行動規範を企業で浸透させるためのポイントとは【行動指針との違いについても解説】

記事更新日:2022年07月26日 初回公開日:2022年06月27日

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組織においては、一人一人の人間が行動の軸となる明確な考え方を共有している状態を作り出すことが重要となります。特に企業においてチーム全体での生産性を向上させるためには、大切な価値観などを示した行動規範を浸透させる必要があるでしょう。この記事では組織における行動規範を策定することによって得られる効果や、策定する際のポイントについて解説します。現在の行動規範の見直しをお考えのマネジメント層の方や経営層の方は、ぜひ最後までご一読ください。

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行動規範の意味

組織で大切にする価値観などを示したもの

行動規範とは、組織で大切にする価値観などを示したもののことを指します。組織として「ミッション」や「ビジョン」を実現するために必要とされる基準を示しているため、行動規範はミッション・ビジョン・バリューにおける「バリュー」にあたります。組織全体の考え方を言語化した行動規範を定めておくことで、各社員が日々の業務における意思決定の際にも役立ちます。一方で行動規範が浸透していないと、判断の基準が各社員によってブレてしまうことが考えられるため組織力は低下してしまうでしょう。

行動規範と行動指針の違い

行動指針は具体的な行動の基準に落とし込んだもの

行動規範と混合してしまいがちな「行動指針」という言葉がありますが、こちらは行動規範を具体的な行動の基準にまで落とし込んだもののことを指しています。先述の通り、行動規範は大切にすべき考え方や価値観を共有することを目的としています。一方で行動指針はさらに具体的な行動にまで落とし込んだものであるため、これによって社員はさらに自身の行動に自信を持つことができるでしょう。当然ですが、行動指針は行動規範の内容を矛盾することなくしっかりと反映している必要があります。

行動規範を策定することによる効果

社員の主体性が高まる

組織において行動規範を策定することで、社員の主体性が高まるということが期待できます。行動規範が社内にうまく浸透すれば、社員はさまざまな場面において迷わずに意思決定することができるようになります。自信を持って意思決定ができない状態では、そのたびに上司などに確認を取る必要があるため業務に対して消極的になってしまいがちです。行動規範によってそのような状態から脱却し、自身の意思を持って積極的に業務へ取り組んでくれるでしょう。

企業ブランドが強化される

企業ブランドが強化されるということも、行動規範を策定することによる効果として挙げられます。行動規範の内容を社内に浸透させることはもちろん重要ですが、社外にも周知を行いましょう。実際に行動規範を正しく遵守し続けることによって外部からの評価が向上し、企業ブランドが強化されます。企業ブランドの向上は顧客からの信頼だけではなく、人材の新規採用などにおいても良い影響を及ぼします。したがって、行動規範の策定後には社内だけではなく顧客や取引先に対しても積極的な周知を行うようにしましょう。

組織文化が浸透しやすくなる

行動規範を策定することによって、企業全体に組織文化が浸透しやすくなります。組織文化は社内全体に共通する考え方や価値観であるため、行動規範の元に成り立つと言えるでしょう。どの企業にもそれぞれの組織文化がありますが、それが十分に根付いていないというケースも少なくありません。車内の雰囲気などにも大きく影響しますので、より良い組織文化を作り出して社内に広めていくためにも適切な行動規範を策定するようにしましょう。

効果的な人材育成を行える

効果的な人材育成を行えるということも、行動規範を策定することによる効果として考えられるでしょう。行動規範によって価値観などの共有を行うと、組織において目指すべき人材の理想像なども具体的にイメージがしやすくなります。このような明確な指標があることによって、各社員は漠然と業務に取り組むことがなくなり、高いモチベーションを持って能力を伸ばすことができるでしょう。さらに行動規範は社員の教育という観点においても重要な指針となるため、指導を行う立場の人材にとっても必要とされるでしょう。

採用力が高まる

行動規範が明確になっていることで、それにマッチする人材を確保する採用力が高まります。企業の文化や考え方を反映したものであるため、求職者は自身の考え方と擦り合わせてから選考への参加を決定できます。一方で行動規範が明確でない場合やうまく伝わっていない場合は、選考時や採用時においてどこかでミスマッチが発生してしまう恐れがあるでしょう。企業の雰囲気に合った求職者と出会うためにも、行動規範を明確に言語化して発信する必要があります。

離職率が低下する

行動規範がしっかりと浸透することでより企業にマッチした人材が育つため、その結果として離職率が低下するという効果も期待できます。社員が離職してしまうおもな原因として、企業文化との不一致や成長につながらない環境などが挙げられます。行動規範を策定することによって社内の人材育成に大きな影響を与えられれば、社員も自身の成長を期待できる環境となるでしょう。さらに行動規範が浸透すれば、組織全体の文化を理解することにもつながって人材の流出を防げるでしょう。

