外国人フリーランスが日本で働くには【ビザの取得条件や働く際の注意点を交えてお伝えします】

記事更新日:2023年02月27日 初回公開日:2023年02月27日

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近年働き方が多様化する中で、フリーランスの活躍がみられるようになりました。個人で高いスキルを活かして働くフリーランスとの業務委託を考える企業の方もいるのではないでしょうか。中でも海外事業に携わる企業は、外国人フリーランスのスキルを求め、業務委託契約を視野に入れることになる可能性もあります。しかし、外国人フリーランスと契約を結ぶには、ビザに注意する必要があります。この記事では、外国人フリーランスが取得する就労ビザや、契約の注意点などを詳しく解説するので、参考にしてみてください。

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フリーランスとは

会社などの組織に所属せず個人で仕事を請け負う人

フリーランスとは、会社に所属せず個人でクライアントと契約して仕事を請け負う働き方や働く人を指します。フリーランスはクライアントとの契約に則って成果物を提供し、報酬を受け取ります。契約している案件により報酬金額が異なるため、一定した給料は得られないのが特徴の一つです。ただ、成果物を納品できれば自分の都合のいい場所や時間帯で働けるため、通勤の必要がないメリットがあります。近年は働き方の多様化により、自由度の高いフリーランスの注目度が高まっています。

個人事業主との違い

個人事業主は、税務署に開業届を提出して税務上の区分がされており、法人ではなく個人で事業を営む人のことを指します。簡単に言うと、開業届を提出した上で個人で仕事を請け負う人です。フリーランスと異なる点として、開業届が提出されているか否かになるでしょう。働き方としては、独立して仕事を請け負う点でフリーランスと個人事業主に大きな違いはありません。しかし、それぞれの違いを明確に定義はされておらず、フリーランスと個人事業主は一般的に同じ意味で使われることが多いです。

フリーランスに代表される職種

フリーランスはデザイナーなどのクリエイティブな職種やIT職、士業など多岐に渡ります。自分の持っている資格やスキルを活かして仕事を獲得できる職種は、スキルを売って個人で完結できるため、フリーランスとして働きやすいです。特に税理士や会計士のような士業は特別な資格を持っているため、独立しやすいでしょう。リモートワークが取り入れられるようになった現在、インターネットやPCがあれば、場所や時間を選ばず仕事ができるIT職やライターなどの仕事はフリーランスとして浸透しています。

外国人フリーランスは日本でビザを取得できるのか

取得可能だが社員よりも許可基準が厳しい

収入の不安定さが懸念される外国人フリーランスは、日本で働くためのビザを取得することはできますが、会社員に比べて許可基準が厳しくなります。在留資格を取得するには、フリーランスとしての活動内容や企業と長期契約を結んで安定した収入を得ていることを証明することが必要です。状況や職種によりますが、契約先の企業が代理でビザを申請する場合は、個人で申請する場合に比べて許可される可能性が高くなります。外国人フリーランスを雇う場合は、企業が申請することでビザの取得がスムーズに進みます。

外国人フリーランスの取得可能なビザの種類

「技術・人文知識・国際業務」ビザ

「技術・人文知識・国際業務」ビザは理工学や科学、法学や経済学などの専門分野に従事する業務や、外国文化に関連性の深い業務に従事するフリーランスが申請するビザです。IT職や技術者から翻訳・通訳者、デザイナーなどの個人のスキルを売る様々な職種が該当します。外国文化と関連のある職種としては、私企業の語学教師が該当するでしょう。いずれの職種でも、日本の公私の機関との契約に基づいた中で従事していることが条件となります。在留期間は5年、3年、1年、3ヶ月の中で認定されます。

「経営・管理」ビザ

「経営・管理」ビザは、外国人が日本で会社を設立して事業経営を行う場合や、当該事業の管理に従事する活動する場合に取得するビザです。取得するためには会社を設立して従業員を雇い、事業が始められる状態にした上での申請が必要です。ビザの申請時は、事業が安定して継続できることを証明できる内容が必要となります。会社の設立にあたり様々な法律が絡むため、申請に不備があると許可が下りない可能性があり、リスクの高いビザと言えるでしょう。フリーランスでも人を雇うほどの規模になると、「経営・管理ビザ」に分類されることがあります。

外国人フリーランスがビザを取得する条件

収入が安定している

外国人フリーランスがビザを取得するためには、収入の安定性を証明する必要があります。目安としては、年間報酬が300万円以上を安定して得られることが基準です。複数の企業と契約を結んでいる場合は収入を合算できますし、収入源が複数あることで安定性をアピールできます。外国人フリーランスを雇う際は、他の契約先を確認しておくことが望ましいでしょう。年間報酬が300万円以下であっても絶対に許可が下りないということはなく、説得できるように内容を説明できれば許可が下りる可能性もあります。

安定した取引先がある

外国人フリーランスのビザ取得には、安定した取引先があることが条件となります。契約期間は1年以上の長期契約が望ましいです。契約期間が数ヶ月のものであると収入が不安定になると判断され、ビザの許可が下りづらくなる可能性があります。しかし、数ヶ月の契約期間であっても、継続して契約が更新できる場合は許可が下りることもあります。その場合で外国人フリーランスのビザを申請する際は、契約先との更新の実績や更新に関する条件が明確に示された書類を提示することが求められます。

