カルチャーフィットとは【採用に活かす方法や見極める方法などを解説します】

記事更新日:2023年04月11日 初回公開日:2023年04月10日

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近年、企業は採用時のミスマッチを防ぐために様々な取り組みをしています。その取り組みの一つが、カルチャーフィットの導入です。カルチャーフィットは、一般的には組織や企業の文化に合った人材の採用や配置、育成を指すことが多いでしょう。組織や企業はそれぞれ独自の文化や価値観を持っており、その文化に適合した人材を採用したいと考えるでしょう。カルチャーフィットは、採用や配置の際に役立つアプローチです。個人のスキルや経験だけでなく、組織の文化や価値観にも適合するかどうかを考慮します。本記事は企業の人事担当者向けに、カルチャーフィットについて解説していきます。

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カルチャーフィットとは

企業文化への適応性

カルチャーフィットとは、企業文化への適応性のことです。企業文化とは、組織の共有された価値観や行動の基準、風土などを指します。企業は独自の文化を持ち、それが組織の特性や雰囲気を形成しています。企業が新しいメンバーを採用する際には、その企業の文化に適合し、馴染んで働くことができるかどうかを判断することが重要です。カルチャーフィットが重要視される理由は、組織の一体感や協力関係を高め、社員の満足度やパフォーマンスを向上させる効果があるとされています。

カルチャーフィットが注目される背景

中途採用の普及

カルチャーフィットが注目される背景は、中途採用の普及にあります。中途採用者は組織に既存のキャリアや経験を持ち込むため、組織の文化や風土に対する適応性が求められます。そのため、採用段階でのカルチャーフィットの評価が重要とされるようになりました。また、現代の労働市場では、自分自身が満足して働ける組織を選ぶ人材が増えています。企業の文化に適合しないと、社員の満足度やパフォーマンスが低下しやすくなります。その結果、組織にとって不利益な結果をもたらす可能性があるため、組織の文化に合った人材を選択することが求められています。

売り手市場が続いている

売り手市場が続いていることも、カルチャーフィットが注目される背景の一つです。売り手市場とは、求職者が求職先を選ぶ際に選択肢が多く、企業間で競争が激しい状況を指します。労働市場が売り手市場であると、求職者は自分自身に合った組織を選ぶことができるため、企業側も人材を引き付けるために魅力的な組織文化を持つ必要があります。求職者側も、自分自身が満足して働ける組織を選ぶために、企業の文化や風土についてより深く理解し、自身がその組織に適合するかどうかを考えるようになりました。

働き方の多様化

他にも、カルチャーフィットが注目される背景は、働き方の多様化にあります。従来のフルタイムの正社員だけでなく、パートタイムや派遣社員、フリーランスや自営業者など、様々な雇用形態が存在しています。その結果、個人の働き方の選択肢が増えている状況です。また、テクノロジーの進化により、場所や時間に縛られずに働くことが可能になり、リモートワークやフレックスタイムなどの柔軟な働き方も増えています。働き方の多様化に伴い、個々人の価値観やライフスタイルに合った組織を選ぶ傾向になりました。

カルチャーフィットを採用に活かす方法

自社のカルチャーを明確にしておく

カルチャーフィットを採用に活かす方法は、自社のカルチャーを明確にしておくが重要です。まずは、企業のビジョンやミッションを明確に定義し、組織全体で共有します。ビジョンやミッションは、組織の目指す方向性や目的を示し、求職者が組織の理念や価値観に共感しやすくなります。そのうえで、企業の組織文化を定義し、組織全体で共有しましょう。組織文化は、組織の風土・価値観・行動規範などを表し、求職者が組織の文化に合うかどうかを判断しやすくします。

カルチャーに沿ってペルソナを設定する

他にも、カルチャーフィットを採用に活かす方法は、カルチャーに沿ってペルソナを設定することです。企業が採用したい人物像のことをペルソナと言います。ペルソナは、求めるスキルや経験だけでなく、価値観・行動スタイル・パーソナリティなども含まれます。自社のカルチャーやビジョンに合ったペルソナを明確にしましょう。ペルソナを設定することで、求人募集の際に求人者に対して明確なメッセージを送ることが出来ます。また面接や選考においても、価値観や行動スタイルを重視し、自社のカルチャーに合った人物像を探求します。

選考段階で価値観や志向性を確認する

前述のペルソナの設定に基づいて、選考段階で価値観や志向性を確認するようにしましょう。面接時に、求人者に対して自社の価値観やビジョンに関する質問をすることで、その人の価値観や志向性を確認することができます。他にも、自己紹介や過去のエピソードを共有してもらう際に、自社の価値観やカルチャーに関連する部分を尋ねてみましょう。その回答から、志向性や価値観を知ることができます。合わせて、企業のカルチャーに合ったメンバーとしての適性を見極めることができます。

外部にカルチャーを発信する

企業は外部にカルチャーを発信することも重要です。企業のウェブサイトや採用ページには、自社のカルチャーや価値観を明確に示す情報を掲載しましょう。企業のミッションやビジョンなどを掲載することで、候補者に対して自社のカルチャーを伝えることができます。他にも、企業のカルチャーの特徴や社員の声、エピソードを掲載することも推奨しています。また、SNSの企業アカウントを通じて、社内のイベントや社員の活動、社内の取り組みなどを発信し、自社のカルチャーをアピールすることができます。

カルチャーフィットを見極める方法

自社のカルチャーについての考えを聞く

求人者のカルチャーフィットを見極める方法は、自社のカルチャーについての考えを聞くことです。面接の際に、求人者に自社のカルチャーについて尋ねましょう。自分自身の志向性や価値観との合致を自己表現する機会を与えることで、カルチャーフィットを見極めることができます。例えば、「当社のカルチャーについてどのように理解していますか?」、「自分が大切にする価値観に、当社のカルチャーは合致していると思いますか?」など質問をします。その返答から、候補者の自社のカルチャーに対する理解や共感度を探ることができます。

