初頭効果とは?【具体例やマーケティングにおける具体例を紹介します】

記事更新日:2023年11月10日 初回公開日:2023年11月10日

用語集 グローバル用語解説 人事・労務お役立ち情報 グローバル経済
ビジネスシーンや日常では、様々な行動心理学やその効果を利用したものが存在します。例えば知り合いや友人が買ってよかったと言っていたから試しに買ってみよう、というような人が人を呼ぶバンドワゴン効果もその一つです。プレゼンの場や商品デザインにおいて顧客のニーズを捉えることが出来れば、効率よく自社の商品の宣伝を行うことができ、新商品開発の参考にすることも可能になります。今回は色々ある心理効果の中でも、初頭効果について解説していきます。初頭効果について学びたいビジネスパーソンの方は、ぜひ参考にしてみてください。

初頭効果とは

最初に提示された情報に強く影響される心理的傾向のこと

初頭効果とは、最初に提示された情報に強く影響される心理的現象のことです。人間は初対面の人と出会って数秒の間に相手の印象を決めています。最初に感じた印象は強く上書きすることが難しいため、最初の印象が相手の全体の人物像を左右します。初頭効果が働くのは人間だけではなく、物に対しても影響します。高品質で少し高いものと安いけれど質が良くない物があった場合に、価格ではなく品質の高いものを選びたくなる心理が働きます。

アンカリング効果との違い

アンカリング効果は、先に提示された数値の影響で後から提示された数値の判断が歪んでしまう効果です。例えば、価格1万円と書いてあるものよりも、「1万5千円のところ、今なら1万円」と書かれている方が安く感じる心理です。そのため、セール時には元値と併記することで購買意欲を高める効果を発揮します。相場感やお得感を出す際によく使われています。アンカリング効果は初頭効果と同じように、第一印象が強く影響することを利用した効果です。

ハロー効果との違い

ハロー効果とは、見た目や肩書などの目立った特徴に評価が引っ張られてしまう現象のことです。「後光効果」ともいわれ、ハロー効果が左右することで実力以上の評価をもらえる事もあります。目立つ肩書を持っている場合や、受賞歴など誰が見てもわかりやすいような権威を感じやすい情報を提示することで信頼感を高める事に繋がります。そのためハロー効果は、初頭効果と一緒に活用することでより効果的に印象操作を行う事が可能です。

ホーン効果との違い

ホーン効果は、ハロー効果とは反対に悪い所や劣っているところが目立ってしまいそれ以外の評価もその部分に引っ張られてしまう効果のことです。どれだけ素晴らしい成績を収めている人でも清潔感がないと、見た目のイメージに引っ張られてしまいます。また商品でも実際に使っていなくても、使い勝手が悪そう・重たそうなどマイナスのイメージを持たれてしまうと中々購入には至りません。初頭効果を活用するためには、ホーン効果が発生しないように注意する必要があります。

親近効果との違い

初頭効果が有効なのは、興味関心が薄い初対面の人に対してです。初めに興味深い・メリットがあると感じてもらう事で話を最後まで聞いてもらえる可能性が高まります。親近効果は反対に既に一定の興味関心を向けている人に対して効果を発揮します。初頭効果が最初に惹きつけを行うのに対し、親近効果は重要な情報を最後に伝えるようにします。初頭効果と親近効果を組み合わせ印象付きやすい冒頭と最後に訴求したい情報を織り込むことで、より効果を発揮することが可能です。

初頭効果の提唱者

ソロモン・エリオット・アッシュ

初頭効果の提唱者は、ポーランド出身の心理学者ソロモン・エリオット・アッシュです。1946年に印象形成の実験を行っていた時に、初頭効果を実証しました。印象形成とは、人の外見や性格など限られた情報の中で対象となる人物の全体的な印象を形作ることです。アッシュは同じ言葉の並びをポジティブな順番とネガティブな順番に分け、被験者がどう感じたのかを確認する実験を行いました。最初に与えられた情報によって、その人の印象が変わるという事を実証し、初頭効果と呼ばれるようになります。