行動規範の策定におけるポイント

ミッションとビジョンを明確にする

行動規範を策定する際にはまず、企業が掲げているミッションとビジョンをあらためて明確にする必要があります。冒頭でもお伝えした通り、行動規範はミッションやビジョンを実現させるためのバリューに相当するものです。したがって、行動規範を策定するためにはミッションとビジョンを明確にした上で、関連づけて検討する必要があるでしょう。ミッションとビジョンとの連携がうまくできていないと、企業の目標を達成することが難しくなってしまいます。

なるべく簡潔な表現を使う

なるべく簡潔な表現を用いるということも、行動規範の策定における重要なポイントとなります。行動規範は社内のすべての人間を対象としているものであるため、内容が複雑で分かりづらいとその効果を充分に発揮することができないでしょう。単純に文章量が多すぎるというのはもちろん注意すべきですが、使用する言葉などもなるべく簡単なものが望ましいです。どの社員が見ても理解できて、なおかつ常に意識しやすいような簡潔な行動規範を策定するのが理想的といえるでしょう。

行動規範を定着させるためのポイント

業務との関連付けをする

行動規範を組織全体に定着させるためには、それぞれ具体的な業務との関連付けをすることが大切です。行動規範の内容を覚えるということも大切ですが、それを業務における行動決定へとしっかり繋げることが最終的な目的です。行動規範では価値観や考え方を示すことから、少し抽象的な表現になってしまう場合もあります。業務との関連付けをすることで、内容についての理解がより深まるでしょう。実務での実践につながるように、必要に応じてケーススタディなどを実施している企業もありますので、参考にしてみると良いでしょう。

定期的に行動規範を共有する

定期的に行動規範を共有する機会を設けることによって、社内への定着が促進されるでしょう。行動規範は、作成さえすればすぐに全体に広まっていくというわけではありません。比較的長めのスパンでゆっくりと浸透させていくのが一般的であるため、定期的にその内容を社内で共有する必要があります。具体的には社員研修やミーティング、朝礼などのタイミングで共有するのが望ましいでしょう。多くの社員が行動規範を見る機会や聞く機会を増やすことによって、長い期間をかけて確実に浸透させていくことを心がけましょう。

行動規範に反した場合には適切な対応をする

社員が行動規範に反した場合には、企業はそれに応じた適切な対応を取る必要があります。もし行動規範に反する行動があった場合にそれを放置してしまうと、行動規範の実際の効力があまりないと社員は感じてしまいます。行動規範の重要性をしっかりと伝えるという意味でも、行動規範に反する行動に対して経営陣は適切な処置を取りましょう。したがって、行動規範を作成する際にはそれに反する行動が起きた場合の処置や是正の方法などについても同時に決めておく必要があります。

企業における行動規範の例

ローソン

ローソンでは「ローソンWAY」と呼ばれている行動規範が定められています。こちらはグループ理念の実現のために、業務において行動を起こす際に心がけるべき内容を定めたものです。具体的な内容としては「チャレンジを楽しもう」「誠実でいよう」などといったシンプルで伝わりやすいものなどが掲げられています。このほかにもローソンWAYには合計5つの項目が定められていますが、どれも企業の理念やビジョンにつながる内容となっています。簡潔で分かりやすい行動規範を作成する際の参考にしてみると良いでしょう。

トヨタ自動車株式会社

世界的な大企業であるトヨタ自動車株式会社においても、行動規範が定められています。社外へ向けたものと社内へ向けた行動規範が設定されており、企業のHPには社長からのコメントも掲載されています。いくつかの項目がありますが、こちらもやはり分かりやすくてシンプルな表現が多く使用されています。HPから気軽に確認することができるため、参考にしつつも自社にフィットする行動規範となるようにアレンジしてみるのも良いでしょう。

東京ディズニーリゾート

東京ディズニーリゾートでは、全てのゲストが安全に楽しめるということをコンセプトにした行動規範を設定しています。行動基準としてSCSEと呼ばれる4つの要素を掲げており、それぞれ優先順位が高い順に並べられています。4つの項目はそれぞれ「Safety(安全)」「Courtesy(礼儀正しさ)」「Show(ショー)」「Efficiency(効率)」であり、これらを遵守することでゲストが満足することを心がけています。行動規範の中に優先順位をつけることによって、より実践的な場面での意思決定に役立つと言えるでしょう。

まとめ

行動規範によって組織の一体感を高めましょう

行動規範の策定による効果や、社内へ浸透させるためのポイントについて解説しました。現在の行動規範がうまく浸透していないという場合は、簡潔さや分かりやすさを重視してもう一度策定するのも一つの解決方法といえるでしょう。さらに策定後も定期的に社員へ周知活動を行うことによって、確実に定着させることができます。企業のミッションやビジョンを実現できるように行動規範を策定することで、組織の一体感をより高めていきましょう。

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