高度人材の魅力とは【永住権の取得についても合わせて解説します】

記事更新日:2021年07月14日 初回公開日:2021年07月14日

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優秀な外国籍人材を雇用することで社内の雰囲気をガラリと変えることができるため、企業のグローバル化だけでなく業績の向上にも直結させることができます。その中でも特に高度人材と呼ばれる外国籍人材は、企業にとって非常に大きな戦力となってくれるでしょう。今回の記事では高度人材を雇用するメリットに加えて、外国人労働者の永住権の獲得についてもご説明します。優秀な外国籍人材を長期間雇用したいと考えている企業の担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

高度人材とは

専門知識や技術を持っている外国籍人材

高度人材とは、専門的な知識や技術を持っている外国人労働者のことを表すときに用いられます。日本は世界の中でも技術発展が進んでいる国ではありますが、これからさらに新しい技術を開発していくと考えられます。そのために、高い技術や幅広い知識を持った人材を海外から受け入れるのは非常に有効な手段といえるでしょう。日本の技術をより発展させていくために高度人材という位置付けを決めて、さらに優秀な外国籍人材を雇用しようという動きが見られるようになってきました。

高度人材と技能実習生の違い

従事できる業務の内容

技能実習生というのは日本での業務によって必要な技能を習得し、それを自国に持ち帰ることが目的とされています。従事できる業務の内容は限られており、農業や漁業などに加え機械や繊維関係など工場での作業を伴うものが多いです。それに対して高度人材の場合は従事できる業種が実習生に比べて多いため、さまざまな業界において活躍できることが期待されます。技能実習生の受け入れが不可能な業種の企業としては高度人材によって、外国籍人材を受け入れる機会が増えたと捉えることができます。

従事できる期間

高度人材には一律で5年の在留期間が付与されており、これは法律上最長です。技能実習生の場合は最長でも3年とされているので、それと比較しても長いことがわかります。さらに高度人材の中でも特に評価の高い人材は在留期間をさらに延長させることもできるため、長期間の従事が可能となります。従事期間が長いことによって長期的なプロジェクトへの参加も可能となることから、高度人材は企業にとって貴重な外国籍人材だといえるでしょう。

高度人材の評価方法

様々な項目をポイント化して評価する

高度人材をより詳細に評価するために様々な項目ごとにポイントを設けた、「高度人材ポイント制度」と呼ばれる制度があります。具体的には学歴や職歴、年収など様々な項目に分けられており、それぞれに配点が設定されています。このようなポイント制度を設けることによって外国籍人材を客観的に、さらに細かく評価することが可能になりました。また、外国籍人材側からすれば目指すべき指標がわかりやすく提示されたとも考えられるでしょう。

ポイントに応じて優遇措置が取られる

高度人材ポイント制度において多くのポイントを取得している高度人材には、在留に関する様々な優遇処置が取られることになっています。職種などによってそれぞれの項目におけるポイントは多少異なりますが、優遇処置を受けるには合計ポイントが70を超えることが条件となります。ポイントが高い高度人材は優遇処置を受けられると同時に、企業にとっても即戦力となる優秀な人材であるため受け入れの競争率が必然的に高くなります。

永住権を取得する方法

一般の外国人の場合

日本に在住している一般の外国人が永住権を獲得するためには、原則として10年以上継続して在留しているということが必要になってきます。さらに、そのうちの5年以上は就労資格もしくは居住資格によって在留していることが条件となるので、留学生として在留していた期間は含まれません。そのほかにも細かい条件はいくつかありますが、一般の外国人が日本での永住権を獲得するためにはそれなりの時間が必要ということになります。

高度人材の場合

高度人材が日本での永住権を獲得する場合、一般の外国人に比べて優遇処置が取られる場合があります。高度人材ポイント制度において70ポイントを持っている場合は、高度人材として日本に3年以上継続して住んでいれば永住許可申請が可能となるのです。さらに、80ポイントを持っている場合は必要な在留期間が1年まで短縮されることになります。一般外国人が10年かかるということを考えると、高度人材はかなり早い段階で永住権を取得することが可能です。

永住権を取得するメリット

就労制限がなくなる

永住権を獲得するまでは、在留資格の範囲内でないと仕事をすることができません。例えば教育の在留資格で日本に来ていた教授が、急にお金に困ったからといってコンビニエンスストアでアルバイトをすることは許されていません。こちらは極端な例ですが、自分が希望する仕事を自由にできないといった悩みから解放されることになります。受け入れ側の企業からしても、さまざまな業界で経験のある外国籍人材を雇用することができるのはメリットといえるでしょう。

在留期間の制限がなくなる

在留期間の制限がなくなることから、在留資格に関する煩わしい手続きもする必要がなくなります。在留手続きの度に必要な書類を用意するのは企業にとっても手間ですので、それから解放されるのはメリットといえるでしょう。また、受け入れ企業としては高度人材を雇用できる期間が無期限になることから、今までよりさらに大きな戦力として活躍してもらうことが期待できます。高度人材を長く雇用したい場合には永住権を獲得しているのかどうか、もしくはあとどのくらい条件を満たせば獲得できるのかを確認しておくようにしましょう。

