正社員型派遣とは【企業が活用するメリットや注意点などについて】

記事更新日:2022年02月03日 初回公開日:2022年01月31日

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多くの企業で、社員の流れが流動的であるという悩みはつきものです。重要なポジションで欠員が出てしまったり、新しいプロジェクトで経験者が必要になったなど、適切なタイミングでの人材確保は難しいものです。そのようなお悩みは、正社員型派遣を活用することで解決できるかもしれません。正社員型派遣は、派遣元に雇用されている派遣社員であるため、結果的にコストを抑えながら採用をすることができます。また、任せるポジションやその期間に応じてスポットでの契約も可能なため、企業に合った人材活用ができることが利点です。今回は、正社員型派遣を活用する上でのメリットや注意点をご紹介していきます。御社での人材活用にお役立てください。

正社員型派遣とは

派遣会社の社員として派遣先で就労すること

正社員型派遣とは、企業に雇用されながら派遣先企業の社員として就労する派遣形態を指します。登録型派遣が有期雇用であるのに対し、正社員型派遣は企業と直接契約がある状態のため、無期雇用となります。派遣労働者にとっては、派遣先に入っていない期間でも雇用契約が維持されるので、常に給与を受け取ることのできる安定性がメリットである派遣形態です。技術職や研究職で多く見られ、業種によっては活用価値のある派遣形態であると言えます。

常用型派遣とも呼ばれる

正社員型派遣は、常に雇用されているという形態から、常用型派遣とも呼ばれます。先述の通り、正社員型派遣では派遣先に就業していない期間でも雇用主が給与を支払う義務が生じます。正社員型派遣では、長期に渡るプロジェクトを持つ研究研究機関や、専門性の高い技術職などによく見られます。その他、事務や経理等のバックオフィス系でも多く見られます。また、一部の医療関係を除いて介護や福祉関連でも派遣スタッフの利用が広がっています。

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登録型派遣との違い

登録型派遣は契約期間があらかじめ決まっている

登録型派遣は、契約期間があらかじめ決まっています。派遣契約の期間中のみ派遣先との雇用関係と給与が発生します。派遣登録した時点では、契約期間は開始されておらず、派遣先の勤務初日から契約期間が開始されます。終了した時点で、派遣先との雇用契約が解除されるので、派遣会社への登録のみでは給与は発生しません。そのため、常に仕事をする必要のない人や、短期的に仕事をしたい人に向いています。長期的に働く場合には、別の派遣先と都度雇用契約を結ぶことが必要です。

紹介予定派遣との違い

紹介予定派遣は派遣先での直接雇用を前提としている

紹介予定派遣は、派遣先での直接雇用を前提としている派遣形態です。派遣社員は、派遣先に最大6か月務めたのち、派遣先と直接雇用契約を結び、正社員として勤務します。正社員として勤務するには、派遣先と派遣元双方から合意を得る必要があります。紹介予定派遣は、正社員になる前に半年間務めるので、雇用契約を結んだあとのミスマッチを防ぐことができます。そのため、正社員になりたい派遣社員と、正社員を雇用したい企業双方にメリットのある派遣形態であると言えます。

正社員型派遣を活用するメリット

採用コストの削減

正社員型派遣については、以下のようなメリットがあります。一つは、採用コストの削減です。正社員を雇用する場合と違い、人材は派遣元企業が派遣先にマッチした人材を紹介してくれます。派遣契約が成立すると、派遣先は派遣元に派遣料を払います。通常の雇用よりもすこし割高ではありますが、求人掲載にかかる費用や福利厚生、退職金、社会保険等さまざまな負担を抑えることができるので、結果的にコストを削減することができます。

若年層の採用がしやすい

正社員型派遣は、若年層の採用がしやすいこともメリットの一つです。日本での派遣社員派遣スタッフは、15~38歳までの若年層が60%を占めていることから、ニーズに合った年齢層での採用がしやすくなります。派遣法では、派遣社員として就労できるのは60歳までと決められているため、最高齢でも59歳までとなります。即戦力や社会人経験のある人材がほしい、若い人材を採用して部署の中心を担う人材になってほしいなど、その時のニーズに合わせた年齢の人材を採用するとよいでしょう。

長期的な人材活用が出来る

派遣社員を活用することで、長期的な人材活用ができます。登録型などいわゆる一般派遣では、最大3年間同じ職場で勤務することができます。正社員型派遣では、3年間という期間の定めはありません。そのため、長期的な人材活用ができることもメリットです。また、突発の欠員や一時的なプロジェクトにも対応しやすいという点から、流動的に人材を確保することができます。その時の採用ニーズに合わせて、派遣元と長期のつながりを持つことで、良い人材を紹介してもらいやすくなります。

業務の効率化

派遣社員を活用することによって、業務の効率化がが期待できます。例えば、自社社員のサブ業務の割合が多く、残業が多い場合には、サブ業務を派遣社員に任せることで業務を効率的に行うことができます。また、契約期間を定めることで、繁忙期などに一時的な人員増ができるため、効率的かつコスト削減も両方叶えることができるのです。さらに、自社にはない技術を持った派遣社員を受け入れることで、できる仕事の幅が広がります。

正社員型派遣を活用するデメリット

育成費用がかかる

正社員型派遣を活用する場合のデメリットは、育成費用がかかる事です。自社社員を受け入れる際にも育成コストはかかりますが、派遣社員の受け入れ時にも正社員と同様に育成コストがかかります。職場のルールや、基本業務に対する指導などが必要であり、企業によっては外部研修を受けさせることもあります。派遣社員の受け入れは、短期間や複数名の受け入れも可能なことから、その都度育成が必要です。派遣社員だからといって育成の必要がないというわけではありませんので、ご注意ください。

