選考辞退・内定辞退を防止する方法【起きる理由と対策も】

記事更新日:2020年06月06日 初回公開日:2019年09月06日

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これから採用しようと考えていた応募者から、選考辞退の連絡が来てしまったことはあるでしょうか。ほとんどの応募者は、より良い条件の内定を取りたいと考えています。そのため、応募者が企業を見る目はとてもシビアになり、他社の方が良いと思ったら、あっさり内定を辞退してしまう可能性があるといえるでしょう。就職みらい研究所の調査によると、2019年卒の就活生の98.2%が「内定辞退をした経験がある」と回答しています。選考中に辞退されてしまうのは、企業にとって頭の痛い問題ですよね。とはいえ、今後は応募者ではなく自社のお客様となる可能性だってあります。そのため、採用担当者には、将来を見据えた冷静な対応が求められることは言うまでもありません。ここでは、選考辞退が起こる理由や、選考辞退の対処法について見ていきましょう。

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選考辞退とは

就活生から突然の選考辞退

現在の新卒採用市場は、就活生側の売り手市場となっています。そのため、就活生は複数の応募企業を比較し、より良い条件の企業を選択することになるのです。また、転職のハードルも下がっており、自社への誇りを持って長年勤めてもらうのは、困難を極めるといって良いでしょう。もし、選考辞退が連続して起こっているようであれば、選考方法や内定後のフォローに問題があるかもしれません。応募者の心理を理解し、選考辞退を防ぎつつ入社まで導くことが、採用市場における勝利であるといえます。

企業へのダメージも大きい

エン・ジャパンの「人事のミカタ」が行ったアンケート調査によると、2016年に中途採用を行った企業のうち83%から選考辞退があった、との結果が得られました。また、そのうちの半数は、以前よりも選考辞退の発生数が増えた、と回答しています。求職者の売り手市場化が進んでいる今、良い人材の確保は企業にとって重要な問題。事情があって辞退するのは仕方がありませんが、中には連絡なく面接に現れないというケースも。企業は面接のために時間を空けているため、こうしたドタキャン辞退をされてはたまったものではないでしょう。採用担当者は、選考辞退はある程度の確率で起こり得るものと想定して、冷静な判断を下すことが求められます。

選考辞退が起きる理由

他社で内定を獲得した

応募者が選考辞退する理由の一つに、他社と比較検討してより良い企業を選ぶケースが挙げられます。通常、転職者や新卒就活生は複数の企業にエントリーしています。その中から、最も魅力的な仕事内容や条件を提示してくれる企業を選ぶのは、当然のことといえるでしょう。選考が進んでくると他社から先に内定通知が届く場合もあるので、辞退の連絡が来る可能性も高くなります。他社との条件の違いは確認のしようがないため、一定数の選考辞退は仕方がないものと考えておくのが無難でしょう。

ネット等でよくない噂を聞いた

現代の若年層は、幼い頃からインターネットを活用している世代です。就職活動においても、情報収集から応募までインターネットで全て行うことができます。こうした社会環境では、ネット上で自社を批判するような投稿が載せられる可能性も否定できません。例えば、かつて勤務していた従業員が、ネット上で自社の悪口を投稿する、ということも考えられます。ネット上では信憑性に欠ける情報があふれ返っているため、投稿内容が嘘であることも多いです。ただし、応募者は企業の情報に敏感になっているため、ネット上で良くない噂を耳にして辞退を決めてしまう可能性もあるでしょう。

選考辞退がもたらすデメリット

採用計画に狂いが生じる

応募者からの選考辞退は、企業の採用計画にも大きく影響します。社員の採用には、時間や人件費に加えて、求人媒体への掲載料など多くのコストが発生します。選考中や内定後に辞退されると、これらのコストが全て無駄になってしまう場合も考えられるでしょう。採用活動をやり直すことで、会社説明会を再度実施したり、役員面接の日程を調整したりと計画に狂いが生じてしまいます。特に内定が決まっていた場合は、採用担当者の時間が奪われ、大きな徒労感を抱えることになるかもしれません。

優秀な人材を逃しやすい

優秀な人材は、当然他社からも求められています。例えば、書類選考に一週間ほどかかる企業では、選考が終わる前に他社からの内定が出る場合が少なくありません。そのため、選考後のオペレーションが確立されていないと、優秀な人材を逃してしまうことになりかねないのです。優秀な人材ほど、他社からも内定をもらう確率は高いものです。書類選考後の連絡を早くするなど、人材獲得の機会を逃さない工夫が必要といえるでしょう。また、内定者には研修の日程を早めに伝えてあげるなど、辞退を防ぐ取り組みが大切になります。

他の新入社員へのシワ寄せ

選考中や内定後に辞退の連絡が来ると、採用活動が長引くことになります。特に、入社直前になって辞退の連絡が来た場合、インターンが実施できなくなったり、新入社員研修にシワ寄せがいくこともあるでしょう。そのため、他の新入社員の日程にも影響が出てしまう場合があるのです。また、大手企業では2月の後半に不足している分を補欠で採用する場合があります。そのときに大手から内定をもらった学生が辞退の連絡をする場合もあるので、十分注意しましょう。

選考辞退の主な種類

書類選考中の辞退

月間「人事のミカタ」は、約4800人の求職者に、これまでに書類選考中に辞退したことがあるかを調査しました。その結果、「ある」と答えた人は54%に上ったのです。書類選考中に辞退を決めた理由で特に多いのが、「応募後に再考し、希望と異なると判断した」「ネット上で良くない評判や噂を聞いた」というもの。書類選考中の辞退は、応募者側が自分で判断して決めるものです。企業にとっては対策が難しく、ある程度の人数はこの段階で辞退するものと想定しておいた方が良いでしょう。

