記事更新日:2023年02月13日 | 初回公開日:2023年02月13日
人事・労務お役立ち情報 採用・求人のトレンド 採用成功事例 グローバル用語解説多くの企業は、社会情勢や人々の価値観の変化に影響を受け、人手不足に陥っています。例えば、少子高齢化により労働人口が減少していることに加え、働き方への意識の変化により転職や早期退職が増加傾向にあることが理由の一つです。さらに、コロナ禍の影響で変化した社会に適応するため新しいビジネスモデルが求められ、さらに多くの人材が必要となる企業もあるでしょう。人手不足のうえにさらなるマンパワーが必要な状態になると、慢性的な人材不足が問題になります。
新卒採用は、一度の採用活動で大人数をまとめて採用できるため、単価が安いです。採用活動にかかる多くの費用は広告費であり、新卒採用の場合は一度の採用活動で多くの学生に認知されます。他にもパンフレットや説明会の会場を手配する費用などの運営費がありますが、採用する人数が多いほど結果的に負担額が減ることになります。対して中途採用はまとめての採用機会は少ないため、新卒採用に比べてコストはかかる傾向にあります。
中途採用は採用時のコストが掛かりますが、経験を積んでいることにより育成費用が安くなります。新卒採用の場合は、ビジネスマナーや必要な業務知識のために手厚い研修が必要とされます。ある程度の業務経験がある中途採用では必要とされる研修が限られるため、それだけ費用は抑えられるでしょう。また新卒採用は、一人前となって働くまでに年単位で時間を要するためその間の給料も発生しますが、中途採用では即戦力となることができます。
企業が現在どんな人材を求めているかにより、適切な採用方法は異なります。例えば、事業戦略のために即戦力となる人材が欲しいのであれば、業務知識を十分に持った中途採用を優先するべきでしょう。ポテンシャルを重視し、企業の将来を担う社員を育てていくことを重視するのであれば、新卒採用が最適です。企業の現状に人材が必要なのか、企業の将来のために人材を育てたいのか、現在の企業の戦略や課題をもとにどちらの採用方法をとるか判断が必要です。
新卒採用は、基本的に長い期間をかけた通年採用がおこなわれ、4月に一斉に入社します。内定を早く出した学生の場合は、入社までに1年近くかかることもあるため、すぐに人材が欲しいといった場合には向きません。しかし、入社までの期間を活用して内定者アルバイトや研修などによりある程度の知識を身につけることはできるでしょう。企業や業務への理解を深めることにも繋がるため、入社後のスムーズな業務への取り組みに活かすことができます。
新卒採用のメリットは、将来の幹部候補となる優秀な人材を確保して自社で育成できることです。育成する期間が長いため、時間をかけて様々な業務の経験で視野を広げ、企業への理解を深められるでしょう。多くの学生が一斉に就職活動をする新卒採用は、中途採用に比べて規模も大きいため、ポテンシャルを持った人材を発見できる可能性が高いです。中途採用の場合は、幹部候補のような人材を採用すると高いコストがかかりますし、他社での経験があるため企業文化に馴染めない可能性もあります。
新卒採用は、柔軟な発想力を持った若い世代を活かすことができるメリットがあります。若手社員は、既存の価値観にとらわれない柔軟さや新しい感覚を持っていることにより社員に刺激を与える存在となります。企業の人材が多様化し、組織の活性化が期待できるでしょう。またベテランの多い企業では、高いスキルを持つ人材が多くてもノウハウを継承できる若手社員がいないといった問題が発生する可能性があります。新しい発想を取り入れながらスキルを身につける新卒社員は、貴重な人材となります。
新卒採用は、採用単価や研修のコストが抑えられるメリットがあります。新卒採用のスケジュールは大体決まっているため見通しは立てやすく、一度に大人数を採用できるため1人当たりの費用が少なく済みます。そのため、新卒採用は効率の良い採用活動と言えるでしょう。また、新卒採用は入社や研修が一斉におこなえるため、大人数を採用したとしても全員を同時に参加させることができるため、中途採用に比べてコストが抑えられます。
新卒採用は、入社後に新入社員と企業との間にギャップを感じやすくなるデメリットがあります。就労経験のない新卒社員は、働くイメージが曖昧なまま入社するため、実際に業務に携わると社会人として求められる責任感に戸惑うことがあります。社会人としてのあり方を理解できずに企業と自分の間に生じたギャップだと感じると、早期離職に繋がる可能性があるでしょう。入社後のギャップを防ぐためには、入社前や入社後の早い段階から、社会について理解を深められるためのフォローが必要です。
