記事更新日:2022年05月12日 | 初回公開日:2022年05月06日
用語集 グローバル用語解説 人事・労務お役立ち情報 採用・求人のトレンドカルチャーフィットとは、企業文化と人材が適していることを指します。カルチャーフィットは英語の「culture」と「fit」が組み合わさった言葉で、ビジネスシーンで用いられることが多いです。企業独自の文化に社員が馴染めている状況が作れていると、入社後の離職率を下げ、社員が大いに活躍してくれることが期待できます。自社のカルチャーが明確であれば、自社に合う人材を面接時に見極めることも可能となってきます。
カルチャーフィットと似ている言葉で、スキルフィットという言葉があります。カルチャーフィットとスキルフィットでは、社員や応募者などの人材と適するのが文化か能力かが異なってきます。採用後に配属予定のポジションにおいて、応募者の才能や能力が発揮できるかを見ていく際に使われる言葉です。スキルフィットとカルチャーフィットは、働きやすい職場作りを行う上で非常に重要となってきます。面接時にはどちらも意識することが大切かもしれません。
カルチャーフィットが注目されている背景には、会社で働く人材が不足していることが挙げられます。早期退職率が高まってきているのが、人材不足の主な原因であると考えられています。早期退職とは、入社してから3年以内に転職またはやめてしまうことを指します。加えて、半年以内で退職してしまう超早期離職も増えており、問題視されています。早期退職の主な理由は、職場とのミスマッチであると言えるでしょう。つまり、カルチャーフィットしていないことによる離職が多いのです。
社員同士のコミュニケーションが不足していることも、カルチャーフィットが注目されている背景です。コロナウイルスの流行によって、多くの企業でリモートワークが取り入れられ、非対面でも仕事をすることができるようになりました。時間を気にせず仕事ができるメリットがある一方で、社員同時のコミュニケーション不足を引き起こしています。企業文化に触れる機会が減ってしまい、会社に馴染むのが以前より難しい状況にあるのです。
カルチャーフィットが注目される背景には、中途採用が一般化されていることも含まれます。今までは、新卒で採用された会社で終身雇用制度が適応されるのが一般的とされてきました。しかしながら、最近では転職に対する抵抗感も少なくなり、定年まで1つの会社に勤め続けることが少なくなってきたのです。企業文化に馴染めないと感じると転職を考えてしまうため、人材の確保が難しい状況にあります。これらを防ぐためにも、カルチャーフィットが注目されているのです。
カルチャーフィットを行うと、早期退職を妨げることができます。カルチャーフィットしているということは、他の社員と似ているような考え方や価値感を持っていることを意味します。社員同士でぶつかることも少なく、円滑にコミュニケーションが進んでいくでしょう。自分の意見を積極的に出せ、働き甲斐を感じることができると、この会社に貢献したいという意欲が増していきます。結果として、転職を考える人が少なくなり、早期退職を防ぐことに繋がるのです。
生産性が向上することも、カルチャーフィットを行う上でのメリットです。企業文化や環境にすぐに適応することができると、会社にとって最善な行動は何であるのか、自分で考えて行動することができるようになります。また企業文化を理解していると、企業が求めている行動ができ、社員自身も自分に自信を持つことができるかもしれません。モチベーションを保ちながら仕事ができると、必然と生産性が向上していくことが期待できるのです。
カルチャーフィットをしないと、社員同士の価値観が合わなくなってしまうかもしれません。価値観が合わないと、相手の考えや行動を理解するのに時間がかかり、無駄なコミュニケーションコストがかかってしまいます。瞬時に意思疎通ができなければ、生産性の低下を引き起こす原因となりうるかもしれません。また価値観が合わないと、自分の意見が相手に伝わらずストレスが溜まってしまいます。多くの社員がストレスを抱えている会社は、明るい雰囲気を出すのが難しいでしょう。
会社への帰属意識が生まれないのも、カルチャーフィットをしないリスクです。会社への帰属意識がなければ、仕事に対するモチベーションが下がってしまいます。「この企業で働きたい」「この企業に貢献したい」という気持ちがないため、人材の定着が促されません。カルチャーフィットをしていないと、会社に対して居心地の悪さを感じることもあるでしょう。今の会社よりも好都合な会社への転職話が舞い込んできたら、躊躇なく転職してしまう可能性が高まります。
