概念化とは【抽象化との違いや概念化能力が高い人の特徴などを解説します】

記事更新日:2023年08月18日 初回公開日:2023年08月03日

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業務を行っていく中で、社会人はコミュニケーション能力や業務遂行力など様々なスキルが求められています。階層が上がって行くにつれ、一般社員で求められていたスキルだけでなくマネジメントスキルや論理的思考・多面的視野などを併せ持った概念化能力もスキルとして求められます。概念化能力はテクニカルスキルやヒューマンスキルと比べて抽象的なスキルの為、どのようなスキルなのか・どう活用していくのがいいのかと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。概念化について解説していきます。マネジメント層の方は、参考にしてみてください。

概念化とは

物事の本質を理論化するプロセス

概念化とは、物事の本質を理論化するプロセスのことを言います。文字通り概念を作るということを指しており、個別の物事が共有する性質や本質を体系的にまとめ上げることです。ビジネスにおいても概念化出来る事で、ビジネス戦略を広げることが出来ます。自社の商品を買ってくれる顧客の分析を行い共通点を見つけることが出来れば、その共通点を持っている人は商品を必要としているという法則を仮定することができ、営業戦略の見直しに繋がります。

概念化と抽象化との違い

抽象化は性質を抜き出す

概念化と似た言葉に抽象化がありますが、概念化は具体的なものをまとめて作り上げるのに対し、抽象化は具体的な物から性質を抜き出します。食パンを例に挙げると、抽象化は白いもの・四角いもの・小麦に水と酵母を混ぜて焼いたものなど性質を抜き出します。これに対して概念化は、小麦に水と酵母を混ぜて焼いたものという性質に着目して、パンという概念に繋げていきます。抽象化は概念化を行う前提にあるものの為、抽象化と概念化は密接な関係にあるといえます。

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概念化能力とは

概念化を行う能力

概念化能力とは、概念化を行う能力のことです。ビジネスシーンでもコンセプチュアルスキルとして注目されている能力の一つでもあります。概念化能力は単体の能力でなく、論理的思考や水平思考・柔軟性や俯瞰力など様々な要素で構成されています。概念化能力は、洞察力や直観力も必要とされていることから先天的な要素を含んでいることが多く、トレーニングなどを積み後天的に伸ばすことも出来るとされていますが長期的な目線でのトレーニングが必要です。

概念化注目の背景

経営学者のロバート・カッツ氏が重要性を示した

概念化が注目されている背景には、経営学者のロバート・カッツ氏が重要性を示した為です。組織運営を成功させるのに必要なものとして、テクニカルスキル(業務遂行力)・ヒューマンスキル(コミュニケーション能力)・コンセプチュアルスキル(概念化能力)の3つが重要だとされています。一般社員に求められるのは業務遂行力ですが社内で昇進して立場が上がって行くほど、業務や組織全体を俯瞰してみる必要がある為、概念化能力が不可欠とされています。会社で出世を目指している人には、概念化能力が必要です。

マネジメント層に必要とされながらも理解しづらい

概念化はマネジメント層に必要とされながらも理解しづらいことから注目されています。経営に必要なスキルとして、テクニカルスキルやヒューマンスキルはよく知られていました。しかし概念化の考え方がマネジメントスキルと結びつけられ、注目されるようになったのはカッツ氏が提唱を行ってからです。テクニカルスキルやヒューマンスキルはイメージしやすいですが、概念化に関してはスキルの伸ばし方やどういった能力なのかが不明瞭だった為、特に注目されました。

概念化能力が高い人の特徴

物事の本質を見抜いて対処できる

概念化能力が高い人は、物事の本質を見抜いて対処することが出来ます。概念化能力は、事象の本質や仕組み・根本を概念化してとらえることが出来る能力であり、概念化の雨量の高い人は小さな問題から大元の問題に辿り着くことが出来ます。問題が起こった時に目の前の問題を解決しようとしてしまいがちですが、場当たり的な対応だと同じ問題が発生してしまう可能性もあります。概念化能力が高い人は、本質を見抜き過去の事象から知見も得ている為、初めてでもしっかり対応が出来ます。

分かりやすく説明することが得意

概念化能力が高い人の特徴として、わかりやすく説明することが得意な人が多い傾向にあります。概念化能力が高い人は物事の本質を見抜くことが出来るだけでなく、物事そのものについてしっかりと理解することが可能です。d更に個別に起きた事象と抽象的な概念の間を行き来する志向にも慣れています。細部と全体を行き来しながら考える事が出来るため、該当の事象を知らない人に対しても全体像や事象の本質についてわかりやすく説明できます。

概念化能力を高める方法

ハンモックモデルを用いて考える

概念化能力を高める方法は、ハンモックモデルを用いて考えましょう。ハンモックモデルとは、人材教育を手掛けている村山氏によって提唱されたものです。ハンモックモデルは、具体的な事象を簡潔に書き出し抽象化します。抽象化した物の中から概念化できるように共通の概念をまとめます。概念化した定義や法則は書き出して終わりではありません。概念化した物を実践し、より価値を高めるために具体化していくことで概念化能力を高める事が出来ます。

目的を考えることを習慣づける

概念化能力は、目的を考えることを習慣づけることで高めることが出来ます。概念化能力開発研究所株式会社の代表である奥山氏によると、概念化を鍛えるためには目的を考える事が大切であると提唱されています。もし英語力をを高めるために塾などに通う場合は、目的によって学ぶ方法や目指す場所が変わってきます。この行動の目的を考えることで問題の本質や適切な解決策を見極めることが出来ます。行動は何のために行っているのか習慣を常に考える意識を持つことによって、概念化能力が高まります。