ポテンシャルで採用される新卒社員は、会社で活躍できるまでに時間がかかるデメリットがあります。新卒社員は基本的に社会人経験がないため、業務知識がないのはもちろん、社会人として必要なビジネスマナーも知らない状態です。社会人経験を1から会社で積み上げながら業務を覚えていくため、戦力になるには膨大な労力と時間を要するでしょう。即戦力とはならず会社に貢献するには時間がかかるため、企業にとっては先行投資のような採用になります。
新卒採用は景気の影響を受けやすく、その年によって採用できる人数にムラがあるというデメリットがあります。特に、景気が良好なときは求人数が求職者を大きく上回るため、学生が企業を選ぶ立場になります。大手のように名の知れた企業には、自然と学生が集中するため問題はありませんが、新卒採用を始めたばかりの企業は優秀な人材を逃がす可能性があります。新卒採用を始める場合は、単発で行うことは考えず時間をかけて入念に計画し、学生に認知してもらう必要があります。
中途採用の人材は、社会人経験があるためビジネスマナーが備わっており、基礎的な研修が不要なまま即戦力になるというメリットがあります。業務経験者であれば、十分な知識があり仕事の要領がわかっているため、業務に関する教育も必要なくさらに負担は減るでしょう。新卒社員は研修から業務のフォローなど、一人前になるまでは細やかな指導や教育が必要となります。中途社員は早々と活躍することが期待できるため、即戦力が必要な場合には中途採用が最適と言えるでしょう。
中途採用は、採用するまでにプロセスが少ないというメリットがあります。中途の求職者は、会社で働きながら求人を探し、個人のタイミングで転職活動をします。転職エージェントなどを通して企業と接点を持ち、選考を進めていくパターンが多いです。そのため採用までにかかる期間は、最初のコンタクトから内定まで早くて1ヶ月ということもあります。長い時間をかけて準備や選考を進める新卒採用に比べ、少ないプロセスで必要なタイミングで人材を確保できるのは大きなメリットです。
中途採用では、他社での業務経験がある人材を採用することで、新しい視点を取り入れられるメリットがあります。自社と他社では、同じ業界でも異なる箇所が少なからず存在します。中途採用の人材は、業務に携わる中で前の職場との違いに気がつき、改善するべき点がわかるでしょう。中途社員のアイデアを取り入れることによって、これまでに見えてこなかった課題や改善提案が生まれる可能性があります。新しい視点や発想は、企業の成長に大きく貢献するため、中途採用のメリットの一つです。
中途採用は、短期間で転職される可能性があることもデメリットの一つとして挙げられます。好奇心が旺盛で色々な会社で業務を経験したい人や飽きっぽい性格で転職を繰り返すなど、人によって理由は様々です。また、一度転職すると転職するハードルは下がり、何かあれば転職をすればいいと考える人もいる可能性はあります。長く働ける人かどうかを見極めるためには、選考の段階で会社での期待行動とキャリアプランをすり合わせ、双方を理解した上で採用を決定する必要があるでしょう。
中途採用は他社での経験を積んだうえでの入社になるため、企業文化に上手く馴染めないことが懸念されます。スキルを持っていても、前の会社の業務手順や自身のやり方にこだわって、思うように結果に繋がらないことも考えられます。企業になじめず独自のやり方を貫いていると、周囲の社員が振り回され職場の雰囲気が悪くなることもあるでしょう。社員のまとまりがなくなると、業務の質が低下する可能性もあるため、中途採用の人材が企業文化に馴染めないのはデメリットとなります。
中途採用が中心の採用活動になると、若い世代が育ちづらい環境になるデメリットがあります。中途採用は即戦力を求めて採用するため、ある程度の経験を積んだ人材に偏ります。若手社員からすると、入社してくる社員の多くが自分よりも上の年代且つ高いスキルを持っていると、成長の実感が得られず離職を考えるきっかけになるでしょう。若手が育たない環境では、組織に変化がなくなり企業の成長が滞る可能性があります。即戦力ばかりに固執せず、組織全体のバランスを考えて採用することが大切です。
新卒採用と中途採用の違いや、それぞれのメリットとデメリットをご紹介しました。ポテンシャルを重視した新卒採用と即戦力になることを期待する中途採用は、どちらも企業で活躍する一員となります。それぞれの良さを活かすには、採用方法の特徴を理解した上で到達目標や課題を洗い出し、企業の現状に合った採用方法を選択することが必要です。社員がやりがいを持って働くためには、組織全体のバランスを考えながら自社に合った採用活動を行い、企業が成長できる環境を作りましょう。
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