業務内容に合致する在留資格がある

ビザの取得をするためには、業務内容に合致する在留資格が必要です。外国人フリーランスは多くの場合「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で申請することになります。契約する業務内容は、在留資格にある内容の範囲内で日本国内で行われる活動である必要があります。仮に在留資格の範囲外で活動をする場合は、資格外活動許可の申請が必要です。契約を結ぶ際には在留資格と業務内容が一致しているか、活動範囲を超える場合は他の在留資格で認められるものであるか必ず確認しましょう。

実績やアピールできるものがある

外国人フリーランスがビザを取得するためには、業務実績や保有する資格などアピールできるものが必要になります。例えば、独立する前から副業で残してきた実績も提示できますし、受賞歴があれば大きな強みになるでしょう。実績がない場合は、持っているスキルで今後稼いで行けることをアピールする必要があります。在留資格の内容に該当する活動の実績やスキルを保持している場合は、積極的にアピールできます。実績は口頭ではなく、客観的に証明できるものを用意すると、スムーズに進みます。

国内外の学歴や実務経験がある

外国人フリーランスの就労ビザ取得の許可要件に、国内外の大学を卒業または大学と同等以上の教育を受けたことが含まれます。高卒や中卒で要件を満たしていない場合、業務内容によりますが実務経験が3年または10年あることが証明できれば、許可が下りる可能性があります。過去に在籍していた会社が在籍証明書を発行すれば、申請の際に証明することができます。外国人フリーランスと契約する際は、最終学歴に関しても就労ビザの発行に影響があることを念頭に置いておきましょう。

外国人フリーランスが実際に働く際の注意点

しっかりと確定申告をする

フリーランスは自分の1年間の収入を申告する確定申告が必要ですが、外国人フリーランスの場合も同様に求められます。毎年の売り上げを決められた日付までに税務署に届け出が必要ですが、日本のシステムに慣れない外国人フリーランスは必要な申告が分からない可能性があります。確定申告を怠ると、在留資格を更新する際の審査項目の一つ「納税義務を履行していること」に影響するため、注意が必要です。確定申告はもちろん、住民税や所得税の未納がないよう、日本の納税システムについて十分な知識を持っておく必要があるでしょう。

社会保険に加入する

外国人フリーランスは自分で社会保険に加入し、国民年金と国民健康保険の支払いをする義務があります。外国人であることが理由で免除されることはありません。フリーランスになる前に日本で会社員として勤めていた場合は、会社が手続きを行って給与から天引きされていたため、支払っている意識は薄くなりがちです。独立してフリーランスになったときに改めて手続きが必要なため、知らない間に滞納することがないよう注意が必要です。社会保険の手続きは居住地を管轄する市町村役場で行うことができます。

必ず契約書を交わす

トラブルの回避や入国管理局への証明のためにも、契約書を必ず交わしましょう。目に見える形で契約書を作成すれば、具体的な仕事量や報酬額を示すことができるため、ビザの申請時に説得しやすくなります。また、契約書がないままお互いの認識に行き違いがあると、仕事が進まないどころかトラブルにつながることがあります。契約書を締結することでお互いの認識をすり合わせられますし、トラブルが発生しても対応しやすいです。相手が理解できるよう翻訳してでも、契約書は必ず作成しましょう。

不当な契約でないかしっかり確認する

外国人フリーランスとの契約の際は、外国人だからという理由で不当な契約になっていないかしっかりと確認する必要があります。就労ビザの要件に「日本人と同等以上の条件が支払われること」が含まれていることが多いです。同じ業務内容で、日本人に支払う報酬額より外国人フリーランスに支払う報酬額が低くなることは認められません。双方で納得して就労ビザをスムーズに取得するためには、同業他社の相場と比較して、妥当な報酬額になっているか確認する必要があるでしょう。

入管に届け出をしっかりと提出する

外国人フリーランスは、全ての契約先を入国管理局に届け出ることが必要です。出入国在留管理庁では、契約機関の名称・所在地の変更や契約機関の消滅、契約の終了、新たに契約した場合は14日以内に届け出がが必要であると明記されています。届け出に必要なのは「契約機関に関する届出」で、提出が漏れると在留期間更新申請の要件を満たせなくなります。在留期間更新申請の要件を満たせないと、本来の在留期間より短くされるなどの厳しい処置を取られる可能性があるため注意が必要です。

まとめ

外国人フリーランスのビザ取得は許可基準に注意して行おう

外国人フリーランスが就労ビザを取得するための必要事項や、契約の際の注意点をご紹介しました。就労ビザを取得または更新するためには、一つ一つの手続きを漏らすことなく正確に行う必要があります。許可基準の不備を防ぐためには本人が知識を十分に持っていることが必要ですが、受け入れ側が把握して注意喚起することも大切です。日本のシステムに慣れない外国人フリーランスもいるため、双方がスムーズに業務を進めるためにはビザ取得のポイントを十分に理解し、注意して申請しましょう。

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