帰属意識が薄い

正社員型派遣では、帰属意識が薄くなるというデメリットもあります。従業員は、雇用企業の中で働くのではなく、常に派遣先に常駐するため、職場が派遣先になります。その結果、自社とのつながりが薄くなり、帰属意識が薄くなってしまうのです。帰属意識の低下は、自社からの業務指示の無視や離職にもつながるため注意が必要です。雇用企業側では帰属意識が薄い社員の管理が難しく、帰属意識を維持させるために定期的な帰社日を設けるなどの対策が必要です。

正社員型派遣を利用する際の注意点

信頼できる派遣会社を選ぶ

正社員型派遣を利用する際は、信頼できる派遣会社を選ぶことがポイントです。派遣元企業は、派遣許可番号を持っていないと派遣事業を行うことができません。無許可事業主からの違法派遣を受け入れた場合、「労働契約申込みみなし制度」の対象になります。これは、違法派遣を受け入れた際、派遣先企業は派遣元と同じ労働条件で派遣社員を直接契約する申し込みをしたとみなし、派遣社員と直接契約する義務が生じる制度です。派遣社員がこれを承諾した場合、派遣先との直接契約が成立します。なお、派遣先が違法派遣であると知らずに派遣を受け入れた場合は適応外となりますが、トラブル防止のためにも信頼できる派遣会社と契約しましょう。

労働者派遣法で禁止されている業務をさせない

労働者派遣法では、業務の特性上、一部禁止されている業務があります。建設業は何層にも下請けが存在し、雇用関係が不明瞭になりやすいことから禁止されています。港湾運送業務は作業量が日によって差があるため、港湾では独自の労働力の供給制度が整備されており、人材派遣は不要です。警備業務では、警備法により自らの判断において業務を遂行することが定められています。このようなルールを守るため、正社員雇用を基本としており、派遣社員の受け入れは禁止です。病院などでの医療関係業務は、介護等一部の職種を除いて禁止されています。病院は、チーム医療であるため、派遣元が派遣社員の変更や選定を行う派遣契約では、チーム医療に支障が出るためです。労働者派遣法で禁止されている業務をさせると違法派遣となり、これも、労働契約申し込みみなし制度が適応されます。

自社の社員と平等に扱う

派遣法により、正社員と非正規社員との差をなくす取り組みが行われています。派遣先では、契約内容と違う業務を任せる場合には、派遣元の合意が必要であるという点を押さえておきましょう。職場環境においては、派遣社員だからといって、差別的に扱うと問題になりやすいので注意しましょう。たとえば、派遣社員には社内共有事項が回ってこない、社内の共有スペースや備品の利用が制限される、不当に雑用ばかりを任せるなどです。差別的な扱いは、派遣労働者の精神的ストレスにつながり、場合によっては契約期間の満了まで就業ができなくなるケースもありますので、派遣先企業は配慮するべき点であると言えます。

正社員型派遣を行なっている派遣会社

テンプスタッフ

正社員型派遣を行っている人材派遣企業で、代表的な二社を紹介します。まず一社は「テンプスタッフ」。国内最大級の人材事業を展開する、パーソルのグループ会社です。人材ビジネスではナンバーワンの実績を持っており、掲載求人数は約40万件と、圧倒的な掲載数を誇ります。事務系の求人が豊富で、時短勤務やテレワーク等派遣スタッフのライフスタイルに合わせたサービスを展開していることから、女性スタッフに強いのが特徴です。

マンパワーグループ

二社目は、「マンパワーグループ」。マンパワーグループは、日本で最初の人材派遣企業です。人材派遣で50年以上の歴史とノウハウを持つ大手企業です。こちらも事務系の求人が全体の50%を占めていますが、次いでIT系の求人も多く、より幅広い業種に対応しています。全国展開しているため、地域によってまた、掲載される求人の約3割が紹介予定派遣・正社員の求人となり、ゆくゆくは正社員雇用を目指す派遣スタッフと法人にもおすすめです。

正社員型派遣の例

エンジニア

正社員型派遣では、エンジニアや研究職でよく見られる形態です。エンジニア職では、短期~長期のプロジェクトまでさまざまです。特に元請け企業等ではプロジェクトが並行で進んでいるため、自社のみでの人材捻出が難しく、人手不足と言われています。そのため、即戦力の人材を必要な期間だけ契約できる正社員型派遣が広く活用されています。業務委託の形態もありますが、機密情報保護や人材管理の観点から、業務委託や二次請け、三次請けが好まれない場合に正社員型派遣が活用されます。

研究職

研究職も正社員型派遣に多い職種です。研究職は、長期に渡るプロジェクトが多く、それゆえに、立ち上げ時には経験豊富な人材が必要です。研究テーマは多岐に渡り、より専門的な技術を持った研究者を集める必要があります。また、研究は長期に渡ることから、研究者が途中での離脱することも考えられるため、派遣スタッフの活用は欠員に対応しやすいというメリットもあります。このような点から、研究職では正社員型派遣が活用されています。

まとめ

正社員型派遣を利用して企業を活性化させよう

今回は、正社員型派遣についてご紹介しました。正社員型派遣を利用することで、即戦力を採用したり、スポットで必要な人材や、欠員などタイミングごとに流動的な人材確保が可能になります。コストも抑えながら人材の採用をすることができるなど多くのメリットがありますので、ぜひご検討ください。派遣スタッフの受け入れには、受け入れ側もいくつか注意すべき点もありますが、総括してメリットの多い派遣形態になります。正社員型派遣を利用して、企業を活性化させていきましょう。

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