情報の分析や統合を通して一つの結論を導く

情報の分析や統合を通して一つの結論を導くのも、概念化能力を高める方法です。日頃から様々な情報を見聞きしている中で、情報が持つ意味を考え本質を見極めようとしている人はあまり多くありません。情報を得て納得するだけでは不十分であり、自ら情報を深堀して深く理解することで今後の活動に生かすことが出来ます。情報の本質を見抜き別の情報と照らし合わせることで、新たな学びを得る事へと繋がります。これは概念化のプロセスに当てはまります。

概念化能力を高めるメリット

物事を広く発想できるようになる

概念化能力を高めると、物事を広く発想できるようになります。物事の実体を見ているだけでは柔軟な発想力を身に着ける事が出来ません。物事の実体は形がある以上、限定された狭い範囲に目を向けていることになり周りを見えなくしてしまいます。概念化能力を高めることが出来れば、狭い実体の範囲から離れ視野を広く持つことが出来るようになります。概念を様々な分野へ応用する発想の方法を、アナロジーといいます。アナロジーを身に着ける事が出来れば、ビジネスにおいて発想を応用することが可能です。

新たなアイデアが生まれる

概念化能力を高めるメリットは、新たなアイデアが生まれる事です。紙を例として、実体だけを捉えた場合にサイズを大きくするのか小さくするのか、厚くするか薄くするかといった具体的な改善のみに限ります。概念化力を駆使して髪を概念でとらえることが出来れば、紙が文字や絵を描くもの折るもの、貼るものなど様々な捉え方を行うことが出来ます。概念化することによって、在り方自体に変化を起こすことも可能になります。日本企業は改善は得意だが想像は苦手と言われますが、これは根本的に概念化能力が不足しているといえます。

目に見えない背景まで考えられるようになる

概念化能力を高めることで、目に見えない背景まで考えられるようになります。概念化能力が低い場合には、目に見えているものだけに捉われてしまいがちです。目に見えない背景をしっかりと観察できることが出来れば、本質を解明する事へと繋がります。実態を個別に捉えようとすると、多様性にあふれているため解明することは困難になります。概念化能力を駆使することで、様々な事情を加味した上で本質を見抜く事へと繋がります。概念としてとらえなおすと、共通している事だけを抜き出すことが可能です。

大局観がある人になる

大局観がある人になれるのも、概念化能力を高めるメリットです。大局観とは、物事の全体的な状況や成り行きに対する見通しのことを指します。物事の局面を俯瞰的に捉え、状況や動きの傾向を見出すことが出来ます。それぞれの局面を実体として捉えているだけでは、個別の事象に捉われてしまい本質を見抜いたうえで全体的な評価を行う事は出来ません。概念化能力を鍛えることが出来れば、個別の状況を加味した上で物事の本質を見極め戦略や方針を定める事が出来るようになります。

相手に合わせたコミュニケーションができる

相手に合わせたコミュニケーションが出来る人は、概念化能力が高い傾向にあります。会話としてコミュニケーションを行うには、様々なレベルがあります。紙を例に挙げると、紙のサイズなどの具体的な話や紙の在り方そのものを捉える概念のレベルなど、抽象や具体的といった程度が全く異なります。抽象的や具体的のレベルを限らずに会議などで打ち合わせを行うと、会議がまとまらないことは容易に想像できます。概念化能力を高められれば、状況や相手に合わせた話を行う事ができ適切なコミュニケーションに繋がります。

社員の概念化能力を高めるポイント

一人一人の能力を見える化する

社員の概念化能力を高めるためには、一人一人の能力を見える化しましょう。概念化能力は管理職などマネジメントを行う人たちに特に求められるスキルです。概念化能力を活用して人事戦略を取っている企業も増えています。社員の概念化能力を高めるためには、職級に合った研修などを行いどの程度のスキルを持っているか把握することが大切です。選択式の診断テストを受けてもらうことで、概念化能力を測ることが出来ます。早い時期から社員の概念化能力を把握しておくことで、将来の人材育成に役立てることが出来ます。

一般社員の意見も尊重する

一般社員の意見も尊重することで、社員の概念化能力を高めることに繋がります。概念化能力はマネジメント層の人たちに求められるスキルですが、一般社員にも備わっている場合があります。一般社員が業務を行いながら、改善点や誤っている点などを指摘してくる場合は概念化能力が備わっているといえます。マネジメント層でなくても概念化能力が備わっている部下がいる場合は、柔軟に意見を取り入れるようにしましょう。頭ごなしに否定するのではなく、きちんと意見として受け止めていくことで業務改善だけでなく組織の活性化にも繋がります。

まとめ

概念化能力を高めて豊かな発想をしよう

概念化を高める方法や高めるメリットについて解説しました。概念化能力を身に着けることが出来れば、物事を本質を見抜けるようになり課題解決能力の向上も期待できます。しかし概念化能力は先天的な部分が多く占めている為、短期的に概念化能力を高めることは出来ません。しかし長期的に習慣づけて行う事によって、概念化能力を高めることが出来ます。社員の概念化能力を高めるためには、社員の特性やスキルを把握しておくことが大切です。概念化能力を高めて、豊かな発想をしていきましょう。

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