社会的な信用度が高くなる

永住権を獲得することによって日本で長く暮らしてきた証明がされるため、社会的な信用度が高くなるというのもメリットです。具体的には不動産や車を購入する際のローンが組みやすくなり、銀行からの融資も受けやすくなります。外国籍人材を受け入れるのに少し不安のある企業や、これまでに受け入れをしたことがない企業もあるでしょう。そういった企業でも、永住権を獲得していて社会的信用を得ている高度人材なら安心して雇用することができるのではないでしょうか。

高度人材を雇用するメリット

企業のグローバル化を促進できる

高度人材を雇用することによって企業のグローバル化を促進することができます。すでに海外進出をしている企業であれば、海外拠点との間でコミュニケーションを行う際に優れた言語能力を持った高度人材は非常に重要な役割を果たしてくれるでしょう。海外に拠点を持っていない企業においても、外国籍の人材を受け入れることによって社員にグローバルな思考を持ってもらうことができます。海外にも新たな市場を開拓していくために企業のグローバル化が求められている中で、高度人材は重要な役割を担っていくと考えられます。

日本語でのコミュニケーションがとりやすい

高度人材の高い言語能力は海外に向けてだけでなく、社内でのコミュニケーションにも役立ちます。日本語でのコミュニケーションをスムーズに取ることができないと、細かい仕事の指示を出せなくなってしまいます。さらに、日本語が不自由なく話せることで仕事以外の時間にも会話をすることができ、円滑な人間関係を築くことができるでしょう。出身国の文化の違いによる考え方の違いなどはお互いに理解する必要がありますが、日本語でのコミュニケーションが取れる高度人材は貴重な外国籍人材といえます。

専門的な知識を持っている

高度人材は優れた学歴や職歴を持っています。したがって、高度人材がこれまでの経験から得てきた専門的な知識も一般的な外国籍人材に比べてかなり豊富です。また、国内の企業で働いているだけでは学べないような知識やノウハウも、海外企業での経験がある高度人材であれば習得している場合があります。企業の中に今ある情報だけでなく、新しい知識や考え方を外部から取り入れられるという意味でも高度人材を受け入れることは企業を成長させる有効な手段といえるでしょう。

労働意欲が高い

労働意欲が非常に高いという点も、高度人材を雇用するメリットのひとつといえるでしょう。高度人材に限らず、自国から出て仕事をしようと考える外国籍人材は特に労働意欲の高い人材が多いです。労働意欲が高いと、仕事において上司や同僚から様々なことを吸収しようとする姿勢が見受けられるはずです。そういった姿を他の社員たちが目にすることになるので、高度人材である本人だけでなく企業全体のモチベーションの向上にもつながると考えられます。

長期的な雇用ができる

高度人材は技能実習生などの他の外国籍人材に比べて在留期間が長く、永住権の取得に関しても有利であることから長期的な雇用ができます。1年や2年といった短期的な雇用では、ようやく日本での仕事に慣れてきたという頃に帰国しなくてはならないという場合もあります。また、業務内容の引き継ぎにかかる期間なども考慮すると、任せられる仕事も限られたものになるでしょう。長期間雇用できることで、チームワークを高めながら様々な業務を任せられることが高度人材の強みです。

高度人材を雇用するためには

高度人材の受け入れ体制を充実させる

高度人材は外国籍人材の中でもかなり優秀な一部の人材です。したがって、世界中の多くの企業が高度人材を受け入れたいと考えています。つまり高度人材からすればそれらの中から魅力的な企業を選ぶことができるので、企業側は高度人材に選ばれるようにしなくてはなりません。具体的には、高度人材を受け入れるための体制をきちんと整えておく必要があります。入国時や採用時、また入社後のサポートが充実している企業は高度人材にとって安心して働ける企業といえるでしょう。

企業の技術力を向上させる

企業の技術力が高いということももちろん、高度人材が就職を決める際の大きなポイントになります。高度人材の受け入れによって技術力を向上させることも期待できますが、まずは彼らの持っている知識と技術を十分に発揮できる環境を提供するように心がけましょう。さらに高度人材が企業について調べた時に一目で確認することができるように、企業のHPなどでは最近の業績や取り組みについて常に最新の情報を発信するようにしましょう。

まとめ

高度人材を雇用してグローバルな企業を目指しましょう

高度人材を雇用することのメリットに加え、どのような企業が高度人材を受け入れられるのかということについて説明しました。海外から新しい技術や知識を取り入れるといった意味でも、高度人材は貴重な外国籍人材ということがお分かりいただけたのではないでしょうか。同時に高度人材の雇用は、グローバル化を図る企業にとってもかなり重要な役割を果たすことになります。様々な業界において需要の高い高度人材を受け入れることによって、グローバルな企業を目指していきましょう。

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