就労ビザ取得のためのチェックリストをダウンロードする

初頭効果の具体例

他者評価

初頭効果は他者評価で発揮されます。人は他人に会った時に、出会って数秒間の内にその人の印象を無意識のうちに決定しているといわれています。つまり初頭効果によって、初対面の人のイメージを出会って数秒で決定しそのイメージを引きずってしまうのです。そのため、見た目に清潔感がない・服装がきちんとしていないという印象や、不安そうな話し方をしているというイメージを持たれたとします。そうすると話している最中にどれだけ有益な良いことを伝えようとしていても正当に評価されなくなります。

記憶

初頭効果は記憶にも影響しています。テスト勉強を行う際に、英単語や歴史上の人物の暗記をしようと考えてもすべて覚える事は簡単ではありません。defence・basic~desire・prideなどが10個並んでいた場合、英単語の長さや短さに限らず最初と最後にあるdefenceやdesire・prideなどの正答率が高くなります。そのため、何かを記憶しようとするときは、覚える順番などを工夫することによって覚えやすくなる可能性が高まります。

恋愛

恋愛にも初頭効果は影響します。出会った時にとても親切で連絡がマメだと感じた人が、付き合って暫く時間が経つと色々対応が雑になって行ったとします。それでも最初に印象付けられているのが、「親切な良い人」というイメージの為、この人は本当はいい人だと信じ込んでしまうのも初頭効果が影響しています。他にも、付き合う前にデートをした際デート終盤でいい印象付けを行う事で、途中失敗をしていても最後のイメージが強く残るという効果も発揮します。

何かを伝えたいとき

何かを伝えたい時に、初頭効果を活用するといいでしょう。ビジネスにおいては、取引先にメールを送る場合やプレゼンテーションを行う際に結論を先に記載する・重要なことから先に伝えるといった手法が用いられています。これは初頭効果を利用したもので、最初に結論を伝えた方が相手に伝わりやすくなります。重要なことを伝える前に前置きしたくなってしまいますが、先に行ってしまう方が相手の印象に残りやすくなります。最後にまとめとして伝える事も大切です。

初頭効果のマーケティングにおける応用例

デザイン

初頭効果のマーケティングにおいて、デザインでも活用することが出来ます。商品デザインはまず最初に目に入る重要な情報の一つであり、初頭効果が働きやすい部分です。商品だけでなく、企業のHPや商品のWebサイトで初めに表示される画面は、サイトを訪れた人が引き続き閲覧するかどうかを決めるための大事なポイントです。いくら商品やサービスに自信があったとしても、最初の印象であるデザインで躓いてしまうと先に進めません。資格から得られる情報は、商品やサービスの印象を大きく左右します。

キャッチコピー

初頭効果はキャッチコピーにも効果をもたらします。商品やサービスの魅力を分かりやすく表現しているキャッチコピーも、初頭効果を発揮しやすい要素を持っています。商品やサービスの特徴を伝える文言や、興味関心をそそられる様なフレーズを最初に持ってくることで、消費者に対して全体の印象を誘導する効果を期待できます。長々と説明をしてしまうと、興味関心が薄れてしまうのでわかりやすく簡潔にまとめたキャッチコピーが有効です。初頭効果をキャッチコピーで活用するためには、ワード選びが大切です。

セールストーク

セールストークを行う際には、初頭効果を意識しましょう。自社の商品やサービスを相手に紹介・販売する場においても、初頭効果を意識したテクニックを活用することが可能です。初めて見る商品やサービスを紹介する時には、最も訴求したいと考えているポイントを話の初めに持ってくることで最後までその印象を残すことが出来ます。セールストークには、価格など伝えづらい点もありますが最初に強い印象を残しておくことで興味を持ってもらったまま話を進められる可能性が高まります。

口コミ

口コミでも初頭効果を活用することが可能です。商品やサービスの紹介だけでなく、口コミを掲載することで初頭効果を発揮する事が出来ます。実際の実験では、Webサイトの冒頭にネガティブな口コミを記載し商品やサービスの説明があった後、ページ最下部にポジティブな口コミの掲載を行いました。ページをすべて読んだ人は、ポジティブな口コミをより印象的に感じたと述べています。ネガティブな情報の後にポジティブな情報を載せる事で、後から見た情報がより印象に残りやすくなります。

