を行いましょう。

外国人・グローバル人材の採用をお考えの企業様へ

事例

「日本語+英語+さらに語学が堪能な社員の採用」「海外の展示会でプレゼンが出来る人材」「海外向けサービスのローカライズ出来る人材」「海外向けWebサイト構築・集客」など、日本語も堪能で優秀な人材へのお問い合わせが当社に相次いでいます。

他社の外国人採用成功事例はこちらからご覧ください。

【無料】就労ビザ取得のためのチェックリストがダウンロードできます!

就労ビザ取得のためのチェックリストダウンロードバナー

グローバル採用ナビ編集部では外国人の採用や今後雇い入れをご検討されている皆様にとって便利な「就労ビザ取得のためのチェックリスト」をご用意いたしました。また、在留資格認定申請書のファイル(EXCEL形式)もこちらよりダウンロード可能です。

こちらのチェックリストはこのような方におススメです!


  1. 外国人採用を考えているがビザの申請が心配。
  2. 高卒の外国人は就労ビザの申請できるの?
  3. どのような外国人を採用すれば就労ビザが下りるの?
  4. ビザ申請のために何を気を付ければいいの?
  5. 過去に外国人のビザ申請をしたが不受理になってしまった…
  6. 外国人材を活用して企業の業績アップを図りたい方。
  7. 一目で分かるこんな就労ビザ取得のチェックリストが欲しかった!


他社での事例やビザ申請の際に不受理にならないようにまずは押さえておきたい就労ビザ取得のためのポイントを5つにまとめた解説付きの資料です。

就労ビザ取得のためのチェックリスト(無料)のダウンロードはこちらから!

ページトップへ戻る
ダウンロードはこちら
ダウンロードはこちら