STAR型で掘り下げる

カルチャーフィットを見極める方法は、STAR型で掘り下げることが出来ます。STAR型は、Situation(状況)・Task(課題)・Action(行動)・Result(結果)の頭文字を取っています。求職者が過去に経験した状況を具体的に聞き出し、その際の行動や結果を掘り下げる方法です。Situation(状況)では、候補者に過去に実際に経験した状況について尋ねます。Task(課題)は、候補者の課題や役割について尋ねます。Action(行動)は、候補者がどのような行動をとったのかを尋ねます。Result(結果)は、候補者の行動の結果や成果について尋ねます。

面接の最後に逆質問を求める

面接の最後には、逆質問をしてみましょう。逆質問を求めることは、候補者の興味や関心を知り、コミュニケーションを深める良い機会です。逆質問を通じて、候補者の思考や価値観をさらに理解し、カルチャーフィットを見極めることができます。候補者に対して逆質問を求める際には、オープンマインドで接し、候補者の意見や考えを尊重する態度を持ちましょう。自分の意見を押し付けるのではなく、候補者の意見を尊重し、対話を促進することが大切です。

カルチャーフィットのメリット

従業員が自ら考えて行動する

カルチャーフィットのメリットは、従業員が自ら考えて行動することができるという点にあります。カルチャーフィットをしている従業員は、企業の価値観や文化に共感し、自ら考えて行動する傾向があります。自主性や自律性が高いため、自分で課題と解決策を考え、実行に移すことができるでしょう。また、チームの目的や目標に対して一体感を持つこともできます。それにより、チーム全体での協力性や連携が向上し、組織全体のパフォーマンスが向上することが期待されます。

離職率低下に繋がる

カルチャーフィットは、離職率低下に繋がります。カルチャーフィットをしている従業員は、組織の価値観や文化に共感し、自分自身を組織に適合させるための努力をします。その結果、組織に対する帰属意識や愛着が高まり、離職を考える機会が少ないと考えられます。また、組織の文化や価値観に合致する仕事やプロジェクトに興味を持ちます。自分自身が興味を持つ仕事に従事することで、仕事の充実感や満足度が高まり、離職を減らすことが出来ます。

カルチャーフィットのデメリット

多様性が失われる可能性がある

カルチャーフィットのデメリットは、多様性が失われる可能性があることです。カルチャーフィットを重視するあまり、特定の文化や価値観にのみ合致する人材を採用しようとすると、組織内の多様性が減少する可能性があります。多様な背景や経験を持つ従業員が揃っていることは、組織にとって非常に貴重な資源であり、創造性やイノベーションを促進するために重要です。同様に、異なる視点やアイデアが抑制される可能性がありますので、注意しましょう。

優秀な人材を見逃すことがある

カルチャーフィットのもう一つのデメリットは、優秀な人材を見逃すことがあることです。カルチャーフィットを優先すると、組織の現行の文化や価値観に合致する人材に焦点を当てる傾向があります。しかし、優秀な人材は必ずしも現行の組織文化に合致するわけではありません。そのため、カルチャーフィットを重視するあまり、優秀な人材を見逃してしまう可能性があります。また、求職者が、異なる背景や経験、文化の違いを理由に採用を見送ってしまう可能性があります。

カルチャーフィットの成功事例

株式会社estie

株式会社estieは、2018年創業の企業で、不動産データプラットフォームの開発・提供を行っています。創業時は企業理念を持たなかったこともあり、従業員から不安の声があがっていました。声は「社長の考え方が分からない」といったものです。そこで、ディズニーやマッキンゼーなど複数の企業理念・ミッション・ビジョンを学び、そこから自社の理念を作成しました。理念の発信には、WEBツールを活用するなど、従業員への浸透を行いました。今では、面接時にもカルチャーフィットを活かした採用をしてます。

TonTon,inc

株式会社TonTonは、2013年創業の不動産事業やメディア事業を展開する企業です。TonTonでは企業理念、行動指針への共感を大切にしています。行動指針では、情熱を持ってやりたいことがある、チャレンジを恐れない、失敗を恐れないとしています。そして、カルチャーフィットとして、周りの人への感謝と尊敬を持ち続ける事を重視しています。創業時より採用においては、リファラル採用(従業員紹介)をベースにし、価値観の共有を大切にしている企業です。

株式会社Wiz

株式会社Wizは、パートナー企業のDX化に特化した2017年創業の企業です。一般的な企業では珍しく、HP上に従業員の待遇や福利厚生、各種手当が掲載されています。また、採用において以前は、一般的な企業と同様に大手求人媒体で行っていたところ、企業理念に合わない従業員が増えてことが課題となっていました。そこで、自社の企業理念や文化を外部へ積極的に発信したところ、カルチャーフィットをしている従業員が増えました。

まとめ

カルチャーフィットを上手く活用して自社に合う人材を採用しよう

企業のカルチャーに合った人材を採用するためには、カルチャーフィットを活用することが重要です。カルチャーフィットは、従業員の満足度や離職率の低下に繋がりますが、注意点もあります。優秀な人材を見逃す可能性や、多様性を失う可能性があるため、バランスを保つことが大切です。選考段階で価値観や志向性を確認し、逆質問を通じて自社のカルチャーについて聞くことも効果的です。自社のカルチャーを明確にし、カルチャーフィットを上手く活用して自社に合った人材を採用しましょう。

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