初頭効果と親近効果の使い分け

相手の認知的複雑性によって使い分ける

初頭効果と親近効果は、相手の認知的複雑性によって使い分けることでより効果を発揮します。認知的複雑性とは、物事を多角的に見ることができる能力のことを指しており複雑なことを複雑なまま認知できる人は、認知的複雑性が高いといえます。反対に認知的複雑性が低い人は、物事を極端に判断する傾向にあります。そのため、認知的複雑性が低い人には親近効果を活用するとより効果的に情報を伝える事が可能です。メリットを分かりやすく説明した後に、最もアピールしたいことを最後に伝える事が効果的です。

相手の関心度によって使い分ける

初頭効果と親近効果の使い分けは、相手の関心度によって行いましょう。重要なのは、言葉を伝えたい相手があなた自身にどれだけ関心を持っているかどうかです。相手が説明する商品やサービス・あなた自身に既に関心を持っているのであれば、重要な情報を最後に伝えると効果的です。親近効果が働き、最後に伝えられた情報が説得力を増します。反対に興味関心をあまり示してくれない相手に対しては、話を最後まで聞いてくれる保証がないため最初に重要な情報を伝え初頭効果を狙いましょう。

使い分けずに組み合わせることも効果的である

使い分けずに、初頭効果と親近効果を組み合わせる事でより効果的に活用できます。初頭効果と親近効果は相手の関心度や理解度によって使い分ける事で、効果を発揮しやすくなります。しかし実際には初対面の相手が自分の話や自社の商品やサービスにどの程度興味関心を持っているかは、確信するのは難しいでしょう。そういった状況に効果的なのが、使い分けを行わずに組み合わせる事です。相手に提示する情報の順番を意識することによって、初頭効果と親近効果の両方を狙えます。

まとめ

初頭効果を理解しビジネスに活用しよう

初頭効果の具体例や、マーケティングにおいての応用について解説しました。初頭効果は物事や人に対して最初に提示されている情報が最も人の記憶に強い印象を付けやすくなる、という心理効果です。就職面接の場や営業の場で、「人の印象は第一印象で決まる」と言われているのも初頭効果を意識しています。初頭効果だけでなく、他の心理効果であるハロー効果や親近効果を組み合わせる事によって長い時間恩恵を受けることが出来ます。初頭効果を理解し、ビジネスに活用していきましょう。

【無料】就労ビザ取得のためのチェックリストがダウンロードできます!

就労ビザ取得のためのチェックリストダウンロードバナー

グローバル採用ナビ編集部では外国人の採用や今後雇い入れをご検討されている皆様にとって便利な「就労ビザ取得のためのチェックリスト」をご用意いたしました。また、在留資格認定申請書のファイル(EXCEL形式)もこちらよりダウンロード可能です。

こちらのチェックリストはこのような方におススメです!


  1. 外国人採用を考えているがビザの申請が心配。
  2. 高卒の外国人は就労ビザの申請できるの?
  3. どのような外国人を採用すれば就労ビザが下りるの?
  4. ビザ申請のために何を気を付ければいいの?
  5. 過去に外国人のビザ申請をしたが不受理になってしまった…
  6. 外国人材を活用して企業の業績アップを図りたい方。
  7. 一目で分かるこんな就労ビザ取得のチェックリストが欲しかった!


他社での事例やビザ申請の際に不受理にならないようにまずは押さえておきたい就労ビザ取得のためのポイントを5つにまとめた解説付きの資料です。

就労ビザ取得のためのチェックリスト(無料)のダウンロードはこちらから!

外国人・グローバル人材の採用をお考えの企業様へ

事例

「日本語+英語+さらに語学が堪能な社員の採用」「海外の展示会でプレゼンが出来る人材」「海外向けサービスのローカライズ出来る人材」「海外向けWebサイト構築・集客」など、日本語も堪能で優秀な人材へのお問い合わせが当社に相次いでいます。

他社の外国人採用成功事例はこちらからご覧ください。

ページトップへ戻る
ダウンロードはこちら
ダウンロードはこちら