カルチャーフィットをするためには、まず自社のカルチャーを明確にしていきましょう。企業理念や大切にしたい考え方を言語化し、「クレド」を作成することが大切です。クレドとは、会社全体で社員が心掛けるべき信条や行動指針のことを指します。それに沿ってどのような行動をしてほしいのかも細かく明確にすると、社員の中で認識のずれが起こることを防ぐことができます。その際に、各企業ごとにオリジナリティがあるのが好ましいです。ありきたりな言葉でまとめてしまうと、社員の心に響かず、あまり浸透しなくなってしまうかもしれません。
自社のカルチャーを明確にしたら、決定したカルチャ―を周知させていきましょう。自社のカルチャーを明確化させただけでは、社内で共通の認識を作ることはできません。先ほど作成したクレドを、社員に配るのが効果的かもしれません。また、社内だけでなく社外にも発信していきましょう。社外にも発信することで、求職者や転職者が企業のカルチャーを理解しやすくなり、採用する前にカルチャーフィットすることができるようになります。入社後のミスマッチを減らすことができ、採用コストを抑えることにも繋がります。
カルチャーを社内外に周知させたら、決定したカルチャーに沿った制度を構築していきましょう。自社のカルチャーを周知させても、身近なところで感じることができなければ、カルチャーを浸透させることは難しいです。カルチャーに沿った制度が構築されることで、社員もカルチャー通りの行動をしやすくなります。制度構築を行うことで、社員はカルチャーを身近に感じることができるのです。求職者にとっても、企業制度でその会社のカルチャーを知ることができるため、カルチャーフィットがしやすくなるでしょう。
決定したカルチャーに沿った制度を構築したら、採用時にカルチャーフィット切りを行いましょう。カルチャーフィット切りとは、企業が持つ文化と合わない人材を採用しないことを指します。スキルフィットをしていても、既存の社員や企業の雰囲気・文化と合わなければ採用後のマッチが難しくなります。企業の文化を知り理解しようとしている姿勢を見せる応募者は、企業とマッチする確率が高くなるでしょう。カルチャーフィットを採用時に心掛けるための1つのポイントです。
カルチャーフィットする人材を見極めるためには、カルチャーフィット診断を行うことが効果的です。カルチャーフィットしているかどうかを、AIを用いて客観的に測ることができます。新卒採用や中途採用において、短期退職をしてしまうリスクがないか確認することも可能です。カルチャーフィット診断は、一種の適性検査です。代表的なものとして、ミツカリの適性検査が挙げられます。ミツカリの適性検査は、会社全体だけでなく部署ごとに合う合わないを判定してくれるので、細かいところまでカルチャーフィットしているか見ることができます。
自社の文化に関する質問をすることも、カルチャーフィットする人材を見極める方法です。自社の文化を調べ、理解しようとしている姿は、周りと協調しようとする努力があることを指します。「自社が持つ企業理念に対して何を感じるか」などといった質問をしていきましょう。自社の理念と異なることを言っていたり、批判的な意見を持つ人材は、企業とマッチしないことが多いです。自社の雰囲気と合っている人や、企業文化を理解しようとしている人を採用すると、カルチャーフィットがしやすくなるでしょう。
カルチャーフィットする人材を見極めるためには、STAR型面接を行うことも大切です。STAR型とは、Situation・Task・Action・Resultの頭文字を取った言葉です。当時の状況で見つけた課題に対してどのような行動を取ったのか、そしてどのような結果が得られたのかを聞いていきます。過去の行動を探ることで、その人の行動特性や価値観を把握することができます。STAR型面接を行うと、カルチャーフィットしているかどうかだけでなく、スキルフィットしているかも同時に見極められます。
1dayインターンを開催することも、カルチャーフィットする人材を見極めることに繋がります。1dayインターンとは、1日かけて行う就業体験のことを指します。実際に職業の場に身を投じてもらうことで、各企業が持つ文化を身をもって実感してもらうことができます。既存の社員たちとの交流を通じて、企業とのマッチ度を見ていきましょう。既存の社員と良い関係が築けることは、カルチャーフィットするうえで非常に大切です。
カルチャーフィットしている状態が作れると、社員が働きやすい職場を作ることができます。早期退職を防げるだけでなく、生産性を向上させることができるのです。一方で、カルチャーフィットしていないと、社員同士の価値観が合わなくなり、会社への帰属意識が生まれません。自社のカルチャーを明確し、それに沿った制度を構築して周知することで、カルチャーフィットした状態を作っていくことができます。カルチャーフィットした状態を作り、働きやすい職場を作っていきましょう。
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