記事更新日:2023年03月22日 | 初回公開日:2023年03月03日
外国人採用・雇用 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報 グローバル用語解説評価制度における近年のトレンドとして、役割主義による評価を行うということが挙げられます。役割主義とはその名の通り、社員それぞれのが担う役割によって評価を行う制度のことです。これまでは、成果を重視する人事評価が主流とされていました。役割主義による評価を行うことで、公平な評価を行いやすくなるのがメリットです。人事評価を公平に行うことが社員の満足度にもつながりますので、役割主義による評価は今後も広まっていくでしょう。
評価の対象となる期間が短いということも、近年の評価制度におけるトレンドのひとつです。これまでの評価制度においては、1年や半年といったスパンで評価を実施する企業が多い傾向にありました。理由としては、一定期間における成果を評価のおもな基準としていたためです。先述の通り、近年では役割主義が評価精度のトレンドとなっています。与えられた役割に対する社員の行動を正しく評価するにあたって、なるべく短いスパンで評価を行う必要があるのです。
評価の基準や結果について可視化するということも、近年の評価制度のトレンドといえるでしょう。これまでの評価制度においては、評価基準や評価結果の詳細については非公開としている企業が多い傾向にありました。一方、近年ではそれらの情報を社員に開示する企業も増えてきています。評価制度に関する情報を開示することによって、社員からの納得を得やすくなるというメリットがあります。情報の可視化に役立つツールなどもうまく活用することによって、社員も納得のいく人事評価を実施できるでしょう。
評価制度にトレンドを取り入れることによって、優秀な人材の獲得に役立つでしょう。トレンドを取り入れて時代に沿った評価制度は、従来の評価制度よりも公平な評価を下すことができます。トレンドを取り入れていない従来の評価制度の場合、能力の高い人材が評価に不満を抱いて退職してしまうケースも考えられます。特に今後はビジネス環境が大きく変化していくことが予測されるため、年功序列ではなく常に新しいスキルを身につけていける人材を正しく評価する制度が求められるでしょう。
組織全体の生産性が向上するということも、評価制度にトレンドを取り入れることによる大きなメリットといえるでしょう。先述の通り、トレンドに沿った評価制度を行うことで優秀な人材の確保にもつながります。それと同時に、正しい評価を行うことによって、能力の低い人材が明らかになるというケースも考えられます。そうした人材に対して異動や研修といった対応をとることによって、より生産性の高い組織を目指すことができるでしょう。
評価制度にトレンドを取り入れることによるデメリットとしては、ベテラン社員が不満を抱く恐れがあるということが考えられます。従来とは異なる評価基準によって評価を行うと、これまでよりも評価が下がってしまう社員も当然います。特にこれまで年功序列によって高い評価を得ていた社員は、大きな不満を抱いてしまうことも考えられるでしょう。評価基準や結果について、社員がなるべく納得のいくように説明をするように心がけましょう。
評価制度にトレンドを取り入れる際には、失敗した場合のリスクが大きいということもデメリットとして認識しておきましょう。新たな評価制度を導入したものの、社員からの納得が得られなければ成功とは言えません。また、うまくいかなかったからといってすぐに制度を変更すると、社員からの信頼が薄れてしまう恐れもあるでしょう。したがって、評価制度に新たなトレンドを取り入れる際には、いきなり導入するのではなく慎重に検討を行うようにしましょう。
評価制度におけるトレンドの手法のひとつとして、リアルタイムフィードバックというものがあります。リアルタイムフィードバックとは、短いサイクルで社員へのフィードバックを行う評価制度の手法です。一般的には1週間から2週間程度のスパンでフィードバックを行うため、現状を考慮した目標や課題を設定しやすいというのがメリットです。フィードバックを得る回数が単純に増えるため、社員のモチベーションや生産性の向上といった効果も期待できるでしょう。
ノーレイティングも、近年の評価制度におけるトレンドの手法のひとつです。ノーレイティングとは、社員のランク付けをせずに評価を実施するという手法です。従来の評価制度においては、年度単位などで評価を行うのが一般的です。それに対してノーレイティングでは、年度単位ではなくリアルタイムで目標設定や評価を行います。従来の評価制度よりも細かい要素まで評価対象としやすいのがメリットですが、評価を担当する上司の負担が増えてしまうというデメリットもあります。
