記事更新日:2024年06月12日 | 初回公開日:2024年06月12日
用語集 グローバル用語解説 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報オープンカンパニーとは、学生に対して企業情報を提供するイベントのことです。学生のキャリア形成支援プログラムの一種で、各企業や業界に関する情報提供を行うことが目的とされています。企業だけでなく、大学のキャリアセンターや就職情報サイトが主催することもあります。大学が開催するオープンキャンパスの企業版とすると、イメージが湧きやすいでしょう。基本的には座学が中心となっており、学生の企業への理解促進を促します。
オープンカンパニーと似ている言葉で、インターンシップという言葉があります。これらのオープンカンパニーとインターンシップは、対象年次が異なります。オープンカンパニーは、対象年次が決まっておらず、全学年が対象となっています。一方で、インターンシップは、基本的に高学年が対象とされています。インターンシップにも2種類あり、凡用的能力・専門活用型インターンシップは大学3・4年生が対象で、高度専門型インターンシップは大学院生が対象です。
オープンカンパニーとインターンシップの違いには、実施目的が異なることも挙げられます。オープンカンパニーは、学生に対して情報提供することが目的とされています。一方で、インターンシップは実務体験が伴っており、学生が自身の適性や進路を見極めることが目的にあります。座学だけのものがオープンカンパニーであり、学生が頭を使って物事を考えるプログラムが混ざっているのがインターンシップです。そのため、インターンシップは複数の日程を要することが多いでしょう。
オープンカンパニーの開催方法には、対面とオンラインがあります。対面での開催は、直接学生と会うことができるので、リアクションを確認しながら進めることができます。オンラインであれば、場所を問わず視聴することができるので、遠方に住んでいる学生も参加でき、より多くの学生に情報提供が行えます。参加するハードルが低いのは、オンラインかもしれません。対面とオンライン、それぞれのメリットがあるので、開催する際には自社に合った方を選びましょう。
オープンカンパニーの実施期間は、1日が一般的です。半日開催のものも多く、短期間で終わらせることが多いでしょう。学生が学業との両立をしやすくするため、昼間だけでなく、平日の夕方や夜間に実施されることもあります。より多くの学生に情報提供するために、適切な実施日や時間を選ぶことが重要です。最近では、オンタイムでの実施に加えて、オンデマンドのものも増えています。学生が自分のタイミングで視聴できるので、こちらも活用すると良いでしょう。
オープンカンパニーのメリットには、低学年とも接点が持てることが挙げられます。オープンカンパニーは、修士・博士問わず、全ての学年の学生が対象となっています。そのため、本格的に就職活動をしている年次の学生以外にもアプローチをかけることができます。早いうちから企業を知ってもらえると、企業の知名度向上にも繋がるでしょう。彼らが就職活動をし始めた際に、自社を選んでもらえる確率も高くなるので、低学年から接点を持つことは大切です。
若手社員の育成に繋がることも、オープンカンパニーのメリットです。オープンカンパニーでの企業説明や座談会に、若手社員が積極的に参加すると、自身の仕事を見つめ直すきっかけになるでしょう。どのような仕事をしているのか、どういったメリットがあるのか、社員自身も再度確認することができる良い機会になります。自身が行っている仕事の重要性が分かると、仕事に対するモチベーション向上にも繋がってきます。若手社員が積極的に業務に参加することが期待できるでしょう。
オープンカンパニーには、自社の魅力を直接伝えられるというメリットもあります。対面でもオンラインでも、直接社員の言葉で学生に魅力を伝えることができます。文字だけでは伝えられない熱量も伝えられるので、より学生に訴えかけることができるでしょう。パンフレットやwebのサイトには載っていない、オープンカンパニーならではの情報を盛り込むことによって、学生の満足度向上も期待されます。より詳しく企業紹介することを心掛けましょう。
オープンカンパニーでは、取得した情報を採用活動で活用できないことを注意しておきましょう。オープンカンパニーは、あくまで企業の情報を学生に提供することが目的です。情報活用は、本来の目的と異なってしまいます。そのため、学生の情報を他の採用活動に繋げることは禁止されています。取得した情報を採用活動に活用できるのは、インターンシップに限ります。取得した情報を採用活動で使用したいのであれば、インターンシップの開催も検討しましょう。