書類選考後の辞退

書類選考後に辞退する理由としては、他社からの内定を得たということであったり、ネット上で良くない噂を聞いたりということが多いです。また、面接に臨むことが決まった途端に応募先の企業で働く自信が無くなったり、日程連絡の際に企業側の応対が悪かったりといったことも要因となるでしょう。応募者は企業のちょっとした応対にも敏感に反応します。連絡時間にも細心の注意を払ったり、応対スキルを向上させたりといった努力が、選考辞退を減少させる鍵となるでしょう。

面接前のドタキャン辞退

近年増えている辞退のタイプとして、面接前のドタキャン辞退が挙げられます。面接前日や当日のドタキャン辞退、またはすっぽかし辞退とも呼ばれます。ドタキャンする理由として多いのが、「体調が悪かった、事故などの不測の事態が起きたため」、「他社からの内定をもらった」というもの。特にすっぽかし辞退は、応募者の事故や事件の可能性も考えられるため、企業にとっては非常に不安を感じるものです。社会人としてあるまじき行為ですが、こうした突然の辞退が起きる可能性も念頭に入れておきましょう。

選考辞退の対策や対処法

求職者からの質問には答える

求職者は、これから入社しようとする企業がどんなところかをとても気にしています。メールや書類で企業へ質問をしたときに、企業側から回答が無いと、それだけで疑心暗鬼になってしまい、他の企業を選んでしまうということも。企業側は、応募者からの質問にはできる限り丁寧に答えるように努めるのが良いでしょう。こうすることで応募者の心理的な不安を和らげ、選考辞退に繋がる可能性を減らすことができます。一般的に、質問のやりとりを繰り返した応募者ほど、辞退しない傾向があるといわれます。

書類選考のスピードを上げる

現在の採用市場では、応募者は複数の企業にエントリーしています。自社が内定を出すよりも早く、他社から内定が出て選考辞退に至るケースは少なくありません。優秀な人材を確保したい場合は、他社に先んじて選考を進めることが必要不可欠であるといえるでしょう。書類選考の通過の連絡であったり、面接日程の連絡だったりと、レスポンスのスピードを速めることで就活生の不安を取り除くようにしましょう。選考プロセスが遅くなりがちな企業は、知らないうちに採用機会を損失しているかもしれません。

マナーを守ったメール・電話を

採用機会を逃す企業が犯しがちなミスとして、メールや電話のマナーの低さが挙げられます。書類選考の通過連絡など、応募者とのやりとりで態度が悪かったりすると、応募者からの印象が悪くなってしまいます。特に、採用機会を逃しやすい企業は無意識のうちに、上から目線の態度がにじみ出たり、メールの文面が横柄になったりしがちなので注意しましょう。また、メールの誤字脱字が多いと、「この企業は大丈夫なのだろうか」と応募者に不安を感じさせてしまいます。

求人情報の見直しを行う

自社への応募者が最初に目にするのは、求人サイトなどに掲載されている求人情報です。最低限の情報しか書かれていないものよりも、より具体的に書かれている求人情報の方が、応募者も興味を抱くでしょう。特に、応募者が気にする給与や賞与であったり、勤務時間や残業だったり条件面の情報は多く盛り込むようにしておきましょう。具体的な情報が書かれているとミスマッチを抑制でき、応募者からの選考辞退が起こる可能性を減らすことが期待できます。

採用代行を利用する

採用業務は、エントリーの対応であったり、面接日程の調整・連絡だったりと多岐に渡ります。特に、企業の規模が大きくなるほど対応する応募者の数も増えるため、多くの時間を費やさなければなりません。これらの採用業務をスピーディーにするため、採用代行サービス(アウトソーシング)を利用してみてはいかがでしょうか。採用代行を利用することで、業務の工数を削減でき、選考中の応募者や内定者へのフォローに多くの時間を割くことができるようになります。

深夜や休日の連絡を避ける

書類選考の通過や面接日程の連絡は、できるだけ早い方が良いのは言うまでもありません。ですが、早く連絡したいと思うあまり、深夜や休日に連絡するのは良くないでしょう。特に、深夜に連絡してしまうと、応募者からの印象が悪くなりやすいです。また、深夜や休日に連絡すると、休みなく働かされるブラック企業なのではないか、と不安を与えてしまう場合が少なくありません。応募者への連絡は、余裕を持って、平日の昼間にしておくようにしましょう。

面接前日に最終連絡をする

ごく稀に、応募者の中には、面接当日にドタキャンやすっぽかしをしてしまう人もいます。当日のドタキャンは、他の応募者のスケジュールにも影響を及ぼす可能性がありますし、企業にとって日程が狂うなどの損失も出てきます。そこで、面接前日にメールや電話で連絡を取ってみるのが良いでしょう。前日に連絡した際に、応募者が明るい声で応対してくれたか、してくれなかったかで、志望度を見極めることもできます。また、前日のタイミングで「実は、辞退させていただきたいのですが」といわれることもあります。これによって、当日のドタキャンやすっぽかしを未然に防ぐことができるという効果もあるでしょう。

応募者とこまめな連絡を

選考辞退は、書類選考中や面接後などのタイミングで起こります。理由としては、「他社と比較検討してより条件の良い企業を選んだ」というものが多いです。選考辞退は企業にとって痛手となりますが、ある程度の人数は辞退するものとして、あらかじめ対策を立てておくのが良いでしょう。特に、書類選考のスピードを上げたり、応募者からの質問に丁寧に答えたりすることで、優秀な人材を確保できる可能性も高まります。応募者とのスピーディーかつ丁寧なやりとりが、選考辞退を防ぐポイントとなるでしょう。

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