評価制度のトレンド手法に、コンピテンシー評価という手法があります。コンピテンシー評価とは、企業が求める社員像にもとづいて、その特性と評価対象の社員を比較してする評価制度です。理想として設定する社員像は、実際に勤務している社員となる場合もあります。コンピテンシー評価は、評価基準が明確で評価しやすいのがメリットです。対象となる社員の働く環境などに合わせて、適切な人材像を設定することが重要なポイントとなるでしょう。
バリュー評価も、評価制度におけるトレンド手法として挙げられます。バリュー評価とは、企業が設定しているバリュー(行動基準)をどの程度実践できているかという点を評価指標とする手法のことです。バリュー評価を実施することで、社員が企業方針に沿った行動を取れているかということを評価できます。具体的な数値で評価することが難しいというデメリットもありますが、企業のバリューを浸透させるという点においても効果的な手法です。
評価制度のトレンド手法として、OKRという手法も挙げられます。OKRとは組織の目標と個人の目標をリンクさせて、その達成度について評価を行う手法です。全体目標と個人目標をリンクさせることで、目標達成に対する認識を明確にしやすいというのがメリットです。一方で、複数の部門を担当する社員は目標管理が難しくなるということも考えられます。社員の負担を増やしすぎないようにしつつ、適切な評価を行うようにしましょう。
評価制度にトレンドを取り入れる際には、導入プロセスを明確にしておく必要があります。評価制度を導入するにあたって、新しいルールや報酬制度との連携などが必要となります。さらに、評価者の研修が必要となる場合なども想定されるでしょう。そういった連携や準備にかかる期間を見据えておかないと、評価制度の導入に失敗してしまう可能性が高いです。評価制度のトレンドを取り入れるだけではなく、導入やその後の運用まであらかじめ検討しておくようにしましょう。
評価制度にトレンドを取り入れる際のポイントとして、企業のビジョンとマッチしてるか検討するということも重要です。企業によって掲げているビジョンはさまざまであるため、適している評価制度も当然異なります。業務にスピード感を要するのか、それとも企業理念に沿った慎重な行動を求めるのかなどの例が考えられるでしょう。単純にトレンドの評価制度を取り入れるだけではなく、自社の風土に合うように工夫する必要があります。
メルカリでは、2021年2月に人事評価制度が刷新されました。それまではノーレイティングや絶対評価などを実施していましたが、新たな評価制度では「グレード」と呼ばれるものを基準に評価を行なっています。グレードとは、メルカリが企業として社員に対して求めることを明確にしたものです。このグレードに対して、業務の成果と行動のふたつの観点から評価を行っています。これまでの人事評価制度を、トレンドなどを加味しながら少しずつ改善していった結果となっています。
アドビシステムズは2012年に「チェックイン」と呼ばれる評価制度を導入したことで、離職率を減少させることに成功しました。チェックインとは、面談を通じて上司と部下の関係を構築していくことによって社員の成長を促進する制度です。頻繁にコミュインケーションをとる場を設けることによって、安心感や社員の成長にもつながります。短期間における社員の行動を評価できることから、近年のトレンドをおさえた評価制度のサポートにもなるでしょう。
GMOインターネットグループでは、社員の等級ランクを公開しています。等級ランクは給与とリンクしていることから、同僚などの給与が分かるということになります。他部署を含む匿名の360度評価により等級ランクが決まり、その結果として社員の不満が減って納得感のある評価制度が運用されています。このように社員からの納得を得やすい評価制度が実現できるという点が、評価の可視化がトレンドとなっている理由と言えるでしょう。
評価制度のトレンドや、具体的な手法についてお分かりいただけたでしょうか。新たなトレンドを取り入れて運用することは簡単ではなく、うまくいかないケースも十分に考えられます。これまでの評価制度を全て新しくするのではなく、社風や企業理念をうまく反映しながらトレンドを取り入れる必要があるでしょう。評価制度のトレンドをうまく取り入れることによって社員の満足度を向上させ、生産性の高い組織を目指していきましょう。
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