オープンカンパニーの注意点には、学生個人とのやり取りができないことも挙げられます。オープンカンパニーは、大勢を対象に情報提供することが一般的です。そのため、学生一人ひとりとコミュニケーションを取ることは難しいことを注意しておきましょう。参加者の中に優秀な学生がいたとしても、1人だけにアプローチをかけることはできません。十分に魅力が伝えきれない可能性もあるので、少人数でのやり取りができる場を設けるなど、工夫をすることが大切です。
オープンカンパニーで盛り込むべき内容には、業界や職種についての説明が挙げられます。オープンカンパニーは、学年を問わないので、低学年でも参加することができます。そのため、就職活動をし始めた学生や、なんとなく聞きにきた学生も多いでしょう。自社の説明はもちろんのこと、どのような業界に属しているのか、またどのような仕事をするのかの説明は必須です。基本的なことから説明すると、学生も想像がしやすいかもしれません。
座談会も、オープンカンパニーで盛り込むべき内容です。実際に現場で働いている人の声を聞けるのは、学生にとっても有意義な時間になります。よりリアルな声を聞けるため、学生も実際に働いている姿を想像しやすくなるでしょう。複数の社員に協力してもらえれば、より少人数での座談会を開催することができます。少人数の方が学生へのアプローチもしやすくなります。また、社内の雰囲気を知ってもらえるきっかけにもなるでしょう。
オープンカンパニーで盛り込むべき内容には、質疑応答も含まれます。一方的な説明だけでは、学生の疑問は解消されません。説明をしている中で、学生の中でも質問がたくさん出てくるでしょう。そのため、質疑応答の時間は長めにとっておくことをおすすめします。学生が業界や企業への理解を深めるための貴重な時間なので、自身の体験などを交えて回答してあげると良いでしょう。予想していなかった質問をされることもあるので、間違った情報や誤解を生まない回答を行うことは注意すべき点です。
職場見学も、オープンカンパニーで盛り込むべき内容になります。職場見学は、学生が企業の理解を深めるための効果的な手段です。オープンカンパニーでは、インターンシップのような職業体験は行いませんが、職場見学を行うだけでも十分に会社の雰囲気を感じることができます。普段働いている場所や会議室を見学することで、入社後に自分がどのように働くのかイメージしやすくなるでしょう。自社の魅力を発信する良い機会になります。
オープンカンパニーで盛り込むべき内容には、ワークショップも挙げられます。オープンカンパニーは座学が中心ですが、自分の頭で考える時間を設けることによって、学生の企業への理解促進を促すことができます。具体的には、自己分析ワークやビジネスコミュニケーションワーク、企業理解のためのワークなどが挙げられます。学生が主体的に参加できる場があることで、企業の魅力がより伝わりやすくなるでしょう。業界理解や企業理解のための時間として活用するのがおすすめです。
トヨタ自動車株式会社では、オープンカンパニーを実施しています。トヨタ自動車では、技術系と事務系の2種類のオープンカンパニーを開催しています。文系と理系の学生が、それぞれ自分の分野に合った説明を聞くことができるのが特徴的です。トヨタ自動車のオープンカンパニーは、全てオンラインで開催しているので、遠方の学生でも参加することができます。技術系のオープンカンパニーでは、ワークショップと座談会を設けており、企業理解を中心に行っています。
オープンカンパニーを導入している企業には、エス・エー・エス株式会社があります。エス・エー・エス株式会社は、金融・流通・クレジット業務を中心としたシステム構築およびコンサルティングを行う会社です。オープンカンパニーでは、IT業界に興味がある初心者向けのものを開催しています。企業だけでなく、業界理解を深めるためのワークショップを取り入れているのが特徴的です。その他にも、若手エンジニアとの座談会やオフィス見学、学生同士の交流会などを設けています。
今回の記事では、オープンカンパニーについて解説しました。オープンカンパニーは、参加者に制限がないため低学年とも接点を持てることがメリットです。また社員の育成にも繋がります。一方で、オープンカンパニーで得た情報は採用活動に活用できないことは注意しておきましょう。ただの説明会だけでなく、座談会やワークショップを組み込むことによって、自社の魅力を存分に学生に伝えられる良いきっかけになります。ぜひ、企業理解促進のためのオープンカンパニーを考えていきましょう。
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